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海の男
しおりを挟む可愛い妻はいつも化粧をして俺の帰りを出迎えてくれる。
そしてその横で小さな我が子が走って抱きついてくる。
仕事終わって鱗だらけの体に容赦なく抱きついてくるのはこの二人ぐらいだと思う。
この笑顔を守りたくて、俺は今日も海に出る。
時には節約なんて言わせて貧しい気持ちをさせることもある。
泣いてしがみつく我が子と困り顔で笑う妻を置いて何ヶ月も帰れない時もある。
それでも俺は海に出る。
どんなに時化ていても、真冬の海がどんなに冷たくても少し頑張ればすぐに温まる場所を俺は知っているから。
ボロい家から外に漏れる明るい光の中には暖かい二人が待っている。
大好きな酒を飲んで酔っ払って、それに付き合ってくれる妻と興味なさそうにテレビ画面を見て踊る息子。
この光景がなんでもない幸せ。
俺の生き甲斐だ。
今日帰れば一歳7ヶ月だった息子はニ歳になってる。
こんな格好だけどこのままおもちゃ屋と花屋に寄ろう。
今日帰ったら札束見せつけて
クリスマス、サンタさんに贅沢なお願いしてみたらって二人に言ってやろうかな。
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