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番外編
代役は僕
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「優那、どうかな?」
「すごくかっこいいよ。隼人」
「ありがとう」
文化祭2日目。
今日は最大イベントである『ミスター・ミスコンテスト』がある。
クラス代表の男女がペアになってランウェイ(ステージから客席)を歩き、体育館中央でアピールをする。
それを見た観客たちが投票でトップ3を決めるというもの。
優勝商品の学食無料券をかけて、衣装や設定にこだわるクラスが多い。
僕たちのクラスの男子代表は隼人。
テーマは、結婚式。
つまり、衣装はタキシードとウエディングドレスだ。
「応援してるよ」
「うん。頑張る」
「じゃあ、僕は先に…」
「ちょっと待った!」
「え!?」
衣装兼メイク班のクラスメイトに腕を掴まれた。
「もう時間がないから大和田でいい! クラスのためにこれ着て!」
そう言って僕の前にウエディングドレスを突き出した。
「それは中條さんが着るはずの衣装…」
「そうなんだけど、彩香が体調崩して出られなくなったの。だから代わりが必要で、目の前に大和田がいたから…」
「目の前にいたからって、普通は女子を探すでしょ?」
「絶対似合うと思うんだけど。菊地もそう思うよね?」
「すっごく思う。優那、クラス優勝のために一緒に出よう」
「え、でも…」
「いいから!」
空き教室に衣装とともに押し込まれて、僕が代わりに出場することが決定してしまった。
渋々着替え始める。
どうして僕なの!?
速水さんは何をするにも突然なんだから……
***
「大和田。着替えた?」
「うん」
「入るね」
ドアが開いて、メイク道具を持った 速水さんが入ってきた。
「ぴったりだね」
「僕だってまだ希望はある!」
「大和田はそのくらいがちょうどいいと思うけど。菊地と並んだ時にいい感じだよ?」
「どういう意味?」
「んー……あ、そこに座って」
速水さんは僕の質問を受け流し、メイクを始めた。
「前から思ってたけど、大和田って肌綺麗だよね。何かやってるの?」
「え、特に何も…」
「やっぱり、恋のチカラか…」
「恋!?」
彼女を見ると、ニヤリと笑って「はい、動かない」と両手で僕の顔を戻した。
「菊地と付き合ってるんでしょ?」
「つ、付き合ってないよ…」
「そうなの? てっきりそういう関係なのかと…」
「……好きだけど」
「両想いか。羨ましい」
「変だって思わないの?」
「全然思わない。好きならそれでいいじゃん。性別とか関係ないよ」
「うん…」
そういう反応されると思っていなくて、僕の方が驚いた。
変だって言われると思っていた。
引かれるんじゃないか、と。
「はい、できた。そこら辺の女子より可愛いよ」
「さすがにそれは言い過ぎじゃ…」
「あ、ベールアップあるからね。中央まできたら…」
こんなことをするとは夢にも思っていなかったよ……
淡々と話を進めていくけど、僕は男だし相手も男だからね!?
それを忘れないで欲しい。
全校生徒と先生方に見られるんだ。
生徒会長のウエディングドレス姿を……
「説明は終わり。何か質問はある?」
「ない、です」
「そんな不安そうな顔しないの! 大丈夫だよ。菊地がリードしてくれるから」
「……速水さんじゃダメなの?」
「え?」
「中條さんの代わりは、速水さんじゃダメなのかなって」
「私よりも大和田の方が似合うから……」
さっきの明るい彼女はそこにいなくて、今目の前にいるのは悲しそうな速水さんだ。
「速水さ…」
「ほら、そろそろ時間だよ。早く菊地のところに行かないと」
震える声でそう言って僕の背中を軽く押した。
これ以上彼女の内にあるものに触れてはいけない気がして、僕はそのまま教室を出た。
「すごくかっこいいよ。隼人」
「ありがとう」
文化祭2日目。
今日は最大イベントである『ミスター・ミスコンテスト』がある。
クラス代表の男女がペアになってランウェイ(ステージから客席)を歩き、体育館中央でアピールをする。
それを見た観客たちが投票でトップ3を決めるというもの。
優勝商品の学食無料券をかけて、衣装や設定にこだわるクラスが多い。
僕たちのクラスの男子代表は隼人。
テーマは、結婚式。
つまり、衣装はタキシードとウエディングドレスだ。
「応援してるよ」
「うん。頑張る」
「じゃあ、僕は先に…」
「ちょっと待った!」
「え!?」
衣装兼メイク班のクラスメイトに腕を掴まれた。
「もう時間がないから大和田でいい! クラスのためにこれ着て!」
そう言って僕の前にウエディングドレスを突き出した。
「それは中條さんが着るはずの衣装…」
「そうなんだけど、彩香が体調崩して出られなくなったの。だから代わりが必要で、目の前に大和田がいたから…」
「目の前にいたからって、普通は女子を探すでしょ?」
「絶対似合うと思うんだけど。菊地もそう思うよね?」
「すっごく思う。優那、クラス優勝のために一緒に出よう」
「え、でも…」
「いいから!」
空き教室に衣装とともに押し込まれて、僕が代わりに出場することが決定してしまった。
渋々着替え始める。
どうして僕なの!?
速水さんは何をするにも突然なんだから……
***
「大和田。着替えた?」
「うん」
「入るね」
ドアが開いて、メイク道具を持った 速水さんが入ってきた。
「ぴったりだね」
「僕だってまだ希望はある!」
「大和田はそのくらいがちょうどいいと思うけど。菊地と並んだ時にいい感じだよ?」
「どういう意味?」
「んー……あ、そこに座って」
速水さんは僕の質問を受け流し、メイクを始めた。
「前から思ってたけど、大和田って肌綺麗だよね。何かやってるの?」
「え、特に何も…」
「やっぱり、恋のチカラか…」
「恋!?」
彼女を見ると、ニヤリと笑って「はい、動かない」と両手で僕の顔を戻した。
「菊地と付き合ってるんでしょ?」
「つ、付き合ってないよ…」
「そうなの? てっきりそういう関係なのかと…」
「……好きだけど」
「両想いか。羨ましい」
「変だって思わないの?」
「全然思わない。好きならそれでいいじゃん。性別とか関係ないよ」
「うん…」
そういう反応されると思っていなくて、僕の方が驚いた。
変だって言われると思っていた。
引かれるんじゃないか、と。
「はい、できた。そこら辺の女子より可愛いよ」
「さすがにそれは言い過ぎじゃ…」
「あ、ベールアップあるからね。中央まできたら…」
こんなことをするとは夢にも思っていなかったよ……
淡々と話を進めていくけど、僕は男だし相手も男だからね!?
それを忘れないで欲しい。
全校生徒と先生方に見られるんだ。
生徒会長のウエディングドレス姿を……
「説明は終わり。何か質問はある?」
「ない、です」
「そんな不安そうな顔しないの! 大丈夫だよ。菊地がリードしてくれるから」
「……速水さんじゃダメなの?」
「え?」
「中條さんの代わりは、速水さんじゃダメなのかなって」
「私よりも大和田の方が似合うから……」
さっきの明るい彼女はそこにいなくて、今目の前にいるのは悲しそうな速水さんだ。
「速水さ…」
「ほら、そろそろ時間だよ。早く菊地のところに行かないと」
震える声でそう言って僕の背中を軽く押した。
これ以上彼女の内にあるものに触れてはいけない気がして、僕はそのまま教室を出た。
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