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第32章 のんびりした生活の後に
第254話 6年目の農場
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カラバーラへ来て5年が経過。
いい事も悪い事もそれなりにあった。その結果、私達の家族は現在11人&2匹になっている。
私やリディナ、セレスが結婚して子供が出来たという訳では無い。
私は相変わらず男性が得意では無いというか怖い。きっと一生、結婚という選択肢は選ばないだろう。
リディナやセレスも結婚という様子は無い。今後はどうするつもりだろう。正直気にはなる。年齢的にまだまだ焦る必要はないのだろうけれども。
つまり人数が増えたのは結婚して子供が出来たからでは無い。世話している親がいなくなった子供を引き取ったという事だ。要するに実質的には孤児院状態。
でも孤児とか孤児院とかいう言葉は使いたくない。孤児なのではなく私達という家族がいる。そう思っているし、そう思って欲しいから。
サリアちゃん達の後、新しく増えたのは6人。
来た順で説明するとまずはアリスちゃん。2年前、夜逃げした家に取り残されていた2歳の赤ちゃんだ。
山羊の乳と治療魔法、回復魔法で何とか元気に育って今は4歳。元気なのはいいけれど気を抜くとすぐ何処かへ行ってしまうので、幼少組の世話をしているイリアちゃんが少し大変そう。
そのイリアちゃんは今12歳。今8歳のレイナちゃんと5歳のマリちゃんの3人姉妹の長女だ。
彼女はアリスちゃんの少し後、勉強会の日の翌日にレイナちゃんとマリちゃんを連れてこの農場にやってきた。
『ごめんなさい。でも他に頼る所がないんです。妹達だけでもここで面倒を見てくれませんか。御願いします』
勉強会の後、帰ったら家にも畑にも両親がいない。農機具も荷車も全て無くなっていて、翌日になっても帰ってこなかったそうだ。
そしてついこの前来たのがリード君6歳とトマス君4歳の兄弟。
こちらは敷地内の樹木を伐採した際に倒れてきた樹木に父が潰された。私も駆けつけたのだけれども間に合わずに死亡。元々父子家庭で母親がいないので、私達が引き取った。
人数が増えたので畑も牧草地も増やしている。畑は4面から16面まで増やしたし、牧草地も広げた。
マスコビー達が居る池の辺りも意識して雑木を刈らないようにした結果、木が増えた。結果的にマスコビーも更に増えている。
ただこれでも今は作業に人手が足りなくて困る事はない。
戦力的に一番大きいのはサリアちゃんだ。
「今日は残りのキャベツを収穫してしまいますね。Tシリーズを使います」
今ではサリアちゃん、その気になればゴーレム5体を同時に操縦する事が出来る。
『5体でも何とか動かせるのですけれど、そうすると余裕がなくなります。ですから農作業では4体を使って、1体は控えです』
との事だ。
最初からレベル3まであったせいか、土属性魔法の伸びが高かった。結果、今では土属性なら私と同等に使える状態。空属性もレベル4で空即斬が使える。
なおサリアちゃんが主に使うゴーレムは犬型のWシリーズではない。新たに作った人型のTシリーズだ。
『犬型はどうしても動きがそのままイメージしにくくて。シェリーちゃんがいちばん使いやすいです』
ならばという事でサリアちゃん用としてゴーレムを新たに作製。シェリーちゃんより大きい大人男性サイズの人型ゴーレム、Tシリーズを5体だ。
名前はコンボイ、マグナス、ロディマス、ライオ、ビッグ。つまりTシリーズとはトランス農家のTだ。もちろん自動車に変形したりはしないし、この世界では誰も意味がわからないけれど。
山羊さん達は今は10頭、小屋は作り直して大型の厩舎にした。
世話はレウス君、レイナちゃん、リード君、それにエルマくんが担当だ。
レウス君は此処へ来た時から山羊さん達の世話を手伝って貰っている。セレス曰く『任せても大丈夫ですし、安心して見ていられます』との事。
勿論セレスも偵察魔法を使ったり一緒に行動したりして見守っているけれど。
マリちゃん5歳とトマス君4歳、アリスちゃん4歳。この3人はイリアちゃんとリディナ、そしてエルマくんの子供のルースくんが面倒を見ている。
いや、ルースくんは一緒に面倒をみられているのかな。どっちだろう。
ルースくんは1歳、昨年お家にやってきた。
これはゼアルさんからこんなお誘いがあったからだ。
『お婿さんを探している犬が居るんだ。そこでもし良ければだけれどエルマを貸してくれないか。もし子供が出来たら無料で1匹引き取ってもいいという事で』
そんな訳でエルマくんを3日間貸し出した結果、5ヶ月後にかつてのエルマくんそっくりの真っ黒な子犬がやってきた訳である。
11人&2匹(エルマくん&ルースくん)と多いけれど、慣れてしまうとこれが楽しい。
家も更に増築したし、ゴーレム車も内装を作り直して全員が乗れるようにした。
このゴーレム車で時々全員で街へ行ったり、海へ行ったりする。
街へ行くと結構大変だ。一応グループ行動にはしているけれど、気を抜くと迷子が出そうになる。
勿論私やリディナ、セレス、あとサリアちゃんは偵察魔法を使える。ただ皆元気というか、特に5歳以下の3人が気を抜くとすぐに……
まあ、これも今の環境に慣れてくれたおかげではあるのだけれども。
海へも時々行く。この時はエルマくんとルースくんも一緒だ。
2匹は砂浜でダッシュしまくり、幼少組は砂で遊んだりイリアちゃんと岩場で食べられる貝を探したり。
リディナとサリアちゃんは大物釣りメイン。毎回30指以上を数匹は釣り上げる。
ただ11人いるからその程度、夕食1回であっさり無くなってしまうけれども。
むしろセレスやレウス君、レイナちゃん、リード君達がやるサビキ釣りの方が食卓貢献度は高い。
本気でやると100匹以上は余裕で釣れるから。
二度揚げして骨まで食べられる状態にしたものはレウス君や私の大好物。
南蛮漬け風に酸味のあるリディナ特製ドレッシングに浸けても美味しい。
話はお家の事から離れるけれど、週1回の魔法の勉強会は今も続いている。今では村だけでなく周辺からも子供達が来てくれる位に大盛況だ。
出来る子は3桁以上のかけ算や割り算も出来るようになった。ただレベルが子供によって大分違うのでプリントも百種類以上になったし、教える方も大変だ。
ただこれはこれでやりがいがある。
お家の事を含めて私自身は今の生活に満足していると言っていい。
こんな時間がいつまでも続けばいいのに、そう思う位に。
いい事も悪い事もそれなりにあった。その結果、私達の家族は現在11人&2匹になっている。
私やリディナ、セレスが結婚して子供が出来たという訳では無い。
私は相変わらず男性が得意では無いというか怖い。きっと一生、結婚という選択肢は選ばないだろう。
リディナやセレスも結婚という様子は無い。今後はどうするつもりだろう。正直気にはなる。年齢的にまだまだ焦る必要はないのだろうけれども。
つまり人数が増えたのは結婚して子供が出来たからでは無い。世話している親がいなくなった子供を引き取ったという事だ。要するに実質的には孤児院状態。
でも孤児とか孤児院とかいう言葉は使いたくない。孤児なのではなく私達という家族がいる。そう思っているし、そう思って欲しいから。
サリアちゃん達の後、新しく増えたのは6人。
来た順で説明するとまずはアリスちゃん。2年前、夜逃げした家に取り残されていた2歳の赤ちゃんだ。
山羊の乳と治療魔法、回復魔法で何とか元気に育って今は4歳。元気なのはいいけれど気を抜くとすぐ何処かへ行ってしまうので、幼少組の世話をしているイリアちゃんが少し大変そう。
そのイリアちゃんは今12歳。今8歳のレイナちゃんと5歳のマリちゃんの3人姉妹の長女だ。
彼女はアリスちゃんの少し後、勉強会の日の翌日にレイナちゃんとマリちゃんを連れてこの農場にやってきた。
『ごめんなさい。でも他に頼る所がないんです。妹達だけでもここで面倒を見てくれませんか。御願いします』
勉強会の後、帰ったら家にも畑にも両親がいない。農機具も荷車も全て無くなっていて、翌日になっても帰ってこなかったそうだ。
そしてついこの前来たのがリード君6歳とトマス君4歳の兄弟。
こちらは敷地内の樹木を伐採した際に倒れてきた樹木に父が潰された。私も駆けつけたのだけれども間に合わずに死亡。元々父子家庭で母親がいないので、私達が引き取った。
人数が増えたので畑も牧草地も増やしている。畑は4面から16面まで増やしたし、牧草地も広げた。
マスコビー達が居る池の辺りも意識して雑木を刈らないようにした結果、木が増えた。結果的にマスコビーも更に増えている。
ただこれでも今は作業に人手が足りなくて困る事はない。
戦力的に一番大きいのはサリアちゃんだ。
「今日は残りのキャベツを収穫してしまいますね。Tシリーズを使います」
今ではサリアちゃん、その気になればゴーレム5体を同時に操縦する事が出来る。
『5体でも何とか動かせるのですけれど、そうすると余裕がなくなります。ですから農作業では4体を使って、1体は控えです』
との事だ。
最初からレベル3まであったせいか、土属性魔法の伸びが高かった。結果、今では土属性なら私と同等に使える状態。空属性もレベル4で空即斬が使える。
なおサリアちゃんが主に使うゴーレムは犬型のWシリーズではない。新たに作った人型のTシリーズだ。
『犬型はどうしても動きがそのままイメージしにくくて。シェリーちゃんがいちばん使いやすいです』
ならばという事でサリアちゃん用としてゴーレムを新たに作製。シェリーちゃんより大きい大人男性サイズの人型ゴーレム、Tシリーズを5体だ。
名前はコンボイ、マグナス、ロディマス、ライオ、ビッグ。つまりTシリーズとはトランス農家のTだ。もちろん自動車に変形したりはしないし、この世界では誰も意味がわからないけれど。
山羊さん達は今は10頭、小屋は作り直して大型の厩舎にした。
世話はレウス君、レイナちゃん、リード君、それにエルマくんが担当だ。
レウス君は此処へ来た時から山羊さん達の世話を手伝って貰っている。セレス曰く『任せても大丈夫ですし、安心して見ていられます』との事。
勿論セレスも偵察魔法を使ったり一緒に行動したりして見守っているけれど。
マリちゃん5歳とトマス君4歳、アリスちゃん4歳。この3人はイリアちゃんとリディナ、そしてエルマくんの子供のルースくんが面倒を見ている。
いや、ルースくんは一緒に面倒をみられているのかな。どっちだろう。
ルースくんは1歳、昨年お家にやってきた。
これはゼアルさんからこんなお誘いがあったからだ。
『お婿さんを探している犬が居るんだ。そこでもし良ければだけれどエルマを貸してくれないか。もし子供が出来たら無料で1匹引き取ってもいいという事で』
そんな訳でエルマくんを3日間貸し出した結果、5ヶ月後にかつてのエルマくんそっくりの真っ黒な子犬がやってきた訳である。
11人&2匹(エルマくん&ルースくん)と多いけれど、慣れてしまうとこれが楽しい。
家も更に増築したし、ゴーレム車も内装を作り直して全員が乗れるようにした。
このゴーレム車で時々全員で街へ行ったり、海へ行ったりする。
街へ行くと結構大変だ。一応グループ行動にはしているけれど、気を抜くと迷子が出そうになる。
勿論私やリディナ、セレス、あとサリアちゃんは偵察魔法を使える。ただ皆元気というか、特に5歳以下の3人が気を抜くとすぐに……
まあ、これも今の環境に慣れてくれたおかげではあるのだけれども。
海へも時々行く。この時はエルマくんとルースくんも一緒だ。
2匹は砂浜でダッシュしまくり、幼少組は砂で遊んだりイリアちゃんと岩場で食べられる貝を探したり。
リディナとサリアちゃんは大物釣りメイン。毎回30指以上を数匹は釣り上げる。
ただ11人いるからその程度、夕食1回であっさり無くなってしまうけれども。
むしろセレスやレウス君、レイナちゃん、リード君達がやるサビキ釣りの方が食卓貢献度は高い。
本気でやると100匹以上は余裕で釣れるから。
二度揚げして骨まで食べられる状態にしたものはレウス君や私の大好物。
南蛮漬け風に酸味のあるリディナ特製ドレッシングに浸けても美味しい。
話はお家の事から離れるけれど、週1回の魔法の勉強会は今も続いている。今では村だけでなく周辺からも子供達が来てくれる位に大盛況だ。
出来る子は3桁以上のかけ算や割り算も出来るようになった。ただレベルが子供によって大分違うのでプリントも百種類以上になったし、教える方も大変だ。
ただこれはこれでやりがいがある。
お家の事を含めて私自身は今の生活に満足していると言っていい。
こんな時間がいつまでも続けばいいのに、そう思う位に。
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