《R18》皇帝陛下は白銀髪の王女を寵愛する

ERICA

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二章

27,陛下の思考 (陛下 視点)

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「…あぁぁああ!!!クソッ」


政務をしていても、昨夜の事を思い出す度に頭部をガシガシと掻きながら苛つきを吐き出す。
ムカつく、メンドクサイ等の負の感情、紅雪に湧かず、上手く説明する事が出来ない自分に湧いていた。


「……紫攸、少しは落ち着いたらどうだ?」
「うっせえ…、紅雪も少しは俺の苦労もわかれっつーんだよ」


陛下の名前を紅雪以外が呼ぶ事は珍しい。
そして、紫攸も珍しく砕けた口調で不満をぶちまけていた。


「お前が隠れて調べたいって言ったからだろ?隠さずに言えば面倒な事になる事はなかったと思うだが…」
「ああ、わかってる。俺が上手く隠せねえから誤解が生まれたって言いてえんだろ…」
「その通り」
寡雲かうん…その資料渡せ」


言われなくても分かっている。
しかし、紅雪には嘘を付くことも本当の事を言うのも躊躇してしまい誤解で生んでしまっていた。
実際は男二人で政務室で黙々と資料を漁っているのだが紅雪は知らない。
昨夜は、政務室で調べ物をしている最中に、弓矢が壁に突き刺さったのだ。
括られていたのは、紅雪が庭園で男と逢引している、と書かれた紙。
読んだ瞬間、居ても立ってもいられずに役人を連れていってしまった。


「…昭儀様、皇女様が嫁ぐと思ってんでしょ?なら、本当に営みでもしちゃえば良いじゃん」
「はあ?…あいつが良いって言ったって俺が出来ねえよ……」


資料をペラペラ捲りながら、文献の大切な部分を見つけると寡雲に見せて写させる。
別の資料を紫攸に渡して、寡雲は言われた部分を新品の書物に書き出しながら、浮気を進めてきた。
寝床と言われた時に、確かに一度、雪華と営みをしようとしたのは間違いない。
隠し事された鬱憤を他の女で癒そうとしたが、いざとなると、全くモノが役に立たなかった。
不能なのかと疑うも、紅雪の妖艶な表情を思い出すだけで反応したので不能では無い。
結局、雪華には贈物を後程届けさせただけで終わった。


「で、何で紫峰国を調べてるんだい?」
「関の孫に教えるつもりはねえ…」
「調べさせておいて理不尽じゃんないか。ねえ昭儀様の間諜疑惑が高まってるなら、僕の妹を可愛がったらどうかな?」


母上が言う前に、紫攸は紫峰国を調べていた。
二日前に母上の口から出た事で調べる先が正しかったのだと紫攸の意欲が増したのだが、昨夜の出来事で一気に意欲が削られてしまう。
紫攸の紅雪以外不能を知らない寡雲が自分の妹を進めてきた。
宰相の野望とは違い、寡雲は純粋に妹の幸せを願って言っている。
だからこそ紅雪以外を愛せない紫攸は、関婕妤しょうよに手を出すつもりは無かった。


「陛下。朱津の皇子がお目通りを願っておりますが如何致しますか?」
「皇子…誰だ?」
「第三皇子が、皇女の護衛として参内していたそうです」
「会おう…」


政務室の戸口の前で、紫攸付きの宦官が声を掛けてくる。
会いたくないと答えようと思ったが、皇子と聞いて何故か胸騒ぎがした。
第三皇子と聞いた途端、紫攸は立ち上がり戸口に向かい政務室を出る。


「珍しいね…誰か知ってるの?」
「ああ…第三皇子は、紅雪の兄だ」


紫攸の後ろから寡雲も付いてくる。
聞かれた質問に紫攸は歩みを止めずに答えたのだった。
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