ぼくの夢をくれた理学療法士と超能力な患者さんたち

莉桜咲

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ぼくの夢は何だろう?

11.あずさちゃんからのプレゼント

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 「大したことないよ。ちょっと痛くて、れてるだけ。すぐに良くなるよ。」
クラスメイトに囲まれてうれしかった。一時間目の国語と二時間目の算数の授業を、みんなと受けた。みんながわざわざ3階の6年3組の教室から、1階の空き教室まで来てくれたんだ。久しぶりにみんなと授業を受けた。今までは、授業中、今日の給食は何かなとか、今度のサッカーの試合のこととか、自主練のこととかを考えていて、退屈だったけど、学校に来られるって幸せなことなんだな。

 二時間目が終わった後の、20分間の休み時間に、朔也さくやたちと話した。
「大夢、今日の給食はカレーだぞ。たくさん食べて、早く治せよ。」
朔也は5年生の時に初めて同じクラスになって仲良くなったんだ。朔也はすごく字が上手いんだ。書道の時間に朔也の作品を見たらびっくりした。まるで、お手本だから。普段、ノートに書く字もすごくキレイなんだ。書道教室に通っているんだって。書道コンテストで金賞を取ったことがあるらしい。
「そうだな。」
カレーは2番目に好きな食べ物。1番は唐揚げ。3番目はハンバーグ。
「今度、ぼくの家で一緒にゲームをしような。新しい技をできるようになったんだ。負けないぞ。」
「こっちだって負けないぞ。」
そう言いながら、笑い合った。

 3時間目は2階の理科室だったから、保健室でプリントをやった。やっぱり一人ぼっちは寂しい。4時間目は、体育。今日は、体育館でび箱だった。ぼくは跳び箱も得意なんだけどなぁ。見学だった。みんな、跳び箱ができていいなあ。うらやましいなあ。

 その後は、給食。みんなが1階の空き教室まで来てくれた。みんなでカレーを食べた。すごくおいしかった。おかわりもした。朔也がぼくのおかわりを持ってきてくれた。みんなで食べる給食がこんなにもおいしかったなんて、知らなかった。ただ、カレーを食べているだけなのに、ぼくはうれしかった。

 ご飯を食べて、歯磨きをして、昼休み。ぼくは一度保健室に戻った。保健室の先生が心配してるから、顔を見せないと。
「大夢くん、体調はどう?どこか痛いとかない?」
「はい、大丈夫です。元気です。カレーをおかわりしました。」
ぼくはにっと笑った。
「それなら、良かった。お母さんは帰られて、また学校が終わったら、むかえに来てくれるって。何かあったら、先生に教えてね。」
「分かりました。」

 コンコン。誰かがきた。担任の大鷹先生かな、と思ったら、クラスメイトのあずさちゃんだ。
「大夢くん、大丈夫?」
ぼくを心配してくれているらしい。単純に嬉しかった。
「全然大丈夫だよ。痛くないし。」
ぼくは笑っていた。
「それなら、良かった。あのね、月曜日に大鷹先生から、大夢くんがケガをしたって聞いて、心配してたの。昨日まで学校に来れなくて、大けがだったらどうしようって。でも今日、学校に来てくれて良かった。」
二コリとあずさちゃんが笑った。かわいい。そうか、ぼくをそんなに心配していたなんて。
「待たせてごめん。でも、もう大丈夫だから。来週もちゃんと学校来るし。」
「良かった。これ、家でママと作ったの。大夢くんがケガをしちゃったってママに言ったら、何か作ってあげたらって。元気が出るからって。」
手渡されたのは、フェルトで作ったサッカーボール。ぼくはびっくりした。ぼくのために作ってくれたの?
「え、いいの?くれるの?」
「うん。ママに作り方を教わったの。初めて作ったから、あんまり上手じゃないけど。」
これは頑張がんばったご褒美ほうびに違いない。痛いのを我慢して学校に来て良かった。
「ありがとう。大切にするね。」
あずさちゃんは器用だな。ぼくはお礼を言った。そうこうしているうちに、5時間目が始まる時間だ。五時間目は社会だから、空き教室へ向かった。保健室の先生が車いすを押してくれた。ぼくは、ここ数日、とても悲しかった。もうサッカーができないなんて、悲しくて、寂しくて、どん底にいたけれど、あずさちゃんからサッカーボールをもらって、ぼくは少しだけ明るい気持ちになった。
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