始めのダンジョンをループし続けた俺が、いずれ世界最強へと至るまで~固有スキル「次元転移」のせいでレベルアップのインフレが止まらない~

Rough ranch

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異世界で新たな一歩目を!

第四十話 『真実は伏せておこう』

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「って、「浄化」!?」
「うん、そうだよ。ど、どうかしたの?」

 俺の驚きぶりに葉山は若干驚きながらも訪ねてきた。
 いやいや、もしそのスキルが俺の予想通りの効果を持っているのなら、それは対冥皇において非常に強力なピースになり得る。

「葉山、ちょっとその「浄化」の効果を教えてくれないか?」
「わかった。え~となになに、「他者の状態異常を治すことができる。ただし使用者自身に使用した場合は、体を清潔にする程度の効果しか出ない。」らしいよ。」
「そうか、やっぱり今俺達に必要なスキルだ。それもあり得ないくらいに。」

 このスキルがあれば、冥皇の洗脳にも対応できる。
 もし俺が洗脳された場合は葉山が「浄化」で俺の洗脳状態を解き、葉山が洗脳された場合は俺がまだ葉山が洗脳されていない時間に転移すればいい。
 それに、今頃洗脳されているであろう小紋も助けられる。
 助けたくはないがな。
 その事実に興奮して、俺はそのことを葉山に話す。

「確かに、このスキルは今の私たちに必要かも。よく考えてるね、このダンジョン。」

 決めたのはシャーロッタさんかもしれないけれど、話が脱線するだろうから今は話す必要は無いだろう。
 俺たちがそんな話をしている内に、部屋の奥の魔法陣が光り始めた。

「じゃあ、そろそろ部屋の外に戻るか。」
「う、うん。」

《次元転移を発動します》

 俺たちは頷き合って、一旦この部屋から出た。

「い、言えない、私が体臭を気にしてたから「浄化」が手に入ったなんて。」

 転移する瞬間、葉山がボソッと言ったその言葉を聞き取れないままに。



.......................................................

..............................

..............



 俺と葉山は、その後も「次元転移」を駆使してベヒモスを狩り続けた。
 今や討伐したベヒモスの数は十や二十では足りないだろう。
 予想通り、クルトは自分が戻ってきた時にはもう既に俺たちがベヒモスを討伐したことを知って物凄く驚いていた。

《経験値が入りました。》
《経験値が上限に達しました、レベルが上がります。》
《次元転移を発動します》

 俺は、今日何回目になるかわからないベヒモス討伐を終えると、五十階層に転移してまた魔物狩りを始めた。
 クルト曰く、ボスモンスターを討伐すると、復活には数分から数十分のクールタイムが必要とのことなので、過去にでも転移しない限り連続でボスモンスターを討伐し続けてレベルアップをするのは難しいらしい。
 まあ、クールタイムのせいで若干の足止めは食らっているものの、この数日のボス討伐ラッシュのお陰で俺のレベルは120丁度、葉山は82と、前よりも圧倒的にハイペースでのレベルアップが出来ている。

「何回目かはもう数えてないけど、今回も張り切ってベヒモス討伐を始めるとするか!」

 戦闘では、油断が命取りだ。
 俺は久々に気合いを入れ直して、ベヒモス討伐に挑む。
 ちなみに、毎回二人が合流するのは非効率的なので、葉山はここには居ない。

ゴゴゴゴゴゴッ

 レベルアップのお陰で俺はこの扉を軽々開けられているが、そこら辺の一般人が押してもこの扉はびくともしないだろう。
 そして、俺は今まで通り奥の魔方陣からベヒモスが現れるのを待った。
 しかし、一向にベヒモスが姿を現さない。
 数秒、数十秒、数分、それくらいの間俺は身構えた状態で待機していたが、それでもベヒモスは現れない。

「何が起きてんだ?もしかして、バグとかか。」

 原因はわからないが、何かしらの外的要因によって前の様にこのダンジョンでバグが起こったのかもしれない。
 こういう時は、クルトに伝えれば問題ないだろう。
 そう思い、俺が「次元転移」を発動しようとした時、

「こ、ここは一体?」

 突然、本来ベヒモスが召喚されるはずの魔方陣から、若干光った神秘的な長剣を携えた謎の美少年剣士が現れた。

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