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31.解決
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返ってきた言葉にどう答えたらいいか考えて、二の足を踏む理由が言葉にしづらい。
小さくまとめた結果
「事態が大きすぎるから、かな。」
となんともわかりづらい答えになってしまった。
ふーんと言いながら椅子にもたれた仕草でこれ以上追求はないかなと思ったのは甘かった。
「そういうのも外したらどうしたいのわけ?」
追求はまだ続くらしい。
嘘をいっても仕方ないので正直にこたえる。
「……蒼紫と付き合いたいし、結婚もしたい。」
「何が駄目だと思わせているのですの?」
「まず、俺が結婚しちゃうと、ほら縁結びの事でアルファの人達に迷惑が」
「かかりませんわよ、出会いがあるかどうかは本人次第ですわ。」
確かに、その通り。
「年齢差もあるしね」
「アルファの結婚では普通でしてよ。20歳差だって珍しくありませんわ。」
「弥生さんと蒼紫って何歳違うわけ?」
「5歳差かな。」
「問題ないだろ。」
………歳の差婚は普通な事が判明。
「俺、もう子供産めないし。」
「なんで?」
「男オメガの初産は25から30前までなんだよ。30以上で初産になると途端に母子共に危険度が上がる。要はどっちかが死ぬ。」
「産まなきゃいいじゃん。」
「蒼紫は西園寺の人間だから許されないと思う。きっと望まれるよね。」
「それは、そうですわね」
結婚後子供をと言われるのは別に上流階級だけじゃない、普通に望まれる事だ。
蒼紫の母はまるで西園寺の家族皆が望んでくれているように言ってくれたが、現実はそんなに甘くない。
弥生の詳細が判明すれば考えも変わる事は想像出来る。
それが砂紋にもわかったんだろう。
否定出来ず痛ましそうに弥生を見る。
「いやいや、ちょっと待てよ。」
「どうしたんですの?」
「なんか、勝手に諦める方向にいってないか?」
「名家なんだから子供は必要でしょ。だから、諦めるしかないよね。」
「待て待て、それを西園寺の誰かに言われたのか?」
「言われてはないけど。」
「西園寺は血筋重視じゃない、実力重視の家なんだよ、だから、子供が産めないから反対って事には絶対ならない。」
「そうなの?」
「そうなの。傍系に直系上回る人間がいたらそっちがあとを継ぐ。西園寺とどこで繋がっているか分からない様なうちみたいな家なんて山のようにあるし、アルファが生まれたら皆夢見るんだよ。今の爺さんも傍系出身だからもしかしたら、次の総帥に!って感じで。」
「もしかして、西園寺に傍系が多いのは」
「西園寺は自由恋愛なんだよ。たとえ、どん底人生を歩んでるようなヤツでも結婚相手に選ばれる事がある。」
「じゃあ」
「諦める必要はねぇよ。」
「では、これで解決ですわね。」
「え?解決なの?」
「解決ですわ、それとも他にありますの?」
「ほら、関係者の人達に迷惑が」
「かかりませんわ。」
「え、でも」
「その方々があなたの人生に責任取ってくれますの?」
多分それはない。
あくまで、マッチングは弥生個人の意思であり、責任という事なのだ。
マッチングにかかる弥生側の費用は抑制剤も含めてMが持ってくれている。
ただ、Mは好意で費用負担をかって出てくれているだけで、その負担は弥生結婚後は伴侶に引き継がれると思う。
それを考えると早く結婚したほうがいい気がする。
ただ、マッチングを企画している国の方が問題で、佐藤の前の担当者は国税を使っている以上責任を果たせと言っていた。
しかし、現地までの交通費や会社を休む事で発生する経済負担は弥生本人にかかってくる、日常に必要な抑制剤も保険適用外で高額。
マッチング自体に弥生の人生を犠牲にする程の国税がかかっているのかと言われると違う気がする。
「勝手にあなたを振り回しているに過ぎませんわ、しれっと結婚してしまえばよろしいのよ。」
言葉の出ない弥生に砂紋は何でもないようにいう。
そんな簡単な事じゃないとか、無茶苦茶だとか色々言いたかったけど。
なんか、どうでも良くなってきた。
何より砂紋の言葉が、なんだかすごく、すごく熱く感じた。
弥生が胸に湧き出した熱の余韻に浸っていると、話は終わったとばかりに紡が先の予定を切り出す。
「よし!これで解決だな。で?何処行く?」
「あなた、せっかちですわよ、この話題を酒の肴にこれから2~3時間ほどおしゃべりするに決まってるではありませんの。」
「え?いやなんだけど。」
麗華さん、おれも嫌です。
絶対、根掘り葉掘りいらないことまで喋らされる予感しかしない。
「え~とそこまで話をする内容がない気がする。」
「何言ってますの、あんなさわり程度の話で満足するとお思い?!」
思ってません。なんて言った日にはそうだろうとおしゃべり大会に突入する。
「もう、十分すぎるくらい話したかも?」
「おい、語尾に疑問符つけるなよ。」
さて、どうしようかと思った時だった。
「失礼いたします。」
「どうしましたの?」
お店の人が入って来たことに砂紋がずいぶん驚いていた。
「大変申し訳ないんですが、お連れ様らしき方が訪ねていらっしゃっていて。」
とても言いづらそうにいう店の人に砂紋も困惑気味だった。
「連れが来る予定はありませんわ。」
「蒼紫がきたとか?」
「それはないと思うけどな。」
「どんな方ですの?」
「それが、砂紋様の祖父と名乗っていらっしゃっていて。」
その言葉に砂紋が固まった。
砂紋は大丈夫だと言っていたが、結局見つかってしまったのだろう。
「下で騒いでますのね。」
店の人の困った様子に麗華は覚悟を決めたようだった。
「どうやらここでお別れのようですわ。」
「……駄目だよ。」
麗華の服の裾を掴む、女性の服を掴むなんて失礼だと思う。
でも、引き留めたい一心だった。
「行ったら、麗華さんの病院だって」
麗華の様子からおそらく、連れ戻されれば強制的に結婚までいく事になる。
経営を家に任せるという事は、もしかして見合い相手の希望ではなく家の方も意向を汲んだものだった可能性も高い。
形成外科医だった麗華は、医療にない美容手法を取り入れたいと医療、美容両方の取り扱いのある自分の開院したと聞いている。
自身で初めて大きくした病院だ。
やりがいだって、愛情だって人一倍だろう。
「そうですわね、仕方のない事ですわ。柊さん本当にここでお別れですわ。」
麗華のいうお別れは2度と会うことはない事をいっている。
会えたとしても何年も後だろう。
弥生には麗華を完全に囲うことは出来ない。資産家の家が弥生の様な一般のしかも、オメガのことなんてどうとでも出来るのだから。かける言葉が…見つからなかった。
静かに降りる沈黙を破ったのは紡だった。
「裏口は?」
「紡君?」
「ございます。」
「なら決まりだな。」
紡は「行くぞ」と麗華の手を引き出口に向かう紡の後をついて行こうとしたら、紡が振り返った。
「ああ、弥生さんは足止めよろしく。」
「え?」
すぐに理解出来なかった言葉がじわじわ染みこんで、思考が動き出した。
胸に沸いた歓喜のまま「まかせて」と頷いく。
「ど、どういうことですの!?」
「麗華さんの事よろしくお願いします。」
丁寧に頭を下げる弥生に”当然。”と店の人に案内されて部屋を出ていった。
紡君に任せておけば後のことは大丈夫だと思う、ただ、見つからずに店から出られればの事だけど。
弥生は2人がこの店を無事出られるように祈った。
小さくまとめた結果
「事態が大きすぎるから、かな。」
となんともわかりづらい答えになってしまった。
ふーんと言いながら椅子にもたれた仕草でこれ以上追求はないかなと思ったのは甘かった。
「そういうのも外したらどうしたいのわけ?」
追求はまだ続くらしい。
嘘をいっても仕方ないので正直にこたえる。
「……蒼紫と付き合いたいし、結婚もしたい。」
「何が駄目だと思わせているのですの?」
「まず、俺が結婚しちゃうと、ほら縁結びの事でアルファの人達に迷惑が」
「かかりませんわよ、出会いがあるかどうかは本人次第ですわ。」
確かに、その通り。
「年齢差もあるしね」
「アルファの結婚では普通でしてよ。20歳差だって珍しくありませんわ。」
「弥生さんと蒼紫って何歳違うわけ?」
「5歳差かな。」
「問題ないだろ。」
………歳の差婚は普通な事が判明。
「俺、もう子供産めないし。」
「なんで?」
「男オメガの初産は25から30前までなんだよ。30以上で初産になると途端に母子共に危険度が上がる。要はどっちかが死ぬ。」
「産まなきゃいいじゃん。」
「蒼紫は西園寺の人間だから許されないと思う。きっと望まれるよね。」
「それは、そうですわね」
結婚後子供をと言われるのは別に上流階級だけじゃない、普通に望まれる事だ。
蒼紫の母はまるで西園寺の家族皆が望んでくれているように言ってくれたが、現実はそんなに甘くない。
弥生の詳細が判明すれば考えも変わる事は想像出来る。
それが砂紋にもわかったんだろう。
否定出来ず痛ましそうに弥生を見る。
「いやいや、ちょっと待てよ。」
「どうしたんですの?」
「なんか、勝手に諦める方向にいってないか?」
「名家なんだから子供は必要でしょ。だから、諦めるしかないよね。」
「待て待て、それを西園寺の誰かに言われたのか?」
「言われてはないけど。」
「西園寺は血筋重視じゃない、実力重視の家なんだよ、だから、子供が産めないから反対って事には絶対ならない。」
「そうなの?」
「そうなの。傍系に直系上回る人間がいたらそっちがあとを継ぐ。西園寺とどこで繋がっているか分からない様なうちみたいな家なんて山のようにあるし、アルファが生まれたら皆夢見るんだよ。今の爺さんも傍系出身だからもしかしたら、次の総帥に!って感じで。」
「もしかして、西園寺に傍系が多いのは」
「西園寺は自由恋愛なんだよ。たとえ、どん底人生を歩んでるようなヤツでも結婚相手に選ばれる事がある。」
「じゃあ」
「諦める必要はねぇよ。」
「では、これで解決ですわね。」
「え?解決なの?」
「解決ですわ、それとも他にありますの?」
「ほら、関係者の人達に迷惑が」
「かかりませんわ。」
「え、でも」
「その方々があなたの人生に責任取ってくれますの?」
多分それはない。
あくまで、マッチングは弥生個人の意思であり、責任という事なのだ。
マッチングにかかる弥生側の費用は抑制剤も含めてMが持ってくれている。
ただ、Mは好意で費用負担をかって出てくれているだけで、その負担は弥生結婚後は伴侶に引き継がれると思う。
それを考えると早く結婚したほうがいい気がする。
ただ、マッチングを企画している国の方が問題で、佐藤の前の担当者は国税を使っている以上責任を果たせと言っていた。
しかし、現地までの交通費や会社を休む事で発生する経済負担は弥生本人にかかってくる、日常に必要な抑制剤も保険適用外で高額。
マッチング自体に弥生の人生を犠牲にする程の国税がかかっているのかと言われると違う気がする。
「勝手にあなたを振り回しているに過ぎませんわ、しれっと結婚してしまえばよろしいのよ。」
言葉の出ない弥生に砂紋は何でもないようにいう。
そんな簡単な事じゃないとか、無茶苦茶だとか色々言いたかったけど。
なんか、どうでも良くなってきた。
何より砂紋の言葉が、なんだかすごく、すごく熱く感じた。
弥生が胸に湧き出した熱の余韻に浸っていると、話は終わったとばかりに紡が先の予定を切り出す。
「よし!これで解決だな。で?何処行く?」
「あなた、せっかちですわよ、この話題を酒の肴にこれから2~3時間ほどおしゃべりするに決まってるではありませんの。」
「え?いやなんだけど。」
麗華さん、おれも嫌です。
絶対、根掘り葉掘りいらないことまで喋らされる予感しかしない。
「え~とそこまで話をする内容がない気がする。」
「何言ってますの、あんなさわり程度の話で満足するとお思い?!」
思ってません。なんて言った日にはそうだろうとおしゃべり大会に突入する。
「もう、十分すぎるくらい話したかも?」
「おい、語尾に疑問符つけるなよ。」
さて、どうしようかと思った時だった。
「失礼いたします。」
「どうしましたの?」
お店の人が入って来たことに砂紋がずいぶん驚いていた。
「大変申し訳ないんですが、お連れ様らしき方が訪ねていらっしゃっていて。」
とても言いづらそうにいう店の人に砂紋も困惑気味だった。
「連れが来る予定はありませんわ。」
「蒼紫がきたとか?」
「それはないと思うけどな。」
「どんな方ですの?」
「それが、砂紋様の祖父と名乗っていらっしゃっていて。」
その言葉に砂紋が固まった。
砂紋は大丈夫だと言っていたが、結局見つかってしまったのだろう。
「下で騒いでますのね。」
店の人の困った様子に麗華は覚悟を決めたようだった。
「どうやらここでお別れのようですわ。」
「……駄目だよ。」
麗華の服の裾を掴む、女性の服を掴むなんて失礼だと思う。
でも、引き留めたい一心だった。
「行ったら、麗華さんの病院だって」
麗華の様子からおそらく、連れ戻されれば強制的に結婚までいく事になる。
経営を家に任せるという事は、もしかして見合い相手の希望ではなく家の方も意向を汲んだものだった可能性も高い。
形成外科医だった麗華は、医療にない美容手法を取り入れたいと医療、美容両方の取り扱いのある自分の開院したと聞いている。
自身で初めて大きくした病院だ。
やりがいだって、愛情だって人一倍だろう。
「そうですわね、仕方のない事ですわ。柊さん本当にここでお別れですわ。」
麗華のいうお別れは2度と会うことはない事をいっている。
会えたとしても何年も後だろう。
弥生には麗華を完全に囲うことは出来ない。資産家の家が弥生の様な一般のしかも、オメガのことなんてどうとでも出来るのだから。かける言葉が…見つからなかった。
静かに降りる沈黙を破ったのは紡だった。
「裏口は?」
「紡君?」
「ございます。」
「なら決まりだな。」
紡は「行くぞ」と麗華の手を引き出口に向かう紡の後をついて行こうとしたら、紡が振り返った。
「ああ、弥生さんは足止めよろしく。」
「え?」
すぐに理解出来なかった言葉がじわじわ染みこんで、思考が動き出した。
胸に沸いた歓喜のまま「まかせて」と頷いく。
「ど、どういうことですの!?」
「麗華さんの事よろしくお願いします。」
丁寧に頭を下げる弥生に”当然。”と店の人に案内されて部屋を出ていった。
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