『婚約破棄された令嬢ですが、隣国の冷徹王子に溺愛されて困ってます』

Rough ranch

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第一章

第6話 『陰謀の気配と深まる絆』

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 書斎の重たい空気の中、アリシアはレオン王子と向かい合い、地図と資料を睨んでいた。ケルシュタイン伯爵の動きは単なる威嚇ではなく、確実に軍事力を動員しつつある。緊迫した状況下で、二人の絆はさらに深まろうとしていた。

「伯爵は、我が国の貴族間にも裏で接触している可能性がある」とレオンは指摘する。錬達の諜報官たちが示した証拠によれば、数名の地方領主がケルシュタイン側に揺さぶられているという。

アリシアは地図上の要衝を指し示しながら言った。
「ここ、ドールシュタイン伯領は我が国有数の農産地です。もし伯爵が食糧供給を断つよう仕向ければ、民衆の不満が一気に広がるでしょう」。

レオンは頷き、彼女の示す冷静な見解に感心した。
「君のような視点があると助かる。王妃としてだけでなく、政治のパートナーとしても頼もしい」。

二人は書斎の大テーブルを挟んで協議を重ねる。アリシアは貴族たちへの橋渡し役を果たし、レオンは軍事的な牽制を担当。以下の二段階作戦を立案した。


「では、明日早朝から貴族会議を開こう」とレオンが立ち上がると、アリシアも微笑みながら席を立った。
「私も、夜明けに孤児院と市場を回ります。民の声を直接聞かないと」。

二人の視線が交差し、小さな火花が散るような瞬間が訪れた。政略結婚として始まった関係だったが、今や二人は真のパートナーとなりつつある。

夜明けへの決意
夜通し続いた協議が一段落し、城外ではかすかな夜明けの光が差し込み始めている。アリシアは窓辺に立ち、遠くの霧に霞む城壁を見つめた。

「この国を、一緒に守りましょう」
彼女が静かに呟く。その言葉に、レオンは強く頷いた。

「……君となら、必ずやり遂げられる」。

凛とした誓いを胸に、ふたりは新たな一日へ歩みを進めるのだった。
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