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新しい仲間は凄い人
食べますか?
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お腹を空かせた不審者二人組?
一人は背の高い男の人で、細身に見えるけどかなり鍛えられた体なのが服の上からでもわかってしまいます。
あと、なんか強者のオーラがビンビンと感じられます。
青みがかった黒髪を後ろのひと房だけ長く伸ばして青い組み紐でひとつに結んでいる。
白い肌、むしろ青白いと言ってもいい白すぎる肌に違和感を覚えました。
かなり強い高ランク冒険者だと思われるのに、日焼けした肌ではなく白い肌は種族の特徴なのだろうか?
整っている容貌だけど鋭く冴えた青い瞳が冷ややかな印象を与えるし、高い鼻に薄い唇も酷薄な人格を映しているようで、ぼくは無意識に腕を摩った。
ジッと見つめ過ぎたのか、おにぎりに釘付けだった視線が、つとぼくに向けられる。
さっと顔を背けてしまったけど、彼の瞳の瞳孔は爬虫類のように縦に長細かったのが見えました。
さり気なく顔を戻して、今度は彼の隣りで同じくおにぎりを凝視している女の人を観察します。
長い緩いウェーブのプラチナブロンドの髪で上半身を彩った小柄な女性は、少女のような肢体で真っ黒なローブを着ている。
背の高い彼の隣りに立っているせいか、とっても小柄でまるで子供のようです。
小さな顔に大きな瞳はキレイな緑色の瞳で、チョコンとした鼻とプルンとした桜色の唇、白い肌に薄っすらと頬がピンクに染まって、ものすごく美少女です!
涎垂らしておにぎりを見ている残念美少女さんですが……。
片手に魔法使いが使う武器、杖を持っています。
杖には魔法の補助として水晶や魔法鉱石、魔石などをあしらうのですが、彼女の持つ杖の天辺に飾られた魔石はとても大きな虹色に輝く珍しい魔石でした。
きっと幻の魔物か超高ランクの魔物から出た魔石なのでしょう。
それだけの武器を扱えるだろう魔法使いの彼女の耳はピンと尖っていてエルフ種であることをぼくらに教えてくれます。
エルフの種族は始祖ともいえるハイエルフ、そこから枝分かれしたエルフとダークエルフ、エルフでも森に住む森エルフ、町で活動する町エルフ、他の種族との間に生まれたハーフエルフと多彩です。
彼女はダークエルフ特有の褐色の肌ではないので、町エルフかハーフエルフだと思います。
ハイエルフの方々は数も少なく気難しい性格で、同種族以外とは交友を持たないと言われてますし、でもそれを言えば隣の彼もたぶん、爬虫類系の獣人、でもリザードマンには見えないのでやっぱり人口のとっても少ない峻厳な山々に里があると噂のドラゴニュートではないでしょうか?
なんで、そんな珍しい種族の高ランク冒険者らしい二人が、ぼくたちギルドの休憩テント前で涎を垂らして立っているんでしょうね?
二人を観察していたぼくの前をサッとディータさんの背中が覆う。
ぼくの後ろにはビアンカさんがいて、ぼくを安心させるように背中に手を当ててくれる。
ぼくらの前、二人と対峙するように立つのはハルトムートさんとオスカーさんだ。
オスカーさんは、穏やかな声で再び二人に問う。
「なんの用だ?」
オスカーさんの呼びかけにハッと我に返った男の人が、口元を袖で拭うとペコリとぼくたちに向かって頭を下げた。
いいのかな? 高そうな上等な服の袖に涎が付いちゃったけど?
彼は、照れくさそうに頭を掻きながら、正直に話してくれた。
「スマン。あちこちのダンジョンに行って珍しい食い物は粗方食べてきたが、見たこともない料理があって、つい」
そして彼の視線はまたまたおにぎりへと注がれていきます。
「本当においしそうで、つい目が釘付けになってしまったの。ごめんなさい」
エルフ美少女さんもペコリと頭を下げて、申し訳なさそうに上目遣いでオスカーさんを見る。
「ふむ。なら別にいいんだが」
しかし、オスカーさんには美少女のかわいい光線は通用しなかった模様です。
鼻の下を伸ばすことなく、むしろ興味もないような素気ない返答でした。
ぷっくくく、と吹き出すのは失礼ですよ? ビアンカさん。
「なんだあんたら、本当に腹が減ってんのか? あっちにギルド支部公認の屋台が幾つか出ているぜ」
ハルトムートさんはクイッと親指を東の方向へ向け、言外に「屋台に行け」と追い出そうとする。
「いやっ、そうなんだが……」
「そ、そうなんだけど……」
二人の視線がじーっとおにぎりの山へ固定されて動きません。
ぼくは、フンッと鼻息をひとつすると、ディータさんの背中からひょいと顔を出し二人へ向かってにこっと笑ってみせる。
もう、みなさん意地悪しないで誘ってあげればいいじゃないですか?
確かに各国のダンジョンを巡っても食べることのできない珍しい料理ですよ?
『異世界レシピ』スキルを持つぼくがいないとダンジョンで手に入れることのできないハズレドロップの食材、調味料で作った料理なんですから!
「あの、よかったら、一緒に食べませんか?」
ギョッとした顔でぼくを見咎める「白い輪」ギルドの面々と、パアッと喜びが爆発する怪しい二人組。
「いいの? わーい、ありがとう」
二人はお礼を言うのもそこそこに、おにぎりへと手を伸ばす。
「おいっ!」
ハルトムートさんの制止も無視で、おにぎりの山に一目散と飛びついてます。
「いいのか? クルト」
ディータさんが心配そうにぼくに声をかけるけど、平気ですよ?
「はい。まだいっぱいありますから、ビアンカさん、ディータさんも席について食べましょう!」
おにぎりはもちろん、お肉もサラダもスープもたくさん用意してきたから大丈夫です。
だから、鞄の中で猛抗議するのはやめてください、レオ。
バシンッバシンッって鞄がぼくの体に当たって、地味に痛いんだよ。
一人は背の高い男の人で、細身に見えるけどかなり鍛えられた体なのが服の上からでもわかってしまいます。
あと、なんか強者のオーラがビンビンと感じられます。
青みがかった黒髪を後ろのひと房だけ長く伸ばして青い組み紐でひとつに結んでいる。
白い肌、むしろ青白いと言ってもいい白すぎる肌に違和感を覚えました。
かなり強い高ランク冒険者だと思われるのに、日焼けした肌ではなく白い肌は種族の特徴なのだろうか?
整っている容貌だけど鋭く冴えた青い瞳が冷ややかな印象を与えるし、高い鼻に薄い唇も酷薄な人格を映しているようで、ぼくは無意識に腕を摩った。
ジッと見つめ過ぎたのか、おにぎりに釘付けだった視線が、つとぼくに向けられる。
さっと顔を背けてしまったけど、彼の瞳の瞳孔は爬虫類のように縦に長細かったのが見えました。
さり気なく顔を戻して、今度は彼の隣りで同じくおにぎりを凝視している女の人を観察します。
長い緩いウェーブのプラチナブロンドの髪で上半身を彩った小柄な女性は、少女のような肢体で真っ黒なローブを着ている。
背の高い彼の隣りに立っているせいか、とっても小柄でまるで子供のようです。
小さな顔に大きな瞳はキレイな緑色の瞳で、チョコンとした鼻とプルンとした桜色の唇、白い肌に薄っすらと頬がピンクに染まって、ものすごく美少女です!
涎垂らしておにぎりを見ている残念美少女さんですが……。
片手に魔法使いが使う武器、杖を持っています。
杖には魔法の補助として水晶や魔法鉱石、魔石などをあしらうのですが、彼女の持つ杖の天辺に飾られた魔石はとても大きな虹色に輝く珍しい魔石でした。
きっと幻の魔物か超高ランクの魔物から出た魔石なのでしょう。
それだけの武器を扱えるだろう魔法使いの彼女の耳はピンと尖っていてエルフ種であることをぼくらに教えてくれます。
エルフの種族は始祖ともいえるハイエルフ、そこから枝分かれしたエルフとダークエルフ、エルフでも森に住む森エルフ、町で活動する町エルフ、他の種族との間に生まれたハーフエルフと多彩です。
彼女はダークエルフ特有の褐色の肌ではないので、町エルフかハーフエルフだと思います。
ハイエルフの方々は数も少なく気難しい性格で、同種族以外とは交友を持たないと言われてますし、でもそれを言えば隣の彼もたぶん、爬虫類系の獣人、でもリザードマンには見えないのでやっぱり人口のとっても少ない峻厳な山々に里があると噂のドラゴニュートではないでしょうか?
なんで、そんな珍しい種族の高ランク冒険者らしい二人が、ぼくたちギルドの休憩テント前で涎を垂らして立っているんでしょうね?
二人を観察していたぼくの前をサッとディータさんの背中が覆う。
ぼくの後ろにはビアンカさんがいて、ぼくを安心させるように背中に手を当ててくれる。
ぼくらの前、二人と対峙するように立つのはハルトムートさんとオスカーさんだ。
オスカーさんは、穏やかな声で再び二人に問う。
「なんの用だ?」
オスカーさんの呼びかけにハッと我に返った男の人が、口元を袖で拭うとペコリとぼくたちに向かって頭を下げた。
いいのかな? 高そうな上等な服の袖に涎が付いちゃったけど?
彼は、照れくさそうに頭を掻きながら、正直に話してくれた。
「スマン。あちこちのダンジョンに行って珍しい食い物は粗方食べてきたが、見たこともない料理があって、つい」
そして彼の視線はまたまたおにぎりへと注がれていきます。
「本当においしそうで、つい目が釘付けになってしまったの。ごめんなさい」
エルフ美少女さんもペコリと頭を下げて、申し訳なさそうに上目遣いでオスカーさんを見る。
「ふむ。なら別にいいんだが」
しかし、オスカーさんには美少女のかわいい光線は通用しなかった模様です。
鼻の下を伸ばすことなく、むしろ興味もないような素気ない返答でした。
ぷっくくく、と吹き出すのは失礼ですよ? ビアンカさん。
「なんだあんたら、本当に腹が減ってんのか? あっちにギルド支部公認の屋台が幾つか出ているぜ」
ハルトムートさんはクイッと親指を東の方向へ向け、言外に「屋台に行け」と追い出そうとする。
「いやっ、そうなんだが……」
「そ、そうなんだけど……」
二人の視線がじーっとおにぎりの山へ固定されて動きません。
ぼくは、フンッと鼻息をひとつすると、ディータさんの背中からひょいと顔を出し二人へ向かってにこっと笑ってみせる。
もう、みなさん意地悪しないで誘ってあげればいいじゃないですか?
確かに各国のダンジョンを巡っても食べることのできない珍しい料理ですよ?
『異世界レシピ』スキルを持つぼくがいないとダンジョンで手に入れることのできないハズレドロップの食材、調味料で作った料理なんですから!
「あの、よかったら、一緒に食べませんか?」
ギョッとした顔でぼくを見咎める「白い輪」ギルドの面々と、パアッと喜びが爆発する怪しい二人組。
「いいの? わーい、ありがとう」
二人はお礼を言うのもそこそこに、おにぎりへと手を伸ばす。
「おいっ!」
ハルトムートさんの制止も無視で、おにぎりの山に一目散と飛びついてます。
「いいのか? クルト」
ディータさんが心配そうにぼくに声をかけるけど、平気ですよ?
「はい。まだいっぱいありますから、ビアンカさん、ディータさんも席について食べましょう!」
おにぎりはもちろん、お肉もサラダもスープもたくさん用意してきたから大丈夫です。
だから、鞄の中で猛抗議するのはやめてください、レオ。
バシンッバシンッって鞄がぼくの体に当たって、地味に痛いんだよ。
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