《R18》皇帝陛下は白銀髪の王女を寵愛する

ERICA

文字の大きさ
32 / 53
二章

31,甘々なお時間

しおりを挟む


結局、何度も白蘭宮と蒼聖殿を行ったり来たりするだけで、紫攸がいる政務室に行く事が出来ない。
しかし、今も陛下の返答を待っている詩音の泣き顔を想像してしまった紅雪は、四日目にとうとう行動に起こす事が出来たのだ。


「…陛下、楊昭儀様がお目通り願い出ております」


政務室の戸口から陛下付き宦官が声を掛ける。
紅雪は心臓が跳ねる胸を押さえながら、陛下の返答を待っていると、ガタガタと慌てた音が室内から聞こえた。
何かあったのかと不安になった時、戸口が勢い良く開く。


「紅雪っ!!!逢いに来てくれたんだな。お前たち、これから誰も通すなよ」
「陛下!?」


飛び出して来た紫攸は笑顔を浮かべて、目の前にいる紅雪を抱き締める。
臣下の礼をとる前に捕まってしまい紅雪は戸惑うが、紫攸は気にする様子もなく宦官たちに指示を出すと、彼女を抱き抱えて室内に入って行った。


「……逢いたかった…」


政務室の奥には寝所がある。
そこに連れて行かれた紅雪は寝台に座らせられた。
紫攸は寝台の下に膝を付くと腰に抱き付かれる。


「信じて無いなら触って確かめてくれ」


あの時のように離さないと言ってるようにぎゅっと抱き締められるけど、紅雪は触れる事を躊躇った。
口では何でも言える。でも、心の中も同じならと不安になってしまう。
上目遣いの紫攸と視線が絡み合い、紅雪は意を決して片手で彼の頬に触れた。


「逢いたかった。本当に逢いたかったんだ…。俺は、雪華殿と寝床を共にした事は無い…お前だけなんだ…」
<逢いたかった。本当に逢いたかったんだ…。俺は、雪華殿と寝床を共にした事は無い…お前だけなんだ…>


紫攸の言葉と心の声が一致し、同じ言葉を紡ぐ。
紅雪にとって、一致する事がどれ程嬉しい事なのか紫攸はきっと知らないだろう。
感激する紅雪は、自ら紫攸の唇に口付けを落とした。
一瞬驚きに固まった紫攸は、ふっと表情を和らげると幸せそうに微笑む。


「お前の嫉妬は可愛いが、俺が寂しいから二度としないで欲しい」
「それは難しいです。私は紫攸様を愛しているので…」
<か、可愛い事を言うなっ!!はあ…襲っても良いだろうか…>


安心したらしい紫攸の腕が離れて、苦笑を浮かべながら紅雪の隣に座ると懇願する。
しかし、紅雪は上目遣いで覗き込みながらぷうっと頬を膨らませて許否の言葉を紡いだ。
上目遣いと拗ねる表情の可愛らしさに紫攸は、この可愛らしさしかない生物を押し倒したい衝動に駆られる。


「……はしたないと思われるかもしれませんが、あ、あの……紫攸様に愛されたい、です…っ」


互いに触れてもいないのに同じ想いを紡ぐ紅雪が恥ずかしそうに頬を朱色に染める。
紫攸の誘いに乗らない陛下ではない。


「……制御するつもりはない、覚悟しろよ」
「………貴方で満たされたい……っ、んっ」


誘い文句でも誰かに教えられたのかと聞きたくなるほどに紅雪に煽られた紫攸は言葉の途中で彼女の唇を塞いだ。

そのまま紅雪を押し倒すと、紫攸は自分が満足するまで美味しく戴きましたとさ。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです

沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

処理中です...