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第14話 予定外の産物
60 製麺所&うどん店計画
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「確かにうどんを茹でることは、薄焼きパンを焼くよりは簡単でしょう。ですが茹でて洗ってというのは、やはり手間ではあると感じるのです。それにちょうどいい茹で加減にするというのは、実は難しいのではないでしょうか」
クエルチェからそんな意見が出た。
この世界でも家での調理は主に女性の仕事だ。そういった生活から出た意見は、結構重要だと思う。
「確かにそうかもしれないね。でも茹でた状態では持ちが悪いし、味が落ちると思うわ」
元うどん県民として、現段階ではゆで麺は販売する気はない。
もちろん21世紀のうどん県には、ゆで麺でも美味しいものが市販されている。
しかしあれは日本の進んだ技術と経験、うどん県人の見識があるからこそ出来る代物だ。
そのことを他の県に旅行に行った際、しみじみ感じてしまった経験がある。
その辺のスーパーで買ったゆで麺を、ホテルのポットで作ったお湯で湯がいて食べた私が悪いのだけれども。
なお麺を湯がくには、アウトドア用のザルと食器のセットを使用した。
袋麺一玉をさっと湯がくのに便利なので、常日頃愛用しているし、旅行にも持ち歩いているのだ。
ホテルのポットで直接湯がくなんて邪道な事はしていない。以上念のため。
そんな経験もあるので、ゆで麺の販売は許可したくない。
それでもさっと食べられる麺が欲しいのならば。
ここはうどん県によくある方法で解決するしかないだろう。
うどん県には、立ち食いうどん店が併設された製麺所がいくつかある。
工場におまけのようについていて、お昼の間しか営業していないフルセルフの店。
それがまた美味しかったりして、ついつい車であちこち回ってしまうのだ。
これじゃまるで観光客だ、なんて思いながら。
「なら麺を作って売るだけではなく、茹でた麺につゆをかけ、そのまま食べられるものも出そうか。そうすればお昼はそこでさっと食べることが出来るから」
坂出にある某有名店をイメージしつつ、そう提案してみる。
そこは基本的には製麺所で、一般に麺を売る店もつけているという形態。
しかし昼の1時間だけ、店の隣の倉庫のような建物でうどんを食べることが出来るのだ。
あれは行く為に日程を調整するのが大変だった。
前世でのそんな事を思い出していると……
「昼だけでなく、朝もさっとよって食べられればありがたいです。朝起きて料理して昼食を作ってという手間が、一気に解消されますから」
なるほど、確かにそれはそれで理解できる。
なら日○出製麺所ではなく、栗林公園近くの松○製麺所の方向性か。
ただ生産力的にはどうだろうか。
現在この村には、大人は100人ちょっとしかいない。
食物の輸入なんて事はしていないので、農業従事者以外は、基本的に農業従事者が生産した農作物を分配することになる。
『魔法を使用するようになった結果、1人あたりの農業生産高が2倍以上となっています。10人くらい農業生産に寄与しない人数が増えても問題ありません』
全知の計算では問題ないそうだ。
なら作ってしまうか、製麺所兼セルフうどん店を。
「わかりました。朝早く店をあける関係上、食事は朝と昼だけにして、仕事時間も朝から昼過ぎくらいまでにしましょう。人数は当初は3人くらいでいいでしょうか」
「麺をつくって、販売して、食事もつくるとなると、5人は欲しいです。うち1人は私がやります。それなら醸造所のようにコトーミ様が毎日文字や計算を教えに行ったり、ロシュちゃんやブルージュちゃんが手伝ったりしなくて済むでしょうから」
「えっ!?」
これは私ではない。ビブラムだ。
まあ私も驚いてはいるけれど。
「クエルチェ、自分でやるつもりか。畑の方は?」
「ビブラムも村の仕事をやりながら畑作業をするのは、そろそろ限界です。貨幣制度が本実施になれば、もう無理でしょう。アルトラももう来年には成人ですし、うちの畑は任せましょう。
それに私がうどんの方と醸造所の面倒をみることが出来る立場にいれば、コトーミ様の負担も少なくなります。ですから私がやるのが正解です。
それ以上に私がやりたい、というのが本音ですけれど」
醸造所は現在、私の顕現を1体張り付けている。
ミマス以外の者はまだ自由に文字を読めないから、マニュアルで仕事を確認する事が出来無い。
ただミマスには材料の在庫管理や帳簿つけなんて作業もあるから、常に作業現場にいる訳にもいかない。
ついでに言うとミマスもまだ計算は得意ではないから、後で私が確認する必要があっる。
このままでは貨幣制度が開始になった際、店が成り立たない。
だから私がミマス以外の4人に読み書きや計算を教えたり、醸造作業についても指導したりしている。
この中では20歳で最年長のカジタルが一番熱心だけれど、まだ20までの足し算と引き算がやっとという状態。
だから不自由なく店を回すには、まだまだ時間がかかりそうだ。
万が一ミマスが風邪をひいたりした場合、私の顕現を2体出すか、ロシュとブルージュに協力してもらう必要がある。
うどん店の方も、作り方等の指導は私がやるしかない。
それでもクエルチェがいてくれれば、必要な事は文書のメモに残す等しておけば、何とかなる。
計算だろうと帳簿作業だろうと、クエルチェなら心配はいらない。
「私としては、クエルチェがやってくれると大変助かります。ただ村の方の作業は大丈夫でしょうか」
「貨幣制度が発足した当初については、日額の給金配りや帳簿つけはビブラムとイルザで、食料の販売ははエイダンとメルサでやる予定となっています。もちろんこれに補助で2人ずつつけますから、私はこちらと醸造所の方についても大丈夫です」
ビブラムは何か言いたそうだったけれど、クエルチェの意思は固いようだ。
ならとりあえずは、これでお願いしようと思う。
クエルチェからそんな意見が出た。
この世界でも家での調理は主に女性の仕事だ。そういった生活から出た意見は、結構重要だと思う。
「確かにそうかもしれないね。でも茹でた状態では持ちが悪いし、味が落ちると思うわ」
元うどん県民として、現段階ではゆで麺は販売する気はない。
もちろん21世紀のうどん県には、ゆで麺でも美味しいものが市販されている。
しかしあれは日本の進んだ技術と経験、うどん県人の見識があるからこそ出来る代物だ。
そのことを他の県に旅行に行った際、しみじみ感じてしまった経験がある。
その辺のスーパーで買ったゆで麺を、ホテルのポットで作ったお湯で湯がいて食べた私が悪いのだけれども。
なお麺を湯がくには、アウトドア用のザルと食器のセットを使用した。
袋麺一玉をさっと湯がくのに便利なので、常日頃愛用しているし、旅行にも持ち歩いているのだ。
ホテルのポットで直接湯がくなんて邪道な事はしていない。以上念のため。
そんな経験もあるので、ゆで麺の販売は許可したくない。
それでもさっと食べられる麺が欲しいのならば。
ここはうどん県によくある方法で解決するしかないだろう。
うどん県には、立ち食いうどん店が併設された製麺所がいくつかある。
工場におまけのようについていて、お昼の間しか営業していないフルセルフの店。
それがまた美味しかったりして、ついつい車であちこち回ってしまうのだ。
これじゃまるで観光客だ、なんて思いながら。
「なら麺を作って売るだけではなく、茹でた麺につゆをかけ、そのまま食べられるものも出そうか。そうすればお昼はそこでさっと食べることが出来るから」
坂出にある某有名店をイメージしつつ、そう提案してみる。
そこは基本的には製麺所で、一般に麺を売る店もつけているという形態。
しかし昼の1時間だけ、店の隣の倉庫のような建物でうどんを食べることが出来るのだ。
あれは行く為に日程を調整するのが大変だった。
前世でのそんな事を思い出していると……
「昼だけでなく、朝もさっとよって食べられればありがたいです。朝起きて料理して昼食を作ってという手間が、一気に解消されますから」
なるほど、確かにそれはそれで理解できる。
なら日○出製麺所ではなく、栗林公園近くの松○製麺所の方向性か。
ただ生産力的にはどうだろうか。
現在この村には、大人は100人ちょっとしかいない。
食物の輸入なんて事はしていないので、農業従事者以外は、基本的に農業従事者が生産した農作物を分配することになる。
『魔法を使用するようになった結果、1人あたりの農業生産高が2倍以上となっています。10人くらい農業生産に寄与しない人数が増えても問題ありません』
全知の計算では問題ないそうだ。
なら作ってしまうか、製麺所兼セルフうどん店を。
「わかりました。朝早く店をあける関係上、食事は朝と昼だけにして、仕事時間も朝から昼過ぎくらいまでにしましょう。人数は当初は3人くらいでいいでしょうか」
「麺をつくって、販売して、食事もつくるとなると、5人は欲しいです。うち1人は私がやります。それなら醸造所のようにコトーミ様が毎日文字や計算を教えに行ったり、ロシュちゃんやブルージュちゃんが手伝ったりしなくて済むでしょうから」
「えっ!?」
これは私ではない。ビブラムだ。
まあ私も驚いてはいるけれど。
「クエルチェ、自分でやるつもりか。畑の方は?」
「ビブラムも村の仕事をやりながら畑作業をするのは、そろそろ限界です。貨幣制度が本実施になれば、もう無理でしょう。アルトラももう来年には成人ですし、うちの畑は任せましょう。
それに私がうどんの方と醸造所の面倒をみることが出来る立場にいれば、コトーミ様の負担も少なくなります。ですから私がやるのが正解です。
それ以上に私がやりたい、というのが本音ですけれど」
醸造所は現在、私の顕現を1体張り付けている。
ミマス以外の者はまだ自由に文字を読めないから、マニュアルで仕事を確認する事が出来無い。
ただミマスには材料の在庫管理や帳簿つけなんて作業もあるから、常に作業現場にいる訳にもいかない。
ついでに言うとミマスもまだ計算は得意ではないから、後で私が確認する必要があっる。
このままでは貨幣制度が開始になった際、店が成り立たない。
だから私がミマス以外の4人に読み書きや計算を教えたり、醸造作業についても指導したりしている。
この中では20歳で最年長のカジタルが一番熱心だけれど、まだ20までの足し算と引き算がやっとという状態。
だから不自由なく店を回すには、まだまだ時間がかかりそうだ。
万が一ミマスが風邪をひいたりした場合、私の顕現を2体出すか、ロシュとブルージュに協力してもらう必要がある。
うどん店の方も、作り方等の指導は私がやるしかない。
それでもクエルチェがいてくれれば、必要な事は文書のメモに残す等しておけば、何とかなる。
計算だろうと帳簿作業だろうと、クエルチェなら心配はいらない。
「私としては、クエルチェがやってくれると大変助かります。ただ村の方の作業は大丈夫でしょうか」
「貨幣制度が発足した当初については、日額の給金配りや帳簿つけはビブラムとイルザで、食料の販売ははエイダンとメルサでやる予定となっています。もちろんこれに補助で2人ずつつけますから、私はこちらと醸造所の方についても大丈夫です」
ビブラムは何か言いたそうだったけれど、クエルチェの意思は固いようだ。
ならとりあえずは、これでお願いしようと思う。
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