聖なる夜に、愛を___

美鳥羽

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9、プロフィール帳の有効活用①

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次の日。落ち着かない。落ち着かなさすぎたのか、授業中、聖夜くんに「どうかしたの?具合悪い?」と聞かれてしまった。危うく、「聖夜くんのせいだもん!」と言いそうになった。口を滑らせないように気をつけよう。ただ、気にしてくれたのは、嬉しかった。
私は、いろんな感情が顔に出ないように気をつけた。


授業の内容が全く頭に入らないまま、全ての授業が終わってしまった。聖夜くんに渡すプロフィール帳を、鞄から1番出しやすい場所に入れた。

「起立、礼」

『さよーならー』

よいしょ、と鞄を背負った時、誰かに肩を叩かれた。

「ゆめ、頑張ってね!」

振り向くと、梨乃だった。私が大きくうなずくと、梨乃は微笑んで教室を出て行った。そこに、タイミングを見計らったかのように、咲希が前に来た。

「ゆ、ゆめちゃん……!あの、頑張って下さい!私、ずっと応援しています………!」

「ありがとう、咲希!咲希が考えてくれた方法、絶対成功させるね!」

咲希は、はにかみながら「では、失礼します。」と言っておじぎをし、教室を出て行った。
そのあとも、廊下で歩美と千鶴に応援されて、私の心は嬉しい気持ちでいっぱいになった。
靴に履き替える時、靴の中に紙が入っていることに気がついた。見てみると、「ゆめ、ファイト!直接言えなくてごめん!応援してるよ!花音」と書いてあった。そういえば、花音は今日大事な用事があるって言ってた。
仲良しのみんなが応援してくれてるんだ…………!頑張らないと………‼︎





「ゆめ、今日からゆめの家まで送るよ。」

俺はゆめににそう言った。
ゆめは最初、「いいよ、聖夜くんの帰りが遠くなっちゃうから。」って断ってきたけど、この前ゆめが、ファンクラブの連中に連れて行かれた時に怖い思いをしたことと、もう二度とそういうことを起こしたくないことを言ったら、少し赤くなってOKしてくれた。
今日、ゆめは何かがあるみたいだ。仲の良い友達に、応援されていた。友達…………か。俺はゆめ以外に友達がいないから、というかいなくなってしまったから、沢山の友達に、心から応援された経験がない。嬉しいんだろうな………。ゆめが、嬉しそうな顔をしていた。幸せを、顔いっぱいにうかべていた……。___ホント、可愛いよな…………。俺はきっと、ゆめが好きなんだと思う。隣にいられるだけでも嬉しい。俺が、自分の手で守りたくなってしまう。でも、きっとゆめは俺みたいな根暗男は好みじゃないと思う。もっと爽やかでイケメンな奴とかが好みなんじゃないかな………。だから俺は、ゆめの隣で、ゆめの幸せそうな顔を見られるだけでいい。ゆめの喜びは、俺の喜びでもある。ゆめが嬉しいなら、俺も嬉しい。それで、いい。きっとそれが、一番いい……。




あっという間に、家の前に着いてしまった。

「じゃあ、また___」

「せ、聖夜くんっ………‼︎あ、あの………」

私は鞄からプロフィール帳を取り出した。

「これ、私のプロフィール………家に帰ってから、見て………。こっちは、聖夜くんに、書いて欲しい………です……。」

聖夜くんは、少し驚いた顔をしていた。

「あの、もし落としちゃったりしたらあれだから、鞄に入れてて………?」

聖夜くんが2枚のプロフィール帳を鞄に入れたのを確認してから、「じゃ、じゃあ、また明日ね……!」と言って、家に入った。





………ビックリした。あんなに必死で俺を止めて、訴えるような目でプロフィール帳を渡してきた。俺は、プロフィール帳が気になって、家まで走って帰った。

自分の部屋に入って鞄からプロフィール帳を丁寧に出して、机の上に置いた。落ち着いてから、ゆっくり座って、プロフィール帳を見た。



誕生日………一緒だったのか…………⁉︎
趣味も、同じだ………。
あ、裏もある……。
裏には、ラブコーナーがあった。



え…………⁉︎目がおかしいのか……?好きな人の名前のところに、俺の名前が………。
これは、夢か……?ためしに、ほっぺたをつねってみる。………痛い。信じて、いいか………?
ああ、やっぱり俺、ゆめが好きだ………。
そうだ、俺にも書いて欲しいって、プロフィール帳渡されたじゃん!それに、今度は俺が………好きな人の名前のところに、『河合ゆめ』って書けばいいんだ………!
俺は早速、プロフィール帳を書いた。好きな人のところには、『河合ゆめ』と書いて____。
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