ネトゲーマーが引きこもりだと思うなよ

惠諳

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第四章~リアル~

再びチュートリアル

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酒場で、腹を満たし次は何しようと言っていた頃。いきなり、無機質な声が聞こえた。

『現在ログイン中のプレイヤーの皆さん。チュートリアルを行います。始まりの草原。ボスの場所まで来てください。』

そして途切れる。
辺りはざわざわとし始め、移動を始める者、行かないと決める者。色々な人がいた。

「どうする?ナミ。」

「んー?行く?なんか、今の現象と関係ありそうだし。」

「行こ行こ!」

「なにか参考になるかもしれません。」

俺らは草原に急いだ。

『お集まりの皆様。只今から、この世界のルールについてのチュートリアルを行います。』

無機質な声とは打って変わった少女の様な声は、続けてこう言う。

『この世界は、リアルとは無関係ですが、クリアしない限り貴方達はずっと、ここで生活する事になります。たとえ、リアルの自分の命が尽きたとしても。』

つまり、クリアすればログアウトできるってか?
リアルでは水も飲まず食事も取らずだから、きっと病院で点滴受けてるだろうけど。

『それでは、チュートリアルを始めます。ボス、うさぎを倒して下さい。』

急な開始の宣言に驚いたが、神級職の俺らは、とにかく攻撃した。

「ヘルフレア」

タッチパネル?みたいなのが丁度いい所にあるから、そこを押して魔法を発動させるようだ。

「ヒマノは他のプレイヤーも巻き込んで回復。ナミとトワは突っ込め。」

指示するとその通りに動く。
周りのプレイヤーもどんどん攻撃している。

ゲームじゃあんなに弱かったのに、タフかよ!
攻撃力も高いし、ヒマノ1人の回復で全員がギリギリを保っている。
俺らを除いて。

殴っていると、ボスの体力ゲージが見えた。
残り半分!

『ここで、チョコっとアドバイス!ボスは体力が半分以下になると、攻撃力2倍になり、防御力が半分になります!攻撃が当たらないように殴ると良いでしょう!』

またあと声で、やっぱりと思った。
胸の宝石が赤になっている。

ちょこちょこ倒れていく人も見える。
最大級の魔法を撃つ。

4分の1まで削れた。
ナミやトワもラストスパートかけている。
ヒマノは頑張って回復に徹している。


戦いが始まり早30分。
ようやく倒す事ができた。

『終わりましたか?残っている人には、沢山の経験値とドロップ品です。そうそう。言い忘れてましたが、バーチャルの時の15倍の強さになっていますから。攻略方法は同じです。それでは、頑張ってねー。』

少女の声は姿を現さずに、どこかへ消えていった。

残ったのは、困惑と痛みだけだった。
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