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11、プロフィール帳の有効活用②
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俺は授業中、ずっと、今日の帰りのことを考えていた。
よし、今日、ゆめを家に誘おう。それでプロフィール帳を見せて…………。
そんなことを考えていたら、もう全ての授業が終わっていた。
「起立、礼」
『さよーならー』
チラッとゆめを見ると、気まずそうに俺の方を見ていた。
「___ゆめ。」
「は、はい………っ。」
「………帰ろ?」
「あ、う、うん。そ、そうだね……___あっ」
ゆめが机に足を引っ掛けて後ろに倒れそうになった。
「危ない!」
俺は咄嗟に手が出た。片手はゆめの手を、もう片手はゆめの背中にまわした。
「………大丈夫……?」
「__あ、うん……だ、大丈夫だから………!」
ゆめは真っ赤になって、俺から離れた。ちょっと素っ気ない感じがするけど、きっとこれが、藍川さんたちが言ってた「変な態度」なんだろう。先に教えられてて、本当によかった。聞いてなかったら、絶対に落ち込んでた。きっと今日は、ゆめが不安定なんだ。俺が守らないと………。
どうしよう………。聖夜くんの気持ちがわからないから、どんな態度でいればいいのかわからない。今、絶対感じ悪かったよね………。
聖夜くんと目が合ったり、聖夜くんとちょっとでも触れたりすると、心臓とか頭とかがおかしくなりそう…………。
ゆめの家が近くなってきた。そのままうちに来るのと、あとから来るの、どっちがいいかな。
「ゆめ、今日うちに来て欲しいんだけど、このまま行くのと一旦帰ってから来るの、どっちがいい?」
「え、あ、え………っと………か、帰ってから……がいい………。」
「わかった。じゃあ、準備出来たら来て。……なるべく……早く………来て欲しい……。」
「え……⁉︎あ、えっと……う、うん……わ、わかった………。」
「……じゃあ……あとでね………。___待ってるよ。」
そう言うと、ゆめは真っ赤になりながら家に入っていった。
___待ってるよ____。
聖夜くんの声が、頭の中でリピートされる。プロフィール帳、書いてくれたかな………。なるべく早く、って言ってたよね……。
私は急いで、聖夜くんの家に行く準備をした。
俺のプロフィール帳を、小さいテーブルの上に置いた。部屋のドアを開けた時、最初に目に入る場所だから。
そして俺は、家の中の玄関に近いところで、ゆめが来るのを待った………。
ピンポーン………
来た!
ガチャッ……
「……いらっしゃい。どうぞ………。」
「お、おじゃまします………」
部屋のドアを開けて、ゆめを入れた。
「どうぞ………」
俺はドアを閉めて、そのまま壁際に立った。ゆめは座って、俺のプロフィール帳を手に取って、見入っていた。
う、うそ………!誕生日一緒だ………‼︎趣味も……!う、裏を見るのが怖い………。
私は、恐る恐る裏のラブコーナーを見た。
ゆめは、俺のプロフィール帳のラブコーナーを見て、目を見開いた。
「せ、聖夜……くん………。ほ、ホントに………?」
俺は少し恥ずかしくて、目を逸らしたままうなずいた。
「ホントのホント………?私が聖夜くんの名前書いたから気を遣って書いてくれたとかじゃ無くて………?」
……わざわざそんなことするかよ………。
俺は、ゆめの隣に座って、ゆめと目をあわせた。
「俺は、ゆめのプロフィール帳を見なくても、そこに絶対ゆめの名前を書いてたよ。……俺は、ゆめがいい。ゆめじゃなきゃ………ダメなんだ。ゆめ、俺の……彼女に……なってくれますか………?」
そう言った途端、ゆめの目から涙がこぼれた。
「………はい……喜んで…………!」
ゆめは泣きながら、そう言って笑った。俺は微笑んで、ゆめの涙を指で拭った。
そして、無意識に____
「……っせ、聖夜……くん………⁉︎」
__その声で俺は、我に帰った。
………え……?い、今、俺無意識にキ、キスしなかったか⁉︎⁉︎
「あっ、え、ご、ごめん………!」
俺は急に恥ずかしくなって、ゆめから目を逸らした。
い、今、私聖夜くんに………キス……された……⁉︎
聖夜くんは、真っ赤になって私から目を逸らした。……こんなに赤くなってる聖夜くん、初めて見た………!か、可愛い……………‼︎‼︎
………そうだ、いいこと思いついた………!
「せ、聖夜くん………!あ、あの……ちょ、ちょっと、こっち向いて……くれる…………?」
聖夜くんがこっちを向いた瞬間、私は聖夜くんの唇に、自分の唇を重ねた。
「____ゆ、ゆめ…………⁉︎」
「………し、仕返し……です………!」
私がそう言うと、聖夜くんはまた目を逸らした。
「……か、可愛すぎんだよ………!俺、もう壊れそうなんだけど………。__でも、ありがとな、ゆめ………。」
「……こちらこそ、ありがとう。聖夜くん……。」
聖夜くんは、今までで一番優しい笑顔を見せた。
………聖夜くんのこの顔………きっと、私しか知らないと思うな…………。
そのあと、聖夜くんと手を繋いで、家まで送ってもらった。
「あ、明日から、学校……その、一緒に、行きたいな………。」
「……クラスの人とかに知られることになるけど、大丈夫……?」
あ、もしかして、みんなに知られちゃうの、嫌だったかな…………。
「あ、もし嫌なら、全然___」
「ああ、違う違う。俺は、ゆめがみんなに知られてもいいってことなら、そうしたい。俺も……ゆめと一緒に行きたいから………。」
……良かった~!
「……時間と場所は、どうする?」
「ああ、場所は、ここ。これ強制ね。時間はいつでもいいよ。」
「え、ここ?なん___」
「ゆめが、家を出て一番最初に目を合わせるのが、俺がいいから………なんて理由じゃダメ?」
かっ、可愛い………!この顔されると、何でも許せちゃうなぁ………。
「聖夜くんが可愛いから、いいよ!」
「……ありがとう………?」
聖夜くんは、少し不思議そうな顔をした。
そのあとに、時間を決めて帰った___
よし、今日、ゆめを家に誘おう。それでプロフィール帳を見せて…………。
そんなことを考えていたら、もう全ての授業が終わっていた。
「起立、礼」
『さよーならー』
チラッとゆめを見ると、気まずそうに俺の方を見ていた。
「___ゆめ。」
「は、はい………っ。」
「………帰ろ?」
「あ、う、うん。そ、そうだね……___あっ」
ゆめが机に足を引っ掛けて後ろに倒れそうになった。
「危ない!」
俺は咄嗟に手が出た。片手はゆめの手を、もう片手はゆめの背中にまわした。
「………大丈夫……?」
「__あ、うん……だ、大丈夫だから………!」
ゆめは真っ赤になって、俺から離れた。ちょっと素っ気ない感じがするけど、きっとこれが、藍川さんたちが言ってた「変な態度」なんだろう。先に教えられてて、本当によかった。聞いてなかったら、絶対に落ち込んでた。きっと今日は、ゆめが不安定なんだ。俺が守らないと………。
どうしよう………。聖夜くんの気持ちがわからないから、どんな態度でいればいいのかわからない。今、絶対感じ悪かったよね………。
聖夜くんと目が合ったり、聖夜くんとちょっとでも触れたりすると、心臓とか頭とかがおかしくなりそう…………。
ゆめの家が近くなってきた。そのままうちに来るのと、あとから来るの、どっちがいいかな。
「ゆめ、今日うちに来て欲しいんだけど、このまま行くのと一旦帰ってから来るの、どっちがいい?」
「え、あ、え………っと………か、帰ってから……がいい………。」
「わかった。じゃあ、準備出来たら来て。……なるべく……早く………来て欲しい……。」
「え……⁉︎あ、えっと……う、うん……わ、わかった………。」
「……じゃあ……あとでね………。___待ってるよ。」
そう言うと、ゆめは真っ赤になりながら家に入っていった。
___待ってるよ____。
聖夜くんの声が、頭の中でリピートされる。プロフィール帳、書いてくれたかな………。なるべく早く、って言ってたよね……。
私は急いで、聖夜くんの家に行く準備をした。
俺のプロフィール帳を、小さいテーブルの上に置いた。部屋のドアを開けた時、最初に目に入る場所だから。
そして俺は、家の中の玄関に近いところで、ゆめが来るのを待った………。
ピンポーン………
来た!
ガチャッ……
「……いらっしゃい。どうぞ………。」
「お、おじゃまします………」
部屋のドアを開けて、ゆめを入れた。
「どうぞ………」
俺はドアを閉めて、そのまま壁際に立った。ゆめは座って、俺のプロフィール帳を手に取って、見入っていた。
う、うそ………!誕生日一緒だ………‼︎趣味も……!う、裏を見るのが怖い………。
私は、恐る恐る裏のラブコーナーを見た。
ゆめは、俺のプロフィール帳のラブコーナーを見て、目を見開いた。
「せ、聖夜……くん………。ほ、ホントに………?」
俺は少し恥ずかしくて、目を逸らしたままうなずいた。
「ホントのホント………?私が聖夜くんの名前書いたから気を遣って書いてくれたとかじゃ無くて………?」
……わざわざそんなことするかよ………。
俺は、ゆめの隣に座って、ゆめと目をあわせた。
「俺は、ゆめのプロフィール帳を見なくても、そこに絶対ゆめの名前を書いてたよ。……俺は、ゆめがいい。ゆめじゃなきゃ………ダメなんだ。ゆめ、俺の……彼女に……なってくれますか………?」
そう言った途端、ゆめの目から涙がこぼれた。
「………はい……喜んで…………!」
ゆめは泣きながら、そう言って笑った。俺は微笑んで、ゆめの涙を指で拭った。
そして、無意識に____
「……っせ、聖夜……くん………⁉︎」
__その声で俺は、我に帰った。
………え……?い、今、俺無意識にキ、キスしなかったか⁉︎⁉︎
「あっ、え、ご、ごめん………!」
俺は急に恥ずかしくなって、ゆめから目を逸らした。
い、今、私聖夜くんに………キス……された……⁉︎
聖夜くんは、真っ赤になって私から目を逸らした。……こんなに赤くなってる聖夜くん、初めて見た………!か、可愛い……………‼︎‼︎
………そうだ、いいこと思いついた………!
「せ、聖夜くん………!あ、あの……ちょ、ちょっと、こっち向いて……くれる…………?」
聖夜くんがこっちを向いた瞬間、私は聖夜くんの唇に、自分の唇を重ねた。
「____ゆ、ゆめ…………⁉︎」
「………し、仕返し……です………!」
私がそう言うと、聖夜くんはまた目を逸らした。
「……か、可愛すぎんだよ………!俺、もう壊れそうなんだけど………。__でも、ありがとな、ゆめ………。」
「……こちらこそ、ありがとう。聖夜くん……。」
聖夜くんは、今までで一番優しい笑顔を見せた。
………聖夜くんのこの顔………きっと、私しか知らないと思うな…………。
そのあと、聖夜くんと手を繋いで、家まで送ってもらった。
「あ、明日から、学校……その、一緒に、行きたいな………。」
「……クラスの人とかに知られることになるけど、大丈夫……?」
あ、もしかして、みんなに知られちゃうの、嫌だったかな…………。
「あ、もし嫌なら、全然___」
「ああ、違う違う。俺は、ゆめがみんなに知られてもいいってことなら、そうしたい。俺も……ゆめと一緒に行きたいから………。」
……良かった~!
「……時間と場所は、どうする?」
「ああ、場所は、ここ。これ強制ね。時間はいつでもいいよ。」
「え、ここ?なん___」
「ゆめが、家を出て一番最初に目を合わせるのが、俺がいいから………なんて理由じゃダメ?」
かっ、可愛い………!この顔されると、何でも許せちゃうなぁ………。
「聖夜くんが可愛いから、いいよ!」
「……ありがとう………?」
聖夜くんは、少し不思議そうな顔をした。
そのあとに、時間を決めて帰った___
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