ぼくの夢をくれた理学療法士と超能力な患者さんたち

莉桜咲

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ぼくの夢は何だろう?

23.歩けることはすごいこと

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 土曜日にピアノの体験レッスンをして来た。日曜日は、お母さんがお仕事へ行って、お父さんと叶翔かなとと過ごした。雨だったから、お出かけしないで、トランプとゲームと動画を見て過ごした。ピアノ教室はやめておくことにしたから、お詫びの気持ちを込めて、あずさちゃんにプレゼントを作ろうと思ったんだ。お父さんにネットで作り方を探してもらったんだけど、よく分からなくてあきらめちゃった。お母さんがいるときに、お母さんと作ることにしたよ。夜、お母さんに明日病院って聞いて、嫌だなと思ったんだ。でも、お母さんがリハビリはできたらすればいいよって。無理にしなくていいよって。安心したよ。

 そして、月曜日になって、病院へ行ったんだ。また、MRIという機械で撮影して、診察を受けたんだ。
「大夢くん。こんにちは。先週はつらい思いをさせてごめんなさい。体調はどう?」
整形外科の桜川先生だ。
「いえ、リハビリやらなくてごめんなさい。元気です。」
「それは良かった。お膝の痛みは?」
言われてみたら、膝、痛いのかなり良くなっている。
「だいぶ良くなりました。」
「良かった。痛いのは大変だからね。今日は、膝に付ける装具が完成したから、つけてみようか?」
「はい。」
「ありがとう。まずは、MRI画像を見てみるよ。骨の間のクッションの役割の半月板とかは大丈夫そうだね。」
「はい。」
よく分からないが、とりあえず返事。
「それじゃあ、お膝を診せてね。」
またいつも通り、お膝をいじいじしている。確かにだいぶ痛いのが良くなっている。
「これが装具だよ。歩くときに膝を支えるよ。」
うーん、見たことあるようなないような。なんか不思議な形をしているなぁ。結構長くて、黒くて、固そう。
「早速、付けてみていいかな。」
「はい。」
太ももの真ん中辺りから、ふくらはぎまであるね。先生に付けてもらったよ。くすぐったくて変な感じ。
「この装具は、歩いた時に膝を守ってくれるよ。これを付ければ歩けるからね。」
え、歩けるの?
「まずは、立ってみようか。そう、座ってみて。先生と一緒に立つよ。」
ゆっくり立てた。両足で。ずっと、左足に重心を置いて立っていたから、変な感じ。
「そう、上手だ。痛くないかい?」
「はい、大丈夫です。」
「さすが大夢くん。今度はゆっくり歩いてみよう。右足を一歩踏み出してごらん。」
先生に支えられ、右足を出した。変な感覚だ。体重を乗せてもそんなに痛くないし。自然と左足も出せた。歩けたよ。
「そうそう、上手だ。」
「先生、歩けた。」
ずっと車いすか松葉杖の生活だったから、嬉しかった。
「大夢くんが頑張ったからだよ。痛みに耐えた。強い子だ。」
「うん。ありがとう。」
やった、歩けた。でも走ったり、階段はダメだって。歩くのも、立ったり座ったりも手すりを使ってゆっくりだって。ぼくは2週間ぶりに自分の足で歩くことができた。今まで、歩けなかったことなんて、赤ちゃんの時しかなかったから、歩けることがこんなにもすごいことなんて知らなかったよ。家に帰って、お父さんや叶翔に歩いてみせよう。
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