《R18》皇帝陛下は白銀髪の王女を寵愛する

ERICA

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二章

19,謁見を求める皇女

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宰相様の野望話から七日程経っても計画は実行されていない。
きっと諦めたのだろうと紅雪は安堵していた。

しかし、十日経って新たな問題が勃発し後宮内、否、皇宮内までが騒がしくなっていた。




「皇女様が皇龍宮で謁見を求めております」
「……面倒だな」


白蘭宮の紅雪の寝所の前で、陛下付きの宦官が何度も声を掛けてくる。
一向に止む事のない呼び出しに、紅雪の膝に頭を乗せて休息をとっていた陛下が起き上がりながら呟いた。
表情は険しく、機嫌が悪いことが伺えるも、紅雪はその理由を触ることを禁じられてしまって知る事が出来ない。
陛下に聞いても、浬坦や旬華に聞いても誰も教えてくれなかった。


「一緒に行くか?」
「私に関係あるのでしたら行きたいです」
<……何があっても俺の傍にいろ>


緩慢な動作で立ち上がった陛下を見上げていたら、身体を紅雪に向けた紫攸の言葉と差し出す手。
その手を掴むと陛下の心配そうな声が聞こえ、立ち上がりながら紅雪は心声に答える様に陛下の手を握り返した。



***



蒼聖殿そうせいでんの一角にある皇龍宮こうりゅうきゅうに入ると、既に中央で跪き頭を下げて待っている女人がいる。
女人の後ろには数人の女官が同じように跪いている。
やはりと言う様に、謁見の場に宰相もいた。
陽が傾き、月が顔を出し始めている時間帯のせいか、宮の中が薄暗い。
上座に二つ、中央の所々にしか明かりが燈っていないせいか、女人の姿も見え難かった。


<そっちの椅子に座れ>


繋がれた手から聞こえる陛下の指示通りに、陛下の横隣にある一人用の椅子に座る。
座ってから自分が座っている椅子が、皇后が座る椅子だと言う事に気付いてしまった。
内心焦りまくっていたのだが、陛下が皇帝の皮を被っていたので膝に手を乗せて謁見を見守る事にした。


「皇帝陛下に謁見!!!」
「皇帝陛下に拝謁致します」
「――面を上げ、名を申せ」


宰相の言葉で、跪いている女人が声を出す。
陛下は儀式的に女人の顔を上げさせた。
上体を起こした事で、明かりで見えなかった部分が映し出される。
目の前にいる女人は赤津国の皇族の象徴ともいえる明るい赤色の髪が動いた事で、さらりと肩から流れる。
皇女の視線は、やはりと言うように陛下に向けられていた。


「…わたくしは、朱津国第六皇女 李 雪華り せつかと申します。同盟により陛下の妃嬪になりに参りました」


先帝が死去したのを知った朱津の皇帝が本物を送って寄越したのか、それとも、皇太子が何かの意図で送り込んで来たのか…それとも、皇女自身が言ったのか、そんな予想をしても来てしまったものは仕方ない。
紅雪も本物の皇女だが、母国にとって大事なのは皇族の象徴でもある髪色、そして、朱津国に認められている本物の第六皇女。
ジッと雪華を眺めたまま何も言わない陛下。
何を考え、何を思っているのか、触れる事が出来ない紅雪は不安を感じる。
紅雪は不安感を手を握り締めてひたすら耐えながら、紫攸の言葉を待ち続けた。
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