ぼくの夢をくれた理学療法士と超能力な患者さんたち

莉桜咲

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ぼくの夢はサッカー選手

1.試合の日の朝

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 今日のぼくはイケてる気がする。きりっとしているし、笑った感じもいい感じ。顔を洗ってタオルでふいて、かがみを見てニヤリとした。きっと今日の試合は勝てるにちがいない。去年、負けちゃったけど、今年は、ぼくが背番号10のエースストライカーだから、たくさんシュートを決めて、絶対に勝つぞ。

 ぼくの名前は、大夢ひろむ。長い人生でつねに、大きな夢を持って欲しい、と願いをめてお父さんが付けてくれたんだ。かっこいいだろ。今日は、ぼくが所属しょぞくするサッカーチームと去年の試合で負けたチームとの大事な試合。この日のために、仲間たちとたくさん練習してきたんだ。そして、ぼくの夢は、たくさんのシュートを決めるかっこいいサッカー選手になることだ。ワールドカップで活躍かつやくをするのが夢だ。

 「おはよう、お母さん。」
リビングに来たら、お母さんが料理をしている。からあげのいいにおいがして、おいしそう。
「試合前のウォーミングアップで、少し走って来るね。」
そうお母さんに言って、家を出ようとしたら
「ちょっと待って。」
と言い、ゆで卵を持ってきてくれた。
「朝ごはん、今作ってて、まだできていないから、これ食べてから行きなさい。空腹で運動すると、低血糖ていけっとうになっちゃうから。」
低血糖ていけっとうになると、めまいやふらつきがしてしまってあぶないらしい。お母さんが教えくれた。お母さんは、いつもぼくの練習のサポートをしてくれる。おいしいご飯を毎日作ってくれるし、練習の送りむかえもかさずしてくれる。試合の日は、朝早くからぼくの大好きな、からあげ弁当をたくさん作って、応援してくれる。栄養の勉強もして、栄養バランスをしっかり考えてくれている。お父さんも、お仕事から早く帰ってきた日や休みの日は、ぼくの走り込みやリフティング、シュートなどの自主練習を一緒にやってくれる。試合の日はがんばって休みを取って応援に来てくれる。それから、ぼくの大好きなサッカー選手たちの動画を見せてくれるんだ。

 お母さんに言われた通り、ゆで卵を食べて、近くの公園まで行ってみた。少し一人で走っていると、親友のほまれがいた。
「おはよう、大夢。早いな。いよいよ今日は試合だな。がんばって絶対勝とうな。」
誉はぼくと同じ小学校に通い、同じサッカーチームに所属するぼくのチームメイトだ。ぼくと同じ、小1からサッカーを始めたんだ。ポジションはゴールキーパー。いつも一緒にシュートの練習をしている。
「誉、おはよう。もちろんだ。今日のためにたくさん練習してきたんだからな。一緒に勝つぞ。」
 
 誉と10分くらい練習をしていたら、もうこんな時間。ぼくたちはまた後で、とあいさつして、家にもどった。家に帰ると、お父さんとお母さん、ぼくの弟の叶翔かなとが朝ごはんを食べようとしているところだった。
「おかえり。おそいからお父さんに見に行ってもらおうと思っていたところよ。」
お母さんがぼくの分のご飯をよそいながら言う。
「大夢、今日は試合だな。お父さん、休みを取ったから見に行くからな。」
お父さんは、ぼくがサッカーをしているとき、とてもうれしそうだ。サッカー選手になりたいとお父さんとお母さんに話したとき、とても喜んでくれた。名前の通り、大きな夢を持っていてくれて嬉しいってさ。

 「ぼくもお兄ちゃんの試合見に行くよ。がんばれってたくさん応援するんだ。」
叶翔かなとは、今は幼稚園生。来年小学生になったら、ぼくと同じチームでサッカーを始める予定なんだ。ぼくがシュートを決めている姿を見て、かっこいいてさ。ぼくみたいなエースストライカーを目指すんだって。けんかするけど、かわいい弟だ。
「大夢、今日は大事な試合だから、たくさん食べて力をつけるんだぞ。」
お父さんが、ニコニコしながら言う。
 
 家族4人で、お母さんが作ってくれた朝ごはんをみんなで食べた。とてもおいしかったから、たくさん食べた。今日のぼくはイケてるから、今日の試合は勝つにちがいない。誉やチームメイト、コーチ、お父さん、お母さんと練習をがんばってきたからな。ぼくが、シュートをたくさん決めるぞ。

 この時のぼくは、まさかあんなことが起きるなんて想像もしていなかったんだ。大好きなサッカーができなくなるなんて。サッカー選手というぼくの大きな夢がこわされることになるなんて。
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