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番外編 IF 野猿な囚人 25-1.(セリウスルート)選択
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アルーテ王宮に向かうリーリアと二人っきりの馬車の中で、セリウスはリーリアから正式に離別宣言された時のことを思い出していた。
あの時も、セリウスはひどく胸の痛みを感じていた。
そして、ここまで自分の最大の弱点がリーリアであったかと驚いた。
(リーリアのことを本当に愛している。
でも、これは普通の伴侶に対する気持ちとは違う……)
さすがのセリウスも気がついた。
セリウスのリーリアへの気持ちは、いき過ぎた愛情のもとに成り立っている。
子供の頃は、憧れのペットである野猿と可愛い女の子を同時に手に入れたような満足感と愛しさだったのに……。
今では、自分でも自制が難しいほどの気持ちをリーリアへ抱いていると自覚する。
(リーリアが、もう僕のものにならない?
それなら、いっそ、そんな世界を滅ぼしたい気分だ。
そして、もしリーリアが自分以外の人間を伴侶に選ぶのならば、そいつをどうしてくれよう?
たとえ、それが女でも、容赦できなさそうだ……)
そんな物騒なことを考えるくらいに、セリウスは、リーリアに依存している。
それでも、このままセリウスの気持ちのままにすすめば、色々な破滅しかない。
セリウスは、自分の判断を少しでも正しい方に持っていけることを、今さらながら望んだ。
リーリアに対して冷静に、距離感を保てるように、セリウスは自分で自己暗示をかけてみた。
(まさか、あのアリーシアの術が、自制や精神を保つためにも、有効とは……)
今回、リーリアに対して冷静な態度でいられるのは、アリーシアの洗脳術を使った自己制限をしていたおかげであった。
そうでなかったら、セリクルド王国の一味がリーリアのことを手に入れたら、どうするかで盛り上がっていた話を聞いただけで、通常運転のセリウスなら、間違いなく瞬殺していた。
骨の髄まで焼き尽くして……。
いや、通常のセリウスであったら、リーリアを一刻も早く取り戻すために、焦ってルクレナの代わりにアグワリーの組織の方を担当していたかも知れない。
リーリアを害そうとしたアグワリーの一味を殲滅するためにも……。
もしアグワリーの組織に行っていたら、たとえリーリアがいなくても、リーリアに危害を加えたことは確かのため、平和なアルーテ王国ではこの100年は滅多になかった”赤い雨の日”(犯罪者の大量処刑)になっていただろう。
けれども、アリーシアの術を使って、リーリアへの想いを閉じ込めるのに成功したセリウス。
今回はそれが幸いして、物騒な方をルクレナが行き、割と穏便に事が済みそうな競売会の方をセリウスが受け持つことになった。
そして、こちらが当たりだった。
セリウスは、もともと任務として、敵組織にリーリアがいなくても、一味を全て強制捕縛する予定であったが、もしリーリアがいて、ひどい扱いをされていたならば、たとえ自己制限されたセリウスでも、赤い雨を降らせる可能性はあった。
ところが、さすがは予想外の存在、リーリア。
競売会では、プレゼントの箱からでてきたリーリアは、自身がプレゼントのように大きいリボンをつけて、傷一つない、しかも良いものでも食べていたのか、つやつやの顔色をした無事な姿であった。
それを見た瞬間、セリウスの敵に対する物騒な思いは霧散した。
(あれ?あのプレゼント風リーリアは、世界が僕に渡してくれたもの?
何て、そんなこと、ありえないか……。
とりあえず、リーリアが無事そうでよかった。
でも、魔力封じで無力にされてはいないのか?
実はさっきから、この屋敷中にリーリアの魔力を感じるから、こちらも攻撃に対して事前に対処しておかないと。
奴らの指示でやらされているのか、それともリーリアの意思か?
もしリーリアが、奴らに操られていたり、無力化されていたら、このままルクレナに会わせずに、問答無用でランダード王国に連れて帰る方がいいのか、それとも……)
このままリーリアと、どこかに二人で逃亡するのもいいかな?とセリウスが半ば本気で考えている時。
ランダード王国から一緒に来ていた隣の仲間が、「セリウス殿下、彼女は間違いなくリーリア嬢ですよね?プランBでいきますか?」と小声で作戦確認をしてきたので、やっと理性を取り戻したセリウス。
そして、リーリアがほとんどの敵を捕縛しておいてくれたため、セリウスは仲間が傷つくことなく、残りの処理は簡単に済ませることができた。
(リーリアは、凄いな。
ランダード王家としても、リーリアを他国に渡してくないと考えるのも当然だ。
それを僕が……)
セリウスは、そんな後悔と、これからのことを一生懸命、考えていた。
そうしているうちに、二人を乗せた馬車は無事にアルーテ王宮に着いた。
リーリアを無事に保護できたという知らせを、いち早く受けたパメラ王女が、王宮の玄関口といえるところで待ち構えていた。
「リ、リーリア!」
「パメラ様!」
リーリアの姿を見つけたパメラは、誰よりも早くリーリアの元に駆け寄った。
「リーリア、あなた、確か怪我したと聞いたわ……。酷いことされなかった?どこも辛くない?」
「だ、大丈夫ですよ、パメラ様。
足の怪我は治りました。
あとは、拘束だけで、ご飯も三食きちんと食べさせてもらっていましたし、酷いことはされてません」
パメラは、ペタペタとリーリアの体を検分して、リーリアの返事にほっと安心したように息をつく。
そして次の瞬間、リーリアのほっぺを両手で強く挟んだ。
バチン!
プギュウ~
「ピャ、パャメリャしゃま?」
「まったく!リーリア!!
あなた、やってはいけない事をやったのよ?わかっている!?」
「ふぐぅ、ぎょめんなしゃい……」
「謝って済むことではないわ!
王侯貴族なら子供の頃からきちんと教育されていることなのに、あなたがやったことは子供以下よ!」
うぅ!パメラ様の言葉が刺さる。
おっしゃる通りです。
しかも、父から教育されていた、ルクレナ様の指示に従う、敵に容赦しない等、守っておりませんでした。
パメラ王女は滅多に怒らない性格なのに、今回は本当に怒っていた。
ふと、リーリアがパメラの顔を見ると、ずっと寝ていないのか、目の下の隈が酷いことになっていた。
バーナルのおかげで、一層、ぷくぷくになった薔薇色のほっぺを持つリーリアに比べて対照的に、パメラの頬はこけ、顔色も紙のように真っ白であった。
「パメラ様……。
本当に、ごめんなさい!!」
「リーリアが無事でよかった……。
それに、今回、犠牲者も出さず、本当に……」
涙ぐむパメラも、リーリアが悪いばかりでなく、アルーテ王国としての治安の悪さ、しかも、貴族が主催した人身売買事件に、王族として責任を感じていた。
アルーテ王国としては、ランダード王国から助力を得て、ルクレナという工作員達の力も借りてまで行った大掛かりな殲滅作戦真っ最中に、不幸にも起きたリーリアの誘拐事件のため、後手に回っていた。
しかし、結果としてはリーリアのおかげで、こちらの犠牲者も出さずに犯人一味を生け捕りにできた。
様々な葛藤と共に、緊張の糸が切れたせいか、最後にリーリアの無事を確かめるようにギュッと抱きしめた後、パメラ王女は気を失ってしまった。
「パ、パメラ様?大丈夫ですか!?」
気を失って倒れそうになったパメラを、横にいたセリウスが、素早く抱きとめ、横抱きにした。
「王女は僕が部屋に連れていく。
リーリアは、この後、僕とルクレナと一緒に話し合いをするから、ルクレナが戻るまでは、食事をとって休んでいて」
「は、はい。わかりました……」
セリウスは、未来の義姉になるパメラのため、大事に抱えて、慎重に運ぼうとする。
そのセリウスの姿をじぃっと見つめるリーリア。
「リーリア様?お部屋にご案内いたしますよ?」
「ええ……」
アルーテ王宮の侍女に声をかけられても、ずっと動かずに、見えなくなるまでセリウス達を眺めていたリーリアは、セリウスと婚約時代から感じていた違和感が何か、自分の中で腑に落ちた。
(……セリウス様に相応しいのは、パメラ王女のような本物のお姫様だわ。
アリーシアですら、私よりはお姫様に近いけど、相応しくない……。
セリウス様と私は、美女と野獣の逆バージョンだから、違和感をこんなに感じていたのね。
うーん、セリウス様と私って性別が逆だったらよかったのか~。
そうすれば、ゲームで言うところの二人でハッピーエンドが迎えられたのかな?
現実の私は、ゲームでは描かれなかった、バッドエンドのその先にいるんだ……)
自分の中で、さらに何かをクリアしたように感じたリーリアであった。
王宮内のリーリアに与えらた部屋で、リーリアは軽食をとり、湯あみをして、休ませてもらうことができた。
ただ、食事をしていて、(やっぱり、バーナルの食事が食べたいな。ルクレナ様に頼んでバーナルを部下にしてもらえるかな?)と考えていた。
その日、ルクレナはアルーテ王宮に戻って来れなかった。
リーリアは、これからのことを考えながらも、魔力を沢山使ったせいか、ぐっすり寝てしまった。
翌日になって、ルクレナがアグワリーの組織を全員捕縛して、無事に戻って来た。
そして、ルクレナが少し休んだ後、セリウス、ルクレナ、リーリアの3人はもちろん、ランダード王国の使者や、アルーテ王国関連の者達も含めて、リーリアのこれからのことを話し合った。
まずは、セリウスやルクレナに、ランダード王家の意思を確認する。
それは……。
「え?私に選択権があるのですか?」
「……ああ。両陛下やメナード公爵は、相変わらずリーリアに甘くてな。
また、リーリアの意思を尊重するとのお達しだ。
ルクレナと僕で、リーリアはどちらを管理者としたいかを選ぶんだよ。
もっとも、ルクレナには、もうリーリアは手に余るようだがな……」
「そ、それなら、私は……」
返事をしようとしたリーリアを、遮るようにセリウスがストップをかける。
「ああ!その前に、リーリア、君に言っておくことがある。
僕は先日、『キャロルの店』のオーナーになった。
王室御用達である店とあの味を守ろうと僕も思ってね。
元オーナーのキャロルさんは80歳という高齢のため、引退を考えていたが、味を引き継ぐ弟子はたくさんいるのだが、あの店自体を経営する人材がなかなかいなくてな。
このままでは店を閉めることになりそうだったんだよ。
実は『キャロルの店』は、父上も幼い頃から贔屓にしている店で、国営にしようかという話もあったが、キャロルさんが是非、僕に譲りたいとおっしゃってね」
「ふ、ふえ~!『キャロルの店』がセリウス様のものなのですか!?」
「まあね。ああ、僕がオーナーになった記念にリーリアが子供の頃、大好きだった『口どけフルーツゼリー』を復刻させたよ。
ランダード王国からお土産に持ってきたきたから、後でティータイムの時に出してもらおうね」
「ほわ~!!あ、あの口どけフルーツゼリーが、また食べられるのですか!?
バーナルを雇ったら密かにそれを作ってもらおうと思っていましたが、それが、もう今日にも食べられる~!?」
「うん、そうだよ!そのために大量の保存の魔法を使って、遠路はるばる持って来たんだよ。
楽しみにしていてね!」
「こら、腐れ王子!餌付けで野猿を釣ろうとするな!!
これは真面目な話なんだぞ!?
それに知っているぞ……。
その『キャロルの店』のオーナーを色仕掛けで懐柔して手に入れたのだろう?」
「いや~。僕は打てる手段はどんな手も打つ主義だが、さすがに80歳の高齢なご婦人に、色仕掛けなんてしていないし、まず、できないよ!
ただ、キャロルさんは僕が子供の頃から僕のファンだったからね?
店に3歳の僕の姿をお菓子の像で作る位にね」
そう、キャロルのお店の真ん中には、ガラスケースに入った3歳位のセリウスと思われる飴細工で作られた王子像が飾ってある。
それは3歳の頃に、セリウスが初めてキャロルのお店を訪れた際、オーナーのキャロルがセリウスという美しさと可愛さを兼ねそなえた存在自体に感激してしまい、その記念に作られたものであった。
それこそ、店名ですらセリウスの名に変えようとしたり、幼いセリウスが「野猿のお菓子が欲しい!」と言ったら、中にカスタードクリームやナッツを挟んだ可愛い野猿(リーリアではない)の顔が描かれた野猿のホールケーキや野猿の形の焼き菓子を作ったりする位の入れ込みようであった。
「しかも、リーリア。僕のところに来たら、君が雇いたいと言っていたそのバーナルとかいう料理人も雇ってあげるよ?」
(ただし、その男が間違ってもリーリアに手を出さないように脅迫と調教が済んだらね?
ああ、ちゃんと従属するように、リーリアでも解けない契約の魔法を使った方がいいかな?)
バーナルに対して黒いことを考えながら、セリウスはリーリアに自分を選んでもらおうと必死であった。
それに、ルクレナが待ったをかける。
「待て!バーナルが何者かもよく知りもしないで、何を言っている!?」
「……じゃあ、何者だ?暗殺者か?」
「確かに暗殺者だが、料理人としては致命的な、『毒殺料理人バーナル』と呼ばれている。
もちろん、毒物に詳しいだけでなく、暗殺者として腕もかなり良い、危険な奴だ」
「毒殺か……。まあ、リーリアなら毒が効かないか、そもそも毒が入っていると気づくから大丈夫かな?
僕も毒耐性が立場上、強いしね」
「あとな、そいつ極度のイケメン好きだから、野猿は無事だろうが、王子は絶対、襲われるぞ!」
「ははは!僕を襲える人間なんているの?
リーリアの夜這いなら大歓迎だけど、そいつが襲ってきたら、瞬殺するだけだ」
「ちっ、能力が無駄に高い奴は……。
おい、野猿。今、こいつのところに行ったら、監禁されてセクハラされまくりだぞ?止めておけ」
「なっ!そんなことしない!!
リーリア、今、僕を選べば、監禁もセクハラもしないよ!
仕事もリーリアのために情報関係のものを用意しているんだ。
おまけに、仕事中でも『キャロルの店』のお菓子を食べ放題の環境を作るよ!!」
「そんな、明らかな罠にひっかかるな!ともかく、はっきり決めろ、野猿!!」
「リーリア!お願いだ、今度こそ、僕を選んでくれ!!」
セリウスは心から願い、リーリアに懇願した。
しかし……。
「……セリウス様、ごめんなさい。
選べるのなら、私、ルクレナ様の部下でいたいです」
「よし!よく言った、野猿!!
いいか?指示違反は、次は命がないと思え!
それから、私を選ぶのなら、もう1人、管理者が増えることになるから、近いうちに紹介するな。
今度からもっとお前への管理は厳しくなるが、仕事もきちんと教えてやるぞ!」
「はい!よろしくお願いいたします」
そんなやりとりをルクレナとしているリーリアの横で、自分を選んでもらえなかったセリウスは、がっくりorzとなっていた。
「待って、リーリア!そんな修羅の道に行くなんて、僕の寿命が縮まる!
優しいリーリアには、向かないよ!!」
「セリウス様、私はもっとランダード王国のお役に立てるように頑張ります。
今回の事件で、自分の強みというか、取柄と弱点をよく知ることができました。
もうあの程度の奴らに遅れをとることはございません!
それにもう、敵に油断も容赦も絶対、いたしません!!」
ふんすっとやる気に溢れるリーリアは、セリウス庇護下のぬるい環境から、厳しいながらも、リーリアの能力が発揮されるルクレナの部下として再度、採用されることになった。
「あ、でも、ルクレナ様!
私の能力を120%使えるようにするため、バーナルが必要です。
どうかルクレナ様、バーナルを私の部下にしても良いですか?」
「だ・か・ら~!そんな手練れな暗殺者がそうそう飼いならせるもんか!
駄目に決まっている!」
「……そうですか。でも、本人が希望したら、話だけでも聞いてもらえますか?」
「本人が交渉にきたらな……」
「じゃあ、早速、連絡しておきます!」
「……野猿は奴とそんな伝手があるのか?」
「はい!」
複雑な表情を浮かべるルクレナに、にこにこ笑顔のリーリア。
それを横で指を加えて見ていたセリウスは決心した。
(よし!そのバーナルとやらを捕まえて、先にこちらにスカウトしよう。
そうしたら、キャロルの店だけでは弱かったが、そのバーナルがこちらに就けば、リーリアがこちらを選ぶ可能性がまた増えるはずだ。
何、またルクレナがリーリアを管理しきれなかったら、リーリアに対処できるのは僕しかいないからね。
そうすれば、チャンスはまだある!!)
バーナルのことをよく知らずに、なかなかあきらめが悪いセリウスであった。
あの時も、セリウスはひどく胸の痛みを感じていた。
そして、ここまで自分の最大の弱点がリーリアであったかと驚いた。
(リーリアのことを本当に愛している。
でも、これは普通の伴侶に対する気持ちとは違う……)
さすがのセリウスも気がついた。
セリウスのリーリアへの気持ちは、いき過ぎた愛情のもとに成り立っている。
子供の頃は、憧れのペットである野猿と可愛い女の子を同時に手に入れたような満足感と愛しさだったのに……。
今では、自分でも自制が難しいほどの気持ちをリーリアへ抱いていると自覚する。
(リーリアが、もう僕のものにならない?
それなら、いっそ、そんな世界を滅ぼしたい気分だ。
そして、もしリーリアが自分以外の人間を伴侶に選ぶのならば、そいつをどうしてくれよう?
たとえ、それが女でも、容赦できなさそうだ……)
そんな物騒なことを考えるくらいに、セリウスは、リーリアに依存している。
それでも、このままセリウスの気持ちのままにすすめば、色々な破滅しかない。
セリウスは、自分の判断を少しでも正しい方に持っていけることを、今さらながら望んだ。
リーリアに対して冷静に、距離感を保てるように、セリウスは自分で自己暗示をかけてみた。
(まさか、あのアリーシアの術が、自制や精神を保つためにも、有効とは……)
今回、リーリアに対して冷静な態度でいられるのは、アリーシアの洗脳術を使った自己制限をしていたおかげであった。
そうでなかったら、セリクルド王国の一味がリーリアのことを手に入れたら、どうするかで盛り上がっていた話を聞いただけで、通常運転のセリウスなら、間違いなく瞬殺していた。
骨の髄まで焼き尽くして……。
いや、通常のセリウスであったら、リーリアを一刻も早く取り戻すために、焦ってルクレナの代わりにアグワリーの組織の方を担当していたかも知れない。
リーリアを害そうとしたアグワリーの一味を殲滅するためにも……。
もしアグワリーの組織に行っていたら、たとえリーリアがいなくても、リーリアに危害を加えたことは確かのため、平和なアルーテ王国ではこの100年は滅多になかった”赤い雨の日”(犯罪者の大量処刑)になっていただろう。
けれども、アリーシアの術を使って、リーリアへの想いを閉じ込めるのに成功したセリウス。
今回はそれが幸いして、物騒な方をルクレナが行き、割と穏便に事が済みそうな競売会の方をセリウスが受け持つことになった。
そして、こちらが当たりだった。
セリウスは、もともと任務として、敵組織にリーリアがいなくても、一味を全て強制捕縛する予定であったが、もしリーリアがいて、ひどい扱いをされていたならば、たとえ自己制限されたセリウスでも、赤い雨を降らせる可能性はあった。
ところが、さすがは予想外の存在、リーリア。
競売会では、プレゼントの箱からでてきたリーリアは、自身がプレゼントのように大きいリボンをつけて、傷一つない、しかも良いものでも食べていたのか、つやつやの顔色をした無事な姿であった。
それを見た瞬間、セリウスの敵に対する物騒な思いは霧散した。
(あれ?あのプレゼント風リーリアは、世界が僕に渡してくれたもの?
何て、そんなこと、ありえないか……。
とりあえず、リーリアが無事そうでよかった。
でも、魔力封じで無力にされてはいないのか?
実はさっきから、この屋敷中にリーリアの魔力を感じるから、こちらも攻撃に対して事前に対処しておかないと。
奴らの指示でやらされているのか、それともリーリアの意思か?
もしリーリアが、奴らに操られていたり、無力化されていたら、このままルクレナに会わせずに、問答無用でランダード王国に連れて帰る方がいいのか、それとも……)
このままリーリアと、どこかに二人で逃亡するのもいいかな?とセリウスが半ば本気で考えている時。
ランダード王国から一緒に来ていた隣の仲間が、「セリウス殿下、彼女は間違いなくリーリア嬢ですよね?プランBでいきますか?」と小声で作戦確認をしてきたので、やっと理性を取り戻したセリウス。
そして、リーリアがほとんどの敵を捕縛しておいてくれたため、セリウスは仲間が傷つくことなく、残りの処理は簡単に済ませることができた。
(リーリアは、凄いな。
ランダード王家としても、リーリアを他国に渡してくないと考えるのも当然だ。
それを僕が……)
セリウスは、そんな後悔と、これからのことを一生懸命、考えていた。
そうしているうちに、二人を乗せた馬車は無事にアルーテ王宮に着いた。
リーリアを無事に保護できたという知らせを、いち早く受けたパメラ王女が、王宮の玄関口といえるところで待ち構えていた。
「リ、リーリア!」
「パメラ様!」
リーリアの姿を見つけたパメラは、誰よりも早くリーリアの元に駆け寄った。
「リーリア、あなた、確か怪我したと聞いたわ……。酷いことされなかった?どこも辛くない?」
「だ、大丈夫ですよ、パメラ様。
足の怪我は治りました。
あとは、拘束だけで、ご飯も三食きちんと食べさせてもらっていましたし、酷いことはされてません」
パメラは、ペタペタとリーリアの体を検分して、リーリアの返事にほっと安心したように息をつく。
そして次の瞬間、リーリアのほっぺを両手で強く挟んだ。
バチン!
プギュウ~
「ピャ、パャメリャしゃま?」
「まったく!リーリア!!
あなた、やってはいけない事をやったのよ?わかっている!?」
「ふぐぅ、ぎょめんなしゃい……」
「謝って済むことではないわ!
王侯貴族なら子供の頃からきちんと教育されていることなのに、あなたがやったことは子供以下よ!」
うぅ!パメラ様の言葉が刺さる。
おっしゃる通りです。
しかも、父から教育されていた、ルクレナ様の指示に従う、敵に容赦しない等、守っておりませんでした。
パメラ王女は滅多に怒らない性格なのに、今回は本当に怒っていた。
ふと、リーリアがパメラの顔を見ると、ずっと寝ていないのか、目の下の隈が酷いことになっていた。
バーナルのおかげで、一層、ぷくぷくになった薔薇色のほっぺを持つリーリアに比べて対照的に、パメラの頬はこけ、顔色も紙のように真っ白であった。
「パメラ様……。
本当に、ごめんなさい!!」
「リーリアが無事でよかった……。
それに、今回、犠牲者も出さず、本当に……」
涙ぐむパメラも、リーリアが悪いばかりでなく、アルーテ王国としての治安の悪さ、しかも、貴族が主催した人身売買事件に、王族として責任を感じていた。
アルーテ王国としては、ランダード王国から助力を得て、ルクレナという工作員達の力も借りてまで行った大掛かりな殲滅作戦真っ最中に、不幸にも起きたリーリアの誘拐事件のため、後手に回っていた。
しかし、結果としてはリーリアのおかげで、こちらの犠牲者も出さずに犯人一味を生け捕りにできた。
様々な葛藤と共に、緊張の糸が切れたせいか、最後にリーリアの無事を確かめるようにギュッと抱きしめた後、パメラ王女は気を失ってしまった。
「パ、パメラ様?大丈夫ですか!?」
気を失って倒れそうになったパメラを、横にいたセリウスが、素早く抱きとめ、横抱きにした。
「王女は僕が部屋に連れていく。
リーリアは、この後、僕とルクレナと一緒に話し合いをするから、ルクレナが戻るまでは、食事をとって休んでいて」
「は、はい。わかりました……」
セリウスは、未来の義姉になるパメラのため、大事に抱えて、慎重に運ぼうとする。
そのセリウスの姿をじぃっと見つめるリーリア。
「リーリア様?お部屋にご案内いたしますよ?」
「ええ……」
アルーテ王宮の侍女に声をかけられても、ずっと動かずに、見えなくなるまでセリウス達を眺めていたリーリアは、セリウスと婚約時代から感じていた違和感が何か、自分の中で腑に落ちた。
(……セリウス様に相応しいのは、パメラ王女のような本物のお姫様だわ。
アリーシアですら、私よりはお姫様に近いけど、相応しくない……。
セリウス様と私は、美女と野獣の逆バージョンだから、違和感をこんなに感じていたのね。
うーん、セリウス様と私って性別が逆だったらよかったのか~。
そうすれば、ゲームで言うところの二人でハッピーエンドが迎えられたのかな?
現実の私は、ゲームでは描かれなかった、バッドエンドのその先にいるんだ……)
自分の中で、さらに何かをクリアしたように感じたリーリアであった。
王宮内のリーリアに与えらた部屋で、リーリアは軽食をとり、湯あみをして、休ませてもらうことができた。
ただ、食事をしていて、(やっぱり、バーナルの食事が食べたいな。ルクレナ様に頼んでバーナルを部下にしてもらえるかな?)と考えていた。
その日、ルクレナはアルーテ王宮に戻って来れなかった。
リーリアは、これからのことを考えながらも、魔力を沢山使ったせいか、ぐっすり寝てしまった。
翌日になって、ルクレナがアグワリーの組織を全員捕縛して、無事に戻って来た。
そして、ルクレナが少し休んだ後、セリウス、ルクレナ、リーリアの3人はもちろん、ランダード王国の使者や、アルーテ王国関連の者達も含めて、リーリアのこれからのことを話し合った。
まずは、セリウスやルクレナに、ランダード王家の意思を確認する。
それは……。
「え?私に選択権があるのですか?」
「……ああ。両陛下やメナード公爵は、相変わらずリーリアに甘くてな。
また、リーリアの意思を尊重するとのお達しだ。
ルクレナと僕で、リーリアはどちらを管理者としたいかを選ぶんだよ。
もっとも、ルクレナには、もうリーリアは手に余るようだがな……」
「そ、それなら、私は……」
返事をしようとしたリーリアを、遮るようにセリウスがストップをかける。
「ああ!その前に、リーリア、君に言っておくことがある。
僕は先日、『キャロルの店』のオーナーになった。
王室御用達である店とあの味を守ろうと僕も思ってね。
元オーナーのキャロルさんは80歳という高齢のため、引退を考えていたが、味を引き継ぐ弟子はたくさんいるのだが、あの店自体を経営する人材がなかなかいなくてな。
このままでは店を閉めることになりそうだったんだよ。
実は『キャロルの店』は、父上も幼い頃から贔屓にしている店で、国営にしようかという話もあったが、キャロルさんが是非、僕に譲りたいとおっしゃってね」
「ふ、ふえ~!『キャロルの店』がセリウス様のものなのですか!?」
「まあね。ああ、僕がオーナーになった記念にリーリアが子供の頃、大好きだった『口どけフルーツゼリー』を復刻させたよ。
ランダード王国からお土産に持ってきたきたから、後でティータイムの時に出してもらおうね」
「ほわ~!!あ、あの口どけフルーツゼリーが、また食べられるのですか!?
バーナルを雇ったら密かにそれを作ってもらおうと思っていましたが、それが、もう今日にも食べられる~!?」
「うん、そうだよ!そのために大量の保存の魔法を使って、遠路はるばる持って来たんだよ。
楽しみにしていてね!」
「こら、腐れ王子!餌付けで野猿を釣ろうとするな!!
これは真面目な話なんだぞ!?
それに知っているぞ……。
その『キャロルの店』のオーナーを色仕掛けで懐柔して手に入れたのだろう?」
「いや~。僕は打てる手段はどんな手も打つ主義だが、さすがに80歳の高齢なご婦人に、色仕掛けなんてしていないし、まず、できないよ!
ただ、キャロルさんは僕が子供の頃から僕のファンだったからね?
店に3歳の僕の姿をお菓子の像で作る位にね」
そう、キャロルのお店の真ん中には、ガラスケースに入った3歳位のセリウスと思われる飴細工で作られた王子像が飾ってある。
それは3歳の頃に、セリウスが初めてキャロルのお店を訪れた際、オーナーのキャロルがセリウスという美しさと可愛さを兼ねそなえた存在自体に感激してしまい、その記念に作られたものであった。
それこそ、店名ですらセリウスの名に変えようとしたり、幼いセリウスが「野猿のお菓子が欲しい!」と言ったら、中にカスタードクリームやナッツを挟んだ可愛い野猿(リーリアではない)の顔が描かれた野猿のホールケーキや野猿の形の焼き菓子を作ったりする位の入れ込みようであった。
「しかも、リーリア。僕のところに来たら、君が雇いたいと言っていたそのバーナルとかいう料理人も雇ってあげるよ?」
(ただし、その男が間違ってもリーリアに手を出さないように脅迫と調教が済んだらね?
ああ、ちゃんと従属するように、リーリアでも解けない契約の魔法を使った方がいいかな?)
バーナルに対して黒いことを考えながら、セリウスはリーリアに自分を選んでもらおうと必死であった。
それに、ルクレナが待ったをかける。
「待て!バーナルが何者かもよく知りもしないで、何を言っている!?」
「……じゃあ、何者だ?暗殺者か?」
「確かに暗殺者だが、料理人としては致命的な、『毒殺料理人バーナル』と呼ばれている。
もちろん、毒物に詳しいだけでなく、暗殺者として腕もかなり良い、危険な奴だ」
「毒殺か……。まあ、リーリアなら毒が効かないか、そもそも毒が入っていると気づくから大丈夫かな?
僕も毒耐性が立場上、強いしね」
「あとな、そいつ極度のイケメン好きだから、野猿は無事だろうが、王子は絶対、襲われるぞ!」
「ははは!僕を襲える人間なんているの?
リーリアの夜這いなら大歓迎だけど、そいつが襲ってきたら、瞬殺するだけだ」
「ちっ、能力が無駄に高い奴は……。
おい、野猿。今、こいつのところに行ったら、監禁されてセクハラされまくりだぞ?止めておけ」
「なっ!そんなことしない!!
リーリア、今、僕を選べば、監禁もセクハラもしないよ!
仕事もリーリアのために情報関係のものを用意しているんだ。
おまけに、仕事中でも『キャロルの店』のお菓子を食べ放題の環境を作るよ!!」
「そんな、明らかな罠にひっかかるな!ともかく、はっきり決めろ、野猿!!」
「リーリア!お願いだ、今度こそ、僕を選んでくれ!!」
セリウスは心から願い、リーリアに懇願した。
しかし……。
「……セリウス様、ごめんなさい。
選べるのなら、私、ルクレナ様の部下でいたいです」
「よし!よく言った、野猿!!
いいか?指示違反は、次は命がないと思え!
それから、私を選ぶのなら、もう1人、管理者が増えることになるから、近いうちに紹介するな。
今度からもっとお前への管理は厳しくなるが、仕事もきちんと教えてやるぞ!」
「はい!よろしくお願いいたします」
そんなやりとりをルクレナとしているリーリアの横で、自分を選んでもらえなかったセリウスは、がっくりorzとなっていた。
「待って、リーリア!そんな修羅の道に行くなんて、僕の寿命が縮まる!
優しいリーリアには、向かないよ!!」
「セリウス様、私はもっとランダード王国のお役に立てるように頑張ります。
今回の事件で、自分の強みというか、取柄と弱点をよく知ることができました。
もうあの程度の奴らに遅れをとることはございません!
それにもう、敵に油断も容赦も絶対、いたしません!!」
ふんすっとやる気に溢れるリーリアは、セリウス庇護下のぬるい環境から、厳しいながらも、リーリアの能力が発揮されるルクレナの部下として再度、採用されることになった。
「あ、でも、ルクレナ様!
私の能力を120%使えるようにするため、バーナルが必要です。
どうかルクレナ様、バーナルを私の部下にしても良いですか?」
「だ・か・ら~!そんな手練れな暗殺者がそうそう飼いならせるもんか!
駄目に決まっている!」
「……そうですか。でも、本人が希望したら、話だけでも聞いてもらえますか?」
「本人が交渉にきたらな……」
「じゃあ、早速、連絡しておきます!」
「……野猿は奴とそんな伝手があるのか?」
「はい!」
複雑な表情を浮かべるルクレナに、にこにこ笑顔のリーリア。
それを横で指を加えて見ていたセリウスは決心した。
(よし!そのバーナルとやらを捕まえて、先にこちらにスカウトしよう。
そうしたら、キャロルの店だけでは弱かったが、そのバーナルがこちらに就けば、リーリアがこちらを選ぶ可能性がまた増えるはずだ。
何、またルクレナがリーリアを管理しきれなかったら、リーリアに対処できるのは僕しかいないからね。
そうすれば、チャンスはまだある!!)
バーナルのことをよく知らずに、なかなかあきらめが悪いセリウスであった。
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