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危険で変態で犯罪である!
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この状況を一言で叫び表すならばこう言うだろう
「ガス欠寸前!」と
とりあえず前に進もうと車を発進させたは良いが、困った事に行けども行けども似た様な風景
一本道をずっと真っ直ぐ突き進んで行けばきっと知ってる道に出るだろうと期待して居たんだけれど、家はおろか、人一人見当たらないこの状況
ガソリンも残りわずかとなった所で、私は等々車を道の端に寄せて止める
このまま進んで本気で動かなくなっても困ると私は溜め息を吐き出した
「ユイちゃん・・・歩こうか?」
先程の猿豚の事があって、少し戸惑うが、車内に息子一人残して行く方がもっと心配で、私は息子の手を取るのだった
リュックを背負い喉が乾くと行けないからと持参した水筒を片手にいざ出発した訳だけど
早くも挫けそうな、この心
「ホント・・・ど、うなって・・・んのっ!」
車から歩きに変えて早一時間・・・
足に豆を拵えた息子をおぶさり、更に、もう一時間
合わせて二時間弱、私はひたすらに歩いた
全身に大量の汗を掻き、おんぶと言う揺かごに魅了され眠る息子をおぶさり、痛む足に鞭を打って、一歩一歩進んだが
「も・・・無理っ」
気力と体力が限界を超え、ついに私はその歩みを止めるのだった
そして前屈みで膝を付き息を整える
すると、たっぷり一時間は寝た息子がユックリ眼を覚ます
少し寝ぼけているのか半目姿の息子
「ママおはよぉ」
寝起きの息子はとてつもなく可愛らしくて、一々私をキュンとさせるのだ
私をキュンとさせるのは旦那様と息子くらいしかいない
私はフニャリと微笑む息子を視界に収めニッコリ笑う
息子を地面に降ろし、私は息を整える
長い長い一本道はまるで出口が無い様に見えゾクリと悪寒が走る
右を向けば地平線の彼方まで見渡せる草原地帯。左を見れば鬱蒼と覆い茂る森林地
気付かなくて良い事に薄々と気付き、私は頭を抱えるのだった
嫌な予感は益々酷くなるばかりで、一歩進む度に考えは確信へ近づく
見た事も無い風景
行けども行けども人気の無い世界
此処は・・・
私達が住んでた世界なのだろうか?
もしかしてはもしかしない?
もしかして、など考えたくも無くて、私は頭を振る
トンネルを抜ければ我が家は目と鼻の先だった筈
今頃は旦那様のケーキの飾り付けを息子と楽しんで居た筈なのに、どうして私は此処に居るんだろうと不安は増すばかり
そうして考えれば考える程、気持ちは沈んで行く
そして等々涙がポロリと一雫漏れ落ちる
それを息子に悟られたく無く、私は急いで立ち上がる
「ちょ、ちょっと此処で待っててね?木の向こうに何か有るかもしれないからママ、少し見て来る。それとそこから絶対、動いちゃダメだからね?それと何か有ったら大声で叫ぶのよ?」
わかった?と、息子に言い聞かせ、私は鉛の様に重たい足を進める
良い子の返事をした息子を残して少し進むと長い草が生えて居た
息子との距離は目と鼻の先
「ユイ~!何も問題は無い?」
「大丈夫だよーママぁ!」
大声で確認すると直ぐに返事が返ってきて私は再び進むのだった
そして長い草に手を触れた瞬間
「確かに今声がしたんだって!」
第三者の声が聞こえ
私は思わず声を上げて此処に居る事を知らせようとした訳だけど
「マジかよ?夢でも見たんじゃねぇの?等々幻聴までしてくるとは要求不満通り越して頭イかれたか?」
「マジだって!確かに女の声だった!」
「まぁ気持ちはわからんでも無いけどなぁ!本物の女など、ここ最近触れてねぇからな!今目の前に居たらナニするかわかんねぇし!」
「ああ、俺匂いだけでイケる!てかイケナイ事しない自信ない!寧ろする!そして多分監禁して縛る!」
「バッ!お前、それ犯罪!そして変態って言うんだぞソレ!」
次々と聞こえ来る声に息を殺す様にぴたっと止める
そして、如何わしい会話に、言葉にならない悲鳴を心の中で上げる
「あーでも・・・誰か俺の子供産んでくれねぇかなぁ?」
「ばーか、それは誰もが思ってる事だろうがよ!」
「あー女!ちょっとで良いから齧りたい!舐めたい!」
「妄想も飽きたな・・・ハァー・・・・狡いよなぁ上のお偉いさんは・・・俺も嫁欲しい」
「てか末端でも良いから夫にしてくんねぇかなぁ・・・」
会話から読み取るに、どうやら私は今、とてつもなくマズイ状況ではないだろうか?
「来い来いっ女っ!」
「ハハッなんだよソレ?何かの儀式かよ!」
「ばーか!コレで現れたら・・・って、え?」
そしてマズイ状況と言うモノは必ず増すモノで、ヒッソリと息を殺し、見つからない様に身を屈める私の頭上高くから驚いた声が降り注ぐ
「おい、なんだよ!急に立ち止まって!って兎か何か居たか?」
私の危機的五感が訴える
今すぐ逃げろと
ユックリ顔を上げると驚愕し見開く二つの双眼
私の顔を見て驚いた顔が益々驚愕に変わる
「え・・・・女?」
男が呟いた瞬間、私は駆け出す
来た道を走り抜け息子の姿を捉えると、血相変えて戻って来た私に驚く息子を浚う様に抱き上げた
そして鉛の様に重かった足を動かしひたすら走る
「ま、ままっ?ど・・・」
「話は後っ!取り敢えず逃げなくちゃ!
私は出て来る冷や汗をそのままに元来た道を全速力で戻って行く
途中一本道から外れ覆い茂る木々の影に隠れながら何とか車の近くまで戻って来た私達親子
進んだ時は二時間近く掛かった時間も戻りは半分の時間で済んで私は息も耐え耐え木と木の間の影に座り込む
「ママ、大丈夫?」
「ハァハァ・・・ん・・・だい、じょう、ぶ・・・」
学生の頃、陸上部で、今も時折走って居て助かったと、胸を撫で下ろす
まぁ、隠れ隠れ戻って来たのは正解だった
きっと一本道をそのまま戻ってたら直ぐに見つかり捕まった筈
車までは目と鼻の先
私は木の間から顔だけ出し、辺りを見渡す
そして誰も居ない事を確かめ、息子を再び抱え直し、一気に駆け出した
向かうは車
鍵も掛けられるし、安全性を考えるなら一番だと、私は車に手を付ける
そして後は鍵を開けると言う所で
「待て!止まってくれ」
少し低い癖のない良く通る声に呼び止められる
私は思わず振り返るも
そのまま車のドアを開ける
目が合ったのは
青い瞳を持つ美形だった
サラサラと揺れる襟足までの髪
綺麗な顔を持つ男性は腰に剣を挿しており、慌てた様に駆け寄って来る
それを遮る様に車の中に駆け入り、私は扉を閉める
そして急いで扉のロックを掛けるのだった
間一髪の所で隔たれ、私はホッと息を吐き出す
バンっと窓に両手を付く美形
青い瞳が神秘的で思わずハッと息を吐き出す
スラリとした体格は贅肉は見当たらず、高い身長と長い手足
動物に例えるなら漆黒の毛をした黒豹
「頼む此処から出て来てくれないか?」
私は息子をギュッと抱きしめ睨み付ける様に美形を見つめる
ハァーと気怠く吐息を漏らす美形
暑いのか首元を緩めるその仕草
私は旦那様一筋で旦那様以外目に入らないからどうて事無いが、危険な香りと甘い香りがミックスされ何とも言えない色香が漂う
友達曰く、旦那様によってイケメン忍耐が付いてるらしい私
そんな困った様な顔をされても駄目だと私は鼻息荒く口を固く結ぶ
「困った・・・頼むから此処を開けてくれないか?」
何が危険で何が危険じゃないのかわからないこの状況
猿豚もだが、先程の男達の会話からも分かる様に、この男が危険か危険じゃないのか分からないのだ
息子の安全を第一にと考え、私は徹底籠城を開始したのだった
コレが吉と出るか凶と出るかは、まだわからない
この男が危険か安全かなどわからないのだ
私は私に出来る事をするのみ!!!
「ガス欠寸前!」と
とりあえず前に進もうと車を発進させたは良いが、困った事に行けども行けども似た様な風景
一本道をずっと真っ直ぐ突き進んで行けばきっと知ってる道に出るだろうと期待して居たんだけれど、家はおろか、人一人見当たらないこの状況
ガソリンも残りわずかとなった所で、私は等々車を道の端に寄せて止める
このまま進んで本気で動かなくなっても困ると私は溜め息を吐き出した
「ユイちゃん・・・歩こうか?」
先程の猿豚の事があって、少し戸惑うが、車内に息子一人残して行く方がもっと心配で、私は息子の手を取るのだった
リュックを背負い喉が乾くと行けないからと持参した水筒を片手にいざ出発した訳だけど
早くも挫けそうな、この心
「ホント・・・ど、うなって・・・んのっ!」
車から歩きに変えて早一時間・・・
足に豆を拵えた息子をおぶさり、更に、もう一時間
合わせて二時間弱、私はひたすらに歩いた
全身に大量の汗を掻き、おんぶと言う揺かごに魅了され眠る息子をおぶさり、痛む足に鞭を打って、一歩一歩進んだが
「も・・・無理っ」
気力と体力が限界を超え、ついに私はその歩みを止めるのだった
そして前屈みで膝を付き息を整える
すると、たっぷり一時間は寝た息子がユックリ眼を覚ます
少し寝ぼけているのか半目姿の息子
「ママおはよぉ」
寝起きの息子はとてつもなく可愛らしくて、一々私をキュンとさせるのだ
私をキュンとさせるのは旦那様と息子くらいしかいない
私はフニャリと微笑む息子を視界に収めニッコリ笑う
息子を地面に降ろし、私は息を整える
長い長い一本道はまるで出口が無い様に見えゾクリと悪寒が走る
右を向けば地平線の彼方まで見渡せる草原地帯。左を見れば鬱蒼と覆い茂る森林地
気付かなくて良い事に薄々と気付き、私は頭を抱えるのだった
嫌な予感は益々酷くなるばかりで、一歩進む度に考えは確信へ近づく
見た事も無い風景
行けども行けども人気の無い世界
此処は・・・
私達が住んでた世界なのだろうか?
もしかしてはもしかしない?
もしかして、など考えたくも無くて、私は頭を振る
トンネルを抜ければ我が家は目と鼻の先だった筈
今頃は旦那様のケーキの飾り付けを息子と楽しんで居た筈なのに、どうして私は此処に居るんだろうと不安は増すばかり
そうして考えれば考える程、気持ちは沈んで行く
そして等々涙がポロリと一雫漏れ落ちる
それを息子に悟られたく無く、私は急いで立ち上がる
「ちょ、ちょっと此処で待っててね?木の向こうに何か有るかもしれないからママ、少し見て来る。それとそこから絶対、動いちゃダメだからね?それと何か有ったら大声で叫ぶのよ?」
わかった?と、息子に言い聞かせ、私は鉛の様に重たい足を進める
良い子の返事をした息子を残して少し進むと長い草が生えて居た
息子との距離は目と鼻の先
「ユイ~!何も問題は無い?」
「大丈夫だよーママぁ!」
大声で確認すると直ぐに返事が返ってきて私は再び進むのだった
そして長い草に手を触れた瞬間
「確かに今声がしたんだって!」
第三者の声が聞こえ
私は思わず声を上げて此処に居る事を知らせようとした訳だけど
「マジかよ?夢でも見たんじゃねぇの?等々幻聴までしてくるとは要求不満通り越して頭イかれたか?」
「マジだって!確かに女の声だった!」
「まぁ気持ちはわからんでも無いけどなぁ!本物の女など、ここ最近触れてねぇからな!今目の前に居たらナニするかわかんねぇし!」
「ああ、俺匂いだけでイケる!てかイケナイ事しない自信ない!寧ろする!そして多分監禁して縛る!」
「バッ!お前、それ犯罪!そして変態って言うんだぞソレ!」
次々と聞こえ来る声に息を殺す様にぴたっと止める
そして、如何わしい会話に、言葉にならない悲鳴を心の中で上げる
「あーでも・・・誰か俺の子供産んでくれねぇかなぁ?」
「ばーか、それは誰もが思ってる事だろうがよ!」
「あー女!ちょっとで良いから齧りたい!舐めたい!」
「妄想も飽きたな・・・ハァー・・・・狡いよなぁ上のお偉いさんは・・・俺も嫁欲しい」
「てか末端でも良いから夫にしてくんねぇかなぁ・・・」
会話から読み取るに、どうやら私は今、とてつもなくマズイ状況ではないだろうか?
「来い来いっ女っ!」
「ハハッなんだよソレ?何かの儀式かよ!」
「ばーか!コレで現れたら・・・って、え?」
そしてマズイ状況と言うモノは必ず増すモノで、ヒッソリと息を殺し、見つからない様に身を屈める私の頭上高くから驚いた声が降り注ぐ
「おい、なんだよ!急に立ち止まって!って兎か何か居たか?」
私の危機的五感が訴える
今すぐ逃げろと
ユックリ顔を上げると驚愕し見開く二つの双眼
私の顔を見て驚いた顔が益々驚愕に変わる
「え・・・・女?」
男が呟いた瞬間、私は駆け出す
来た道を走り抜け息子の姿を捉えると、血相変えて戻って来た私に驚く息子を浚う様に抱き上げた
そして鉛の様に重かった足を動かしひたすら走る
「ま、ままっ?ど・・・」
「話は後っ!取り敢えず逃げなくちゃ!
私は出て来る冷や汗をそのままに元来た道を全速力で戻って行く
途中一本道から外れ覆い茂る木々の影に隠れながら何とか車の近くまで戻って来た私達親子
進んだ時は二時間近く掛かった時間も戻りは半分の時間で済んで私は息も耐え耐え木と木の間の影に座り込む
「ママ、大丈夫?」
「ハァハァ・・・ん・・・だい、じょう、ぶ・・・」
学生の頃、陸上部で、今も時折走って居て助かったと、胸を撫で下ろす
まぁ、隠れ隠れ戻って来たのは正解だった
きっと一本道をそのまま戻ってたら直ぐに見つかり捕まった筈
車までは目と鼻の先
私は木の間から顔だけ出し、辺りを見渡す
そして誰も居ない事を確かめ、息子を再び抱え直し、一気に駆け出した
向かうは車
鍵も掛けられるし、安全性を考えるなら一番だと、私は車に手を付ける
そして後は鍵を開けると言う所で
「待て!止まってくれ」
少し低い癖のない良く通る声に呼び止められる
私は思わず振り返るも
そのまま車のドアを開ける
目が合ったのは
青い瞳を持つ美形だった
サラサラと揺れる襟足までの髪
綺麗な顔を持つ男性は腰に剣を挿しており、慌てた様に駆け寄って来る
それを遮る様に車の中に駆け入り、私は扉を閉める
そして急いで扉のロックを掛けるのだった
間一髪の所で隔たれ、私はホッと息を吐き出す
バンっと窓に両手を付く美形
青い瞳が神秘的で思わずハッと息を吐き出す
スラリとした体格は贅肉は見当たらず、高い身長と長い手足
動物に例えるなら漆黒の毛をした黒豹
「頼む此処から出て来てくれないか?」
私は息子をギュッと抱きしめ睨み付ける様に美形を見つめる
ハァーと気怠く吐息を漏らす美形
暑いのか首元を緩めるその仕草
私は旦那様一筋で旦那様以外目に入らないからどうて事無いが、危険な香りと甘い香りがミックスされ何とも言えない色香が漂う
友達曰く、旦那様によってイケメン忍耐が付いてるらしい私
そんな困った様な顔をされても駄目だと私は鼻息荒く口を固く結ぶ
「困った・・・頼むから此処を開けてくれないか?」
何が危険で何が危険じゃないのかわからないこの状況
猿豚もだが、先程の男達の会話からも分かる様に、この男が危険か危険じゃないのか分からないのだ
息子の安全を第一にと考え、私は徹底籠城を開始したのだった
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