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16変身
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マッチングの朝、弥生は板垣の連れてきた女性達に揉みくちゃにされていた。
ゆっくりとアロマが溶かされた湯に漬かり、全身マッサージ、顔には色々塗られた、髪をセットされ、弥生はされるがままになっていただけで、出来上がっていた。
弥生は板垣に導かれるまま、鏡の前に行くとそこには見たことがない人が立っていた。
「本来なら伴侶が準備するんだが、まだ伴侶でもないし、彼に会うためのおしゃれだから、私が手を出した事は見逃してもらおう。」
「これ、俺ですか?」
「そうだよ弥生。」
上質なスーツに髪も綺麗にセットされ、軽くメイクまで施された弥生は、オメガ特有の柔らかい美貌も相まって美しさに磨きがかかっていた。
マッチングの時はMが用意してくれた上質の服を身につけただけで普段とは違うと思っていたが、これはあまりにも段違いだった。
”プロの手が入るだけでここまでとは”と、すごすぎる出来栄えに唖然としている横で板垣はご満悦だった。
「ふふふ、デート楽しみだね、弥生。」
「はい。」
ちょっと恥ずかしくて少しうつむく様に返事を返すとスッと手が差し出された。
「エスコートさせてもらっても?」
板垣の手を取る
「はい、よろしくお願いします。」
リビングルームに移動すると「弥生さん?」と佐藤の声が聞こえた。
「わ!別人レベルでかわりましたね!」
「佐藤君も凄いね。」
横にいる黒服の無表情の男性がまるで護衛のようなどこかの御曹司がそこにいた。
いつも遊ばせている髪は両側が撫でつけられ、スーツも無地ではなくミディアムグレーの落ち着いた印象を持たせる色合いだがカジュアルな感じを演出するグレンチェックに、ブルーのシャツにブラウンのネクタイを合わせておしゃれに決まっているが、ビジネスでも通用する出来栄えだ。
「聞いて下さいよ!弥生さん!」
「え?どうしたの?」
「この人、俺の部屋にむっちゃ人送り込んで朝から揉みくちゃにしたんですよ!」
「ああ……」
指さされた男性の方はただ何も言わず立っているだけなので状況が掴めないが、あれを佐藤も経験したらしい。
「え~と知り合い?」
「知りませんよ!誰ですかこれ!」
いや、そう言われても俺も知らない。
それにしても”これ”ってむっちゃ失礼。
「弥生、紹介しよう。」
「板垣さん?」
横にいた男性を引き寄せ仲睦まじく寄り添う。
「こちらが私のパートナーの仁という。」
「初めてお目にかかります。板垣仁と申します。」
板垣のパートナーという事は同じ男オメガだ、初めて出会う同類にテンションが上がる。
「こちらこそよろしくお願いします。」
さっきまでの無表情が嘘みたいな優しい笑顔で差し出された手を弥生もしっかりと握った。
「私のパートナーは素敵だろう、弥生」
「はい!」
「まって下さいよ!じゃあ、じゃあ朝っぱらからどどどーって人入れて、俺もてあそんだのは板垣妻なんですか!?」
「なんだ、その妻って。はぁ、感謝してほしいくらいだよ。だって君あの安っぽい吊るしのスーツで行くつもりだったろう。」
「いいんですよ!それで!俺はマッチングの担当者っていうだけなんですから!」
「いつもと違ってむっちゃかっこいいからいいと思うけど駄目なの?」
「弥生さん、今日マッチングですよ、お見合いです、わかってます?」
「ああ、うんわかってるよ?」
だからこその格好だと思うけど。
「主役より俺が目立ってどうするんです!」
「えっと」
「もし、もしもですよ!西園寺が俺に惚れたら!」
「「「………」」」
「俺には愛しいハニーがいるのに!」
佐藤が妄想の世界に旅立った所で、板垣が弥生を誘導する。
「さあ、弥生そろそろ出ようか」
「そうですね、板垣さんよろしくお願いします。」
後ろで叫んでる佐藤を置いて、お見合いの場所に移動した。
カフェはこのホテルでも特定の客にしか解放されない3階のエグゼクティブラウンジにある。
いつの間にか復活して弥生の横に陣取った佐藤と、数歩離れた場所からついてくる板垣夫妻がいてくれるだけでうまくいくように思えてくる。
それでも、カフェが近づくと今までマッチングで緊張なんてしなかったのに、今日はやけにドキドキしていて、近づくにつれて足取りが重くなる。
出入り口まで後1mもない場所までくると、とうとう弥生の足が止まってしまった。
「弥生さん?」
「はっははは、佐藤君、俺どうしたんだろう」
いつもと違う様子に
「大丈夫ですか?」
「こ、こわ…」
いっちゃいけない。と手で塞ぐ。
「いいんですよ、引き返しても。」
優しく落とされる蜜にすがりそうになると、そっと背中に温もりを感じた。
振り向くと両サイドに板垣夫妻がいた。
「いきなさい。弥生。」
答えずにいる弥生の背を押す。
「あそこにいるのは君の運命だ。」
違う、運命に出会うためのマッチングであって、俺の運命と出会うマッチングじゃない。
それを再確認したようで悲しくなる。
「板垣さん、それはち「運命だよ」」
「言っただろう、君は欲しいものを手に入れると。」
確かに昨日そう言っていた。
「それには君が行動しなければいけない。」
「でも……」
「ん?」
「もし、運命が現れたら……」
今で会いたくて仕方ないほど好きなのに、これ以上交流を深めれば……きっと死んでしまう。
「その時は」
「その時は?」
「やけ酒だよ。」
「酒?」
「古今東西、失恋には酒に限る。」
ぽかんとする弥生に「まかせなさい。」と胸を張って「日本中、いや、世界中の酒をそろえよう。」とウィンクした。
「そう、ですね、その時は付き合ってもらえます?」
「勿論だとも。」
「弥生さん、その時は俺も付き合いますよ。」
「佐藤君………、君飲みたいだけだよね。」
無類の酒好きなのを実は知ってる。
マッチングの出張の度地元の銘酒をごっそり買って帰る佐藤だ。
「え~、ひどいな、心配してるだけなのに。」
むくれる佐藤に笑いが込み上げてくる。
緊張も不安も和らいだ。
「いこうか。」
「やめてもいいんですけどね~」
「番犬君、君、馬に蹴られたいらしいね。」
「佐藤君が馬に蹴られちゃったら奥さんと娘さんが悲しむね。」
「そうです、そうですよ!」
佐藤が弥生さーん、といつものようにふざけて抱きつこうとした時だった。
「ひいらぎさん」
名前を呼ばれてそちらに視線を向けると、会いたかった人がいた。
惹きつけられるようにお互いが距離を縮める。
自然と手を取り、見つめ合うと、胸のドキドキは温かなものに変わり、溢れてくる。
「きてくださったんですね。」
「はい、すみません遅れましたか?」
「いいえ、早いくらいです。」
「よかった。あ、何か用事があったんじゃ?」
カフェ内から出てきたという事は、電話でもするのかと思ったが、首を振るのを見ると違うらしい。
「少しでも、あなたに早く会えるかと思って。」
輝くばかりの蒼紫の笑顔に、弥生は別の意味で死にそうになった。
ゆっくりとアロマが溶かされた湯に漬かり、全身マッサージ、顔には色々塗られた、髪をセットされ、弥生はされるがままになっていただけで、出来上がっていた。
弥生は板垣に導かれるまま、鏡の前に行くとそこには見たことがない人が立っていた。
「本来なら伴侶が準備するんだが、まだ伴侶でもないし、彼に会うためのおしゃれだから、私が手を出した事は見逃してもらおう。」
「これ、俺ですか?」
「そうだよ弥生。」
上質なスーツに髪も綺麗にセットされ、軽くメイクまで施された弥生は、オメガ特有の柔らかい美貌も相まって美しさに磨きがかかっていた。
マッチングの時はMが用意してくれた上質の服を身につけただけで普段とは違うと思っていたが、これはあまりにも段違いだった。
”プロの手が入るだけでここまでとは”と、すごすぎる出来栄えに唖然としている横で板垣はご満悦だった。
「ふふふ、デート楽しみだね、弥生。」
「はい。」
ちょっと恥ずかしくて少しうつむく様に返事を返すとスッと手が差し出された。
「エスコートさせてもらっても?」
板垣の手を取る
「はい、よろしくお願いします。」
リビングルームに移動すると「弥生さん?」と佐藤の声が聞こえた。
「わ!別人レベルでかわりましたね!」
「佐藤君も凄いね。」
横にいる黒服の無表情の男性がまるで護衛のようなどこかの御曹司がそこにいた。
いつも遊ばせている髪は両側が撫でつけられ、スーツも無地ではなくミディアムグレーの落ち着いた印象を持たせる色合いだがカジュアルな感じを演出するグレンチェックに、ブルーのシャツにブラウンのネクタイを合わせておしゃれに決まっているが、ビジネスでも通用する出来栄えだ。
「聞いて下さいよ!弥生さん!」
「え?どうしたの?」
「この人、俺の部屋にむっちゃ人送り込んで朝から揉みくちゃにしたんですよ!」
「ああ……」
指さされた男性の方はただ何も言わず立っているだけなので状況が掴めないが、あれを佐藤も経験したらしい。
「え~と知り合い?」
「知りませんよ!誰ですかこれ!」
いや、そう言われても俺も知らない。
それにしても”これ”ってむっちゃ失礼。
「弥生、紹介しよう。」
「板垣さん?」
横にいた男性を引き寄せ仲睦まじく寄り添う。
「こちらが私のパートナーの仁という。」
「初めてお目にかかります。板垣仁と申します。」
板垣のパートナーという事は同じ男オメガだ、初めて出会う同類にテンションが上がる。
「こちらこそよろしくお願いします。」
さっきまでの無表情が嘘みたいな優しい笑顔で差し出された手を弥生もしっかりと握った。
「私のパートナーは素敵だろう、弥生」
「はい!」
「まって下さいよ!じゃあ、じゃあ朝っぱらからどどどーって人入れて、俺もてあそんだのは板垣妻なんですか!?」
「なんだ、その妻って。はぁ、感謝してほしいくらいだよ。だって君あの安っぽい吊るしのスーツで行くつもりだったろう。」
「いいんですよ!それで!俺はマッチングの担当者っていうだけなんですから!」
「いつもと違ってむっちゃかっこいいからいいと思うけど駄目なの?」
「弥生さん、今日マッチングですよ、お見合いです、わかってます?」
「ああ、うんわかってるよ?」
だからこその格好だと思うけど。
「主役より俺が目立ってどうするんです!」
「えっと」
「もし、もしもですよ!西園寺が俺に惚れたら!」
「「「………」」」
「俺には愛しいハニーがいるのに!」
佐藤が妄想の世界に旅立った所で、板垣が弥生を誘導する。
「さあ、弥生そろそろ出ようか」
「そうですね、板垣さんよろしくお願いします。」
後ろで叫んでる佐藤を置いて、お見合いの場所に移動した。
カフェはこのホテルでも特定の客にしか解放されない3階のエグゼクティブラウンジにある。
いつの間にか復活して弥生の横に陣取った佐藤と、数歩離れた場所からついてくる板垣夫妻がいてくれるだけでうまくいくように思えてくる。
それでも、カフェが近づくと今までマッチングで緊張なんてしなかったのに、今日はやけにドキドキしていて、近づくにつれて足取りが重くなる。
出入り口まで後1mもない場所までくると、とうとう弥生の足が止まってしまった。
「弥生さん?」
「はっははは、佐藤君、俺どうしたんだろう」
いつもと違う様子に
「大丈夫ですか?」
「こ、こわ…」
いっちゃいけない。と手で塞ぐ。
「いいんですよ、引き返しても。」
優しく落とされる蜜にすがりそうになると、そっと背中に温もりを感じた。
振り向くと両サイドに板垣夫妻がいた。
「いきなさい。弥生。」
答えずにいる弥生の背を押す。
「あそこにいるのは君の運命だ。」
違う、運命に出会うためのマッチングであって、俺の運命と出会うマッチングじゃない。
それを再確認したようで悲しくなる。
「板垣さん、それはち「運命だよ」」
「言っただろう、君は欲しいものを手に入れると。」
確かに昨日そう言っていた。
「それには君が行動しなければいけない。」
「でも……」
「ん?」
「もし、運命が現れたら……」
今で会いたくて仕方ないほど好きなのに、これ以上交流を深めれば……きっと死んでしまう。
「その時は」
「その時は?」
「やけ酒だよ。」
「酒?」
「古今東西、失恋には酒に限る。」
ぽかんとする弥生に「まかせなさい。」と胸を張って「日本中、いや、世界中の酒をそろえよう。」とウィンクした。
「そう、ですね、その時は付き合ってもらえます?」
「勿論だとも。」
「弥生さん、その時は俺も付き合いますよ。」
「佐藤君………、君飲みたいだけだよね。」
無類の酒好きなのを実は知ってる。
マッチングの出張の度地元の銘酒をごっそり買って帰る佐藤だ。
「え~、ひどいな、心配してるだけなのに。」
むくれる佐藤に笑いが込み上げてくる。
緊張も不安も和らいだ。
「いこうか。」
「やめてもいいんですけどね~」
「番犬君、君、馬に蹴られたいらしいね。」
「佐藤君が馬に蹴られちゃったら奥さんと娘さんが悲しむね。」
「そうです、そうですよ!」
佐藤が弥生さーん、といつものようにふざけて抱きつこうとした時だった。
「ひいらぎさん」
名前を呼ばれてそちらに視線を向けると、会いたかった人がいた。
惹きつけられるようにお互いが距離を縮める。
自然と手を取り、見つめ合うと、胸のドキドキは温かなものに変わり、溢れてくる。
「きてくださったんですね。」
「はい、すみません遅れましたか?」
「いいえ、早いくらいです。」
「よかった。あ、何か用事があったんじゃ?」
カフェ内から出てきたという事は、電話でもするのかと思ったが、首を振るのを見ると違うらしい。
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