ネトゲーマーが引きこもりだと思うなよ

惠諳

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第2章~引きこもらない理由~

姉と俺と家族の関係

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俺はその日、部活を休んだ。
あまりないサボりだ。
サボってすることはひとつ。

姉ちゃんの所に行くこと。
もちろんゲームもしたいし、やりこみたい。

ただ、俺が姉にしたことを思えば、そんなこと。
「罪滅ぼしにもならない。」

俺は、身支度をして、家を出た。


俺の姉は、近くの(といっても市外なのだが)病院入院している。
2年前。
俺が、一人称が僕の引きこもりだった頃。
当時高校2年生だった姉は、大学生の彼氏がいた。
姉は、俺が引きこもりだということを言わずに、弟は病弱だ。として彼氏と付き合っていたという。
今思うとひどい話なのだが、彼氏が年上だから、少しでも背伸びしたかったんだろう。
当時の俺は、外部からのすべてを嫌っていた。

ある日。姉が彼氏を家に連れてくるというので、姉が俺に言った。
「幸。絶対に部屋から出ないでね。私の評価が落ちちゃうから。」

俺は返事代わりに部屋の扉を一回ノックした。
姉が俺の部屋の前から去って行った。


ついに、姉の彼氏が家にやってくる日が来た。
2階の部屋からでもにぎわいようが聞こえてくる。
部屋から出ないようにといわれていたので、賑わいを聞いていることしかできなかったが、ばかでっかい母さんの声が自室に聞こえた。
『今日泊まって行かないの?残念だわー。でも、こんないい人がいるなら、美奈は安泰ね。』

ふーん。そんなにいい人なのか。当時の俺は、そうとしか思わなかった。

しばらくゲームをしていた。
時間を見ると夕飯時だった。
さすがに腹は減る。
だが、部屋の外には出れない。
だがしかし!空腹と共に、激しい尿意を感じた。
さすがに12時間耐久は無理だと思った俺は、2階のトイレを使うことにした。
そして、ドアを開けた。
無事に誰にも見つからず、行くことができた。
階段近くにあるので足音や声が部屋よりも、よく聞こえる。

『じゃあ夕飯できるまで、部屋にいるねー!』
『ゆっくりしておいで。また呼ぶから。』

階段を駆け上がる音がする。
やばいと俺の本能が告げた。


「ここが私の部屋。さ、入って入って!ん?あっ適当に座って。」

がやがやと聞こえる。俺は音を出さないように、そこから出て部屋に戻った。

まさか、2階に来るとは思ってなかったな。

自室の鍵を閉めるとまたゲームを始めた。

しばらくして、何か言い争う様な声が聞こえた。

断片的に聞こえたが何を言っているのかは分からなかった。

「だ……今……から。おこ……か、だに……い。」

ドア2枚越しは流石にこんな感じでしか聞こえなかった。

しばらく言い争っていた様だが、母さんが晩御飯ができたと言って、姉ちゃん達は、1階に降りていった。


1時間ほどして、
「また来てねー。美奈をよろしくねー。」

と母さんが言ってたので帰ったのだろう。

乱暴に階段を駆け上がる足音が聞こえた。

そして、部屋のドアをこじ開けようとする様に、音を立て、ドアノブを揺らす。

「開けなさい!開けなさいよ幸。」

何か焦っているように、そして何か悲しそうに訴える。

「姉ちゃん。どうしたの?」

ドアを開けながら、俺は問う。

「どうしたの?じゃないわ!彼氏が、彼氏が貴方が引きこもりだから、君の事を信じれないって。アンタがここに閉じこもってるから、私の人生めちゃくちゃよ!高校卒業したら結婚する予定だったのに。アンタのせいで。あんたが私の人生を、壊したのよ!」

泣きながら、半分叫ぶように言った。

姉はその後、近くの川で自殺をはかった。
が、偶然近くにいた人が通報してくれて、命は助かったが、未だに植物状態が続いている。





俺は、目的地の前でバスを降り、姉。津崎美奈の病室に行った。

「姉ちゃん。ごめんな。俺。まだ、駄目だよ。まだ、やめられない。ごめん。」

俺は、しばらく姉ちゃんの近くで姉ちゃんを見つめ、ごめん。と繰り返し病室を出た。


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