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47.牽制
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治りかけの黄色っぽい打撲痕が痛々しいが、それがあっても人を引きつける程の整った顔立ちの美しい青年が、ホテルの中庭のベンチで日光浴をしていた。
過ごしやすい、陽気な気温は眠るのに飽きたはずの青年のまぶたを重く落としていく。
足を止め、なんとかお知り合いになりたいと近付こうとする者も、後ろに控える強面の男に気後れして諦めて皆立ち去っていく。
そんな中、その男がいても近付いた猛者がいた。
着ていたジャケットを彼に掛けると、起こすことなく横に腰掛け本を広げる。
しばらくすると、青年は本格的に寝入ってしまったのか頭が男の肩にコトンと寄りかかる。
寄りかかられた男の方は嫌がるどころか、愛しそうに青年を見ていた。
「近付かないで下さい。」
そう言われたのは弥生の目が覚めたと連絡を受けた日だった。
この1週間、事後処理に追われ病院に行けたのは夜中だけで、チューブにつながれ目覚めない彼をガラス越しに見舞うことしか出来なかった。
その弥生が目覚めたと報告を受け、早速病院に向かおうとしていたところに、板垣と佐藤が訪ねてきて言われた言葉が「近付くな」だ。
当然言われた言葉に納得がいかないと声に出す前に彼らは弥生の状態が悪いといった。
「こういう時こそ、一緒にいるべきでしょう。」
「弥生さんがあなたを知らなくてもですか?」
「知らない?」
「西園寺、弥生はあの事件の時に5分以上の呼吸停止の後遺症で一か月さかのぼっての記憶がない。」
「しかも、腹部強打で子宮の活動が停止した事による、フェロモン異常を起こしてフェロモンも出なければ、感知も出来ない。運命も分からないんです。」
「だからといって」
「西園寺、気持ちはわかるが。無理に記憶を呼び起こすような事は駄目だとドクターストップがかかったんだ。」
「今だけです。」
今だけ我慢してくれれば必ず出会うきっかけを作ります。
そう言われて納得はしなかったが、引くしかなかった。
それでも会いたくて、そっと見守っていた姿を弥生の側にいるMの護衛に見られていたらしい。
根負けした佐藤から条件付きで接触許可が出た。
弥生は呼吸停止で脳に酸素が行かなくなった事での記憶障害だけでなく、何度も殴られた事で血栓が出来やすく脳梗塞の恐れもある、その為、血圧が上がりやすい状況、興奮状態にしなければ会うのはかまわない。と。
肩に感じる弥生の温もりに、ささやかな幸せを感じていたらスッと温もりが消えた。
本から顔を上げるとびっくりしてこちらを見ている弥生にふっと笑いが溢れる。
「どうされました?」
「すみません、その。」
まずい、これも興奮状態になるのか?
顔が真っ赤になってしどろもどろになっている弥生に。
「大丈夫ですか?」
と声をかける。
「大丈夫です、ほんとにすみません。」
何か落ち着かせる方法はないかと思っていると、ふとホテルの中の店を思い出した。
「ちょっと待っていてもらっていいですか?」
蒼紫は本をベンチに置くと席を立ち一番近くのカフェにテイクアウトを頼む。
戻った時、なぜか弥生はベンチに置かれた本をそのままの状態で凝視していた。
「この本に興味が?」
弥生に先程までの慌てた様子はなく、冷静に蒼紫と言葉を交わす。
「いえ、本どうしようかと。」
「?」
「おいて行かれてしまったので。」
「ああ、すみません。わざとです。」
「わざと。」
「はい、わざとです。」
にっこり微笑み持っていた飲み物を渡す。
「少しのぼせられているようでしたので、飲み物をかってくる間、本を置いて行ったら、ここに居てもらえるかなと思いまして。」
蒼紫から飲み物を受けとった弥生は困ってしまっていた。
知らない人から、口にするものはもらってはいけないときつく言い含められているので、飲むわけにもいかず。
かといって、明らかに親切で買ってきてくれたこの男性の好意を無にするのも心が痛む。
男性はまたベンチに座り本を読み始めた。
弥生が口にしようとしない事に気がついているのに、追究もせずそっとしておいてくれている。
その心使いがとても嬉しい。
「こちらには観光ですか?」
本当なら飲み物を返して部屋に戻るべきだとわかっているのについ自分から話しかけてしまった。
男性は本を閉じると、弥生のほうを向き目を合わせようとしてくれたが、なんだか、ちょっと恥ずかしくて視線を逸らした。
「仕事なんです。」
「仕事、………今大丈夫なんですか?」
仕事に来ているならここにいていいんだろうか?
「はい、終わって帰る前に少し休憩していこうかと。」
「そうなんですか、すみませんせっかくの休憩を邪魔してしまって。」
男性が軽く握った拳を口に当て「じゃま、ではないかな。」真剣な顔で言った後、呟く様に「むしろ約得。」といったのがツボにハマってしまった。
声をたてて笑う弥生に気分を害する事もなく一緒になって笑った。
弥生の眩しいほどの笑顔に惹きつけられたのか、気が付くと近くまで何人かの男が集まってきていた。
蒼紫は弥生の頬に指を滑らせ笑いを止めると顔を近づけた。
弾かれた様に蒼紫から離れると、弥生は脱兎のごとく逃げ出してしまった。
離れていった温もりがさみしくて、触れていた指を口元に持っていき「押さえ込んでおくべきだったか」と誰にも聞こえないような声で呟くと蒼紫の頭にスコーンと気持ちいい突っ込みがはいった。
「痛いな、なんですか、その扇みたいなもの。」
「ああ、これはどっかのお坊ちゃんの暴走を傷つけずに止める為のアイテム、「ハリセン君」です。」
「ハリセン君…」
ネーミングセンスが寂しい佐藤を哀れみたっぷりにみると、フンと鼻を鳴らして蒼紫の横に座った。
「興奮状態にさせるなって言ったでしょう。」
「そこまでの事はしてない。」
ムスッと返すと、「ああ?」と公務員らしくないドスの効いた声がした。
「あんたなぁ、あそこまでの接近とその上キスしといて何言ってんの?」
「君こそ何をいってるんだ。」
蒼紫は真剣に佐藤に言う。
「頬についた髪を払って、拍子で唇と唇がぶつかっただけじゃないか。」
「唇と唇がぶつかるのを世間一般ではキスっていうんですよ、第一、超ショートになってる髪が頬につくはずもないんです!」
弥生は入院中にMの派遣したボランティアの美容師たちによって髪をベリーショート(なぜか、レディース仕様)にカットされている。
「で?なんで歯止めが効かなくなったんです。」
途中までこの男は最善の注意を払って弥生に接していたが、突然の距離を縮めた。
「彼を中庭に出すときには人払いした方がいい、今は閑散としてますが弥生がこのベンチに腰かけてからやたらと若い男がうろうろと、しかも、弥生の笑顔をみてふらふら近付いてきたやつまでいましたよ。」
佐藤が弥生に日光浴をすすめて、こっそり後をつけていたのでそれはわかる。
この男には言えないが、エントランスに降りた時は無茶苦茶注目を浴びたのだ。
本人は、痣のせいだと思っていたが。
オメガの能力が消えても、一度花開いたオメガの美しさは消えないらしく、痣があってもその美貌に興味を惹かれて注目の的になっていた。
「けん制ですか。」
何やってんですか。とあきれる佐藤に「いつです。」と聞く。
「一週間後。」
何がとも聞かずに答えたのは弥生の自宅に帰る時期だった。
「まだ、痣が消えてないでしょう。」
「仕事の関係ですよ、一応交通事故で重篤といってありますが、会社の規約上本来なら2週間を超える連続した欠勤は辞職勧告を受けます。」
「重篤な状態でもか。」
「会社側からしたらそこまでの重篤状態が長期に続くなら仕事を続けていくことは不可能との判断です。それを、残ってた有給全部突っ込んで、さらにバース休暇適用出来る様に説き伏せてなんとか復帰にこぎつけたんです。」
「復帰なんてしなくていい。」
「Mのメンバーと一緒の事言わないでくださいよ。とりあえず、会社の方に潜り込ませている部下に頼んで、今弥生さんはこっちに来る前の仕事内容までを復習中です。仕事に戻った後に文句を言われないようにね。」
どうせ、会社は形だけ体裁を整えて弥生を切り捨てるだろう。
それでも、少しでも納得のいく方法でやめてほしいという、佐藤の勝手な考えだ。
弥生も、うっすら気づいているらしく仕事を教えてくれている佐藤の部下に今後の相談もしていたのを知っている。
こちらにきてすでに一ヶ月半。
弥生の生活環境が大きく変わろうとしていた。
過ごしやすい、陽気な気温は眠るのに飽きたはずの青年のまぶたを重く落としていく。
足を止め、なんとかお知り合いになりたいと近付こうとする者も、後ろに控える強面の男に気後れして諦めて皆立ち去っていく。
そんな中、その男がいても近付いた猛者がいた。
着ていたジャケットを彼に掛けると、起こすことなく横に腰掛け本を広げる。
しばらくすると、青年は本格的に寝入ってしまったのか頭が男の肩にコトンと寄りかかる。
寄りかかられた男の方は嫌がるどころか、愛しそうに青年を見ていた。
「近付かないで下さい。」
そう言われたのは弥生の目が覚めたと連絡を受けた日だった。
この1週間、事後処理に追われ病院に行けたのは夜中だけで、チューブにつながれ目覚めない彼をガラス越しに見舞うことしか出来なかった。
その弥生が目覚めたと報告を受け、早速病院に向かおうとしていたところに、板垣と佐藤が訪ねてきて言われた言葉が「近付くな」だ。
当然言われた言葉に納得がいかないと声に出す前に彼らは弥生の状態が悪いといった。
「こういう時こそ、一緒にいるべきでしょう。」
「弥生さんがあなたを知らなくてもですか?」
「知らない?」
「西園寺、弥生はあの事件の時に5分以上の呼吸停止の後遺症で一か月さかのぼっての記憶がない。」
「しかも、腹部強打で子宮の活動が停止した事による、フェロモン異常を起こしてフェロモンも出なければ、感知も出来ない。運命も分からないんです。」
「だからといって」
「西園寺、気持ちはわかるが。無理に記憶を呼び起こすような事は駄目だとドクターストップがかかったんだ。」
「今だけです。」
今だけ我慢してくれれば必ず出会うきっかけを作ります。
そう言われて納得はしなかったが、引くしかなかった。
それでも会いたくて、そっと見守っていた姿を弥生の側にいるMの護衛に見られていたらしい。
根負けした佐藤から条件付きで接触許可が出た。
弥生は呼吸停止で脳に酸素が行かなくなった事での記憶障害だけでなく、何度も殴られた事で血栓が出来やすく脳梗塞の恐れもある、その為、血圧が上がりやすい状況、興奮状態にしなければ会うのはかまわない。と。
肩に感じる弥生の温もりに、ささやかな幸せを感じていたらスッと温もりが消えた。
本から顔を上げるとびっくりしてこちらを見ている弥生にふっと笑いが溢れる。
「どうされました?」
「すみません、その。」
まずい、これも興奮状態になるのか?
顔が真っ赤になってしどろもどろになっている弥生に。
「大丈夫ですか?」
と声をかける。
「大丈夫です、ほんとにすみません。」
何か落ち着かせる方法はないかと思っていると、ふとホテルの中の店を思い出した。
「ちょっと待っていてもらっていいですか?」
蒼紫は本をベンチに置くと席を立ち一番近くのカフェにテイクアウトを頼む。
戻った時、なぜか弥生はベンチに置かれた本をそのままの状態で凝視していた。
「この本に興味が?」
弥生に先程までの慌てた様子はなく、冷静に蒼紫と言葉を交わす。
「いえ、本どうしようかと。」
「?」
「おいて行かれてしまったので。」
「ああ、すみません。わざとです。」
「わざと。」
「はい、わざとです。」
にっこり微笑み持っていた飲み物を渡す。
「少しのぼせられているようでしたので、飲み物をかってくる間、本を置いて行ったら、ここに居てもらえるかなと思いまして。」
蒼紫から飲み物を受けとった弥生は困ってしまっていた。
知らない人から、口にするものはもらってはいけないときつく言い含められているので、飲むわけにもいかず。
かといって、明らかに親切で買ってきてくれたこの男性の好意を無にするのも心が痛む。
男性はまたベンチに座り本を読み始めた。
弥生が口にしようとしない事に気がついているのに、追究もせずそっとしておいてくれている。
その心使いがとても嬉しい。
「こちらには観光ですか?」
本当なら飲み物を返して部屋に戻るべきだとわかっているのについ自分から話しかけてしまった。
男性は本を閉じると、弥生のほうを向き目を合わせようとしてくれたが、なんだか、ちょっと恥ずかしくて視線を逸らした。
「仕事なんです。」
「仕事、………今大丈夫なんですか?」
仕事に来ているならここにいていいんだろうか?
「はい、終わって帰る前に少し休憩していこうかと。」
「そうなんですか、すみませんせっかくの休憩を邪魔してしまって。」
男性が軽く握った拳を口に当て「じゃま、ではないかな。」真剣な顔で言った後、呟く様に「むしろ約得。」といったのがツボにハマってしまった。
声をたてて笑う弥生に気分を害する事もなく一緒になって笑った。
弥生の眩しいほどの笑顔に惹きつけられたのか、気が付くと近くまで何人かの男が集まってきていた。
蒼紫は弥生の頬に指を滑らせ笑いを止めると顔を近づけた。
弾かれた様に蒼紫から離れると、弥生は脱兎のごとく逃げ出してしまった。
離れていった温もりがさみしくて、触れていた指を口元に持っていき「押さえ込んでおくべきだったか」と誰にも聞こえないような声で呟くと蒼紫の頭にスコーンと気持ちいい突っ込みがはいった。
「痛いな、なんですか、その扇みたいなもの。」
「ああ、これはどっかのお坊ちゃんの暴走を傷つけずに止める為のアイテム、「ハリセン君」です。」
「ハリセン君…」
ネーミングセンスが寂しい佐藤を哀れみたっぷりにみると、フンと鼻を鳴らして蒼紫の横に座った。
「興奮状態にさせるなって言ったでしょう。」
「そこまでの事はしてない。」
ムスッと返すと、「ああ?」と公務員らしくないドスの効いた声がした。
「あんたなぁ、あそこまでの接近とその上キスしといて何言ってんの?」
「君こそ何をいってるんだ。」
蒼紫は真剣に佐藤に言う。
「頬についた髪を払って、拍子で唇と唇がぶつかっただけじゃないか。」
「唇と唇がぶつかるのを世間一般ではキスっていうんですよ、第一、超ショートになってる髪が頬につくはずもないんです!」
弥生は入院中にMの派遣したボランティアの美容師たちによって髪をベリーショート(なぜか、レディース仕様)にカットされている。
「で?なんで歯止めが効かなくなったんです。」
途中までこの男は最善の注意を払って弥生に接していたが、突然の距離を縮めた。
「彼を中庭に出すときには人払いした方がいい、今は閑散としてますが弥生がこのベンチに腰かけてからやたらと若い男がうろうろと、しかも、弥生の笑顔をみてふらふら近付いてきたやつまでいましたよ。」
佐藤が弥生に日光浴をすすめて、こっそり後をつけていたのでそれはわかる。
この男には言えないが、エントランスに降りた時は無茶苦茶注目を浴びたのだ。
本人は、痣のせいだと思っていたが。
オメガの能力が消えても、一度花開いたオメガの美しさは消えないらしく、痣があってもその美貌に興味を惹かれて注目の的になっていた。
「けん制ですか。」
何やってんですか。とあきれる佐藤に「いつです。」と聞く。
「一週間後。」
何がとも聞かずに答えたのは弥生の自宅に帰る時期だった。
「まだ、痣が消えてないでしょう。」
「仕事の関係ですよ、一応交通事故で重篤といってありますが、会社の規約上本来なら2週間を超える連続した欠勤は辞職勧告を受けます。」
「重篤な状態でもか。」
「会社側からしたらそこまでの重篤状態が長期に続くなら仕事を続けていくことは不可能との判断です。それを、残ってた有給全部突っ込んで、さらにバース休暇適用出来る様に説き伏せてなんとか復帰にこぎつけたんです。」
「復帰なんてしなくていい。」
「Mのメンバーと一緒の事言わないでくださいよ。とりあえず、会社の方に潜り込ませている部下に頼んで、今弥生さんはこっちに来る前の仕事内容までを復習中です。仕事に戻った後に文句を言われないようにね。」
どうせ、会社は形だけ体裁を整えて弥生を切り捨てるだろう。
それでも、少しでも納得のいく方法でやめてほしいという、佐藤の勝手な考えだ。
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