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43.襲撃
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透谷と話をしたあとは和やかにお茶を飲みながら、雑談を時間いっぱい楽しみ帰り際には透谷のほうから弥生と蒼紫の結婚式には呼んで欲しいと申し出あり、事実上協力を取りつける事が出来た。
車に戻る直前に電話がかかってきた佐藤は車の外で話をした後、乗り込むとホテルに急ぐように指示を出す。
その表情は暗い。
「佐藤君どうしたの?」
「計画は中止です。」
「なにかあったの?」
「内部にいる捜査員との連絡が取れません。」
あまりいい情報ではなく、眉をひそめる。
「どういう事?」
「潜入捜査では大体身元がバレるリスクを減らす為に一人で潜入しますが、この施設の場合いざという時の為に2人潜り込んでいました。そのどちらとも連絡が途絶え、中の様子が全く分かりません。」
「捜査員の人もまずくない?」
「………捕まっている可能性が高いです、もしくは捕まっていないが連絡が出来ない状態なのか。とにかく、計画を実行に移すにはまずい状況です。」
確かに、それだとここから先の行動は制限が入ってくる。
捜査員の保護も視野に入れつつ動くとなるともう少し情報と人が必要になってくる。
「これからどうするかは決まってるの?」
「とりあえず、ホテルに戻って合流です、その後弥生さんには西園寺の屋敷に一旦避難を考えてます。」
「いいの?」
「何がです?」
「俺が西園寺の屋敷に行っても。」
「前の流されっぱなしの弥生さんならダメでしたけど、今は違うでしょ?」
「そうだね、言いなりにはならないかな。」
昔は自分が我慢すればいいと考えがちだったが、蒼紫と一緒になりたいという目標もできた。
だったら、今まで通りに周りを優先して自分の事はいいといっていたら、いつまでたっても蒼紫と一緒にはなれない。
それにもう弥生が我慢して物事が円滑にすすむ事はなくなってしまった。
鬼頭側の人間は”縁結びオメガ”の囲い込みを謳いながら、実際には関係ないオメガを巻き込み非道な事をやっている。
なら、縁結びオメガの価値のある今のうちに彼らの行いをやめさせるべきだ。
ただ、弥生も正義感からそう思っているわけじゃない。
弥生だけ安全な場所で過ごせる確約はない。
もし、彼らが西園寺の庇護下に入った弥生を手に入れようとした時に攻撃を受けるのは守られている弥生ではなく、周りの人間だろう。
それは、とても卑怯でいて一番効果がある。
弥生が今まで関わったものが捨てられない弥生自身が蒔いた種だ。
今まで、国の為、アルファの為と言われ言いなりになっていたことで、鬼頭側はそういえば弥生を含む周りの人間も従うと思ってる節が窺える。
なら、ここから先、弥生には国の意向に従う意思はないことを示さなければいつまでたっても、この連鎖は終わらない。
「もう十分自分を殺してきたからね。」
ふっと笑って出た言葉を佐藤は黙殺した。
ホテルの地下駐車場に車が入り、弥生の滞在している部屋に直行できるエレベーターのあるホールへ行ける最短の場所に車がつくと、佐藤は、弥生を車から出ない様に無言で押しとどめると、まずは自分が出て周囲を確認する。
「弥生さん。」
「うん。」
佐藤に差し出された手を取り車外に出た直後だった。
「弥生ちゃん。」
聞き慣れた女性の声が聞こえ、振り向くとそこにいたのは、今まで見たことのない程に着飾った藤宮暁の母親だった。
「おばさん?どうしたんですか?」
佐藤は駆け寄ろうとした弥生の手首を掴み後ろにかばうと「藤宮の奥さんじゃないですか。」といつもの明るい声で話しかける。
「弥生ちゃん、おばさんね困ってるの助けてくれない?」
「おばさん?」
まるで、佐藤が存在しないように無視して弥生に話しかけてくる藤宮母の表情は見た目はにこやかだが目が笑っておらず、こちらにこびを売るような猫撫で声はざらざらと感情を舐められているような不気味で気持ち悪い何かを含んでいるようだった。
弥生の背筋を得体の知れない恐怖が駆け抜けた。
「藤宮さん今日はずいぶんと着飾っておきれいですね、何かあるんですか?」
佐藤は、注意をなんとか自分に向けようと話しかけるが効果がなく、藤宮母の視線は弥生から外れない。
体をずらし、弥生を隠すようにして車の方に押し上がるように促す。
弥生もその意図を正しく理解して車に乗り込もうとしたが、中の運転手がいないことに気がついた。
気付けば棒を振りかぶった運転手が佐藤の頭をめがけて振り下ろすところだった。
とっさに、頭をかばいながら佐藤に体当たりをする。
頭への直撃は免れたが弥生の肩に衝撃があった。
「弥生さん!」
「佐藤君大丈夫?」
弥生を抱き起こしながら、周囲を警戒する。
「大丈夫?じゃないですよ何かばったんですか!」
「いやいや、佐藤君やばかったから。」
ばらばらと大勢の足音にさらに緊張が走る。
「運転手が変わってますね。」
「屋敷の中に入っているときに入れ替わったのか、油断したなぁ。」
「弥生さん、立てますか?」
肩は痛むがそれほどでもないし、脳震盪も起こしていない。
「大丈夫。」
立ち上がる時にさっと周りを確認するが、黒服ではなく普通のスーツのサラリーマン風からホテルのボーイまで見た目のバリエーションは凄いが寄せ集めではなくプロが擬態していることがわかる。
「ちなみに、自分の身は守れますか?」
「佐藤君、俺、護身術程度しか出来ないんだけど。」
武道の心得があると言ってもプロ相手には通じない上に、ここにいるのは藤宮母以外はアルファだとわかる。
「この分だと配置されていた警備は全滅でしょうね。」
「Mの護衛も多分だめだと思う。」
今日はマッチングではないから元から付く予定ではなかったが、板垣の警備会社からホテルには何があっても駆け付けられるようにと何人か配置してくれていると聞いている。
ただ、場所が悪かった。
ここは本来部外者が入ってこれる場所ではなく、板垣の派遣してくれている護衛は入ってこられない。
「なんとか、エレベーターに乗り込んでください、弥生さんが部屋に着けば板垣さんが何とかしてくれます。」
「佐藤君は?」
「ここに残ります、なんとか藤宮だけでも確保しないと。」
佐藤の言っていることもわかる、襲ってきた相手の証拠をつかみたいのは弥生だって同じだ。
だが一人で残るよりここは一緒に部屋まで行った方がいいと佐藤に言う前に声がかかる。
「ねぇ、弥生ちゃん。」
「おばさん、どうして。」
「一緒に来てちょうだい。」
「……お断りします。」
藤宮母は首をかしげる。
「あなたが一緒に来てくれないと困るの。」
「困るんですか?俺も困るなぁ」
連れていかれると困る。
「あなた、ずっといい思いしてきたのだから今回位おばさんの言う事聞いてくれるわよね。」
「いい思い?なんのことかわかりませんけど。」
佐藤と背を合わせエレベーターの方に意識を向ける。
当然のことだが、エレベーターも駐車場の出入り口も職員の通用口にも人が張り付いている。
「ずっと暁のかわりに夫にかわいがってもらって、いいお洋服を着て、こんないいホテルに泊まって、素敵なアルファとデートして、すごく楽しそう。」
「おばさん。」
「暁はずっとつらい思いをしてきたの。」
「暁?暁が来てるんですか?」
「弥生ちゃんは知らないでしょ、あの子夫に虐待されていたのよ。」
「虐待?」
「何もかもあなた優先で自分の子供のはずの暁にはつらく当たっていたわ。この間なんて殴ったのよ、ただあなたに会いに行ったってだけで。」
藤宮母のいう虐待はおそらく虐待じゃない。
垣根は難しいが藤宮のお父さんがその辺りを間違える事は今までなかった。
どんなにやんちゃをしても、暁があざだらけで学校に来ることもなく、それどころか中学に上がる頃には悪さのほうが手が付けられないほどになり、度々頭を下げに行く姿を見ていた。
どう考えても暁に虐待をしている様子には見えなかった。
ただ、ここで否定しても都合のいいように解釈する気がする。
そんな弥生の代わりに佐藤が同情するように言葉を掛ける。
「そうですか、それはお辛かったでしょう。」
「そうよ。アルファである暁に従いこそしてもあの子を否定するなんてことあっちゃいけないのよ。」
なのに!」とダンッと床を踏み鳴らし、さっきまでの笑みは消えていた。
「あの子がせっかく入ってやった会社はあの子を捨てて、オメガの女は運命だとか言いながらあの子が会社を首になった途端に連絡が取れなくなったわ。全部全部全部!あなたのせいよ!」
髪を振り乱しこちらを睨みつける藤宮の母はまるで鬼のように唇を釣り上げ「だから、暁の役に立ってちょうだい。」といった。
車に戻る直前に電話がかかってきた佐藤は車の外で話をした後、乗り込むとホテルに急ぐように指示を出す。
その表情は暗い。
「佐藤君どうしたの?」
「計画は中止です。」
「なにかあったの?」
「内部にいる捜査員との連絡が取れません。」
あまりいい情報ではなく、眉をひそめる。
「どういう事?」
「潜入捜査では大体身元がバレるリスクを減らす為に一人で潜入しますが、この施設の場合いざという時の為に2人潜り込んでいました。そのどちらとも連絡が途絶え、中の様子が全く分かりません。」
「捜査員の人もまずくない?」
「………捕まっている可能性が高いです、もしくは捕まっていないが連絡が出来ない状態なのか。とにかく、計画を実行に移すにはまずい状況です。」
確かに、それだとここから先の行動は制限が入ってくる。
捜査員の保護も視野に入れつつ動くとなるともう少し情報と人が必要になってくる。
「これからどうするかは決まってるの?」
「とりあえず、ホテルに戻って合流です、その後弥生さんには西園寺の屋敷に一旦避難を考えてます。」
「いいの?」
「何がです?」
「俺が西園寺の屋敷に行っても。」
「前の流されっぱなしの弥生さんならダメでしたけど、今は違うでしょ?」
「そうだね、言いなりにはならないかな。」
昔は自分が我慢すればいいと考えがちだったが、蒼紫と一緒になりたいという目標もできた。
だったら、今まで通りに周りを優先して自分の事はいいといっていたら、いつまでたっても蒼紫と一緒にはなれない。
それにもう弥生が我慢して物事が円滑にすすむ事はなくなってしまった。
鬼頭側の人間は”縁結びオメガ”の囲い込みを謳いながら、実際には関係ないオメガを巻き込み非道な事をやっている。
なら、縁結びオメガの価値のある今のうちに彼らの行いをやめさせるべきだ。
ただ、弥生も正義感からそう思っているわけじゃない。
弥生だけ安全な場所で過ごせる確約はない。
もし、彼らが西園寺の庇護下に入った弥生を手に入れようとした時に攻撃を受けるのは守られている弥生ではなく、周りの人間だろう。
それは、とても卑怯でいて一番効果がある。
弥生が今まで関わったものが捨てられない弥生自身が蒔いた種だ。
今まで、国の為、アルファの為と言われ言いなりになっていたことで、鬼頭側はそういえば弥生を含む周りの人間も従うと思ってる節が窺える。
なら、ここから先、弥生には国の意向に従う意思はないことを示さなければいつまでたっても、この連鎖は終わらない。
「もう十分自分を殺してきたからね。」
ふっと笑って出た言葉を佐藤は黙殺した。
ホテルの地下駐車場に車が入り、弥生の滞在している部屋に直行できるエレベーターのあるホールへ行ける最短の場所に車がつくと、佐藤は、弥生を車から出ない様に無言で押しとどめると、まずは自分が出て周囲を確認する。
「弥生さん。」
「うん。」
佐藤に差し出された手を取り車外に出た直後だった。
「弥生ちゃん。」
聞き慣れた女性の声が聞こえ、振り向くとそこにいたのは、今まで見たことのない程に着飾った藤宮暁の母親だった。
「おばさん?どうしたんですか?」
佐藤は駆け寄ろうとした弥生の手首を掴み後ろにかばうと「藤宮の奥さんじゃないですか。」といつもの明るい声で話しかける。
「弥生ちゃん、おばさんね困ってるの助けてくれない?」
「おばさん?」
まるで、佐藤が存在しないように無視して弥生に話しかけてくる藤宮母の表情は見た目はにこやかだが目が笑っておらず、こちらにこびを売るような猫撫で声はざらざらと感情を舐められているような不気味で気持ち悪い何かを含んでいるようだった。
弥生の背筋を得体の知れない恐怖が駆け抜けた。
「藤宮さん今日はずいぶんと着飾っておきれいですね、何かあるんですか?」
佐藤は、注意をなんとか自分に向けようと話しかけるが効果がなく、藤宮母の視線は弥生から外れない。
体をずらし、弥生を隠すようにして車の方に押し上がるように促す。
弥生もその意図を正しく理解して車に乗り込もうとしたが、中の運転手がいないことに気がついた。
気付けば棒を振りかぶった運転手が佐藤の頭をめがけて振り下ろすところだった。
とっさに、頭をかばいながら佐藤に体当たりをする。
頭への直撃は免れたが弥生の肩に衝撃があった。
「弥生さん!」
「佐藤君大丈夫?」
弥生を抱き起こしながら、周囲を警戒する。
「大丈夫?じゃないですよ何かばったんですか!」
「いやいや、佐藤君やばかったから。」
ばらばらと大勢の足音にさらに緊張が走る。
「運転手が変わってますね。」
「屋敷の中に入っているときに入れ替わったのか、油断したなぁ。」
「弥生さん、立てますか?」
肩は痛むがそれほどでもないし、脳震盪も起こしていない。
「大丈夫。」
立ち上がる時にさっと周りを確認するが、黒服ではなく普通のスーツのサラリーマン風からホテルのボーイまで見た目のバリエーションは凄いが寄せ集めではなくプロが擬態していることがわかる。
「ちなみに、自分の身は守れますか?」
「佐藤君、俺、護身術程度しか出来ないんだけど。」
武道の心得があると言ってもプロ相手には通じない上に、ここにいるのは藤宮母以外はアルファだとわかる。
「この分だと配置されていた警備は全滅でしょうね。」
「Mの護衛も多分だめだと思う。」
今日はマッチングではないから元から付く予定ではなかったが、板垣の警備会社からホテルには何があっても駆け付けられるようにと何人か配置してくれていると聞いている。
ただ、場所が悪かった。
ここは本来部外者が入ってこれる場所ではなく、板垣の派遣してくれている護衛は入ってこられない。
「なんとか、エレベーターに乗り込んでください、弥生さんが部屋に着けば板垣さんが何とかしてくれます。」
「佐藤君は?」
「ここに残ります、なんとか藤宮だけでも確保しないと。」
佐藤の言っていることもわかる、襲ってきた相手の証拠をつかみたいのは弥生だって同じだ。
だが一人で残るよりここは一緒に部屋まで行った方がいいと佐藤に言う前に声がかかる。
「ねぇ、弥生ちゃん。」
「おばさん、どうして。」
「一緒に来てちょうだい。」
「……お断りします。」
藤宮母は首をかしげる。
「あなたが一緒に来てくれないと困るの。」
「困るんですか?俺も困るなぁ」
連れていかれると困る。
「あなた、ずっといい思いしてきたのだから今回位おばさんの言う事聞いてくれるわよね。」
「いい思い?なんのことかわかりませんけど。」
佐藤と背を合わせエレベーターの方に意識を向ける。
当然のことだが、エレベーターも駐車場の出入り口も職員の通用口にも人が張り付いている。
「ずっと暁のかわりに夫にかわいがってもらって、いいお洋服を着て、こんないいホテルに泊まって、素敵なアルファとデートして、すごく楽しそう。」
「おばさん。」
「暁はずっとつらい思いをしてきたの。」
「暁?暁が来てるんですか?」
「弥生ちゃんは知らないでしょ、あの子夫に虐待されていたのよ。」
「虐待?」
「何もかもあなた優先で自分の子供のはずの暁にはつらく当たっていたわ。この間なんて殴ったのよ、ただあなたに会いに行ったってだけで。」
藤宮母のいう虐待はおそらく虐待じゃない。
垣根は難しいが藤宮のお父さんがその辺りを間違える事は今までなかった。
どんなにやんちゃをしても、暁があざだらけで学校に来ることもなく、それどころか中学に上がる頃には悪さのほうが手が付けられないほどになり、度々頭を下げに行く姿を見ていた。
どう考えても暁に虐待をしている様子には見えなかった。
ただ、ここで否定しても都合のいいように解釈する気がする。
そんな弥生の代わりに佐藤が同情するように言葉を掛ける。
「そうですか、それはお辛かったでしょう。」
「そうよ。アルファである暁に従いこそしてもあの子を否定するなんてことあっちゃいけないのよ。」
なのに!」とダンッと床を踏み鳴らし、さっきまでの笑みは消えていた。
「あの子がせっかく入ってやった会社はあの子を捨てて、オメガの女は運命だとか言いながらあの子が会社を首になった途端に連絡が取れなくなったわ。全部全部全部!あなたのせいよ!」
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