始めのダンジョンをループし続けた俺が、いずれ世界最強へと至るまで~固有スキル「次元転移」のせいでレベルアップのインフレが止まらない~

Rough ranch

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異世界で新たな一歩目を!

第四十一話 『突然の美少年剣士君』

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「は、はぁ?」

 俺は、起こった事態があまりに想定外過ぎて思わず変な声が出てしまう。
 それも仕方がないだろう。
 なにせ、なかなか現れないなと思っていたら、突然魔物ですらない少年が現れたのだから。
 まあ、彼は彼で事態を飲み込めてはいない様なので、とりあえずは友好的に接しておくべきか。

「お前、ここがどこか分かってなかったりするのか?」

 俺は、この状況で必要かつ、なるべく当たり障りのない内容を聞いてみる。
 すると、その言葉で俺の存在を認識したのか、その美少年剣士君は俺に剣を向けて俊敏な動きで身構えた。

「おっと、俺はお前の敵じゃない。というか、俺もこの状況に混乱してるんだよ。」
「ここは何処なのか、何故あなたはここに居るのかについて、端的に答えてほしい。」

 美少年剣士君はあの魔方陣から現れたので、俺との距離は約十メートル程ある。
 十メートルというのは、地球では当然相手の間合いの外だろう。
 だが、魔法あり、超能力ありのこの世界では、相手が遠距離に対応できるスキルを持っているのなら、間合いなんてあてにできない。
 この世界では、慎重に慎重を重ねたって足りない。

「ここは、ミリエーラダンジョンっていうダンジョンのボス部屋だよ。」

 シャーロッタさん、改めて思うのだがもう少し名前をどうにかできなかったのだろうか。
 安直過ぎるでしょ。

「俺は、レベリングの為にこのダンジョンに籠ってる。」

 一応、要求通り現状説明はしてやった。

「それはおかしいよ。」
「どこがおかしいんだよ?」
「だって、僕はさっきまでラッシュバード帝国にある、マリクネルダンジョンでベヒモスと戦い終えたところなんだから。」

 どうも話が噛み合わないな。
 こっちが事情を説明したのだから、今度はこっちが一つずつ聞いていくか。

「じゃあ、俺も少し尋ねるぞ。まず、お前の名前はなんだ?」
「は?」

 俺の質問が予想外だったのか、美少年剣士君は口をポカンと開けて固まってしまった。

「ずっとお前って呼ぶのは、なんか距離を感じるじゃんか。」
「別にそこまで近しい仲とい訳でもないだろうに。まあ、名乗る分には問題ないよ。決別の意味も込めて。」

 美少年剣士君は一旦深呼吸をして、前を真っ直ぐ見て言った。
 そこまで名前を伝えることに意気込まれても反応に困るけどな。

「僕の名前はリトライラ。今は紹介するべきことは何もないんだ。ただの一人の魔族だと思ってほしい。」

 意味深な自己紹介だな。
 まあ、追々事情は聞いていくとするか。

「で、なんでお前はここに居る心当たりってあったりするのか?」
「なにもない。僕はただ、どうしても力が必要になったからダンジョンでレベリングをしていただけなんだよ。」

 予想はできていたが、やはり見に覚えはなしか。
 それなら、深堀する方向を変えるか。

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