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新しい仲間は凄い人
故郷の味
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なんとかグズグズと泣き崩れる身元不明な冒険者二人組を、我が「白い輪」ギルドのギルドハウスへ連れて帰って来ることができました。
なんと! いつも裏門の畑やら薬草畑やら、牛や鶏が駆けまわる裏庭からギルドハウスに入るのですが、今日は一応お客様連れということで、正門から馬車で正面玄関まで来ました!
あんなにヒドイお化け屋敷だったギルドハウスが立派になって、お庭もレオたちスライムが頑張ってくれた花壇にかわいい花が咲き乱れ風に揺れていますよ。
ぼくは鼻をちょっと高くして自慢げにしていましたが、ふと顔を馬車の中へと戻せば、現実が見えてしまいました。
このおにぎりを握り締めて鼻水垂らして泣いている二人……どうしたらいいんだろうか?
表から馬車の音がして、ギルドの受付嬢ミアさんが驚いて扉を開けて外に出てきた。
「どうしたん? こっちから帰ってくるなんて珍しい。しかも、ずいぶん早い時間やで?」
ピーンッと頭の上の三角耳と尻尾が立つほど驚いたあとは、何か訝しがるようにイカ耳になるミアさんに、ハルトムートさんが乗っていた馬から飛び下りて事情を説明する。
「へあっ? ドラゴニュートとエルフの冒険者っていったら、もしかして?」
「ああ。ギルド支部でも噂になっていただろう? お互いソロでドラゴン討伐できる化け物級の冒険者だ」
コソコソと話しているつもりの親子ですが、地声が大きいので十分ぼくの耳にも届いています。
当然、同じ馬車に乗る噂の二人にも聞こえて……ないですね。
うん、もう面倒だから早くギルドハウスの中へ入れて、事情を聞いてしまいましょう。
そして、とっとと帰ってもらいましょう……。
二人は手に持ったおにぎり以外は何も目に入らないのか、馬車にも大人しく誘導されるがままに乗ってくれました。
だから、同じようにオスカーさんとディータさんの誘導で、馬車から降りてギルドハウスの中へと入っていきます。
本当に、強くてギルド本部にまで名前が轟く凄腕冒険者なんですか?
ちょろ……いやいや、ほくは何も言ってませんよ?
ギルド側の階段を上り、ギルドマスター執務室とサロンと暫し迷ったあと、オスカーさんはサロンへと足を向けました。
ふむ、では何かお茶菓子でも用意しようかな?
また、ハズレドロップを使った料理を出しちゃうと二人が泣き出しちゃうから、無難なものにしておこう。
おおっと! 緑茶も厳禁ですね。
サロンの二人掛けのソファーに泣きすぎて体が一回りも小さくなった幻覚が見えるお客様二人が腰かけて、対面の二人掛けソファーにはハルトムートさんとディータさんがデーンと座る。
一人掛けのソファーにはギルドマスターであるオスカーさんが座り、窓際の小さなテーブルを囲む椅子にビアンカさんとミアさん、ぼくが座ります。
お茶とお菓子は各自でお好きにしてください。
テーブルの上に用意だけはしておきました。
ハルトムートさんとオスカーさんが目で「お前はあっちにいっていろ」と訴えるから、ビアンカさんたちに守られながら二人とは距離を取っています。
あの二人がおにぎりが食べたいなら、コメが必要だけど、そのコメを手に入れるためにはダンジョンでハズレドロップアイテムを拾いまくらなければならない。
でも、ぼくがいないと本当にハズレドロップアイテムでコメにはならないんだよねぇ。
「クルトを引き抜かれたら大変だわ」
「うん! クルトの死守よ!」
ぼくの秘密ってスキルだけじゃなかったんだ……。
おかしいな? 『器用貧乏』スキルというハズレスキル持ちで周りから憐憫の眼差しを浴びていた記憶喪失のぼくが、なんだか重要人物みいになってきたぞ?
自分の境遇に少し不謹慎にもワクワクしていると、鞄の中からレオがポヨンポヨン暴れているのがわかった。
ポンポン。
うん、ごめんごめん。
ぼくの秘密はスライムのレオもだよね?
ちゃんと、あの二人にはバレないように大人しくしていようね。
さて、食いしん坊二人は落ち着いたかな?
「コホン。どうだろうか? そのぅ、二人はなぜそんなに……泣いていたのだ?」
最初はギルドマスターらしく圧を込めて問いただそうとしたのに、結局オスカーさんらしい優しい声色になってしまった。
隣りでハルトムートさんも苦笑しているよ。
「ああ……すまなかった。その、この料理は……俺たちの故郷の、懐かしい、もう食べることはできないと思っていた故郷の味なんだ……」
ドラゴニュートの男の人が手に持ったおにぎりをしみじみと見つめ、パクリと一口頬張った。
ええーっ! まだ食べるんですか?
なんと! いつも裏門の畑やら薬草畑やら、牛や鶏が駆けまわる裏庭からギルドハウスに入るのですが、今日は一応お客様連れということで、正門から馬車で正面玄関まで来ました!
あんなにヒドイお化け屋敷だったギルドハウスが立派になって、お庭もレオたちスライムが頑張ってくれた花壇にかわいい花が咲き乱れ風に揺れていますよ。
ぼくは鼻をちょっと高くして自慢げにしていましたが、ふと顔を馬車の中へと戻せば、現実が見えてしまいました。
このおにぎりを握り締めて鼻水垂らして泣いている二人……どうしたらいいんだろうか?
表から馬車の音がして、ギルドの受付嬢ミアさんが驚いて扉を開けて外に出てきた。
「どうしたん? こっちから帰ってくるなんて珍しい。しかも、ずいぶん早い時間やで?」
ピーンッと頭の上の三角耳と尻尾が立つほど驚いたあとは、何か訝しがるようにイカ耳になるミアさんに、ハルトムートさんが乗っていた馬から飛び下りて事情を説明する。
「へあっ? ドラゴニュートとエルフの冒険者っていったら、もしかして?」
「ああ。ギルド支部でも噂になっていただろう? お互いソロでドラゴン討伐できる化け物級の冒険者だ」
コソコソと話しているつもりの親子ですが、地声が大きいので十分ぼくの耳にも届いています。
当然、同じ馬車に乗る噂の二人にも聞こえて……ないですね。
うん、もう面倒だから早くギルドハウスの中へ入れて、事情を聞いてしまいましょう。
そして、とっとと帰ってもらいましょう……。
二人は手に持ったおにぎり以外は何も目に入らないのか、馬車にも大人しく誘導されるがままに乗ってくれました。
だから、同じようにオスカーさんとディータさんの誘導で、馬車から降りてギルドハウスの中へと入っていきます。
本当に、強くてギルド本部にまで名前が轟く凄腕冒険者なんですか?
ちょろ……いやいや、ほくは何も言ってませんよ?
ギルド側の階段を上り、ギルドマスター執務室とサロンと暫し迷ったあと、オスカーさんはサロンへと足を向けました。
ふむ、では何かお茶菓子でも用意しようかな?
また、ハズレドロップを使った料理を出しちゃうと二人が泣き出しちゃうから、無難なものにしておこう。
おおっと! 緑茶も厳禁ですね。
サロンの二人掛けのソファーに泣きすぎて体が一回りも小さくなった幻覚が見えるお客様二人が腰かけて、対面の二人掛けソファーにはハルトムートさんとディータさんがデーンと座る。
一人掛けのソファーにはギルドマスターであるオスカーさんが座り、窓際の小さなテーブルを囲む椅子にビアンカさんとミアさん、ぼくが座ります。
お茶とお菓子は各自でお好きにしてください。
テーブルの上に用意だけはしておきました。
ハルトムートさんとオスカーさんが目で「お前はあっちにいっていろ」と訴えるから、ビアンカさんたちに守られながら二人とは距離を取っています。
あの二人がおにぎりが食べたいなら、コメが必要だけど、そのコメを手に入れるためにはダンジョンでハズレドロップアイテムを拾いまくらなければならない。
でも、ぼくがいないと本当にハズレドロップアイテムでコメにはならないんだよねぇ。
「クルトを引き抜かれたら大変だわ」
「うん! クルトの死守よ!」
ぼくの秘密ってスキルだけじゃなかったんだ……。
おかしいな? 『器用貧乏』スキルというハズレスキル持ちで周りから憐憫の眼差しを浴びていた記憶喪失のぼくが、なんだか重要人物みいになってきたぞ?
自分の境遇に少し不謹慎にもワクワクしていると、鞄の中からレオがポヨンポヨン暴れているのがわかった。
ポンポン。
うん、ごめんごめん。
ぼくの秘密はスライムのレオもだよね?
ちゃんと、あの二人にはバレないように大人しくしていようね。
さて、食いしん坊二人は落ち着いたかな?
「コホン。どうだろうか? そのぅ、二人はなぜそんなに……泣いていたのだ?」
最初はギルドマスターらしく圧を込めて問いただそうとしたのに、結局オスカーさんらしい優しい声色になってしまった。
隣りでハルトムートさんも苦笑しているよ。
「ああ……すまなかった。その、この料理は……俺たちの故郷の、懐かしい、もう食べることはできないと思っていた故郷の味なんだ……」
ドラゴニュートの男の人が手に持ったおにぎりをしみじみと見つめ、パクリと一口頬張った。
ええーっ! まだ食べるんですか?
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