ぼくの夢をくれた理学療法士と超能力な患者さんたち

莉桜咲

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ぼくの夢は何だろう?

42.明るい気持ちに

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 「お母さん。ぼく理学療法士りがくりょうほうしにしたよ。3週間行くんだ。」
説明会が終わって、お母さんと叶翔かなとが迎えに来てくれた。
「え?そうなの?」
お母さんがびっくりしている。
「うん、ぼく理学療法士の体験に行くよ。相羽さんっていうお兄さんのところ。」
「え、もう決まったの?すごいじゃない。」
お母さんが笑ってる。
「それに3週間も?1週間でいいって言ってなかった?」
確かに、行きの車の中でそう言った。
「うん、理学療法士のお兄さんに出会ったんだ。ぼくのひざ見て、靱帯損傷じんたいそんしょうって分かったんだ。ぼくのことかわいがってくれて。ぼくの担当してくれるって。」
一気にしゃべっちゃった。
「そうなのね。良かった。本当に。」
お母さんがほっとしている。
「ぼくも行きたいなぁ。」
叶翔がぽつりと話した。
「叶翔は小学校高学年になったらね。」
「そんなに先なの?」
まだ小学生ですらない。
「そうよ。まずは小学生にならないとね。」
「うん。」
今日はお父さん遅いから、明日今日あったことを話すんだ。
「じゃあ、帰ろうね。」
3人で帰った。職場体験学習は夏休み中の8月なんだ。今、7月になったから、後一か月くらい。楽しみだな。また、来よう。

 「ひろくん。説明会行ったんだね。ケガに耐えて、本当に偉い。職場体験学習、楽しんで行ってね。素敵な出会いがあるから。」
おばあちゃんだ。去年亡くなったおばあちゃん。ぼくの夢で会いに来てくれた。ニコニコしていつものおばあちゃんだった。ぼく、偉いでしょ?

 目が覚めた。お父さんとお母さんが朝ご飯を食べている。
「おはよう、お父さん、お母さん。」
「大夢、おはよう。お母さんから聞いたぞ。」
お父さん、昨日はぼくたちが寝てから帰って来たんだ。飲み会だったんだって。それもお仕事なんだって。大人も大変だな。
「うん、ぼく理学療法士に決めたんだ。3週間、みっちり頑張ってくるよ。」
「偉いじゃないか。理学療法士が気に入ったんだな。」
まだ、ソファーベッドの上でほーっとしているぼくの頭をなでてくれた。
「うん、すごいお兄さんがいたんだ。相羽あいばさんって言うんだ。ぼくのお膝を見て、靱帯損傷って分かったんだ。偉かったなって褒めてくれたんだ。」
寝起きなのに、ぼくは興奮してたくさん話した。
「そうか、良かったな。楽しみだな。大夢、偉いぞ。」
「ふふ。ぼく偉いもん。」
「そうだそうだ。約束通り、あずさちゃんのお母さんに連絡して、BBQに誘わないとな。」
忘れていた。職場体験学習乗り気じゃなかったから、お父さんが行ったら、ご褒美であずさちゃんたちとBBQって言っていたんだ。
「よろしく。」
BBQにも行けるなんて嬉しいな。ま、それがなくても、ちゃんと職場体験学習行ってたけどね。
「大夢、顔を洗って、着替えて、朝ご飯食べよう。」
昨日からお母さん、ご機嫌なんだ。昨日は帰りにファミレス寄ってパフェを食べたんだ。おいしかったな。
「はぁい。」
ケガをして、サッカーできなくなって、リハビリも嫌で。その上、体験したピアノ教室や書道教室、英会話教室は惨敗で。もうぼくなんてって思っていたんだ。サッカーできないなんてどうしたらいいのかって、絶望していたけど、そんなに絶望することじゃなかった。ぼくはぼく。ぼくがやりたいことをやればいいんだな。ぼく、頑張って、元馬大学附属病院の職場体験学習へ行って理学療法士のお仕事を覗いてくるよ。天国で見ていてね、おばあちゃん。ケガをしてから、一番明るい気持ちになった。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

広原琉璃
2025.08.15 広原琉璃

最新話まで楽しく読ませて頂きました!
サッカーの夢を諦めたくない大夢くんが、これから行われる職場体験学習で、どう変わっていくのかがとても楽しみです。
お母さんが心配するあまりに語る過去に、思わずうるっときて、あずさちゃんがくれたフェルトの手作りサッカーボールに、頬が緩んでしまいました。
更新、頑張ってください!

2025.08.16 莉桜咲

コメントとお気に入りにしていただき、本当にありがとうございます。初めてコメントをいただき、大変嬉しく思います。
主人公が、母や友達に支えられ、強くなっていく様子を読者の皆様と共有させていただければと思います。
今後も頑張って書きますので、応援よろしくお願いいたします。

解除

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