アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)

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中等部・合宿編

35話 禁忌・同族殺し。

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 紫音は真剣に考えた・・・
そして、真剣に答えを出した!

「なんだろな?
 色々めんどくさい話になってるけど
 しいて言うなら
 ゆっくり風呂に入れなかった八つ当たり?」

「「は?」」

 小宮と、フォーは、目を丸くさせ、言葉に詰まる
横で話を聞いていた、小宮の部下8人も、呆気にとられる。

「風呂だと?
 八つ当たりだと?
 小僧【大概】にしろよ!」

 紫音にとって、その返答は(はぁ~~~??)である
そう、お調子者の紫音が
真剣に考えて出した答えであるのに
【体外】にしろよと言われたのだ!
そりゃ、子供が出来たら困るから・・・

「いやいや・・・外出ししろって言われても
 (リルを入禁したから、リルに襲われない場所で
 今日はまだ)童貞の俺が、中出しなんて出来ると思うな!!
 たまには風呂で、ゆっくりオナニーしたい時だってあるがな」

「本心を隠したいなら、それでいい
 だがワシを怒らせたことを後悔さしてやる」

「いつもはさ、シャワー浴びながら右手だけなんだけどさ
 熱い湯船に浸かりながら左手でしたい時もあるだろ?」

「手加減はしない、死ぬ気でかかってこい」

 噛み合わない会話
そして小宮は、身体強化、速度強化の魔法を順次発動させた
それに伴って、部下8人も同じく強化魔法をつかっていく。

 紫音はすこし上を眺め

「そういや、さっきも、邪魔されて
 シャワー浴びる前に呼び出されてさ・・・
 ああ混浴温泉いきたいな」

「来ないなら、こっちから行くぞ!」

 思いのほか軽いフットワークで突進してくる小宮
紫音は小宮の体格からして
その戦闘スタイルは、プロレスラー又は柔道だと思い込んでいた
そこに、間合いを詰めてからのジャブ
強化魔法を使った、ヘビー級のパンチである
多少大げさに、横によけ、会話を続けた

「おっさん、若い女の子が集まる混浴温泉旅館しらない?」

 すでに、戦闘に身を置いた小宮は、相手をする気はなかった
ボクシングスタイルの小宮
軽くステップをしながら身体を左右に振りヘビー級のパンチを2発3発と繰り出している
そんな小宮のパンチを、のらりくらりと、交わしながら
軽く後ろに飛び距離をとった紫音

「つまらんな、お前ら
 そんなんじゃぁ、女もできねぇぞ!!
 そんな人生、死んでるのと同じだろ
 これが最終告知だ、これ以上攻撃するなら、童貞で有ろうと殺すぞ」

小宮と、部下の8人にも告げるも

「もういい、死ね小僧」と

そういい放つと、小宮はステップのギアをあげる
左右にステップしていた、小宮は、右足で地面を蹴り
紫音に一直線に向かい射程内はいり
左ジャブを2回打ち、右ストレートを放った
それは身体強化により
至近距離なら目で追えない速さの、コンビネーション

 紫音は、繰り出されたジャブを頭を振る事で躱し
その頭を狙う2発目のジャブを左手で弾く
そこに狙いを済ました、ストレートの拳をジャブを弾いた左手で掴み取る

「おそいな」

 それは、落胆したかの様な、テンションが下がった、紫音の声だった

 小宮最速のコンビネーション、それも
自信のあった、右ストレートを腕が伸びきる前に掴まれた
それを振り払い、脇を締めファイティングポーズをとり
紫音との距離をあける。

 紫音の肩近くまで上げられた左手が視界にはいり
そこには血が付いた肉塊があった
右手に違和感が走り、視線を落とす
そこには肘から先が無く、血が流れ出している
今は亡き、自身の右腕の姿があった。

 紫音は、小宮のストレートを止めた時点で
魔法刻印付き木刀で小宮の右腕を粉砕していたのだ

 小宮は、顔が苦痛に歪み、左手で傷口を抑え
さらに後ろに飛び距離をあける。

 部下たちは、小宮の右腕が無い事が理解ができていないが
目の前の男が何かを、したことは理解できた

小宮は鬼の様な形相で叫ぶ

「殺せ、こいつを殺せ!」

その言葉に、部下達は拳銃を構える

「おい、おっさん、部下に死ねと?」

「うるさい殺せ!」

 紫音のテンションは、だだ下がりであった

「自分の吐いた言葉を後悔しろ・・・・」

 天を仰ぎ、ため息混じりに、告げると
その場から、揺らめく様に身体を揺らし
無防備に拳銃を構える小宮の部下に近づいていった。

 紫音は、一瞬躊躇する小宮の部下達に近づき
その一人の腹部を、魔法刻印付き木刀で打つ
その男の腹部は破裂し、下半身と上半身は、永遠の別れを告げた。

 小宮と残り7人の部下は
血の気が下がり全身に緊張がはしる!
相手は所詮、男1人
殺すと言ってるが、武器は木刀1本のみ
自分達が負けるわけがないと思っていた
それも、仲間が死ぬだなんて、頭の片隅にも無かった
もし、ここで拳銃を捨てるなり
銃口を下ろし、白旗を上げたなら
これ以上、死ぬことはなかっただろう。

 だが、小宮の怒りの雄叫びと
ひょっとこの仮面の男に恐怖し
7人の男たちは震える手で、紫音向けて発砲するのだった
だが、紫音はそれを避けることもせず
その銃弾を体に浴びていく・・・
一瞬だが、小宮の部下達は勝った!と・・・

 だが、紫音の体には
超振動による物理防御の刻印が成されており
ハンドガン程度の銃弾では、その防御を超えることはない
銃弾を受けても死ぬこともない、傷つくこともない男に
小宮とその部下たちは
銃で撃たれても死なない存在に恐怖する。

 恐怖は人間の理性を狂わし
行動を選択肢を考える事を狭めていく・・・
紫音は、そんな相手にも容赦はない

いや、前世が異世界で生きてきた【シオン】にとって
生き物や、人間を殺す事に躊躇も無ければ
人を殺そうとするなら、殺されても文句を言うな!と
ただ、興味も無い、ブサイクな男達を処分するなど
どうでもいい・・・
そんな工程であり作業を淡々始め
1人1人を確実に殺していく。

あるものは、心の臓を一突きされ、胸に穴を開けられた・・・

あるものは、拳銃を持つ腕を粉砕されたあと、腹部を打たれ体が2つに分かれた・・・

あるものは、蹴り倒された後に、背中から心臓を突かれ動きを止めた・・・

あるものは、片足を粉砕されたあと、腹部の半分を粉砕された・・・

あるものは、腹を突かれ穴が開くも抵抗したが、そのまま力尽きた・・・

あるものは、肩口から下に、切られ、半身が吹き飛んだ・・・

最後の男は
両足を粉砕され、地べたをはいずり逃げようとするも
躊躇なく、とどめをさされた。

そうして、数秒で小宮の部下8人の死体ができあがった

 その光景を見ることしか出来なかった小宮は
無くなった右腕を抑えながら崩れ落ちた
その顔には、大粒の涙、鼻水、シワクチャになっていた

泣きじゃくる声で、はっきりと聞こえはしないが、数名の名前を呼んでいた
たぶん、死体になった男達の名前だろう
小宮の心の中で、繰り返される言葉

【自分の吐いた言葉を後悔しろ】

後悔してもしきれない思いが噴き出してくるのだった。




 紫音は、どうでもいい存在になど興味も無く
作業を終え、返り血で染まった木刀を振るい
乱れた、ロングコートを整える

 そして、無言で通路の先へと
名も知らぬ男を後にして、通路奥にあるきだしたのだった。

 その残虐な人殺しを見ていたフォーも
紫音が先に進んだ事で我に返り早足で
地べたに座り泣きじゃくる体格のいい男を横目でみながら
紫音を追いかける。


******


 一部始終を見ていたフォー

 シオン、この我が主と認めた男
まだ知り合って、数時間しか経っていないのではあるが
ただ単に優しかった、そして傍にいるだけで心が安らいだ
そして見る限り、基本、お調子者であるし、気分屋でもあるのだろう

だが、今その隠れた本質がすこし垣間見えた

会話を楽しみながら、相手をおちょくり、ふらふらと、遊んでいた
それが一転、相手に興味が無くなったのか、どうでも良くなったのか?
躊躇いもなく倒し、忠告を受けない相手も躊躇なく殺した
あの男を残し8人を殺し、死体を見せつける
その一連の所業は、誰が見ても極悪非道であった
そして最後は、あの男を無視し立ち去った

フォーの背筋にも、寒気がはしる
ただただ優しいと思っていた、シオンの違う顔を見たのだ
人の命を、虫けらの用に殺す?
いや・・・ちがうアレは、歩いた後に、踏み潰された虫?
解らない、仮面のおかげで、表情がよめない
研ぎ澄まされた魂は、人を殺そうが揺らぐ事はなかった
感情が存在しない殺し
感情が無いのに、誰が見ても極悪非道?

そんな事を考えると、全身に鳥肌がでる

フォーは、ダークエルフである、長いこと生きているが
人(人間・エルフ・ドワーフ等)を殺したことがない
エルフは光に近い種族
ダークエルフは、闇に近い種族と言ってもいいだろう
だから、好戦的なダークエルフの集落も多いいが
フレイアの集落は好戦的ではなく魔法研究に力を入れた集落であった
その為、魔物に襲われ必要に迫られた時でしか
魔物を数える位しか殺したことが無い

いや、純血種のダークエルフの寿命は1000年を超える
だからこそ、同族殺しは禁忌とされる
そう、人間同士であろうと
その同族殺しを目にした恐れは、フォーの種として存在を脅かす・・・

それも、まるで通路に生えている草木を刈るように
同族殺しを、人を殺したシオン
そんなシオンの事が、信じられなくなってきていた・・・

我は人殺しを、同族殺しに忠誠を誓ったか?・・と

心が揺らぎ、そして恐ろしくもあった
このままでいいのかと? 本当に?
我は、付いて行けるのか?
この禁忌を犯す存在に・・・・・と

先程までは、シオンの後ろに寄り添うように歩いていたフォー

今では数歩後ろ、すこし距離をあけてついていくフォー

そんな心変わりを、気づかない、シオンである

いや、気がついているのかも?

気にもしないのか?

気にしないふりをしているのか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 
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