ぼくの夢をくれた理学療法士と超能力な患者さんたち

莉桜咲

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ぼくの夢は何だろう?

20.ぼくの気持ち

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 「ほまれ、ぼく将来はサッカー選手になるんだ。」
同じサッカーチームのゴールキーパーの誉とシュートの練習だ。
「ぼくもだよ。ぼくがゴールを守るよ。大夢はエースストライカーとしてシュートを決めるんだ。」
休憩中、二人で飲み物を飲みながら語ったんだ。
「うん、約束だ。誉、絶対一緒にサッカー選手になろうな。」
「もちろん。」
そう約束して、また練習を始めた。


 目が覚めた。先週の試合前の練習の時の記憶だ。もうぼくはサッカーができない。大好きなサッカーチームで、誉たちと一緒にできないんだ。そう思うと涙が出てきた。そして、今日病院で何が起きたか思い出したんだ。
「嫌だよ。やだってば。リハビリなんてしたくない。サッカーできないのに。」
なんかもう何も考えられくなって大泣きしてしまった。今思えば、パニックみたいになっちゃんたんだと思う。お母さんが少し離れたところで見てたんだけど、すぐぼくのところに来た。
「大夢、どうしたの。」
お母さん。
「大夢くん、落ち着いて深呼吸しようか。」
多分看護師さんが優しく言った。隣の部屋から先生が来て、
「大夢くん、大丈夫?」
って。大丈夫じゃなかった。今思えば、何であんなに急に悲しくなっちゃったのか分からないけど、なんかもう我慢できなくなっちゃって。
「大丈夫、大夢くん。無理にリハビリしなくていいよ。嫌だったね。」
先生が言った。
「そうだよね。もう大丈夫だよ。深呼吸しよう。」
看護師さん。少し涙が止まってきたけど、まだ止まらない。お母さんと看護師さんがぼくの背中をさすってくれたんだ。
「うん。」
その後、涙をいて、少し落ち着いた。麦茶を飲んで、やっと泣き止んだ。目はれていたけど、そのまま、家に帰ったんだ。そして、家に帰ってすぐ、いつものソファーで寝ちゃって、懐かしい夢を見たんだ。誉との練習楽しかったな。チームのみんなとも。叶翔にリフティングやドリブル、シュートを教えるのも。それが当たり前だと思ってたんだけどな。
「大夢、起きたの?大丈夫?」
お母さんがすごく心配している。
「ごめんね。ごめんね。大変なときに、病院連れてって。大夢のつらさ、分かってなかった。お母さん、お母さん失格ね。」
お母さんも泣いている。お母さんまで泣かせてしまった。
「ううん、ぼくこそリハビリやらなくてごめんなさい。なんか、もうサッカーができないと思ったら涙が止まらなかったんだ。」
「いいのよ。嫌だったよね。お母さん気付けなくて。大夢の気持ちに気付けなくて。ごめんね。」
お母さんがぼくを抱きしめてくれた。抱っこなんて、叶翔が産まれてからしてもらったことなかったな。

 その後のことは覚えていない。なんか、上手く言葉にできなかったんだ。夜になったら、1階でお父さんとお母さん、叶翔とみんなで一緒に寝たんだ。ぼくだけがソファーベッドでみんなはお布団だけど。叶翔が寝た後、お母さんとお父さんが、ぼくが寝ているソファーベッドに来たんだ。狭いな。
「大夢、今日は頑張ったな。」
お父さん。
「頑張ってないよ。だって、ぼくみんなの前で泣いちゃって、リハビリしなかったんだ。小6なのに。」
お父さんがぼく頭をなでてくれた。
「リハビリも大事だと思うけど、大夢の気持ちの方が大事よ。無理にリハビリしなくていいからね。」
お母さん。
「うん。」
ぼくの気持ちの方が大事だって。それだけは、覚えている。そして、眠りについた。
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