病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀

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第18章 めでたく夏合宿

第148話 こっそり試作中

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 翌朝。朝食を食べたら皆さんお出かけ。

 女性陣は今日も商店街を回るそうだ。
 しかし俺はそんな疲れる行事には参加したくない。確かに超有名ブランドのアウトレットとかあって、その趣味があれば面白いのだろうけれどさ。

 今日回った店の中で個人的に欲しいなと思ったのはアウトレットの時計。壁掛けの振り子式で動力は重り式。重りを巻き上げると1日は持つという仕組みだ。
 ただお値段が正金貨50万円単位。アウトレットと言っても高過ぎて手が出ない。

 それより高い魔法銀《ミスリル》を買ったけれどもあれは研究用。趣味でそれくらいのお金を出せる度胸は無い。実は財布にはそれくらいは何とか入っているけれど。

 そんな訳で、いってらっしゃい何なら一日行ってきてもいいよ、とばかりに皆さんを追い出す。なおシンハ君とタカス君は荷物持ちという事でドナドナ。まったくもってお疲れ様だ。

 さあ、誰もいなくなったところで研究製作にとりかかろう。まずはかつて断念した記述魔法を使用する万能魔法杖の試作だ。
 シモンさんがいなくても簡単なものなら俺用工作系魔法アンテナで作れる。まあ俺用と言っているがこのアンテナなら誰でも工作系魔法を使えるのだけれど。

 高価な高価な魔法銀《ミスリル》で記述魔法用の回路とホイップアンテナを製作。
 うおお、何だこの魔法銀《ミスリル》の魔法特性は!魔法銅《オリハルコン》と比べても桁違いに強力だ。普通の銅と魔法銅《オリハルコン》の違いよりも大きい。単なる杖では魔法銀《ミスリル》と他の物質でここまで差はなかったのに。

 どうも魔法回路は魔法銀《ミスリル》の効果が高いようだ。これなら目的の物も作れる可能性が高い。それに他の魔法アンテナの回路も魔法銀《ミスリル》製にすれば数段強力になる。値段的に無理だけれど。

 さて、何故ホイップアンテナというか只の棒状に作ったか。これは持ち歩きが出来るようにである。
 今回の魔法アンテナは攻撃魔法用のような大出力はいらない。攻撃魔法以下、日常魔法以上で使い物になればいいのだ。
 でもホイップアンテナでもちょっと長いな。コイルをつけて更に短縮しよう。更にコンデンサー等も丸めて小型化して……

 小型のディパックに入る程度まで小型化したら、こんどは魔法の記述だ。手書きで書くと限度があるので長い紙に工作系魔法で小さく書く。思いつく魔法をほぼ全部書き連ねて杖に巻き付けた。

 よし、これで完成。俺は全てを仕込んだディパックを背中に背負う。これでタカス君並みとはいかないがそれに近い事が出来るようになった筈。

 ただこのディパック、かなり重い。金属部品が多いから仕方ないだろう。後でもっと軽く小さくなるよう再設計だ。でもまずは使用試験。


「身体強化、対象俺、実行!」

 おっ、何となく身体に軽い電流が流れたような気がしたぞ。しかもディパックが明らかに軽くなったような感じがする。

 歩いてみる。普通に歩く分にはいつもと変わらない。
 ならば軽くジャンプ、えっ!

 ドン! トッ! 
 やばい! やっちまった!俺は天井にあいた小さい穴2カ所を見つめる。

 この僅かな間に起こった出来事は簡単だ。
 まず軽くジャンプ。軽くのつもりが猛烈な勢いになって頭を天井にぶつけそうになる。
 あわてて両手を上に出してガード。慌てたせいか両腕が勢いよく上に出て天井を破壊。
 その衝撃で俺は落下。トッと床に着地した訳だ。

 俺は工作系魔法アンテナを操作。天井を修復する。これでとりあえず証拠隠滅は完了。工作魔法、こういう時にも便利かつ有用でいい。

 とりあえず身体強化の状況は外で調べよう。でもその前に工作で散らかったリビングの片付けた。

「整頓、対象この部屋。対象工作系魔法アンテナ。対象工作材料とそのあまり、実行!」

 うん。この万能魔法杖、非常に便利でいい。
 魔法の出力も日常魔法より遥かに上。杖無しの特殊魔法程度には出ているようだ。

 万能魔法杖を仕込んだディパックに財布と鍵を入れて別荘を出る。
 さて、外で改めて身体強化魔法の効果を確認だ。まだ身体強化状態は続いているのでそのまま試してみる。
 まずジャンプ。今度は軽くではなく全力で。
 飛び上がった高さを目測する。大体2階建ての家の2階天井を触れるか位だな。シンハ君程ではないけれどなかなかいける。

 次はダッシュだ。最初は足が力に負けてもつれそうになる。足のフォームを意識して上手く蹴り出すようにする。
 鑑定魔法で速度計測! 全力で時速25離50km/hというところか。これはフォーム改造でもう少し速くなりそうだ。
 幅跳びも軽く飛んで余裕の5腕10m突破。

 なんと凄い、これなら身体強化出来ないほとんどの人に勝てる。実は自分の運動性能にそれなりのコンプレックスがあったのだ。しかし今はかなり爽快な気分。
 天気も夏晴れ。高原の空気が気持ちいい。

 そうか、スポーツの爽快感とはこういう感じなのか。俺には縁が無かったから初体験だ。思わずハハハハハと高笑いしたくなったところで見覚えある姿が見えた。
 皆さんが午前中のお買い物から帰ってきたようだ。
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