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初級ダンジョン 探索編
ここに住みませんか?
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ミアさんのお父さんがお仕事をクビになったそうです。
「そ……それは、大変だな」
オスカーさんがへにょんと眉を下げてミアさんに同情した。
孤児院で逞しく育ってきたビアンカさんとディータさんは、「ふーん」と頷くだけ。
「そう……そう大変なんよ。今、住んでいる家は、従業員用の借家だから出ていかないとあかん。そもそも、なんで父ちゃんがクビになるんよ? マジメに働いとったのに!」
バンッと、ミアさんがテーブルに両手を叩きつけた。
ぼくとレオがその大きな音にビクンと体を跳ねさせる。
「ちょっと、聞いてくれる?」
目が血走ったミアさんの勢いに、思わず「はい」と返事をしてしまったこと、ぼくは後悔しました。
怒ったミアさんは、ビアンカさんよりも怖かったです。
ミアさんの話によると、昔かなり腕のいい冒険者だったお父さんは、ある商会の護衛中に護衛対象を守り大怪我を負った。
そのときすぐにポーションや治癒魔法を受けていればよかったのだか、運悪く護衛をしていたギルドパーティーに治癒士はおらず、ポーションは護衛対象に使ってしまっていた。
近くの町まではかなりの距離があり、教会に設置されている治療院に運ばれたときには血が多く流れ、命も危ぶまれるほどだったらしい。
「結局、足の怪我は治ったけど感覚が狂ってしもうた。強い魔物と戦うときには致命傷や。父ちゃんは冒険者を引退することにしたんよ」
ギルドのメンバーには引き留められたらしいが、ちょうど妻が亡くなりまだ幼い娘一人になることに心苦しさを感じていた本人は、スッパリと冒険者を辞めた。
次の職もあちこちで声をかけられたが、問題の護衛をしていた商会の会頭が是非にと申し出て、その商会の倉庫番となった。
そもそも、商会の馬車を襲ってきた強盗は数は多いが、強さはそれ程でもなかった。
なのに、高ランクのギルドだったミアさんのお父さんたちが苦戦したのは、その会頭の息子が、恐怖でパニックになり一人で逃げ出したからだ。
そのせいで、護衛を二手に分けることなってしまったし、乗れない馬に無理やり乗ろうとして馬までパニックになり、散り散りに走ってしまったため、こちらの足が無くなってしまった。
なんとか強盗を倒し、商会の馬車を次の町まで送り届けることができたが、そのバカ息子は自分の行動で勝手に怪我を負ったのにギルドにいちゃもんまでつけたらしい。
その父親の会頭は、このバルツァー公爵領地でも三本の指に入る大豪商で、王都の高位貴族や王族の耳にまで評判が届くほどの傑物だったが、平民であるミアさんのお父さんに頭を下げ真摯に謝罪したらしい。
でも親バカなのは治らず、死ぬまでそのバカ息子の尻ぬぐいをしていたとか。
「そう。そのおじいちゃんが先日亡くなってしもうて。あのバカ息子、これ幸いと商会を好き勝手にしているらしいわ」
本当なら商会の跡を継ぐのは別の人物だったのでは? と噂されているが、急死した会頭の長子であるバカ息子が主張し跡を継いだのだと。
そして、自分にとって目障りな人物は端から解雇しまくっていて、その一人がどうやらミアさんのお父さんだった。
「うちの父ちゃんが命を助けたったのに、それに感謝するどころか、疎ましく思っていたなんて、ちっちゃいやっちゃ!」
それは同意しますけど、問題はこれからのことです。
まず、住んでいるお家は商会の持ち家なので返さなければならない。
つまり、ミアさんたちは住む家を探さないといけないんです。
次にミアさんのお父さんの新しい職探しです。
「それも困ってん。父ちゃんに今さら書類仕事なんて無理やし。かといって客商売に向かん人やし」
とうとう、ミアさんは頭を抱えてしまった。
ぼくたちは、じーっとオスカーさんを見つめる。
ねぇ、どうしますか?
「うん。とりあえず、ミアさえよければ、ここに引っ越してこないか?」
そうです、そうです。
部屋はまだいっぱい空いてますし、三階には家族で住める間取りの部屋もありますよ?
しかも、ぼくが『異世界レシピ』で作る三食おやつ付です!
ミアさんはお父さんをクビにした商会のバカ息子……ああ今は会頭さん? に腹を立てていたのに、ギルドハウスに引っ越しておいでと誘われた途端、目を白黒させて慌てだした。
「ええーっ。そ、それは、うちはただの受付やし。こんなすごいギルドハウスに住むなんて、そんな……そんな……」
「いや。受付でも私たちのメンバーには変わらない。三階の部屋がいいと思うんだが、御父上の足の具合はどうだろう?」
「へあっ? いやいや。父ちゃんの足は生活するのに不便はないんです。ただ、魔物討伐に難があるって本人が言ってるだけで、走れるし階段の上り下りも平気です」
だったら三階の部屋がいいですね。
シャワールームもあるし、ミニキッチンも付いてます。
家族で住んで、ちゃんとプライベートも守れます。
「……でも、父ちゃんまで一緒になんて……。父ちゃんはもう、冒険者できへんのに」
「かまわないよ。元々、メンバーの誰かが家族を持ったら使えばいいと思ってた部屋だし。引退した冒険者を無理やり働かそうなんて思わないよ」
オスカーさんはニッコリ慈悲深い笑顔で、打算なんて一切ありませんって顔をしてます。
「いいじゃない、ミア。そうしなさいよ。もし気になるならお父さんの職が決まって別の家を借りられるまでの間でもいいし」
隣りに座ったビアンカさんがミアさんの背中を押すと、ディータさんもうんうんと頷く。
「しかも……クルトのメシ付きだ」
ディータさんの呟きにミアさんの三角耳がピクピクと反応して、キラーンと瞳が輝きだす。
「そ、そうやね。父ちゃんに相談してみるわ」
「ああ。もう今日はいいから。早く家に帰って御父上の意見を聞いてきてほしい」
ミアさんはガタンと椅子を鳴らして立ち上がると、帰り支度のためいそいそとギルドスペースへと戻っていった。
ちゃっかり、出したお茶菓子を手に持って。
「大丈夫かな? ミアさん」
カチャカチャとカップやお皿の後片付けをしながら、ミアさんの決意に満ちた背中を思い出す。
ミアさんは素早く身支度を整えると、オスカーさんに「必ずここに舞い戻ってきます」と謎の言葉を残して帰っていった。
舞い戻るって、明日また出勤しますよね?
ビアンカさんが大爆笑していたけど、ミアさんの気合の入れ方がすごかったです。
「いやいや。クルトのご飯が食べたいだけよ、あの子」
そうですか? なら、正式にここに住むことになった日は少し頑張ってお料理しますね!
「え? それ、ほんと?」
なんで、ビアンカさんが食いつくんでしょう?
「ちょっと、オスカー。やっぱりハズレドロップ目当てでダンジョンの最下層まで攻略に行こうよーっ」
ああ……また話が振り出しに戻ってしまいました。
でも、ぼくもダンジョン最下層にあるかもしれない、まだ見ぬ新しい調味料や食材が気になります。
オスカーさん、ちゃんと魔法を撃つときに目を開けておくよう努力しますから、ダンジョンに行きませんか?
「そ……それは、大変だな」
オスカーさんがへにょんと眉を下げてミアさんに同情した。
孤児院で逞しく育ってきたビアンカさんとディータさんは、「ふーん」と頷くだけ。
「そう……そう大変なんよ。今、住んでいる家は、従業員用の借家だから出ていかないとあかん。そもそも、なんで父ちゃんがクビになるんよ? マジメに働いとったのに!」
バンッと、ミアさんがテーブルに両手を叩きつけた。
ぼくとレオがその大きな音にビクンと体を跳ねさせる。
「ちょっと、聞いてくれる?」
目が血走ったミアさんの勢いに、思わず「はい」と返事をしてしまったこと、ぼくは後悔しました。
怒ったミアさんは、ビアンカさんよりも怖かったです。
ミアさんの話によると、昔かなり腕のいい冒険者だったお父さんは、ある商会の護衛中に護衛対象を守り大怪我を負った。
そのときすぐにポーションや治癒魔法を受けていればよかったのだか、運悪く護衛をしていたギルドパーティーに治癒士はおらず、ポーションは護衛対象に使ってしまっていた。
近くの町まではかなりの距離があり、教会に設置されている治療院に運ばれたときには血が多く流れ、命も危ぶまれるほどだったらしい。
「結局、足の怪我は治ったけど感覚が狂ってしもうた。強い魔物と戦うときには致命傷や。父ちゃんは冒険者を引退することにしたんよ」
ギルドのメンバーには引き留められたらしいが、ちょうど妻が亡くなりまだ幼い娘一人になることに心苦しさを感じていた本人は、スッパリと冒険者を辞めた。
次の職もあちこちで声をかけられたが、問題の護衛をしていた商会の会頭が是非にと申し出て、その商会の倉庫番となった。
そもそも、商会の馬車を襲ってきた強盗は数は多いが、強さはそれ程でもなかった。
なのに、高ランクのギルドだったミアさんのお父さんたちが苦戦したのは、その会頭の息子が、恐怖でパニックになり一人で逃げ出したからだ。
そのせいで、護衛を二手に分けることなってしまったし、乗れない馬に無理やり乗ろうとして馬までパニックになり、散り散りに走ってしまったため、こちらの足が無くなってしまった。
なんとか強盗を倒し、商会の馬車を次の町まで送り届けることができたが、そのバカ息子は自分の行動で勝手に怪我を負ったのにギルドにいちゃもんまでつけたらしい。
その父親の会頭は、このバルツァー公爵領地でも三本の指に入る大豪商で、王都の高位貴族や王族の耳にまで評判が届くほどの傑物だったが、平民であるミアさんのお父さんに頭を下げ真摯に謝罪したらしい。
でも親バカなのは治らず、死ぬまでそのバカ息子の尻ぬぐいをしていたとか。
「そう。そのおじいちゃんが先日亡くなってしもうて。あのバカ息子、これ幸いと商会を好き勝手にしているらしいわ」
本当なら商会の跡を継ぐのは別の人物だったのでは? と噂されているが、急死した会頭の長子であるバカ息子が主張し跡を継いだのだと。
そして、自分にとって目障りな人物は端から解雇しまくっていて、その一人がどうやらミアさんのお父さんだった。
「うちの父ちゃんが命を助けたったのに、それに感謝するどころか、疎ましく思っていたなんて、ちっちゃいやっちゃ!」
それは同意しますけど、問題はこれからのことです。
まず、住んでいるお家は商会の持ち家なので返さなければならない。
つまり、ミアさんたちは住む家を探さないといけないんです。
次にミアさんのお父さんの新しい職探しです。
「それも困ってん。父ちゃんに今さら書類仕事なんて無理やし。かといって客商売に向かん人やし」
とうとう、ミアさんは頭を抱えてしまった。
ぼくたちは、じーっとオスカーさんを見つめる。
ねぇ、どうしますか?
「うん。とりあえず、ミアさえよければ、ここに引っ越してこないか?」
そうです、そうです。
部屋はまだいっぱい空いてますし、三階には家族で住める間取りの部屋もありますよ?
しかも、ぼくが『異世界レシピ』で作る三食おやつ付です!
ミアさんはお父さんをクビにした商会のバカ息子……ああ今は会頭さん? に腹を立てていたのに、ギルドハウスに引っ越しておいでと誘われた途端、目を白黒させて慌てだした。
「ええーっ。そ、それは、うちはただの受付やし。こんなすごいギルドハウスに住むなんて、そんな……そんな……」
「いや。受付でも私たちのメンバーには変わらない。三階の部屋がいいと思うんだが、御父上の足の具合はどうだろう?」
「へあっ? いやいや。父ちゃんの足は生活するのに不便はないんです。ただ、魔物討伐に難があるって本人が言ってるだけで、走れるし階段の上り下りも平気です」
だったら三階の部屋がいいですね。
シャワールームもあるし、ミニキッチンも付いてます。
家族で住んで、ちゃんとプライベートも守れます。
「……でも、父ちゃんまで一緒になんて……。父ちゃんはもう、冒険者できへんのに」
「かまわないよ。元々、メンバーの誰かが家族を持ったら使えばいいと思ってた部屋だし。引退した冒険者を無理やり働かそうなんて思わないよ」
オスカーさんはニッコリ慈悲深い笑顔で、打算なんて一切ありませんって顔をしてます。
「いいじゃない、ミア。そうしなさいよ。もし気になるならお父さんの職が決まって別の家を借りられるまでの間でもいいし」
隣りに座ったビアンカさんがミアさんの背中を押すと、ディータさんもうんうんと頷く。
「しかも……クルトのメシ付きだ」
ディータさんの呟きにミアさんの三角耳がピクピクと反応して、キラーンと瞳が輝きだす。
「そ、そうやね。父ちゃんに相談してみるわ」
「ああ。もう今日はいいから。早く家に帰って御父上の意見を聞いてきてほしい」
ミアさんはガタンと椅子を鳴らして立ち上がると、帰り支度のためいそいそとギルドスペースへと戻っていった。
ちゃっかり、出したお茶菓子を手に持って。
「大丈夫かな? ミアさん」
カチャカチャとカップやお皿の後片付けをしながら、ミアさんの決意に満ちた背中を思い出す。
ミアさんは素早く身支度を整えると、オスカーさんに「必ずここに舞い戻ってきます」と謎の言葉を残して帰っていった。
舞い戻るって、明日また出勤しますよね?
ビアンカさんが大爆笑していたけど、ミアさんの気合の入れ方がすごかったです。
「いやいや。クルトのご飯が食べたいだけよ、あの子」
そうですか? なら、正式にここに住むことになった日は少し頑張ってお料理しますね!
「え? それ、ほんと?」
なんで、ビアンカさんが食いつくんでしょう?
「ちょっと、オスカー。やっぱりハズレドロップ目当てでダンジョンの最下層まで攻略に行こうよーっ」
ああ……また話が振り出しに戻ってしまいました。
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