ぼくの夢をくれた理学療法士と超能力な患者さんたち

莉桜咲

文字の大きさ
38 / 43
ぼくの夢は何だろう?

37.職場体験学習の説明会

しおりを挟む
 今日は土曜日のはずなのに、お母さんに起こされた。
「大夢、起きて。早くしないと遅刻するわよ。」
まだ6時だよ。今日は学校休みなのに。
「今日は説明会でしょ?ほら、朝ご飯できてるから。」
元馬大学附属病院で開かれる職場体験学習の説明会、そうだ、忘れていた。面倒だな。説明会って何するんだろう。
「はぁい。」
もぞもぞ起きて、洗面所へ。着替えと顔を洗って、リビングに戻って、朝ご飯を食べた。今度はお母さんが叶翔かなとを起こしている。叶翔もリビングに下りてきた。
「おはよう、お兄ちゃん。」
「おはよう、叶翔。」
「今日、ぼくも行くよ。」
そうなのか。
「今日の説明会、お母さんと叶翔も行くけど、ずっと一緒には聞いていられないと思う。叶翔が飽きちゃうから。」
お母さんが言った。今日はお父さん、お仕事でいないんだ。
「うん、別にぼく一人で大丈夫だよ。」
「そう?」
朝ご飯を食べて、車に乗って、元馬大学へ向かった。元馬大学は地方国立大学という分類らしい。学部は、医学部、工学部、理学部、教育学部、農学部、文学部という学部があるんだって。今日は、元馬大学附属病院がある医学部キャンパスで、説明会をするんだって。職場体験学習希望者は行かないといけないらしい。あずさちゃんとのBBQのためだ。

 3人で車に乗った。ぼくは助手席で、叶翔は後ろ。
「大夢、今日、どの職業の体験をするか選ぶんだって。それから、期間も選べるんだって。1週間か2週間か、3週間のどれにするか。」
うーん、1週間で十分だと思うけど。
「説明してもらって決めてね。どの期間でもいいのよ。職種も好きな職種を選んでね。」
「はーい。」
「帰りに、ファミレス寄ってご飯食べようね。」
「やった。」
叶翔が喜んでいる。
「お父さんは?」
お父さんも一緒にファミレス行きたいな。
「お父さんは今日会社の飲み会で遅くなるって。」
大人も大変だな。
「そうなんだ。」
じゃあ、明日、今日説明会行ってきたよって言おう。しばらくドライブして、途中コンビニに寄ったりして、元馬大学に着いたよ。広いね。

 駐車場から結構歩いて、案内された部屋に着いたんだ。入口で受付をお母さんがした。その後、お母さんと叶翔は別室の保護者席へ。ぼくは大きなホールの子供席に座った。びっくりした。すごくたくさんの人。100人はいるんじゃないかな。学校の始業式みたいに、生徒がたくさんいてほぼ満席。体育館じゃなくてホールだけど。たくさんいるから、保護者は別の部屋なんだね。少し待っていると、始まった。まずは、学長?病院長?お偉い人の挨拶。
「えー、未来ある子供たちの将来に役立つ職場体験学習を開催します。医療従事者のお仕事に興味を持っていただけるきっかけとなれば嬉しいです。」
「元馬大学附属病院は地域の皆様に支えられています。その地域の大切な子供たちをお預かりし、普段できない体験をしていただき、将来の職業選択や進路選択にお役立ちいただきたいと願います。」
偉い人の話って長いよなぁ。
「それでは、次に、実際に附属病院で働く職員より、職種の説明をいたします。本日、最後に体験する職種を決めていただきますので、そのご参考にしていただきますようお願い申し上げます。」
司会のお姉さん。
「まず最初に、医師である石田先生より、医師のお仕事をご説明いたします。」
まずはお医者さんだ。
「みなさん、こんにちは。」
「こんにちは。」
「みんな元気で素晴らしいですね。早速ですが、医師の説明をさせていただきます。私は附属病院の内科医です。みんな、一度は病院にかかったことがあると思います。どこかが痛いとか、何かつらいことがあって、病院に行くと思います。そして、何の病気なのか診断したり、治療をしたり、手術をしたり、お薬を出したりします。色々な科があって、内科、外科、小児科、産婦人科、整形外科、泌尿器科、救急科、眼科、耳鼻科、皮膚科、精神科、リハビリテーション科等、たくさんの科があります。体験学習で、医師を選んでくれた場合、どの科を体験してもらうか相談して決めます。保護者の許可が下りた希望者は手術を見学することができますよ。是非、医師を選んでいただけたらと思います。」
お医者さんか。ぼくがケガしたとき、診てくれたな。インフルエンザになったときも。
「次は看護師の説明です。」
「看護師の原です。よろしくお願いいたします。みなさん、看護師に会ったことはあるかな?病院へ行くと必ずいますね。主に、患者さんのケアや診察の補助をします。主に、入院患者さんの担当の場合、生活に必要なケアを行います。外来患者さんの担当の場合は、診察の補助や検査の補助などを行います。看護師も科を選んで働くことになります。私は病棟に勤務していますが、患者さんの一番近くにいられる看護師だからこそ、気付けたり、できるケアがあります。患者さんの不安に寄り添い、身体的、精神的にケアできるよう心掛けています。看護師も医師と同様、科を選んで体験することができます。お待ちしております。」
ふむふむ、看護師さんか。ぼくがけがをしたとき、優しくしてくれたな。
「薬剤師の寺井です。みんな、お薬を飲んだことあるかな?病院へ行くと、お医者さんが診断、治療をして、お薬を処方してくれます。そのお薬の準備をするのが薬剤師のお仕事です。準備をした後、実際に患者さんにお薬の説明をするのも大切なお仕事です。患者さんが安心してお薬を飲めるよう、飲み合わせを確認したり、サポートをします。薬剤師に興味のある人はぜひ、薬剤師を選んでください。」
そういえば、ぼく痛み止めもらったな。説明してくれたの薬剤師さんだったんだ。
「助産師の川中です。みんな、お母さんから産まれてきましたね。妊娠や出産、育児をサポートするのが、私たちのお仕事です。出産は大変なことなので、お母さんをしっかりサポートし、赤ちゃんが産まれる準備をします。助産師の体験を選んでいただいた場合、実際のお産に立ち会うことができます。尊い命の誕生を間近で感じてみませんか?」
助産師さんって、確か叶翔が産まれた時、ぼくの家に来てくれたことがあったはず。多分。そして、説明会は休憩に入ったんだ。この休憩中にぼくは運命の出会いを果たす。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

【シスコン】シスターコントロール ~兄のダンジョン探索を動画サイトで配信して妹はバズりたい!~【探索配信】

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 西暦202x年、日本を襲った未曾有の大災害『日本列島地殻変動』により日本での生活環境は一変してしまった。日本中にダンジョンと呼ばれる地下洞窟が口を開き、周辺からは毒ガスが噴出すると言った有様だ。  異変から約一年、毒ガスの影響なのか定かではないが、新生児の中に毒ガスに適応できる肺機能を持った者たちが現れ始めていた。さらにその中の数%には優れた身体能力や頭脳を持つ者や、それだけでなく従来とは異なった超能力と言える特殊な異能力を持つ者もいた。  さらに八十年ほどが過ぎて二十二世紀に入ったころには人々の生活は落ち着き、ダンジョンを初めとする悪辣な環境が当たり前となっていた。そんなすさんだ世の中、人々の娯楽で一番人気なのはダンジョンを探索する限られた者たちの様子をリアルタイムで鑑賞することだった。  この物語は、ダンジョン探索に情熱を燃やす綾瀬六雨(あやせ りくう)と、その様子を配信してバズりたい綾瀬紗由(あやせ さゆ)という、どこにでもいるごく普通の兄妹が身近な人たちと協力し楽しく冒険するお話です。

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

不幸でしあわせな子どもたち 「しあわせのふうせん」

山口かずなり
絵本
小説 不幸でしあわせな子どもたち スピンオフ作品 ・ ウルが友だちのメロウからもらったのは、 緑色のふうせん だけどウルにとっては、いらないもの いらないものは、誰かにとっては、 ほしいもの。 だけど、気づいて ふうせんの正体に‥。

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

【親子おはなし絵本】ドングリさんいっぱい(2~4歳向け(漢字えほん):いろいろできたね!)

天渡 香
絵本
「ごちそうさま。ドングリさんをちょうだい」ママは、さっちゃんの小さな手に、ドングリさんをのせます。 +:-:+:-:+ ドングリさんが大好きな我が子ために作った絵本です。 +:-:+:-:+ 「ひとりでトイレに行けたね!」とほめながら、おててにドングリさんを渡すような話しかけをしています(親子のコミュニケーションを目的にしています)。 +:-:+:-:+ 「ドングリさんをちょうだい」のフレーズを繰り返しているうちに、子供の方から「ドングリさんはどうしたらもらえるの?」とたずねてくれたので、「ひとりでお着がえできたら、ドングリさんをもらえるよ~」と、我が家では親子の会話がはずみました。 +:-:+:-:+ 寝る前に、今日の「いろいろできたね!」をお話しするのにもぴったりです! +:-:+:-:+ 2歳の頃から、園で『漢字えほん(漢字が含まれている童話の本)』に親しんでいる我が子。出版数の少ない、低年齢向けの『漢字えほん』を自分で作ってみました。漢字がまじる事で、大人もスラスラ読み聞かせができます。『友達』という漢字を見つけて、子供が喜ぶなど、ひらがなだけの絵本にはない発見の楽しさがあるようです。 +:-:+:-:+ 未満児(1~3歳頃)に漢字のまじった絵本を渡すというのには最初驚きましたが、『街中の看板』『広告』の一つ一つも子供にとっては楽しい童話に見えるようです。漢字の成り立ちなどの『漢字えほん』は多数ありますが、童話に『漢字とひらがなとカタカナ』を含む事で、自然と興味を持って『文字が好き』になったみたいです。

傷ついている君へ

辻堂安古市
絵本
今、傷ついている君へ 僕は何ができるだろうか

ノースキャンプの見張り台

こいちろう
児童書・童話
 時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。 進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。  赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。

処理中です...