19 / 53
一章
18,宰相の秘かな野望
しおりを挟む「で、関に触れて何が聞こえた」
次は隠し立てする事は許さない、と言っているような陛下から醸し出される威圧感。
宰相の心の声を問われてしまった紅雪は答えるのに躊躇した。
「俺の失脚か死でも狙ってるか?」
「違います!!!」
躊躇した事で、陛下は勝手に言えない理由を予測し始めてしまい、紅雪は慌てて首を横に振る。
宰相の心の声を答えた時の陛下の反応が恐くて言えないだけだ。
「……怒らずに聞いて頂けますか?」
「わかっている」
「……宰相様は自分の孫娘を皇后にしようとお考えです」
紅雪が躊躇した事で、陛下が無関係な答えを導いても困るし、見に覚えの無い罪で断罪される宰相が可哀相。
紅雪は、仕方なく――渋々感を醸し出しながら宰相の内に秘めた野望を口に出した。
勿論、宰相の内心はそれだけではない。
けれど、紅雪はその続きは言うつもりはなかった。
「で、……関は何をするつもりだ?」
――のだけど、陛下は宰相の目論見はとっくに知っていたよう。
ん?と可愛く首を傾ける仕草をする陛下の眼は、隠し事が出来ると思ってるのか?っと言っているような鋭さを持っている。
突き刺さる視線と言葉に、紅雪はとうとう白旗を挙げた。
「――だろうな。俺もその線を考えていた」
宰相の企みなど、紅雪を寵妃にした時点で陛下は予測していたらしい。
陛下は当初、紅雪を後宮に迎えるつもりは無かった。
しかし、朱津国の皇女を放り出して、長い戦争が続くのは避けたい。
帰らないなら置いてやるとは言ったが、小さな宮に住まわせるのは体面としていただけない。
一人も妃嬪が居なかった陛下は、皇太后宮から近い皇后宮に渋々住まわせたのだ。
だが、蓋を開けてみれば、皇女は赤髪ではなく白銀髪で、とても美しい女性だった。
自分がこれ程までに人を愛おしく想う事が出来るなど、陛下自身も予測する事が出来なかった程。
宰相や他の者は、想像すらしてなかっただろう。
「つか、お前の宮にいた宮女や女官はどうしたんだよ」
「半分以上が陛、紫攸様の妃嬪になりました」
体面を考えて白蘭宮に女官と宮女を増やした陛下の努力は空しく終わったらしい。
妃嬪選びをする際、誰かが手を引いて皇后宮にいる下働きの数を減らそうと模索したんだろう。
はああああぁ、と盛大な溜息を漏らすと、癒しを求めるように紅雪を抱き締める。
そのまま押し倒すと紅雪の上に跨った。
「後はこちらで対処する。それよりも、お前で癒されたい」
「…っ…紫攸様、…間もなく起――んんっ…っん…ぁ…」
熱っぽい視線と甘く艶めく声で紡ぐ陛下の言葉に、これから起こる事を察して外の灯りを確認する。
月が隠れ、僅かだが太陽が昇っているような外の明るさに、情事をする時間など無い事を伝えようとしたが、それよりも早く陛下の唇に塞がれてしまった。
直ぐに舌が挿入し、くちゅくちゅとワザと音を出して紅雪の聴覚を刺激する。
陛下の片手は豊満な膨らみに動き、もう片手は下半身の隠れた部分へと差し込まれた。
拒絶出来ない程の快感を与えられた紅雪は、初めて自分から陛下の舌に吸い付く。
<…お前を必ず護る…指一本触れさせはせぬ>
陛下を求めるように首に腕を回した時、紫攸の心の声が聞こえる。
紫攸の不安を知った紅雪は求められるまま、満足するまで何度も陛下の熱を受け止め続けた。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる