私異世界で成り上がる!! ~家出娘が異世界で極貧生活しながら虎視眈々と頂点を目指す~

春風一

文字の大きさ
243 / 363
第6部 飛び立つ勇気

5-5今度は私の番だから必ず親友を救って見せる

しおりを挟む
 私は、ずっと色んなことを思い返していた。この世界に来てから、今まで起こった出来事。過去にELエルで話した、ユメちゃんとの様々な会話。毎回、色々アドバイスしてくれたり、元気づけてもらったりして、物凄く楽しかったこと。

 昨晩も、ELで普通にやり取りしてたし、いつも通り、明るく会話をしていた。インドアなのは、知っていたけど、彼女は、とても明るく前向きな性格だ。心の病を持っているようには、全く見えなかった。

 でも、よくよく考えて見ると、何となく思い当たる節もある。今まで、イベントのたびに会話してたけど、どこかに参加した、という話は聴いていない。いつも、部屋で本を読んでいる話ばかりだった。

 あと、毎日、色んな写真を送ってあげると、物凄く喜んでいた。普通に、外に出ていれば、そこまで珍しいものでは無いと思う。

 家に引きこもること自体は、そんなに珍しくはない。向こうの世界でも、引きこもりは、年々増加しており、社会問題にもなっていた。だから、特に隠すようなことではないと思う。

 ユメちゃんは、何で、今まで黙っていたのだろうか? 引きこもりの件は、置いとくとして。事故に巻き込まれた、当事者なのだから。〈ホワイト・ウイング〉のことは、誰よりも知っているはずだ。

 事故を思い出したくなければ、私と関わりを持たないのが、一番だと思う。なのに、最初に声を掛けてくれたのは、ユメちゃんからだった。

 私がスピに、毎日、練習飛行中に撮った、街の風景写真をのせていたら、ユメちゃんがコメントを付けてくれたのだ。それがキッカケで、ELで話すようになった。

 私は、スピのプロフィールに、シルフィードをやっていることも〈ホワイト・ウイング〉に所属しているのも、書いてある。だから、最初から、全て知っていたはずだ。

 ELを始めたあと、彼女は、いつも楽しそうで、とても優しくて。この世界で、初めてできた友達で。私にとって、かけがえのない存在だった。

 いつも明るくて、ポジティブで、時々凄くハイになって。まるで影がなく、太陽のような存在で、よいイメージしかない。

 でも、先ほど見たユメちゃんは、完全に別人だった。まるで明るさがなく、深い闇を抱えている感じだった。

 考えれば考えるほど、彼女のことが、分からなくなって行く……。

「もう少し、詳しく教えていただいても、いいですか? 事故に巻き込まれたあと、何があったのかも――」
 
 あまり、立ち入って訊いていい話ではない。でも、私の考えだけでは、分からないことが多すぎる。それに、どんなに重く辛い過去でも、知っておかないと、彼女の力にはなれないと思う。

 リチャードさんは、小さく頷くと、静かに話し始めた。

「あの事故は、とても大変なものでした。ゴンドラに乗っていた方々は、全員、亡くなられてしまいました。お嬢様を助けてくださった、アリーシャ様も、非常に残念なことに……」

 リチャードさんが、静かに視線を向けてくると、私は、無言で頷いた。私も、初めて話を聴いた時は、激しく動揺したけど、今はしっかり受け止めている。

「お嬢様は、奇跡的に助かりましたが、ゴンドラの下敷きになった左足は、複雑骨折。最悪、足を切断しなければならないほどの、重症でした。しかし、一流の名医に見ていただいたことも有り、奇跡的に回復したのです」

「その後、リハビリも行い、普通に歩けるまでに、回復しました。しかし、どうしても、治らない問題もあったのです――」

 彼の表情が、一層、深刻的になる。

「お嬢様は、病院に運ばれ目覚めたあと、先ほどのような、錯乱状態を繰り返していました。鎮静剤を打ったり、カウンセリングを受けて、一応は落ち着きましたが。あの事故以来、空への恐怖心が、拭い去れなくなってしまったのです」
 
「外に出ることはおろか、窓から空を眺めることすら、出来なくなりました。部屋にいる時も、カーテンを閉め、けっして、窓際には近づかなくなったのです」

 私は、ふと、先ほど部屋に入った時の、妙な違和感を思い出した。

「じゃあ、部屋の半分にしか、物が置いてなかったのは……?」
「はい。窓際を避けて、全て壁際に置いてあるのです」

 なるほど、そういう事だったんだ――。単なる、引きこもりとか、そんな簡単な問題じゃなかった。今もまだ、深く深く傷ついているんだ。

 しかも、自分が死に掛けただけでなく、沢山の人の死を、目の当たりにしている。私だって、アリーシャさん一人の、死を受け止めるだけで、時間が掛かったのに。

 それが、現場にいて、目の前で起こって。しかも、何人もの人が、命を落としたとしたら、私よりも年下の少女が受け止めるには、あまりに辛すぎる……。

 あぁ――。私は、また気付けなかった。リリーシャさんの件で、人の気持ちを、よく考えるようにしようと思ったのに……。

 私は、ユメちゃんのこと、何も気づいてあげられなかった。それどころか、私のほうが、いつも助けられてばかりだ――。

 いったい、どうすれば、彼女を心を救ってあげられるのだろうか……?


 ******


 私は、ユメちゃんの部屋の扉の前にいた。先ほどまで、リチャードさんから、詳しく話を聴いていたけど、心の傷は、相当に深いようだ。あと、ユメちゃんは、かなり頑固なところがあるらしい。

 先ほど取り乱た様子を考えると、普通に話すのは、難しそうだ。それ以前に、もう二度と、私とは、口をきいてくれないかもしれない。

 だとしても、私にとってユメちゃんは、大切な親友だ。一番つらい時期に、ずっと支え続けてくれたのは彼女だった。私の人生の中で、最も大事な親友かもしれない。

 だから、例えどんなに嫌われようとも、絶対に、放ってはおけない。今度は、私が彼女を支える番だ。

 私は、大きく深呼吸したあと、マギコンを取り出し、ELを起動した。怖くて、一瞬、指が止まる。でも、意を決して、少し震える指で、メッセージを打ち込ん行く。

 怖い……怖い……。

 親友に嫌われてしまうのも、親友の心の傷に触れるのも。何より、彼女を、より傷つけてしまうかもしれないのが、とんでもなく怖かった。上手く話せる自信が、全くない――。

 怖い……怖い……物凄く怖い……。

 何てメッセージを書くべきか、必死に考える。でも、あえて、先ほどの話題には触れず、いつも通りのノリで送ることにした。私、馬鹿だから、気の利いた言葉なんて、何も思いつかない――。

『ユメちゃん、こんにちは。元気?』

 はたから見たら、とんでもなく、無神経な内容かもしれない。どう考えたって、元気なはずが無いんだから。でも、変に気遣った内容は、逆効果だと思ったからだ。

 ユメちゃんは、けっして、同情して欲しい訳じゃないと思う。相手が、友達であれば、なおさらだ。友達に同情されるのは、逆に、辛い場合もあるから……。

 いつもなら、送った瞬間に、メッセージが返って来ていた。でも、今日は、返信が来なかった。こうなることは、最初から想像していたけど、やっぱり辛い。もう、二度と、返信してくれないのだろうか――?

 私は、扉の前に、静かに座り込む。今、私にできるのは、待つことだけだ。でも、待つだけって、本当に辛い。私は、膝を抱えて、じっと待ち続ける。
 
 扉の前に座り込んでから、三十分が経過した。『もう、ダメなのかな……?』と、半ばあきらめかけた時、メッセージの着信音が鳴った。私は、慌ててメッセージを確認する。

『全然、元気じゃない。死にたい気分』
 いつも明るいユメちゃんからは、考えられない内容で、まるで別人のようだった。それでも、返信してくれたことが、凄く嬉しい。

『ゴメンね。私が急に行ったから、嫌な気分にさせちゃって。まさか、相手がユメちゃんだなんて、全然、知らなかったから』

 全く、一ミリも、想像できなかった。だって、余りにも、イメージと正反対すぎて。結びつく要素が、何一つなかったからだ。

『風ちゃんは、全然、悪くない。リチャードが、全て悪いんだから。私も、聴いてなかったし』
『サプライズだったみたいだよ。ユメちゃんを、喜ばせようとして』

『サプライズって――。確かに、超驚いたけど、やり過ぎだよ。私、心臓が止まるかと思ったもん』
『私も、最近の中で、一番、驚いたよ』

 もっとも、私は、ユメちゃんを見たことないから、リチャードさんに、話を聴いてから、初めて驚いたんだけど。でも、ユメちゃんは、MVで私を見て知っていたから、そうとう驚いたはずだ。

『ごめんね。嫌な姿、見せちゃって……』
『へーき、へーき。あれぐらい、私だってやるもん』

『そうなの?』
『家出した時の大喧嘩なんて、あんなレベルじゃなかったよ。感情的になって、滅茶苦茶、酷いセリフを、怒鳴り散らしてたし。それで、実家に帰り辛かったんだ――』

 人って感情的になると、とんでもないことを、平気で口にするよね。

『風ちゃんでも、怒ったりするんだ?』
『そりゃ、怒るよ。そもそも私、凄く感情的な人間だもん』

 それから、しばらくの間、メッセージが途絶えた。何かを、考えているのかもしれない。私は、次の言葉をじっと待ち続けた。
 
 数分後……。

『風ちゃん、ゴメンね。今まで、色々嘘をついちゃって』
 新しいメッセージが、送られて来る。

『いいって、そんなの。私は、毎日、楽しくお話ししてたし。ユメちゃんが元気なら、それだけで十分だよ。学校、行かなくたって、ユメちゃん頭いいし』
 
 ユメちゃんは、本当に、物知りで頭がいい。だから、学校に行っていることを、疑いもしなかった。毎日、学校に行ってた私より、頭がいいんだから――。

『ううん、そっちじゃなくて、事故のこと。隠してて、本当にごめんなさい……』
『何で、そんなこと気にするの? 別に、わざわざ、言うことでもないんじゃない?』

 再び、メッセージが途切れた。

 いくら友達だからって、全てを話さなければ、ならない訳じゃない。わざわざ、過去の嫌な話を、出す必要はないもんね。私が家出の話をしなかったのも、重くしたくなかったからだ。

『――だって、私のせいで、アリーシャさんが、死んじゃったんだよ。私を助けなければ、アリーシャさんは生きてたんだよ。私が死んでいれば、あんな大事件には、ならなかったのに……』

 えぇっ?! ユメちゃん、そんな風に考えてたの――?

『本当は、最初から、ちゃんと言うべきだった。風ちゃんから、あの事件の話が出た時だって、言おうと思えば、言えたのに。怖くて、言えなかった……。ゴメンね、本当に、ゴメンね――』

 まるで、ユメちゃんの心の痛みが、直接、伝わって来るようなメッセージだった。私の心まで、ズキズキと痛み始めた。

『何で謝るの? ユメちゃんは、何一つ悪くないよ。ただの被害者なんだから。それに、そんな悲しいこと言わないで。私は、ユメちゃんが生きてくれていて、物凄く嬉しいよ』

『アリーシャさんには、申しわけないけど。私は、ユメちゃんが生きてくれていて、本当に良かった。そうじゃなきゃ、大事な親友に、出会えなかったんだから』

 これは、偽りのない、私の本心だった。どちらか一人しか選べないなら、私は迷わず、ユメちゃんを選ぶだろう。

『本当に……そう思う? みんなは「助けるべきじゃなかった」って言ってるよ。どう考えたって、生き残るべきは、アリーシャさんのほうだったでしょ? だって、誰からも愛され、尊敬されていた、伝説のシルフィードなんだから』

『私なんか、いなくなったって、誰も悲んだりなんかしないし。もし、私が死んでいたとしたら、とっくに忘れられてたよ――』

 そうじゃない……そうじゃないよ、ユメちゃん――。

『違うっ!! 絶対にそんなことないよ! 悲しむ人はいるよ。ご家族も、リチャードさんも。それに、そんなことを言ったら、アリーシャさんが、一番、悲しむよ』
『えっ?! アリーシャさんが?』

『そんな考えじゃ、命がけでユメちゃんを助けた、アリーシャさんは、浮かばれないよ。もちろん、アリーシャさんの、優しさや勇敢さもあると思う。でも、きっと、ユメちゃんの、未来を守りたかったんだよ』

『私の……未来?』

 もちろん、あの咄嗟の瞬間に、そこまで考えていたかは分からない。でも――。

『アリーシャさんの、夢や未来は、ユメちゃんに託されたんじゃないのかな? だから、そんな悲しい考えをしたら、アリーシャさんだって悲しいよ。ユメちゃんの命は、二人分なんだから……』

 アリーシャさんが、体を張ったおかげで、ユメちゃんは、奇跡的に助かった。だから、ユメちゃんの命は、アリーシャさんのものでもあると思う。もちろん、それを、どう受け止めるかは、ユメちゃん自身なんだけど――。

 再び、メッセージが途切れた。私はELの画面をボーっと眺めながら、冷静に考える。

 ちょっと、言い過ぎてしまっただろうか? 彼女は死の恐怖を味わい、外に一歩も出られなくなるぐらい、深く心が傷ついている。現実を認識させるより、温かい言葉を掛けたほうが、良かったのだろうか……?

 でも、このままじゃ、ユメちゃんは、一生、部屋にこもったままだ。どこかで、現実に目を向けて、一歩前に、進まなければならない。
 
 アリーシャさんを失って、一番ショックを受けたリリーシャさんだって、しっかり立ち直って、前に進み始めたのだから。ユメちゃんだって、きっと立ち直って、前に進めるはずだ。ユメちゃんは、賢い子だから、絶対にできると信じている。

 刻一刻と、時間が過ぎて行く。途中、リチャードさんが、様子を見に来たけど、私は軽く笑みを浮かべて頷くと、彼は察して、静かに立ち去って行った。

 すでに、先ほどのメッセージから、二十分以上が経過している。やっぱり、先ほどのセリフは失言だったのでは? 二人分の命だなんて、単にプレッシャーを与えてしまっただけではないだろうか? 
 
 時間が経つにつれ、少しずつ、不安が大きくなって行く。元々私は、ボキャブラリが少ないし、人を説得するのには、向いてない。私の言い方のせいで、余計に傷つけてしまったのでは――?

 悶々と考え込んでいると、私が寄りかかっていた扉とは、反対側の扉が、ほんの少しだけ開いた。そのスキマからは、小さな顔が覗いている。彼女の目は、真っ赤になっていた。

「まだ、帰らずにいてくれたんだ……」
 ユメちゃんの声は、少し涙声でかすれていた。

「うん。ユメちゃんに追い出されるまで、ずっといるよ」
「こんな、情けない私なのに。まだ、見捨てないでいてくれるの――?」

「何言ってるの。情けないのは、私のほうだよ。今までだって、いつも助けられてたの、私のほうじゃない。それに、私たち親友でしょ?」

 私が、こちらの世界に来て、誰も知り合いがいなかったころ。真っ先に、友達になってくれたのが、ユメちゃんだった。

 ELを始めて以来、私の愚痴を聴いてくれたり、色んなアドバイスをしてくれたり。どれほど救われてきたことか。

「でも、偉そうなことを言ってた割りに、こんな体たらくだもん。メッキがはがれて、幻滅したでしょ?」

「そんなことないよ。ユメちゃんは、ユメちゃんだもん。今までと、何も変わらないよ。そもそも、私なんて、メッキすらないからね」

「やっぱり、風ちゃんは、風ちゃんだね。私が、一番、大好きで。一番、尊敬する、最高のシルフィード。本当に、風ちゃんに出会えてよかった」
「私もだよ。私も、ユメちゃんに出会えてよかった。アリーシャさんに感謝だね」
 
 暗く沈んでいたユメちゃんの顔に、ようやく笑顔が浮かんだ。

「ねぇ、風ちゃん。私を助けてくれる――? 私、もう一度、外に出たい」
「もちろん。どこにだって、連れ出してあげるよ」

 私は、扉の隙間に手を入れると、彼女の白く小さな手を、ギュッと握り締めるのだった……。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

次回――
『明るい世界への最初の一歩を踏み出す勇気』

 この一歩はすごく広い世界につながってるんだ
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

処理中です...