120 / 363
第3部 笑顔の裏に隠された真実
5-5何か知らないけど絶好調で力が全身にみなぎってきたー!!
しおりを挟む
私は風を全身に浴びながら、海沿いの道をひた走っていた。今日は風が強めなので、時おり、押し出されるような激しい風が、横から吹いて来る。
周り中に人がいた時は、特に気にならなかった。でも、縦長になり、人が少なくなってくると、風が気になり始めた。しかも、かなり空気が湿っており、どんよりした空模様が心配だ。
普段、空を飛んでいる時も、かなり風が強い。上空ほど、風が強く吹くからだ。でも、エア・ドルフィンに乗っているだけで、どんどん進んで行くので、特に気にならなかった。
しかし、自分の脚で走る場合は、物凄く気になってしまう。風が強いと、ペースが乱れたり、余計に体力を消費するからだ。
序盤は、接触しないよう、細心の注意を払いながら、周りとのペースを合わせていた。だが、十キロを過ぎたあたりから、少しずつ縦長になってくる。やはり、距離が進むほど、個人の能力差が出てくるからだ。
私は常に、集団の先頭を維持するように走っていた。でも、思ったほど速くなかったので、特に無理はしていなかった。ただ、ニ十キロ地点を過ぎると、先頭集団から遅れる人が増え、さらに細く縦長になって行く。
周囲に人がいなくなると、むしろペースの維持が難しい。ゆっくり走るべきか、ペースを上げるべきか、よく分からないからだ。特に、初出場の私は、ペース配分がよく分かっていない。
スタート時に話していた女性も、十キロ地点では、すでに姿が見えなくなっていた。なので、何度もペースを合わせる人を変えている。
抑えめに走っていたので、もう少しペースを上げたい。でも、周囲の人は、ペースを上げる気配はなかった。そのため〈新南区〉に続く橋がある、中間地点までは、我慢することにした。
とはいえ、先ほどから、早く前のグループの人に追いつきたい気持ちと、冷静にならねばという気持ちが、頭の中でせめぎ合っている。力を抑えるって、苦手なんだよね。
フィニーちゃんに貰った栄養ゼリーと、ノーラさんのパンを食べたおかげか、体の調子はいたって良好だ。
トレーニングの成果もあってか、今のところ、特に辛さも感じていない。『デッドポイント』もとうに乗り越え、前に進みたい気持ちが、あふれ出している。
過去の経験上、こういう状態の時は、物凄く調子がいい。気力が充実していると、本来、持っている能力以上に、力を発揮できるからだ。
心の底から、ワクワクした気持ちが沸き上がり、体が軽やかに動く。この高揚感がある内は、疲労も不安も全く感じない。スタート前にあったプレッシャーも、完全に消え去っていた。
軽快に走り続けていると、やがて〈新南区〉と、そこに続く〈ドリーム・ブリッジ〉が見えてきた。あそこまで行けば、道のりの半分が終了だ。
すでに、自分の最高記録である、ハーフマラソンの二十一キロは超えていた。昔はハーフでも、やっとだったので、以前よりも、かなり力が付いているようだ。
それもあって自信が湧き、さらに一段階テンションが上がる。気持ちが、どんどん前のめりになって行った。ちらりと振り返ると、後ろの人と、十メートルほど差が付いていた。
前のグループの、最後方で遅れて走っていた人も、すでに何人か抜いている。『Jグループ』の中では、単独で一位だった。
滅茶苦茶、いい感じじゃない? 私史上、最も絶好調かも。これって、もしかしたら、かなりいい結果が出せるのでは?
期待と高揚感を胸に、しばらく進んで行くと、右手のほうに何かが見えてきた。近づいて行くと、空中モニターがいくつも並んでおり、何かの文字が表示されている。
『ハーフゴールは、二キロ先を右折』
まだ、半分の地点なのに、何だろコレ? そういえば『ノア・マラソン』って、ハーフコースもあるって、スピで見たような気が……。もしかすると、フルとハーフは、同時に走ってるのかな?
最初から、五十キロを完走することしか、考えていない。なので、ハーフコースについては、全く調べていなかったのだ。
とりあえず、私には関係なさそうなので、気にせず走り続ける。だんだん、中間地点に近付くにつれ、観客が多くなってきた。中継用の空中カメラも、複数、宙に浮いている。
人が多くなるにつれ、ますます体に力がみなぎって来た。基本、人が多い賑やかな所が大好きだ。それに、沢山の人に見られると、やる気が湧いてくるのは、昔から変わらない。
気がつけば、いつの間にかスピードが上がり、一人また一人と抜き去って行く。やがて、右手のほうに、係員が数人、立っているのが見えてきた。
「ハーフ・ゴールに向かう方は、一キロ先で右折してください! フル完走を目指す方は、そのまま直進してください!」
係員が大きな声で、案内をしているのが聞こえてくる。
なるほど、同時に走って、好きなほうが選べるんだ。妙に観客が多いと思ったら、ハーフゴールに向かう人を、見ているからなんだね。
私の先の方を走っている人たちが〈ドリーム・ブリッジ〉の少し手前辺りで、次々と右折していった。意外と、ハーフで走る人も多いみたい。
後方グループには、ガチで走る人が少ないみたいだし。二十五キロの完走だって、一般人から見れば、凄いことだと思う。
やがて、右折地点に近付くと、一瞬だけチラリと横を見る。百メートルほど先に、ゴールゲートが用意されていた。
だが、私はすぐに正面を向くと、軽快に走り過ぎて行った。私のゴールは、あくまで五十キロ地点。余計なことを、考えてる暇はないからね。
左手に〈ドリーム・ブリッジ〉が見え、ちょうど中間地点に近付くと、周囲の観客たちから、声援が飛んできた。
「頑張れっ、あと半分だよ!」
「前半完走おめでとう、残りも頑張れ!」
「最後まで頑張ってねー!」
声を掛けてくれた人たちに、笑顔を向け、軽く手を挙げる。
声援を聴いた瞬間、俄然やる気がみなぎって来た。私って、褒められて伸びるタイプなので。
大きな橋の前に差し掛かったところで、私はいよいよ、本格的にペースを上げた。今まで抑え込んでいたエネルギーが、一気に噴き出した感じだ。足がどんどん前に進んで行く。
先ほどまでより、かなりペースが速いが、けっして無理なスピードではなかった。なぜなら、ランニングの時は、これぐらいか、もう少し速いぐらいのペースで走っていたからだ。
朝は、会社に遅刻しないために、急いで走ってたし。退社後も、早く帰って晩ご飯を食べたいから、速く走っていたからだ。
色々な理由があった練習の時に比べれば、むしろ、今のほうが気楽だった。特に急ぐ必要もなく、完走さえすればいいので。
中間地点に並んでいる、空中モニターを見ると、Jグループの経過タイムは、二時間四十六分。時速は、約九キロぐらいで、悪くないペースだ。
ちなみに、制限時間は七時間。この時間を超えると、失格になってしまう。ただ、今のペースなら、六時間以内の完走も目指せるので、まず大丈夫だ。
中間地点を超えると、黙々と海岸沿いを走っていく。ここから〈西地区〉に向かうにつれ、商業施設が減り、普通の住宅街になる。実は、コース中では、ここが一番つらい地点だ。
〈東地区〉から〈南地区〉に向かうルートは、割と住宅も多く、しだいに商業ビルなども増え、にぎやかになる。しかし〈南地区〉から〈西地区〉に向かう道は、空き地や雑木林などが多く、閑散として行く。
右を見ても左を見ても、景色にほとんど変化がなかった。進むにつれ、観客もまばらになり、静寂の中を走っていく。こういう場所は、距離感がつかみにくく、モチベーションの維持も難しい。
晴れていれば、景色を楽しむことも出来る。だが、空はどんより曇っており、先のほうは、暗雲が濃くなってきていた。今にも、雨が降りそうな感じだ。
空気も先ほどより、さらに湿っぽくなってきて、肌が少しベタついている。相変わらず風も強く、気持ちよく走れる状態ではなかった。
でも、条件はみんな同じなんだし、弱気なことを考えちゃダメだよね。まだ、体力は残ってるし、脚も今のところ調子がいい。
あとは、正しいフォームを守って、一定のペースを崩さないこと。しっかり前だけを見て、呼吸に集中。練習でやった通りに、黙々と走るだけ。
半分を過ぎたところで、一瞬、気持ちが乱れたが、再び冷静になって、走ることだけに集中する。やがて、周囲が見えなくなり、風も気にならなくなった。
私は頭の中を空っぽにして、体験したことのない未知の領域へと、踏み出して行くのだった……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『可能性が1パーセントでもあるなら私は絶対に諦めない』
あきらめて心では見えないものも、前に進めば見えてくる
周り中に人がいた時は、特に気にならなかった。でも、縦長になり、人が少なくなってくると、風が気になり始めた。しかも、かなり空気が湿っており、どんよりした空模様が心配だ。
普段、空を飛んでいる時も、かなり風が強い。上空ほど、風が強く吹くからだ。でも、エア・ドルフィンに乗っているだけで、どんどん進んで行くので、特に気にならなかった。
しかし、自分の脚で走る場合は、物凄く気になってしまう。風が強いと、ペースが乱れたり、余計に体力を消費するからだ。
序盤は、接触しないよう、細心の注意を払いながら、周りとのペースを合わせていた。だが、十キロを過ぎたあたりから、少しずつ縦長になってくる。やはり、距離が進むほど、個人の能力差が出てくるからだ。
私は常に、集団の先頭を維持するように走っていた。でも、思ったほど速くなかったので、特に無理はしていなかった。ただ、ニ十キロ地点を過ぎると、先頭集団から遅れる人が増え、さらに細く縦長になって行く。
周囲に人がいなくなると、むしろペースの維持が難しい。ゆっくり走るべきか、ペースを上げるべきか、よく分からないからだ。特に、初出場の私は、ペース配分がよく分かっていない。
スタート時に話していた女性も、十キロ地点では、すでに姿が見えなくなっていた。なので、何度もペースを合わせる人を変えている。
抑えめに走っていたので、もう少しペースを上げたい。でも、周囲の人は、ペースを上げる気配はなかった。そのため〈新南区〉に続く橋がある、中間地点までは、我慢することにした。
とはいえ、先ほどから、早く前のグループの人に追いつきたい気持ちと、冷静にならねばという気持ちが、頭の中でせめぎ合っている。力を抑えるって、苦手なんだよね。
フィニーちゃんに貰った栄養ゼリーと、ノーラさんのパンを食べたおかげか、体の調子はいたって良好だ。
トレーニングの成果もあってか、今のところ、特に辛さも感じていない。『デッドポイント』もとうに乗り越え、前に進みたい気持ちが、あふれ出している。
過去の経験上、こういう状態の時は、物凄く調子がいい。気力が充実していると、本来、持っている能力以上に、力を発揮できるからだ。
心の底から、ワクワクした気持ちが沸き上がり、体が軽やかに動く。この高揚感がある内は、疲労も不安も全く感じない。スタート前にあったプレッシャーも、完全に消え去っていた。
軽快に走り続けていると、やがて〈新南区〉と、そこに続く〈ドリーム・ブリッジ〉が見えてきた。あそこまで行けば、道のりの半分が終了だ。
すでに、自分の最高記録である、ハーフマラソンの二十一キロは超えていた。昔はハーフでも、やっとだったので、以前よりも、かなり力が付いているようだ。
それもあって自信が湧き、さらに一段階テンションが上がる。気持ちが、どんどん前のめりになって行った。ちらりと振り返ると、後ろの人と、十メートルほど差が付いていた。
前のグループの、最後方で遅れて走っていた人も、すでに何人か抜いている。『Jグループ』の中では、単独で一位だった。
滅茶苦茶、いい感じじゃない? 私史上、最も絶好調かも。これって、もしかしたら、かなりいい結果が出せるのでは?
期待と高揚感を胸に、しばらく進んで行くと、右手のほうに何かが見えてきた。近づいて行くと、空中モニターがいくつも並んでおり、何かの文字が表示されている。
『ハーフゴールは、二キロ先を右折』
まだ、半分の地点なのに、何だろコレ? そういえば『ノア・マラソン』って、ハーフコースもあるって、スピで見たような気が……。もしかすると、フルとハーフは、同時に走ってるのかな?
最初から、五十キロを完走することしか、考えていない。なので、ハーフコースについては、全く調べていなかったのだ。
とりあえず、私には関係なさそうなので、気にせず走り続ける。だんだん、中間地点に近付くにつれ、観客が多くなってきた。中継用の空中カメラも、複数、宙に浮いている。
人が多くなるにつれ、ますます体に力がみなぎって来た。基本、人が多い賑やかな所が大好きだ。それに、沢山の人に見られると、やる気が湧いてくるのは、昔から変わらない。
気がつけば、いつの間にかスピードが上がり、一人また一人と抜き去って行く。やがて、右手のほうに、係員が数人、立っているのが見えてきた。
「ハーフ・ゴールに向かう方は、一キロ先で右折してください! フル完走を目指す方は、そのまま直進してください!」
係員が大きな声で、案内をしているのが聞こえてくる。
なるほど、同時に走って、好きなほうが選べるんだ。妙に観客が多いと思ったら、ハーフゴールに向かう人を、見ているからなんだね。
私の先の方を走っている人たちが〈ドリーム・ブリッジ〉の少し手前辺りで、次々と右折していった。意外と、ハーフで走る人も多いみたい。
後方グループには、ガチで走る人が少ないみたいだし。二十五キロの完走だって、一般人から見れば、凄いことだと思う。
やがて、右折地点に近付くと、一瞬だけチラリと横を見る。百メートルほど先に、ゴールゲートが用意されていた。
だが、私はすぐに正面を向くと、軽快に走り過ぎて行った。私のゴールは、あくまで五十キロ地点。余計なことを、考えてる暇はないからね。
左手に〈ドリーム・ブリッジ〉が見え、ちょうど中間地点に近付くと、周囲の観客たちから、声援が飛んできた。
「頑張れっ、あと半分だよ!」
「前半完走おめでとう、残りも頑張れ!」
「最後まで頑張ってねー!」
声を掛けてくれた人たちに、笑顔を向け、軽く手を挙げる。
声援を聴いた瞬間、俄然やる気がみなぎって来た。私って、褒められて伸びるタイプなので。
大きな橋の前に差し掛かったところで、私はいよいよ、本格的にペースを上げた。今まで抑え込んでいたエネルギーが、一気に噴き出した感じだ。足がどんどん前に進んで行く。
先ほどまでより、かなりペースが速いが、けっして無理なスピードではなかった。なぜなら、ランニングの時は、これぐらいか、もう少し速いぐらいのペースで走っていたからだ。
朝は、会社に遅刻しないために、急いで走ってたし。退社後も、早く帰って晩ご飯を食べたいから、速く走っていたからだ。
色々な理由があった練習の時に比べれば、むしろ、今のほうが気楽だった。特に急ぐ必要もなく、完走さえすればいいので。
中間地点に並んでいる、空中モニターを見ると、Jグループの経過タイムは、二時間四十六分。時速は、約九キロぐらいで、悪くないペースだ。
ちなみに、制限時間は七時間。この時間を超えると、失格になってしまう。ただ、今のペースなら、六時間以内の完走も目指せるので、まず大丈夫だ。
中間地点を超えると、黙々と海岸沿いを走っていく。ここから〈西地区〉に向かうにつれ、商業施設が減り、普通の住宅街になる。実は、コース中では、ここが一番つらい地点だ。
〈東地区〉から〈南地区〉に向かうルートは、割と住宅も多く、しだいに商業ビルなども増え、にぎやかになる。しかし〈南地区〉から〈西地区〉に向かう道は、空き地や雑木林などが多く、閑散として行く。
右を見ても左を見ても、景色にほとんど変化がなかった。進むにつれ、観客もまばらになり、静寂の中を走っていく。こういう場所は、距離感がつかみにくく、モチベーションの維持も難しい。
晴れていれば、景色を楽しむことも出来る。だが、空はどんより曇っており、先のほうは、暗雲が濃くなってきていた。今にも、雨が降りそうな感じだ。
空気も先ほどより、さらに湿っぽくなってきて、肌が少しベタついている。相変わらず風も強く、気持ちよく走れる状態ではなかった。
でも、条件はみんな同じなんだし、弱気なことを考えちゃダメだよね。まだ、体力は残ってるし、脚も今のところ調子がいい。
あとは、正しいフォームを守って、一定のペースを崩さないこと。しっかり前だけを見て、呼吸に集中。練習でやった通りに、黙々と走るだけ。
半分を過ぎたところで、一瞬、気持ちが乱れたが、再び冷静になって、走ることだけに集中する。やがて、周囲が見えなくなり、風も気にならなくなった。
私は頭の中を空っぽにして、体験したことのない未知の領域へと、踏み出して行くのだった……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『可能性が1パーセントでもあるなら私は絶対に諦めない』
あきらめて心では見えないものも、前に進めば見えてくる
0
あなたにおすすめの小説
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる