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第6部 飛び立つ勇気
3-4死力を尽くして真っ白に燃え尽きた先にあるものは……
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時間は、午後一時。十分ほど前に、試験官が部屋にやってきて、待機していた。一時になったと同時に、全員の前に、試験用の空中モニターが表示される。午後の一教科目は、私の最も苦手な『マナ工学』だった。
昼休み中に、風邪薬を飲んで、しばらく寝ていたおかげで、若干、良くなった気がする。とはいえ、頭痛と目まいは、依然として続いていた。頭も、ボーッとして、今一つ動いていない。
隣にいた子は、時折り私に、心配そうな視線を向けて来ていた。あと、先ほど『どうしても、耐えられなくなったら、いつでも言ってください。すぐに、医務室に連れて行きますので』と言ってくれた。
見ず知らずの私に、ここまで、してくれるなんて。自分の試験だって、凄く大変なはずなのに。本当に、親切な子だ。まだ、名前も聴いてないし、あとで、しっかりお礼を言っておかないと……。
相変わらず、体調は最悪けど。気に掛けてくれる人が、隣にいるだけで、物凄く気持ちが楽になった。
私は、問題文に目を通し、必死に解答を考える。分からない問題もあるけど、意外と勉強した範囲が多い。数式も、ちゃんと記憶に残っていた。
だが、分かってはいても、上手く計算ができなかった。物凄く簡単な計算ですら、思うように、頭が動いてくれない。それでも、私は、いつもの何倍も、時間を掛けながら計算し、回答欄に書き込んで行く。
一問目を解いたところで、頭痛がさらに酷くなった。まるで、鼓動のように、頭の奥で激しいズキズキを、繰り返している。私は、左手で頭を押さえ、必死に痛みに耐えた。
ダメだ――このペースじゃ、間に合わない。一問だけで、時間を使いすぎ……。
私は、計算問題を捨てて、用語などの、埋められる場所だけ、回答することにした。埋められる問題だけやったあと、再び、計算問題にチャレンジする。
計算問題は、配点が高いので、できる限り、解答しないとならない。だが、公式は分かるのに、やはり、計算が思うように出来なかった。
ごく簡単な、足し算や掛け算ができないのだ。答を出そうとするたびに、頭痛が強くなり、目の前がかすむ。目まいが酷くて、まるで、船にでも乗っている感覚だ。
今すぐにでも、横になりたい。思考を停止して、楽になりたい。頭痛が大きく響くたびに、弱気な考えが浮かんで来る。
私は、いったん手を止め、両手を机につくと、呼吸を整えた。
大丈夫――落ち着け、私。ちゃんと、やるだけやって来たし、やれば出来る。一問でも多く、解答を……。
お腹に力を入れ、再び問題に向き合う。重い頭を、必死に動かしながら、計算を続けて行った。結局、物凄いスロースピードで進めている内に、試験終了のブザーが鳴り響いた。と同時に、目の前にあった空中モニターが、サッと消える。
解答できたのは、六割程度。しかも、見直しの時間が、全く取れなかった。でも、一番、苦手な教科だから、ある程度、最悪の事態は予想していた。
しょうがないから、気持ちを切り替えて、次の教科を頑張ろう。とは言え、次の教科は、私が二番目に苦手な、歴史なんだけど――。
十分後。ほとんど、息をつく間もなく、最後の『歴史の試験』が始まった。一応、これも、ユメちゃんのアドバイスに従って、ポイントは押さえてきた。
歴史は、100%暗記問題だ。しかし、全てを覚えるのは無理のなので、ある程度、山を張って来た。要は、山が当たるかどうかしだいだ。
基本的には、自分が比較的、知っている年代や人物。覚えやすい部分に、しぼって勉強してきた。この山の張り方も、ユメちゃんに、教えてもらった方法だ。
目の前に、試験問題が表示された瞬間。私は、ザッと全体の問題を、確認する。山は割と当たっているようで、答えられる問題が多そうだ。
とりあえず、確実に分かる所から埋めて行く。回答できたのは、全体の四割ほど。苦手な教科にしては、上出来だ。しかし、六割は回答できないと、受からないので、全然たりていない。
私は、うろ覚えの部分を、必死に考えて、思い出そうとする。だが、ちゃんと覚えたはずなのに、何も思い浮かんでこなかった。昨日までは、知識でうず巻いていたカオスな記憶空間が、完全に、真っ白になっていたからだ。
それでも、必死に思い出そうとする。辛うじて出てきた、断片的な知識を頼りに、何とか解答欄を埋めて行く。
刻一刻と、時間だけが過ぎて行き、真っ白な回答欄は、なかなか埋まらなった。ようやく、半分ちょっとが埋まったところで、試験終了のブザーが鳴り響く。と同時に、目の前の問題と回答の、空中モニターが、一瞬で消える。
紙の回答用紙と違い、瞬時に消えてしまうので、追加の記入はもちろん、見直しすら出来ない。ある意味、物凄く公正だ。
私は、試験が終了した瞬間、緊張の糸が切れ、ドサッと机に倒れ込んだ。体力も精神力も、全てが限界。完全に、精魂尽きていた。
終わった……。何とか、五教科、終わった……。
そして、全て終わった――。何もかもが、終わった――。
六時間の、長丁場を終えた安心感。と同時に、まるで、実力が発揮できなかったことへの、後悔と絶望感が、ふつふつと沸き上がって来た。
マナ工学は、一番、苦手なのでしょうがないが、解答できたのは、六割程度。最後の歴史に至っては、半分ぐらいだ。この二教科は、間違いなく、合格点には達していないだろう。
そうなると、残り三教科しだいだけど、全く自信がなかった。意識が、もうろうとしていたので、正しく答えられたか、分からない。それに、見直しする時間が、全くとれなかった。
もう、本当に、終わってるよ……。
私が、机で落ち込みながら伸びていると、隣から声を掛けられた。
「あの、大丈夫ですか? 起きられますか?」
「当分――無理そうです」
肉体的にも、精神的にもね……。
「えっ?! 私、係の人を呼んできますね」
「あっ、それは、大丈夫です。単に、心が折れてるだけなので――」
私は慌てて、彼女の腕をつかむ。
体調も悪いが、心のほうは、さらに最悪だ。バキバキに折れて、当分、立ち直れそうにない。
「じゃあ、医務室に行きましょう。私が、案内しますので」
彼女は、私の腕をとり、ゆっくりと立ち上がらせる。
私は、彼女の肩に腕を回し、支えられながら、ヨロヨロと教室を出て行くのだった……。
******
私が目を開けると、視線の先には、白い天井があった。いつもの、屋根裏の木の天井とは違う。顔を横に向けると、そこには、椅子に座った一人の少女がいた。マギコンを操作していた彼女は、私のほうにパッと視線を向けると、声をかけて来る。
「目が覚めたんですね。体調は、どうですか?」
「あの、私……?」
今一つ、状況がのみ込めない。
「医務室に来て、ベッドに横になったら、すぐに、寝てしまったんです。お医者さんは『心身共に、疲労が溜まっていたんだろう』と、言っていました。体のほうは、普通の風邪だそうで、熱は、じきに引くそうです」
「そういえば――。あっ、試験。試験って、どうなりましたか?」
真っ白だった意識に、急に記憶が戻った。そうだ、試験中だったんだ。
「試験なら、最後まで、無事に終わりましたよ。試験後に、ここ来たので」
「そう……ですか。あの、試験の結果は?」
「それなら、マギコンでも、確認できますよ」
彼女が、マギコンを操作すると、私の目の前に、空中モニターが表示される。それは、一次試験の合格発表で、受験者番号の一覧がのっていた。
私は、モニターを、ゆっくりスクロールして、自分の番号を探していく。一通り確認したところで、私は夕クリと手を降ろし、フゥーっと息を吐き出した。
「あの――いかがでしたか?」
「……」
私は、すぐに答えられなかった。答えるより先に、目頭が熱くなり、想いが涙になって、こぼれ落ちた。
あぁ、そうだよね、やっぱり――。
「あ、あの……?」
隣にいた彼女は、オロオロしている。
「すいません――。落ちてしまったのが、ショックで」
ダメだろうな、とは思ってたけど。やっぱり、現実を受け止めるのは、凄く辛い。
「あの、元気、出してください。これで、終わりじゃ有りませんよ。毎月、受けられるんですから」
「はい……。あなたは、どうでしたか?」
「何とか、ギリギリ受かりました。今回は、二回目ですけど」
「えっ、二回目?」
「先月、惨敗だったので。私、勉強は苦手なんです」
彼女は、苦笑する。
あぁ、そうか。途中で入社した人だけじゃなく、先月、落ちた人も、受けに来ているんだ。
「一回目は、割と落ちる人が、多いんですよ。勉強不足だけじゃなくて、緊張してしまったりとかで」
「そうなんですか――?」
「会社の先輩が、言ってました。本番は、二回目からだって。先輩も、一回目は落ちたそうなので。って、すいません。こんな話、何の役にも立ちませんよね……」
「いえ。おかげで、元気が出ました」
そっか、そういうものなんだ……。私は、ずっと『一発合格』が、当り前だと思ってた。リリーシャさんは、一発合格だったらしいし。ナギサちゃんも、フィニーちゃんも、一回で合格してたから、少し焦ってたのかも。
今まで、全力で頑張って来たから、滅茶苦茶、悔しいし、とても悲しい。でも、昔、陸上をやっていた時も『負けてからが、本当のスタートラインだ』って、先生がよく言ってたよね。
今回の悔しさをバネに、また、一から再スタートしよう。落ち込んでる暇なんてない。私は何があっても、頂上まで、はい上がらなければならないのだから……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『頑張ると空回りは違うって分かってはいるんだけど』
いくら頑張っても、その方法が間違っていては成功は望めない
昼休み中に、風邪薬を飲んで、しばらく寝ていたおかげで、若干、良くなった気がする。とはいえ、頭痛と目まいは、依然として続いていた。頭も、ボーッとして、今一つ動いていない。
隣にいた子は、時折り私に、心配そうな視線を向けて来ていた。あと、先ほど『どうしても、耐えられなくなったら、いつでも言ってください。すぐに、医務室に連れて行きますので』と言ってくれた。
見ず知らずの私に、ここまで、してくれるなんて。自分の試験だって、凄く大変なはずなのに。本当に、親切な子だ。まだ、名前も聴いてないし、あとで、しっかりお礼を言っておかないと……。
相変わらず、体調は最悪けど。気に掛けてくれる人が、隣にいるだけで、物凄く気持ちが楽になった。
私は、問題文に目を通し、必死に解答を考える。分からない問題もあるけど、意外と勉強した範囲が多い。数式も、ちゃんと記憶に残っていた。
だが、分かってはいても、上手く計算ができなかった。物凄く簡単な計算ですら、思うように、頭が動いてくれない。それでも、私は、いつもの何倍も、時間を掛けながら計算し、回答欄に書き込んで行く。
一問目を解いたところで、頭痛がさらに酷くなった。まるで、鼓動のように、頭の奥で激しいズキズキを、繰り返している。私は、左手で頭を押さえ、必死に痛みに耐えた。
ダメだ――このペースじゃ、間に合わない。一問だけで、時間を使いすぎ……。
私は、計算問題を捨てて、用語などの、埋められる場所だけ、回答することにした。埋められる問題だけやったあと、再び、計算問題にチャレンジする。
計算問題は、配点が高いので、できる限り、解答しないとならない。だが、公式は分かるのに、やはり、計算が思うように出来なかった。
ごく簡単な、足し算や掛け算ができないのだ。答を出そうとするたびに、頭痛が強くなり、目の前がかすむ。目まいが酷くて、まるで、船にでも乗っている感覚だ。
今すぐにでも、横になりたい。思考を停止して、楽になりたい。頭痛が大きく響くたびに、弱気な考えが浮かんで来る。
私は、いったん手を止め、両手を机につくと、呼吸を整えた。
大丈夫――落ち着け、私。ちゃんと、やるだけやって来たし、やれば出来る。一問でも多く、解答を……。
お腹に力を入れ、再び問題に向き合う。重い頭を、必死に動かしながら、計算を続けて行った。結局、物凄いスロースピードで進めている内に、試験終了のブザーが鳴り響いた。と同時に、目の前にあった空中モニターが、サッと消える。
解答できたのは、六割程度。しかも、見直しの時間が、全く取れなかった。でも、一番、苦手な教科だから、ある程度、最悪の事態は予想していた。
しょうがないから、気持ちを切り替えて、次の教科を頑張ろう。とは言え、次の教科は、私が二番目に苦手な、歴史なんだけど――。
十分後。ほとんど、息をつく間もなく、最後の『歴史の試験』が始まった。一応、これも、ユメちゃんのアドバイスに従って、ポイントは押さえてきた。
歴史は、100%暗記問題だ。しかし、全てを覚えるのは無理のなので、ある程度、山を張って来た。要は、山が当たるかどうかしだいだ。
基本的には、自分が比較的、知っている年代や人物。覚えやすい部分に、しぼって勉強してきた。この山の張り方も、ユメちゃんに、教えてもらった方法だ。
目の前に、試験問題が表示された瞬間。私は、ザッと全体の問題を、確認する。山は割と当たっているようで、答えられる問題が多そうだ。
とりあえず、確実に分かる所から埋めて行く。回答できたのは、全体の四割ほど。苦手な教科にしては、上出来だ。しかし、六割は回答できないと、受からないので、全然たりていない。
私は、うろ覚えの部分を、必死に考えて、思い出そうとする。だが、ちゃんと覚えたはずなのに、何も思い浮かんでこなかった。昨日までは、知識でうず巻いていたカオスな記憶空間が、完全に、真っ白になっていたからだ。
それでも、必死に思い出そうとする。辛うじて出てきた、断片的な知識を頼りに、何とか解答欄を埋めて行く。
刻一刻と、時間だけが過ぎて行き、真っ白な回答欄は、なかなか埋まらなった。ようやく、半分ちょっとが埋まったところで、試験終了のブザーが鳴り響く。と同時に、目の前の問題と回答の、空中モニターが、一瞬で消える。
紙の回答用紙と違い、瞬時に消えてしまうので、追加の記入はもちろん、見直しすら出来ない。ある意味、物凄く公正だ。
私は、試験が終了した瞬間、緊張の糸が切れ、ドサッと机に倒れ込んだ。体力も精神力も、全てが限界。完全に、精魂尽きていた。
終わった……。何とか、五教科、終わった……。
そして、全て終わった――。何もかもが、終わった――。
六時間の、長丁場を終えた安心感。と同時に、まるで、実力が発揮できなかったことへの、後悔と絶望感が、ふつふつと沸き上がって来た。
マナ工学は、一番、苦手なのでしょうがないが、解答できたのは、六割程度。最後の歴史に至っては、半分ぐらいだ。この二教科は、間違いなく、合格点には達していないだろう。
そうなると、残り三教科しだいだけど、全く自信がなかった。意識が、もうろうとしていたので、正しく答えられたか、分からない。それに、見直しする時間が、全くとれなかった。
もう、本当に、終わってるよ……。
私が、机で落ち込みながら伸びていると、隣から声を掛けられた。
「あの、大丈夫ですか? 起きられますか?」
「当分――無理そうです」
肉体的にも、精神的にもね……。
「えっ?! 私、係の人を呼んできますね」
「あっ、それは、大丈夫です。単に、心が折れてるだけなので――」
私は慌てて、彼女の腕をつかむ。
体調も悪いが、心のほうは、さらに最悪だ。バキバキに折れて、当分、立ち直れそうにない。
「じゃあ、医務室に行きましょう。私が、案内しますので」
彼女は、私の腕をとり、ゆっくりと立ち上がらせる。
私は、彼女の肩に腕を回し、支えられながら、ヨロヨロと教室を出て行くのだった……。
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私が目を開けると、視線の先には、白い天井があった。いつもの、屋根裏の木の天井とは違う。顔を横に向けると、そこには、椅子に座った一人の少女がいた。マギコンを操作していた彼女は、私のほうにパッと視線を向けると、声をかけて来る。
「目が覚めたんですね。体調は、どうですか?」
「あの、私……?」
今一つ、状況がのみ込めない。
「医務室に来て、ベッドに横になったら、すぐに、寝てしまったんです。お医者さんは『心身共に、疲労が溜まっていたんだろう』と、言っていました。体のほうは、普通の風邪だそうで、熱は、じきに引くそうです」
「そういえば――。あっ、試験。試験って、どうなりましたか?」
真っ白だった意識に、急に記憶が戻った。そうだ、試験中だったんだ。
「試験なら、最後まで、無事に終わりましたよ。試験後に、ここ来たので」
「そう……ですか。あの、試験の結果は?」
「それなら、マギコンでも、確認できますよ」
彼女が、マギコンを操作すると、私の目の前に、空中モニターが表示される。それは、一次試験の合格発表で、受験者番号の一覧がのっていた。
私は、モニターを、ゆっくりスクロールして、自分の番号を探していく。一通り確認したところで、私は夕クリと手を降ろし、フゥーっと息を吐き出した。
「あの――いかがでしたか?」
「……」
私は、すぐに答えられなかった。答えるより先に、目頭が熱くなり、想いが涙になって、こぼれ落ちた。
あぁ、そうだよね、やっぱり――。
「あ、あの……?」
隣にいた彼女は、オロオロしている。
「すいません――。落ちてしまったのが、ショックで」
ダメだろうな、とは思ってたけど。やっぱり、現実を受け止めるのは、凄く辛い。
「あの、元気、出してください。これで、終わりじゃ有りませんよ。毎月、受けられるんですから」
「はい……。あなたは、どうでしたか?」
「何とか、ギリギリ受かりました。今回は、二回目ですけど」
「えっ、二回目?」
「先月、惨敗だったので。私、勉強は苦手なんです」
彼女は、苦笑する。
あぁ、そうか。途中で入社した人だけじゃなく、先月、落ちた人も、受けに来ているんだ。
「一回目は、割と落ちる人が、多いんですよ。勉強不足だけじゃなくて、緊張してしまったりとかで」
「そうなんですか――?」
「会社の先輩が、言ってました。本番は、二回目からだって。先輩も、一回目は落ちたそうなので。って、すいません。こんな話、何の役にも立ちませんよね……」
「いえ。おかげで、元気が出ました」
そっか、そういうものなんだ……。私は、ずっと『一発合格』が、当り前だと思ってた。リリーシャさんは、一発合格だったらしいし。ナギサちゃんも、フィニーちゃんも、一回で合格してたから、少し焦ってたのかも。
今まで、全力で頑張って来たから、滅茶苦茶、悔しいし、とても悲しい。でも、昔、陸上をやっていた時も『負けてからが、本当のスタートラインだ』って、先生がよく言ってたよね。
今回の悔しさをバネに、また、一から再スタートしよう。落ち込んでる暇なんてない。私は何があっても、頂上まで、はい上がらなければならないのだから……。
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次回――
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いくら頑張っても、その方法が間違っていては成功は望めない
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