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番外編 IF 野猿な囚人 20.注意
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アルーテ王国に向かうリーリアに、反対の王宮方面に向かう父親のメナード公爵から注意された言葉があった。
「……いいか、リーリア。
アルーテ王国に行っても、ルクレナ殿の指示にはきちんと従うのだよ。
特に、食べ物につられて、勝手なことをしたり、知らない人について行ったりしては絶対駄目だぞ!」
「……お父様、子供ではないのですから、さすがにそんなことしません!」
「いや、お前はまだ子供みたいなものだ。
お前の周りには、パメラ王女や、ミランダ嬢のような本当に友好的な者は、むしろ少ない。
この国の第2王子の婚約者であるせいで狙われることもあったが、それ以上に、第2王子の婚約者であることが抑止力になって手を出されなかったこともあるんだ。
それを解消したんだから、そのリスクを忘れてはいけないよ。
どんな善良そうな人間でも気をつけるんだぞ!」
「わかりました、気をつけます!」
「……お前は、魔法が使えるからと自分の力を過信してはいけない。
実践経験が豊富な騎士でも油断すればやられることもある。
お前の場合、魔力を封じられたら、ほとんど抵抗できないから、そのことに……」
「もう、お父様、大丈夫ですって!
よくわかっていますから!!」
「そうか。本当にわかったのならいいが、敵はランダード王国だけでなく、アルーテ王国にもいる。
まあ、一番、何が言いたいかというと……」と言って、一呼吸おくメナード公爵。そして……。
「敵に容赦するな!」
このメナード公爵の強い口調の一言に、リーリアは少し驚いた。
リーリアは、自分にはもうそこまで価値はないだろうと思い、また、もう第2王子の婚約者としての束縛もなくなり、自由になったのだとも思い込んでいた。
しかし、メナード公爵の言う通り、束縛がなくなった一方で、それに伴う庇護もなくなり、敵と明らかに認識されるものが出てくるということが予想される。
一応、リーリアはルクレナの部下になるつもりなので、ルクレナの庇護下に入ることも考えらえるが、それはリーリアが思う庇護とは違う種類のものかも知れないと、ルクレナの部下達を見ていて気がついた。
リーリアには、色々と利用価値があり、特にリーリアの事情を密かに知っている者は、リーリアを「アレースの魔女」として崇め奉り、利用しようとする輩がいることをリーリアは小さい頃から聞かされていた。
でも、リーリアは、セリウスと正式に婚約解消されたことで、自由になったという解放感で、その父親の言葉をまだ甘く見ている傾向があった。
アルーテ王国に無事についたリーリアとルクレナの一行は、早速、アルーテ王国の王女パメラに会うために、王都に向かった。
アルーテ王国も平和で、王都は華やかな印象を与えるところであった。
立ち並ぶ店は色とりどりで綺麗で、リーリアは、時間ができたらゆっくり回りたいなと思わせる程、魅力的であり、また、食も豊富なので、リーリアのここ寄れセンサーが鳴りっぱなしになるくらいであった。
でも、ルクレナに次の仕事が入っているせいか、そんな寄り道をあまりさせてもらえず、すぐに王宮へパメラ王女の面会の手続きをするのであった。
パメラ王女には事前に連絡がいっていたおかげで、スムーズにリーリアはパメラ王女に会うことができた。
「ああ、リーリア!
無事で本当に良かった~」とリーリアを抱きしめるパメラ。
「パメラ様、ご無沙汰しております」
「ふふふ、リーリアはいつ見ても可愛いわね。
でも、これは……」と言って、リーリアのもちもちほっぺを優しく撫でるパメラの顔は、やや曇っていた。
「……リーリア、痩せてしまったわね。
そうよね。あんな目にあったのだから、辛かったわよね。
このほっぺが雄弁に語っているわ……」
パメラは最後にリーリアのほっぺをムニッとつまみ、少なくなったボリューム感を悲しそうに確認する。
パメラは、リーリアの一番のチャームポイントであるもちもちのほっぺが、すっきりしてしまっていることを残念に思い、また同時に、それだけでもリーリアがしんどい目にあったことがわかり、助け出せなかった自分の不甲斐なさと申し訳なさを感じていた。
「あの、もう大丈夫ですよ!
結構、これでも体力も気力も戻りましたから。
ああ、そうだ、パメラ様。
私をあの修道院からすぐに助け出そうとしてくださり、ありがとうございます!
ずっとお礼を言いたかったのです」
「……でも、結局、助け出せなかったし、何もできなかったわ。
本当に力になれず、ごめんなさい、リーリア」
「いえ、そんな!
一番に私を助け出そうとしてくださって、とても嬉しかったです。
あと、ランダード王国のどこにも居られなくなっても、ここに来れば大丈夫かもと思えて、それが心の支えでした。
こうしてまた、アルーテ王国に来られて、パメラ様と無事にお会いできて良かったです!」
そう言って、にこっと笑うリーリアに、パメラは、今度は涙目になってぎゅうぎゅうに抱きしめてしまった。
「リーリア、可哀想に、本当にごめんね。
ルシェ様にはきつい罰を与えておくからね!」
「いえ、大丈夫ですよ。
あ、でも、パメラ様にご報告が……」
「まあ、何かしら?」
「……この度、セリウス様と正式に婚約解消しましたので、パメラ様の義妹になれなくなりました。
ずっと実の妹のように良くして頂いたのに、ごめんなさい」
しゅんとするリーリアは、あらためて自覚した。
セリウスの婚約者として築いた人間関係も、婚約解消に伴い、消えていくものである。
ルシェールは喜んだかも知れないが、自分を実の娘のように可愛がってくれたランダード王国の両陛下にとっても、無関係の娘になってしまったのだと寂しく思い、また、友好関係にあったアルーテ王家の方々ともあまりもう親しくはできないと思い当たった。
そんなしゅんとするリーリアにパメラは優しく微笑みかけた。
「やはり、そうなのね。
とても残念だけど、リーリアが決めたことなら……。
セリウス殿下がほぼ全面的に悪いですしね。
では、これからは私の個人的なお友達として仲良くしてくれる?
私、リーリアのことが、義妹にならなくても大好きなの!」
パメラならそう言ってくれると思っていたが、予想通りのパメラの反応に、ほっとして、本当に嬉しく感じるリーリアであった。
「あ、そうだわ!
私の親戚で、リーリアも気に入りそうな独身の方がいるから、紹介しましょうか?
残念ながら、私の兄弟にはもう婚約者がいるから無理だけど、アルーテ王国にも素敵な方はたくさんいるわよ。
このままアルーテ王国の子になっちゃう?」
半ば本気で、楽しそうに未来の話をしてくれるパメラにつられて、リーリアも気持ちが軽くなるのがわかった。
もちろん、リーリアは、たとえアルーテ王国でも、もう高位貴族へお嫁にいけるような立場ではなく、ランダード王国や父親、ルクレナ等の意向を無視して、自由に恋愛できないこともよくわかっている。
でも、セリウス様とのことをいつまでも傷ついたままでは、このパメラのような優しい人達に心配させてしまうし、それはリーリアの望む未来でもないことも自覚できて、わざわざパメラに会いに来て、本当に良かったと思えた。
それから、パメラに王宮にしばらく滞在するように言われ、リーリアはパメラ念願の餌付けとして、たくさんのご馳走をもてなされ、もちもちのほっぺを取り戻す勢いであった。
一方、ルクレナは、アルーテ王国でやるべき王妃経由の別件の仕事が入っていた。
そのため、王宮に滞在するリーリアは、ルクレナと一時的に離れないといけなくなり、ルクレナからも厳しく注意されるリーリア。
「いいか、野猿、王宮で大人しくしていてくれ。
街に行きたい気持ちもわかるが、まだ安全じゃない。
一応、お前は私預かりだから、問題を起こすなよ」
「私もお仕事に連れてっていただけませんか?
多少のことならお役にたてるのでは?」
「いや、まだ駄目だ。
王宮で大人しく餌付けされていてくれ」
「……街には行きたいのですが、ちょっとだけでも駄目ですか?」
「駄目だ!お前みたいなのは、すぐに誘拐されるぞ?」
「またまたルクレナ様まで~。
さすがに私も小さい子供ではないですよ?」
「まだ小猿だろう?」
「だから、猿じゃないですし、子供でもないですよ~」
「まあ、冗談抜きにして、お前を捕らえようとする輩がいることを忘れるな。
お前の魔力、魔法技術、どれも利用価値は高い。
しかし、それが封じられれば、お前はただの小娘だ。
例え友好的に見える知り合いでも、悪意を持っていると疑えよ。
とりあえず、この王宮でいい子にしていたら、迎えにきてやるからな。
絶対、いい子にしていろよ!」
そう言ってルクレナは、リーリアを王宮に置いていった。
リーリアは、正式なアルーテ王国の客人として優遇され、リーリアが滞在中の専属侍女をつけてもらい、時間があればパメラと食事やお茶を楽しみ、空いた時間は王宮の図書館で本を借りて読んだり、中庭を散歩したりしていた。
中庭の散歩の際、端っこに長身の立派な木があり、ふと、リーリアは野猿心をくすぐられ、お付きの侍女が目を離した隙に、するするとその木に登り、周囲の景色をかなり高い位置から見下ろしてみた。
その木からは、遠目でアルーテ王国の王都がよく見えたせいか、リーリアはやはり街に遊びに行きたいなと思い、でもルクレナに禁止されているので我慢すべきかとも考え、大人しく木から降りた。
アルーテ王国の王宮の生活では、優雅な時間を過ごすことになったが、リーリアはアウスフォーデュ修道院で毎日、働いていたせいか、そわそわそしてしまい、じっとしていられない感じがして、ますます街に行きたいという気持ちが膨らんでいった。
パメラにも街に行きたいと相談したが、事前にルクレナからパメラへ「野猿を街に放たないように」とお願いされていたらしいので、承諾してもらえなかった。
そこで、リーリアは内緒で街探訪の計画を立てるのであった。
「……いいか、リーリア。
アルーテ王国に行っても、ルクレナ殿の指示にはきちんと従うのだよ。
特に、食べ物につられて、勝手なことをしたり、知らない人について行ったりしては絶対駄目だぞ!」
「……お父様、子供ではないのですから、さすがにそんなことしません!」
「いや、お前はまだ子供みたいなものだ。
お前の周りには、パメラ王女や、ミランダ嬢のような本当に友好的な者は、むしろ少ない。
この国の第2王子の婚約者であるせいで狙われることもあったが、それ以上に、第2王子の婚約者であることが抑止力になって手を出されなかったこともあるんだ。
それを解消したんだから、そのリスクを忘れてはいけないよ。
どんな善良そうな人間でも気をつけるんだぞ!」
「わかりました、気をつけます!」
「……お前は、魔法が使えるからと自分の力を過信してはいけない。
実践経験が豊富な騎士でも油断すればやられることもある。
お前の場合、魔力を封じられたら、ほとんど抵抗できないから、そのことに……」
「もう、お父様、大丈夫ですって!
よくわかっていますから!!」
「そうか。本当にわかったのならいいが、敵はランダード王国だけでなく、アルーテ王国にもいる。
まあ、一番、何が言いたいかというと……」と言って、一呼吸おくメナード公爵。そして……。
「敵に容赦するな!」
このメナード公爵の強い口調の一言に、リーリアは少し驚いた。
リーリアは、自分にはもうそこまで価値はないだろうと思い、また、もう第2王子の婚約者としての束縛もなくなり、自由になったのだとも思い込んでいた。
しかし、メナード公爵の言う通り、束縛がなくなった一方で、それに伴う庇護もなくなり、敵と明らかに認識されるものが出てくるということが予想される。
一応、リーリアはルクレナの部下になるつもりなので、ルクレナの庇護下に入ることも考えらえるが、それはリーリアが思う庇護とは違う種類のものかも知れないと、ルクレナの部下達を見ていて気がついた。
リーリアには、色々と利用価値があり、特にリーリアの事情を密かに知っている者は、リーリアを「アレースの魔女」として崇め奉り、利用しようとする輩がいることをリーリアは小さい頃から聞かされていた。
でも、リーリアは、セリウスと正式に婚約解消されたことで、自由になったという解放感で、その父親の言葉をまだ甘く見ている傾向があった。
アルーテ王国に無事についたリーリアとルクレナの一行は、早速、アルーテ王国の王女パメラに会うために、王都に向かった。
アルーテ王国も平和で、王都は華やかな印象を与えるところであった。
立ち並ぶ店は色とりどりで綺麗で、リーリアは、時間ができたらゆっくり回りたいなと思わせる程、魅力的であり、また、食も豊富なので、リーリアのここ寄れセンサーが鳴りっぱなしになるくらいであった。
でも、ルクレナに次の仕事が入っているせいか、そんな寄り道をあまりさせてもらえず、すぐに王宮へパメラ王女の面会の手続きをするのであった。
パメラ王女には事前に連絡がいっていたおかげで、スムーズにリーリアはパメラ王女に会うことができた。
「ああ、リーリア!
無事で本当に良かった~」とリーリアを抱きしめるパメラ。
「パメラ様、ご無沙汰しております」
「ふふふ、リーリアはいつ見ても可愛いわね。
でも、これは……」と言って、リーリアのもちもちほっぺを優しく撫でるパメラの顔は、やや曇っていた。
「……リーリア、痩せてしまったわね。
そうよね。あんな目にあったのだから、辛かったわよね。
このほっぺが雄弁に語っているわ……」
パメラは最後にリーリアのほっぺをムニッとつまみ、少なくなったボリューム感を悲しそうに確認する。
パメラは、リーリアの一番のチャームポイントであるもちもちのほっぺが、すっきりしてしまっていることを残念に思い、また同時に、それだけでもリーリアがしんどい目にあったことがわかり、助け出せなかった自分の不甲斐なさと申し訳なさを感じていた。
「あの、もう大丈夫ですよ!
結構、これでも体力も気力も戻りましたから。
ああ、そうだ、パメラ様。
私をあの修道院からすぐに助け出そうとしてくださり、ありがとうございます!
ずっとお礼を言いたかったのです」
「……でも、結局、助け出せなかったし、何もできなかったわ。
本当に力になれず、ごめんなさい、リーリア」
「いえ、そんな!
一番に私を助け出そうとしてくださって、とても嬉しかったです。
あと、ランダード王国のどこにも居られなくなっても、ここに来れば大丈夫かもと思えて、それが心の支えでした。
こうしてまた、アルーテ王国に来られて、パメラ様と無事にお会いできて良かったです!」
そう言って、にこっと笑うリーリアに、パメラは、今度は涙目になってぎゅうぎゅうに抱きしめてしまった。
「リーリア、可哀想に、本当にごめんね。
ルシェ様にはきつい罰を与えておくからね!」
「いえ、大丈夫ですよ。
あ、でも、パメラ様にご報告が……」
「まあ、何かしら?」
「……この度、セリウス様と正式に婚約解消しましたので、パメラ様の義妹になれなくなりました。
ずっと実の妹のように良くして頂いたのに、ごめんなさい」
しゅんとするリーリアは、あらためて自覚した。
セリウスの婚約者として築いた人間関係も、婚約解消に伴い、消えていくものである。
ルシェールは喜んだかも知れないが、自分を実の娘のように可愛がってくれたランダード王国の両陛下にとっても、無関係の娘になってしまったのだと寂しく思い、また、友好関係にあったアルーテ王家の方々ともあまりもう親しくはできないと思い当たった。
そんなしゅんとするリーリアにパメラは優しく微笑みかけた。
「やはり、そうなのね。
とても残念だけど、リーリアが決めたことなら……。
セリウス殿下がほぼ全面的に悪いですしね。
では、これからは私の個人的なお友達として仲良くしてくれる?
私、リーリアのことが、義妹にならなくても大好きなの!」
パメラならそう言ってくれると思っていたが、予想通りのパメラの反応に、ほっとして、本当に嬉しく感じるリーリアであった。
「あ、そうだわ!
私の親戚で、リーリアも気に入りそうな独身の方がいるから、紹介しましょうか?
残念ながら、私の兄弟にはもう婚約者がいるから無理だけど、アルーテ王国にも素敵な方はたくさんいるわよ。
このままアルーテ王国の子になっちゃう?」
半ば本気で、楽しそうに未来の話をしてくれるパメラにつられて、リーリアも気持ちが軽くなるのがわかった。
もちろん、リーリアは、たとえアルーテ王国でも、もう高位貴族へお嫁にいけるような立場ではなく、ランダード王国や父親、ルクレナ等の意向を無視して、自由に恋愛できないこともよくわかっている。
でも、セリウス様とのことをいつまでも傷ついたままでは、このパメラのような優しい人達に心配させてしまうし、それはリーリアの望む未来でもないことも自覚できて、わざわざパメラに会いに来て、本当に良かったと思えた。
それから、パメラに王宮にしばらく滞在するように言われ、リーリアはパメラ念願の餌付けとして、たくさんのご馳走をもてなされ、もちもちのほっぺを取り戻す勢いであった。
一方、ルクレナは、アルーテ王国でやるべき王妃経由の別件の仕事が入っていた。
そのため、王宮に滞在するリーリアは、ルクレナと一時的に離れないといけなくなり、ルクレナからも厳しく注意されるリーリア。
「いいか、野猿、王宮で大人しくしていてくれ。
街に行きたい気持ちもわかるが、まだ安全じゃない。
一応、お前は私預かりだから、問題を起こすなよ」
「私もお仕事に連れてっていただけませんか?
多少のことならお役にたてるのでは?」
「いや、まだ駄目だ。
王宮で大人しく餌付けされていてくれ」
「……街には行きたいのですが、ちょっとだけでも駄目ですか?」
「駄目だ!お前みたいなのは、すぐに誘拐されるぞ?」
「またまたルクレナ様まで~。
さすがに私も小さい子供ではないですよ?」
「まだ小猿だろう?」
「だから、猿じゃないですし、子供でもないですよ~」
「まあ、冗談抜きにして、お前を捕らえようとする輩がいることを忘れるな。
お前の魔力、魔法技術、どれも利用価値は高い。
しかし、それが封じられれば、お前はただの小娘だ。
例え友好的に見える知り合いでも、悪意を持っていると疑えよ。
とりあえず、この王宮でいい子にしていたら、迎えにきてやるからな。
絶対、いい子にしていろよ!」
そう言ってルクレナは、リーリアを王宮に置いていった。
リーリアは、正式なアルーテ王国の客人として優遇され、リーリアが滞在中の専属侍女をつけてもらい、時間があればパメラと食事やお茶を楽しみ、空いた時間は王宮の図書館で本を借りて読んだり、中庭を散歩したりしていた。
中庭の散歩の際、端っこに長身の立派な木があり、ふと、リーリアは野猿心をくすぐられ、お付きの侍女が目を離した隙に、するするとその木に登り、周囲の景色をかなり高い位置から見下ろしてみた。
その木からは、遠目でアルーテ王国の王都がよく見えたせいか、リーリアはやはり街に遊びに行きたいなと思い、でもルクレナに禁止されているので我慢すべきかとも考え、大人しく木から降りた。
アルーテ王国の王宮の生活では、優雅な時間を過ごすことになったが、リーリアはアウスフォーデュ修道院で毎日、働いていたせいか、そわそわそしてしまい、じっとしていられない感じがして、ますます街に行きたいという気持ちが膨らんでいった。
パメラにも街に行きたいと相談したが、事前にルクレナからパメラへ「野猿を街に放たないように」とお願いされていたらしいので、承諾してもらえなかった。
そこで、リーリアは内緒で街探訪の計画を立てるのであった。
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