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第11話 フェリーチェ伯爵
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豪華な客間でしばらく待っていると、金髪の上品で美しい男の人がやってきた
「君たちかい?僕に用があるというのは」
部屋に入てくるなり、そう言ってニッコリと微笑むその人は、何故かずっと私の方を凝視している
「これはこれは、美しいレディ。君も僕の可愛いフェアリーに仲間入りしたくて来たのかな?」
徐々に近づいてくるフェリーチェ伯爵に私は戸惑いながら、なんとかひきつった笑みを浮かべて、答えた
「い、いえ。そういうわけではないのです。ただ、貴方にお話があって来たのです」
「…驚いたな。こんなに近くにいて僕のフェロモンが効かないなんて」
「え?」
「いや、なんでもないよ。それより、話って?」
私がチラッとユリエルさんの方を見ると、ユリエルさんがコクッと頷いた
「それは私からさせていただきます。」
「………どうぞ?」
フェリーチェ様は一瞬だけ、少しだけ嫌そうな顔をした気がしたが、すぐにまたさわやかな笑顔に戻った
「長話になるのも気が引けるので、単刀直入に言わせていただきます。…貴方、体のどこかに竜の形をしたアザ、ありませんか?」
ユリエルさんが言い切ったところで、フェリーチェ伯爵の顔から笑顔がきえた
「そうか。やっぱり君たちだったんだ。でも…ここじゃなんだから、その話は僕の家でしよう」
彼はそう言うと有無も言わせず、私の手首を優しく掴んで、客室から出た。後ろを振り向くと慌てたようにユリエルさんとクラウスさんも着いてくる
その後すぐに馬車に乗り込むと、フェリーチェ伯爵は手を名残惜しそうにゆっくりと離してくれた
フェリーチェ伯爵の家には、お城から馬車で10分ほどで着いた。
伯爵の住む場所はお城に負けないくらい大きくて、庭も屋敷もセンスのいい洗練された造りになっていた。
「素敵…」
「じゃあ、一緒に住もうか」
思わず感嘆の声を上げると、伯爵はニコッと笑って冗談を言う
「いえ、結構です」
「残念だなぁ」
フェリーチェ伯爵は少し変わっているけど、なんだかいい人そうだ
家の中に入ると、ある部屋に通された。とても真っ暗でファンタジー要素の欠片もない部屋だ。窓からの光りも入らない。
そこに四人、蝋燭の火だけを灯して立っていた
「ごめんね? こんな暗い部屋で。 ここじゃないと話を聞かれちゃうものでね」
「誰にだ?」
伯爵が現れてから一言も話さなかったクラウスさんが口を開いた
「そりゃあ、もちろんこの国自体にさ」
「は?」
「この国はね、自分に都合の悪いことがあると、そのものを消そうとする。…国はいつも聞き耳を立てている。君たちが今からしようとしている話は多分それに当てはまる。…悪いことをしようと考えて国に入った人間は何人も排除されたよ」
「どういうことですか?」
興味深いので、質問してみるとフェリーチェ伯爵は自嘲ぎみの笑みを浮かべて教えてくれた
「例えば、この国を乗っ取ろうとして入ってきた悪いやつがいるとする、するとその考えを読み取った国はその悪いやつを何かに代えてしまうんだ」
「何かって?」
「うーん…果物とか、家畜とか、かな。まぁ、街に暮らす人々に役立つものだね」
「そ、そうなんですか」
だから、この国の人たちはあんなに安心しきったように暮らしてたんだ…。でも、本当にそうなら、この国はクラウスさんが言っていた通り、少し不気味だ。おかしい…
「僕の話はこれくらいにしておいて、君たちは竜のアザのこと、何か知っているのかい?」
「…えぇ。私たちにはそのアザがあります」
そう言って、ユリエルさんは手袋を脱いで、手の甲を見せた
…初めて見た…。本当にあったんだ。
「なるほど。黒髪の君は?」
「俺にもある。見せないけどな」
「まぁ、確かに君の方からも力を感じるし、言ってることは本当のようだね」
「ということは貴方にもあるんですね」
「ありますよ。ほら」
フェリーチェ伯爵はそう言って、服の袖を捲り、程よく筋肉のついた二の腕を見せてくれた
「確かに…。では、貴方も力を持って生まれたのですね」
「まぁね…。…あ、最初に言っておくけど僕はこの街から出ないよ」
「え?どうして?」
「というか、出られないんだ。姫様からの承認をもらわないと。」
「じゃあ、もらえばいいだろ」
「それが出来たらとっくに外の世界に行ってるさ」
「は?」
「僕は、生まれてから一度もこの国から出たことがないんだ。姫様の許可がないとね。 無理矢理出ようとしても、不可能だ。門の外に出たと思ってもまた門の前にいる。 それが無限に続くんだ。」
「…そうなんですか」
「…じゃあ、俺たちがその姫様のところに行ってお前がここから出られるようにしてやる」
「いや、無理だ。止めた方がいい。…捕まってひどい目に合う」
「勇者の血筋は全員揃わないと本来の力が発揮出来ない。」
「しかし…」
「…俺は城に戻る。で、姫様と話し合いをしてくる」
「ダメだ。僕が言っても、姫様は聞き入れてくださらなかったのだから。…それに、危険だ。」
「…それ、お前は本気で姫様を説得しようとしたのか?」
「え…?」
「とにかく俺は行く」
「王子、私も行きます」
「クリウスさん、私も!」
私たちがそう言って、すでに扉に手を掛けたクラウスさんを見ると、彼はイラッとした顔をして私を睨んだ
「ユリエルはともかく、お前は絶対に駄目だ」
「どうしてですかっ!私でも何か役に立てるはずです!」
「無理。邪魔だし役になんか立たねぇよ!」
「そんなことないです!私を一人で置いていくつもりですか…!…絶対行きます!」
そこまで言って、ハッとした。…やばい言い過ぎた。
「ユリエル、こいつを頼んだ。…ついてこないように見張っててくれ」
「王子、一人では危険すぎます!」
「そうだよ、クラウスくん。姫様は地下牢で獰猛な怪物を飼っている。もし話し合いで姫様を怒らせて、そこに入れられたりしたら君は死んでしまうかもしれないんだぞ!」
「…俺にはやらなきゃいけないことがある。だからそんなとこで死ねない。…それに、捕まって牢屋に入れられるようなヘマはしねぇ」
そう言うと、クラウスさんは部屋から出て、走っていってしまった
「…」
三人の間に重い沈黙が流れた。
…確かにクラウスさん一人では危ないかもしれない。あの人短気だし。お姫様を怒らせてしまうかもしれない…話し合いとかはやっぱりユリエルさんの方が何百、いや、何千倍もむいているだろう。
「ユリエルさん、ごめんなさい。私、役に立ちたいのですが、今は無理です。力不足です。弁術に長けているわけでも、何か力があるわけでもありませんから…だから、もうついていくとはいいません。…私のことを見張ってなくとも逃げたりしません。…ですからどうか、クラウスさんの力になってあげてください」
「…リナさん。いいのですか?」
「いいです、行ってください。さっきはムキになってしまってああ言ってしまっただけです。ほら……早く行かないと、追い付けませんよ?」
「それは大丈夫です。王子より私の方が速いので。……ではお言葉に甘えさせていただきます。王子はこういうの苦手ですからね。……フェリーチェ様、リナさんを頼みます」
「あ、うん」
ユリエルさんはフェリーチェ伯爵が返事をしたのを確認すると、すぐに部屋から出て行ってしまった。
「君たちかい?僕に用があるというのは」
部屋に入てくるなり、そう言ってニッコリと微笑むその人は、何故かずっと私の方を凝視している
「これはこれは、美しいレディ。君も僕の可愛いフェアリーに仲間入りしたくて来たのかな?」
徐々に近づいてくるフェリーチェ伯爵に私は戸惑いながら、なんとかひきつった笑みを浮かべて、答えた
「い、いえ。そういうわけではないのです。ただ、貴方にお話があって来たのです」
「…驚いたな。こんなに近くにいて僕のフェロモンが効かないなんて」
「え?」
「いや、なんでもないよ。それより、話って?」
私がチラッとユリエルさんの方を見ると、ユリエルさんがコクッと頷いた
「それは私からさせていただきます。」
「………どうぞ?」
フェリーチェ様は一瞬だけ、少しだけ嫌そうな顔をした気がしたが、すぐにまたさわやかな笑顔に戻った
「長話になるのも気が引けるので、単刀直入に言わせていただきます。…貴方、体のどこかに竜の形をしたアザ、ありませんか?」
ユリエルさんが言い切ったところで、フェリーチェ伯爵の顔から笑顔がきえた
「そうか。やっぱり君たちだったんだ。でも…ここじゃなんだから、その話は僕の家でしよう」
彼はそう言うと有無も言わせず、私の手首を優しく掴んで、客室から出た。後ろを振り向くと慌てたようにユリエルさんとクラウスさんも着いてくる
その後すぐに馬車に乗り込むと、フェリーチェ伯爵は手を名残惜しそうにゆっくりと離してくれた
フェリーチェ伯爵の家には、お城から馬車で10分ほどで着いた。
伯爵の住む場所はお城に負けないくらい大きくて、庭も屋敷もセンスのいい洗練された造りになっていた。
「素敵…」
「じゃあ、一緒に住もうか」
思わず感嘆の声を上げると、伯爵はニコッと笑って冗談を言う
「いえ、結構です」
「残念だなぁ」
フェリーチェ伯爵は少し変わっているけど、なんだかいい人そうだ
家の中に入ると、ある部屋に通された。とても真っ暗でファンタジー要素の欠片もない部屋だ。窓からの光りも入らない。
そこに四人、蝋燭の火だけを灯して立っていた
「ごめんね? こんな暗い部屋で。 ここじゃないと話を聞かれちゃうものでね」
「誰にだ?」
伯爵が現れてから一言も話さなかったクラウスさんが口を開いた
「そりゃあ、もちろんこの国自体にさ」
「は?」
「この国はね、自分に都合の悪いことがあると、そのものを消そうとする。…国はいつも聞き耳を立てている。君たちが今からしようとしている話は多分それに当てはまる。…悪いことをしようと考えて国に入った人間は何人も排除されたよ」
「どういうことですか?」
興味深いので、質問してみるとフェリーチェ伯爵は自嘲ぎみの笑みを浮かべて教えてくれた
「例えば、この国を乗っ取ろうとして入ってきた悪いやつがいるとする、するとその考えを読み取った国はその悪いやつを何かに代えてしまうんだ」
「何かって?」
「うーん…果物とか、家畜とか、かな。まぁ、街に暮らす人々に役立つものだね」
「そ、そうなんですか」
だから、この国の人たちはあんなに安心しきったように暮らしてたんだ…。でも、本当にそうなら、この国はクラウスさんが言っていた通り、少し不気味だ。おかしい…
「僕の話はこれくらいにしておいて、君たちは竜のアザのこと、何か知っているのかい?」
「…えぇ。私たちにはそのアザがあります」
そう言って、ユリエルさんは手袋を脱いで、手の甲を見せた
…初めて見た…。本当にあったんだ。
「なるほど。黒髪の君は?」
「俺にもある。見せないけどな」
「まぁ、確かに君の方からも力を感じるし、言ってることは本当のようだね」
「ということは貴方にもあるんですね」
「ありますよ。ほら」
フェリーチェ伯爵はそう言って、服の袖を捲り、程よく筋肉のついた二の腕を見せてくれた
「確かに…。では、貴方も力を持って生まれたのですね」
「まぁね…。…あ、最初に言っておくけど僕はこの街から出ないよ」
「え?どうして?」
「というか、出られないんだ。姫様からの承認をもらわないと。」
「じゃあ、もらえばいいだろ」
「それが出来たらとっくに外の世界に行ってるさ」
「は?」
「僕は、生まれてから一度もこの国から出たことがないんだ。姫様の許可がないとね。 無理矢理出ようとしても、不可能だ。門の外に出たと思ってもまた門の前にいる。 それが無限に続くんだ。」
「…そうなんですか」
「…じゃあ、俺たちがその姫様のところに行ってお前がここから出られるようにしてやる」
「いや、無理だ。止めた方がいい。…捕まってひどい目に合う」
「勇者の血筋は全員揃わないと本来の力が発揮出来ない。」
「しかし…」
「…俺は城に戻る。で、姫様と話し合いをしてくる」
「ダメだ。僕が言っても、姫様は聞き入れてくださらなかったのだから。…それに、危険だ。」
「…それ、お前は本気で姫様を説得しようとしたのか?」
「え…?」
「とにかく俺は行く」
「王子、私も行きます」
「クリウスさん、私も!」
私たちがそう言って、すでに扉に手を掛けたクラウスさんを見ると、彼はイラッとした顔をして私を睨んだ
「ユリエルはともかく、お前は絶対に駄目だ」
「どうしてですかっ!私でも何か役に立てるはずです!」
「無理。邪魔だし役になんか立たねぇよ!」
「そんなことないです!私を一人で置いていくつもりですか…!…絶対行きます!」
そこまで言って、ハッとした。…やばい言い過ぎた。
「ユリエル、こいつを頼んだ。…ついてこないように見張っててくれ」
「王子、一人では危険すぎます!」
「そうだよ、クラウスくん。姫様は地下牢で獰猛な怪物を飼っている。もし話し合いで姫様を怒らせて、そこに入れられたりしたら君は死んでしまうかもしれないんだぞ!」
「…俺にはやらなきゃいけないことがある。だからそんなとこで死ねない。…それに、捕まって牢屋に入れられるようなヘマはしねぇ」
そう言うと、クラウスさんは部屋から出て、走っていってしまった
「…」
三人の間に重い沈黙が流れた。
…確かにクラウスさん一人では危ないかもしれない。あの人短気だし。お姫様を怒らせてしまうかもしれない…話し合いとかはやっぱりユリエルさんの方が何百、いや、何千倍もむいているだろう。
「ユリエルさん、ごめんなさい。私、役に立ちたいのですが、今は無理です。力不足です。弁術に長けているわけでも、何か力があるわけでもありませんから…だから、もうついていくとはいいません。…私のことを見張ってなくとも逃げたりしません。…ですからどうか、クラウスさんの力になってあげてください」
「…リナさん。いいのですか?」
「いいです、行ってください。さっきはムキになってしまってああ言ってしまっただけです。ほら……早く行かないと、追い付けませんよ?」
「それは大丈夫です。王子より私の方が速いので。……ではお言葉に甘えさせていただきます。王子はこういうの苦手ですからね。……フェリーチェ様、リナさんを頼みます」
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