45 / 84
第9話 雨期に来るもの⑵
45 余分な施設?
しおりを挟む
結局、拝殿内に図書室を設けるのではなく、独立した建物を作ることにした。
宴会の翌日午後、村人の半数以上が神社にやってきたのを見て、必要性を感じてしまったのだ。
当然ながら本が足りなくなる。
なのでルールが簡単で誰でも出来そうなリバーシを大量に作成して、そちらでも遊んでもらった。
結果として本を読むよりリバーシで対戦する人が多かったのは、まあご愛敬だ。
何せ知っている顔は、ほぼ全員神社に来ていた。
たとえばイルザとビブラムはリバーシ組だ。
イルザは負けず嫌いで、負けると結構本気で悔しがるタイプ。
ビブラムも顔には出さないようにしているが、実はイルザと同様かなり負けず嫌い。
この2人が対戦するのを全知の解説入りで聞いたところ、なかなか面白かった。
お互い口には出さないけれど、表層思考レベルでは大人げない言葉だの弱音だのが、ガンガンに出まくっていて。
一方でクエルチェは、本をひたすら読む派。
今日は料理のレシピ集をじっくり読んでいる。
子供達のほとんどはリバーシ派だ。こちらは表情を装うことなく勝ち誇ったり、悔しがったり。
ただ読書組もそこそこいる。
たとえばロシュは、難しい方の植物図鑑を読んでいる。
クエラを中心にしてリッカ、シャーナ、ミラ、サレラの5人、いずれもこの前山から来た女の子は、動物図鑑の難しい方を読んでいる。
この5人は全員、文字をある程度読めるけれど得意ではない、という状態だ。
山から来た皆さんは大人も子供もほぼこの状態。
絵見本の木札を見るという習慣で、そこで簡単な単語を読むという経験を積んだからだろう。
この図鑑は長文の説明が所々にあるので、5人で助け合って読んでいる。
そしてブルージュとサレラは意外な本を読んでいた。
算数の基礎、足し算と引き算についての本だ。
声をかけて邪魔をしては悪い。そう思ったので、全知で理由を確認してみた。
『サレラは父親のエイダンが倉庫管理で数字を使っているのを見て育った結果、計算能力の重要性に気づいていました。
なので前回の読書会で、算数の勉強が出来る本の存在を知って、自分で勉強するようになったのです。仲がいいブルージュもそれを知って、一緒に勉強しています』
なるほど。なら紙に書いて勉強が出来るように、紙とペンを用意しよう。
いや、つけペンだと描きにくいから、鉛筆の方がいいかな。
鉛筆の芯の材料は黒鉛と粘土だけれど、黒鉛は木炭から無理矢理神力で合成出来ないだろうか。
『可能です。なお書き心地のいい鉛筆を作るには、他の材料として……』
全知に言われるがままにケカハ内で集められる材料を集めて、神力で加工して、2人に渡す。
しかし2人とも、鉛筆を上手く使えないようだ。考えてみれば鉛筆も、持ち方から教えないと使えないのは当たり前。
なのでその辺を軽く教えて、あとはどうするか任せることにする。
◇◇◇
鉛筆をついでに量産したり、藁半紙も量産したりした後。
私は一息ついて、拝殿全体を全知で確認する。
16時現在、大人子供あわせて62人がこの拝殿にいる。
本を読みにこれだけ人がやって来たのは、昨日の宴会の影響が大きいだろう。
それでもある程度は、人々が来る状況は続くだろう。
そう私と全知は判断している。
ここの村人は魔法が使える。
通常の倍以上の面積の畑で作業しても、午後の半ばくらいには最低限の作業を終えてしまう。
今までは余った時間で新たな施設をつくったり、足りない道具等をつくったりしていた。
しかし最近は、そういったものもほぼ揃った。
村と畑を囲む長大な壁とその外側の壕すら、既に完成してしまった。
それにしても午後半ばには仕事が終わって、あとは自由時間か。
私の前世よりも、よっぽど余裕のある生活が出来ている。
その辺ちょっとばかり何だかなと感じてしまうのは、まあ置いておいて。
つまりはまあ、皆さん暇な時間が出来た訳だ。
そうなると当然、暇つぶし活動が必要になる。
その分働いて余剰生産物を作れ、なんてブラックな事は強制したくない。
その結果、図書室にその6割がやってきた。
来年900人やってきた時には、拝殿を全部図書室にしても足りなくなる。
という事で私は、ビブラムとイルザの第7回戦目を中断させて相談し、図書館建築を決めた。
ゲーム場が入るから、図書館というより娯楽場に近い感じだけれど。
本当は娯楽施設つながりという事で、日帰り温泉も併設したかった。
しかし大量のお湯を調達するには、それなりの神力が必要だ。
お湯が自噴するなら掘ればいいのだけれど、この村の周辺では高温のお湯が自噴するような場所は無い。
全知で確認したから、残念だけれど本当に無い。
なので娯楽場は、取り敢えず図書室とゲーム室にした。
本が増えたりゲームの種類が増えたり来場者が増えたりしても問題無いよう、建物はかなり余裕を持って作ることにする。
実はここに、学校も併設しようかとも考えた。
ただし学校を作った場合、教員や教材を用意しなければならない。
教材くらいなら、私が全知で作ってもいい。
でも私の全知と全在でしか作れないなら、気軽に使用する事が出来なくなる。
本やゲームは一度作ったらかなり長い間使えるけれど、教材、特にノートや問題集なんてのは消耗品だろう。
それに教員を誰かにさせるとなると、当然ながら報酬が必要になる。教員の教育も必要だ。
まだ貨幣すら使用していない、今のこの村では時期尚早。
なので取り敢えず本やゲームで、数字や文字を読める程度になって貰う程度までで我慢することにした。
もちろん学習意欲がある者なら、前世での小学校くらいの知識は独習出来る様に本を揃えるつもりだけれど。
◇◇◇
そして翌日、10月3日の朝食後。
村の空いているスペースに、うちの拝殿の2倍程度の広さがある2階建ての建物を、全在を使って一気に建築する。
今の私の神力は、このくらいの建物を建てる事くらい余裕。なので建物は一瞬で完成。
そして中に本棚と本、ゲーム各種を移動。
昨日に比べて、本もゲームもかなり増やしている。
神社の会議室棟を全部使って、皆が本を読んだりリバーシをしている間に、頑張って考えて作ったのだ。
まずは本。文字が最低限しか無い図鑑シリーズは動物編の他、植物編、そのほかの生物編を準備。
更にクエルチェの希望で料理レシピ集を更に充実させた他、新たな調味料の製法、村人の皆さんが考えた便利な応用魔法の使用方法なんてのも全知で調べて作った。
ブルージュやサレラのような子、更には大人からも勉強したいという人が出た時の為に、小学校低学年レベルの算数や理科の参考書と問題集を作ってみた。
更には自由に使える藁半紙と鉛筆、鉛筆削りも。
ゲームはリバーシの他、UNOもどき、五目並べ、ボードゲームの『QUORIDOR』もどき、同じく『VIVATOPO』もどき、『イチゴリラ』もどきを追加。
そのうち文字を読める人が多くなり、多少複雑なルールでも問題無くなれば、もっと複雑なゲームを導入しようと思う。
大学時代にボードゲーム中毒な友人がいたので、私もそれなりの数を遊んでいる。その頃のうろ覚えな記憶であっても、全知を使えば完全な形で把握が可能だ。
※ ボードゲームの『QUORIDOR』もどき、同じく『VIVATOPO』もどき、『イチゴリラ』もどき。
どれも幼稚園年長くらいの知識で遊べるボードゲーム。詳細はググった方が早いと思うので省略。
宴会の翌日午後、村人の半数以上が神社にやってきたのを見て、必要性を感じてしまったのだ。
当然ながら本が足りなくなる。
なのでルールが簡単で誰でも出来そうなリバーシを大量に作成して、そちらでも遊んでもらった。
結果として本を読むよりリバーシで対戦する人が多かったのは、まあご愛敬だ。
何せ知っている顔は、ほぼ全員神社に来ていた。
たとえばイルザとビブラムはリバーシ組だ。
イルザは負けず嫌いで、負けると結構本気で悔しがるタイプ。
ビブラムも顔には出さないようにしているが、実はイルザと同様かなり負けず嫌い。
この2人が対戦するのを全知の解説入りで聞いたところ、なかなか面白かった。
お互い口には出さないけれど、表層思考レベルでは大人げない言葉だの弱音だのが、ガンガンに出まくっていて。
一方でクエルチェは、本をひたすら読む派。
今日は料理のレシピ集をじっくり読んでいる。
子供達のほとんどはリバーシ派だ。こちらは表情を装うことなく勝ち誇ったり、悔しがったり。
ただ読書組もそこそこいる。
たとえばロシュは、難しい方の植物図鑑を読んでいる。
クエラを中心にしてリッカ、シャーナ、ミラ、サレラの5人、いずれもこの前山から来た女の子は、動物図鑑の難しい方を読んでいる。
この5人は全員、文字をある程度読めるけれど得意ではない、という状態だ。
山から来た皆さんは大人も子供もほぼこの状態。
絵見本の木札を見るという習慣で、そこで簡単な単語を読むという経験を積んだからだろう。
この図鑑は長文の説明が所々にあるので、5人で助け合って読んでいる。
そしてブルージュとサレラは意外な本を読んでいた。
算数の基礎、足し算と引き算についての本だ。
声をかけて邪魔をしては悪い。そう思ったので、全知で理由を確認してみた。
『サレラは父親のエイダンが倉庫管理で数字を使っているのを見て育った結果、計算能力の重要性に気づいていました。
なので前回の読書会で、算数の勉強が出来る本の存在を知って、自分で勉強するようになったのです。仲がいいブルージュもそれを知って、一緒に勉強しています』
なるほど。なら紙に書いて勉強が出来るように、紙とペンを用意しよう。
いや、つけペンだと描きにくいから、鉛筆の方がいいかな。
鉛筆の芯の材料は黒鉛と粘土だけれど、黒鉛は木炭から無理矢理神力で合成出来ないだろうか。
『可能です。なお書き心地のいい鉛筆を作るには、他の材料として……』
全知に言われるがままにケカハ内で集められる材料を集めて、神力で加工して、2人に渡す。
しかし2人とも、鉛筆を上手く使えないようだ。考えてみれば鉛筆も、持ち方から教えないと使えないのは当たり前。
なのでその辺を軽く教えて、あとはどうするか任せることにする。
◇◇◇
鉛筆をついでに量産したり、藁半紙も量産したりした後。
私は一息ついて、拝殿全体を全知で確認する。
16時現在、大人子供あわせて62人がこの拝殿にいる。
本を読みにこれだけ人がやって来たのは、昨日の宴会の影響が大きいだろう。
それでもある程度は、人々が来る状況は続くだろう。
そう私と全知は判断している。
ここの村人は魔法が使える。
通常の倍以上の面積の畑で作業しても、午後の半ばくらいには最低限の作業を終えてしまう。
今までは余った時間で新たな施設をつくったり、足りない道具等をつくったりしていた。
しかし最近は、そういったものもほぼ揃った。
村と畑を囲む長大な壁とその外側の壕すら、既に完成してしまった。
それにしても午後半ばには仕事が終わって、あとは自由時間か。
私の前世よりも、よっぽど余裕のある生活が出来ている。
その辺ちょっとばかり何だかなと感じてしまうのは、まあ置いておいて。
つまりはまあ、皆さん暇な時間が出来た訳だ。
そうなると当然、暇つぶし活動が必要になる。
その分働いて余剰生産物を作れ、なんてブラックな事は強制したくない。
その結果、図書室にその6割がやってきた。
来年900人やってきた時には、拝殿を全部図書室にしても足りなくなる。
という事で私は、ビブラムとイルザの第7回戦目を中断させて相談し、図書館建築を決めた。
ゲーム場が入るから、図書館というより娯楽場に近い感じだけれど。
本当は娯楽施設つながりという事で、日帰り温泉も併設したかった。
しかし大量のお湯を調達するには、それなりの神力が必要だ。
お湯が自噴するなら掘ればいいのだけれど、この村の周辺では高温のお湯が自噴するような場所は無い。
全知で確認したから、残念だけれど本当に無い。
なので娯楽場は、取り敢えず図書室とゲーム室にした。
本が増えたりゲームの種類が増えたり来場者が増えたりしても問題無いよう、建物はかなり余裕を持って作ることにする。
実はここに、学校も併設しようかとも考えた。
ただし学校を作った場合、教員や教材を用意しなければならない。
教材くらいなら、私が全知で作ってもいい。
でも私の全知と全在でしか作れないなら、気軽に使用する事が出来なくなる。
本やゲームは一度作ったらかなり長い間使えるけれど、教材、特にノートや問題集なんてのは消耗品だろう。
それに教員を誰かにさせるとなると、当然ながら報酬が必要になる。教員の教育も必要だ。
まだ貨幣すら使用していない、今のこの村では時期尚早。
なので取り敢えず本やゲームで、数字や文字を読める程度になって貰う程度までで我慢することにした。
もちろん学習意欲がある者なら、前世での小学校くらいの知識は独習出来る様に本を揃えるつもりだけれど。
◇◇◇
そして翌日、10月3日の朝食後。
村の空いているスペースに、うちの拝殿の2倍程度の広さがある2階建ての建物を、全在を使って一気に建築する。
今の私の神力は、このくらいの建物を建てる事くらい余裕。なので建物は一瞬で完成。
そして中に本棚と本、ゲーム各種を移動。
昨日に比べて、本もゲームもかなり増やしている。
神社の会議室棟を全部使って、皆が本を読んだりリバーシをしている間に、頑張って考えて作ったのだ。
まずは本。文字が最低限しか無い図鑑シリーズは動物編の他、植物編、そのほかの生物編を準備。
更にクエルチェの希望で料理レシピ集を更に充実させた他、新たな調味料の製法、村人の皆さんが考えた便利な応用魔法の使用方法なんてのも全知で調べて作った。
ブルージュやサレラのような子、更には大人からも勉強したいという人が出た時の為に、小学校低学年レベルの算数や理科の参考書と問題集を作ってみた。
更には自由に使える藁半紙と鉛筆、鉛筆削りも。
ゲームはリバーシの他、UNOもどき、五目並べ、ボードゲームの『QUORIDOR』もどき、同じく『VIVATOPO』もどき、『イチゴリラ』もどきを追加。
そのうち文字を読める人が多くなり、多少複雑なルールでも問題無くなれば、もっと複雑なゲームを導入しようと思う。
大学時代にボードゲーム中毒な友人がいたので、私もそれなりの数を遊んでいる。その頃のうろ覚えな記憶であっても、全知を使えば完全な形で把握が可能だ。
※ ボードゲームの『QUORIDOR』もどき、同じく『VIVATOPO』もどき、『イチゴリラ』もどき。
どれも幼稚園年長くらいの知識で遊べるボードゲーム。詳細はググった方が早いと思うので省略。
67
あなたにおすすめの小説
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
冒険者パーティから追放された俺、万物創生スキルをもらい、楽園でスローライフを送る
六志麻あさ
ファンタジー
とある出来事をきっかけに仲間から戦力外通告を突きつけられ、パーティを追放された冒険者カイル。
だが、以前に善行を施した神様から『万物創生』のスキルをもらい、人生が一変する。
それは、便利な家具から大規模な土木工事、果てはモンスター退治用のチート武器までなんでも作ることができるスキルだった。
世界から見捨てられた『呪われた村』にたどり着いたカイルは、スキルを使って、美味しい料理や便利な道具、インフラ整備からモンスター撃退などを次々とこなす。
快適な楽園となっていく村で、カイルのスローライフが幕を開ける──。
●表紙画像は、ツギクル様のイラストプレゼント企画で阿倍野ちゃこ先生が描いてくださったヒロインのノエルです。大きな画像は1章4「呪われた村1」の末尾に載せてあります。(c)Tugikuru Corp. ※転載等はご遠慮ください。
『しろくま通りのピノ屋さん 〜転生モブは今日もお菓子を焼く〜』
miigumi
ファンタジー
前世では病弱で、病室の窓から空を見上げることしかできなかった私。
そんな私が転生したのは、魔法と剣があるファンタジーの世界。
……とはいえ、勇者でも聖女でもなく、物語に出てこない“モブキャラ”でした。
貴族の家に生まれるも馴染めず、破門されて放り出された私は、街の片隅――
「しろくま通り」で、小さなお菓子屋さんを開くことにしました。
相棒は、拾ったまんまるのペンギンの魔物“ピノ”。
季節の果物を使って、前世の記憶を頼りに焼いたお菓子は、
気づけばちょっぴり評判に。
できれば平和に暮らしたいのに、
なぜか最近よく現れるやさしげな騎士さん――
……って、もしかして勇者パーティーの人なんじゃ?!
静かに暮らしたい元病弱転生モブと、
彼女の焼き菓子に癒される人々の、ちょっと甘くて、ほんのり騒がしい日々の物語。
『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』
とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~
-第二部(11章~20章)追加しました-
【あらすじ】
「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」
王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。
彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。
追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった!
石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。
【主な登場人物】
ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。
ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。
アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。
リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。
ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。
【読みどころ】
「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる