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序章
出会い
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ガタゴトと馬車の揺れに任せて、うつらうつらと居眠りをしていた私は、ふと、目が覚めた。
なんだ? 馬車が進む音に混じって何か別の音が聞こえた気がした。
ギルドメンバーが乗る荷馬車の一番後ろに座っていた私は、目を凝らし周辺を見回した。
「あっ! おーい馬車を止めてくれ。ゴブリンがいる」
街道から少し離れた草原に緑色の体色をした子供と見紛う魔物が複数いるのが見えた。
巣に帰るところなのだろうか? 足取り軽く飛び跳ねるようにして歩いているんだが……何か手に持っているな?
ギュッと眉間にシワを寄せてさらに目を凝らす。
その何かがわかった途端、私は速度が緩くなった馬車から飛び下りて走り出した。
「たいへんだ! 子供が捕らわれている」
ゴブリンたちは子供の両足を持ってスキップするように移動していたのだ。
私が聞いた音は、ゴツンゴツンと子供の頭が地面に打ち付ける音だったのかもしれない。
私の臨時の仲間であるギルドメンバーの活躍もあり、ゴブリンを瞬殺することに成功したが、捕らわれていた子供は意識がなかった。
「オスカー。治癒魔法を頼む」
「はい」
私は両手を子供の体に翳して目を瞑り、【治癒】と唱えた。
淡い光が彼を包み、顔や手足にできていた擦り傷が消えていく。
「あとは、治療院に連れて行こう。他にゴブリンに襲われた人はいないみたいだが……」
リーダーが口ごもるのもわかる。
ゴブリンが子供を巣に連れて行こうとしたのは、非常食として運ぼうとしたのだろう。
女性がいれば自分たちの繁殖のために苗床として連れて行く。
そしてゴブリンは決して単体では人を襲わないし、無意味な攻撃はしない。
だとしたら、犠牲になったのはこの子だけでなく、他にこの子の親か保護者がかどこかにいるはず。
私たちは子供を馬車に運び、もう外壁が見えている町へと急ぐことにした。
その後、冒険者ギルド支部にゴブリン発見の報告に行ったあと、別のギルドチームが調査に出て、森にまだ小さいがゴブリンの巣を発見し、ゴブリンに襲われたらしい乗合馬車を見つけた。
乗合馬車を護衛していた冒険者と一緒に馬車の客数人が犠牲になっていた。
助かったのは、奇しくも非常食として巣に運ばれていたあの子供だけだ。
私は冒険者見習いとしての期間を終え、このギルドチームでの最後の仕事の帰りにあの子を見つけた。
なんとなく気になって、ギルドチームに頼んで見習いの期間を延長してもらいゴブリンの巣の駆除に参加し、この町を去るときに治療院に寄ることにした。
あの子のことが、どうしても気になったからだ。
そして、私はこのときの自分の行動を、ずっと後になって『運命』だと感じるようになる。
なんだ? 馬車が進む音に混じって何か別の音が聞こえた気がした。
ギルドメンバーが乗る荷馬車の一番後ろに座っていた私は、目を凝らし周辺を見回した。
「あっ! おーい馬車を止めてくれ。ゴブリンがいる」
街道から少し離れた草原に緑色の体色をした子供と見紛う魔物が複数いるのが見えた。
巣に帰るところなのだろうか? 足取り軽く飛び跳ねるようにして歩いているんだが……何か手に持っているな?
ギュッと眉間にシワを寄せてさらに目を凝らす。
その何かがわかった途端、私は速度が緩くなった馬車から飛び下りて走り出した。
「たいへんだ! 子供が捕らわれている」
ゴブリンたちは子供の両足を持ってスキップするように移動していたのだ。
私が聞いた音は、ゴツンゴツンと子供の頭が地面に打ち付ける音だったのかもしれない。
私の臨時の仲間であるギルドメンバーの活躍もあり、ゴブリンを瞬殺することに成功したが、捕らわれていた子供は意識がなかった。
「オスカー。治癒魔法を頼む」
「はい」
私は両手を子供の体に翳して目を瞑り、【治癒】と唱えた。
淡い光が彼を包み、顔や手足にできていた擦り傷が消えていく。
「あとは、治療院に連れて行こう。他にゴブリンに襲われた人はいないみたいだが……」
リーダーが口ごもるのもわかる。
ゴブリンが子供を巣に連れて行こうとしたのは、非常食として運ぼうとしたのだろう。
女性がいれば自分たちの繁殖のために苗床として連れて行く。
そしてゴブリンは決して単体では人を襲わないし、無意味な攻撃はしない。
だとしたら、犠牲になったのはこの子だけでなく、他にこの子の親か保護者がかどこかにいるはず。
私たちは子供を馬車に運び、もう外壁が見えている町へと急ぐことにした。
その後、冒険者ギルド支部にゴブリン発見の報告に行ったあと、別のギルドチームが調査に出て、森にまだ小さいがゴブリンの巣を発見し、ゴブリンに襲われたらしい乗合馬車を見つけた。
乗合馬車を護衛していた冒険者と一緒に馬車の客数人が犠牲になっていた。
助かったのは、奇しくも非常食として巣に運ばれていたあの子供だけだ。
私は冒険者見習いとしての期間を終え、このギルドチームでの最後の仕事の帰りにあの子を見つけた。
なんとなく気になって、ギルドチームに頼んで見習いの期間を延長してもらいゴブリンの巣の駆除に参加し、この町を去るときに治療院に寄ることにした。
あの子のことが、どうしても気になったからだ。
そして、私はこのときの自分の行動を、ずっと後になって『運命』だと感じるようになる。
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