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第一章
マイホーム計画
しおりを挟む「――木材はこれくらいでいいかな……」
多分、木材を集め始めて一時間くらい。
もともと森だった僕の周りは、すでにただの土の斜面になっていた。
集めた木材……もとい、切った木の本数はたぶん5,000本くらい。
普通の森だったらある程度、それこそ森の半分くらいは切り開かれてしまうであろう木の本数だけど、もともとこの森は広いため、あまりダメージにはなっていないというびっくりな現状だ。
それに、この森はめちゃくちゃ大きいくせに森の生物や植物の成長が驚くほどに早い。それこそ、僕が切り開いたこの場所が明日には木の海になっているくらいには。
ちなみに、そんなバカみたいな森だからこそ、僕がさっき切り倒した木は全部大木級の大きさだったりする。長さは……僕の身長の20倍くらい? 測ったわけじゃないからわからないけど、多分それくらいだろう。
そんな魔境故に、いくつかの国ではこの森が立ち入り禁止区域に指定されているとかなんとかを聞いたことがある……気がする。あくまで数年前の行商人が言ってたかな、程度の記憶だし確証があるってわけでもないんだけどね。その行商人は普通に森から出てきた動物……僕のトラウマ狼さんに殺されちゃった末路を持ってたりするから聞き直すこともできないから、あくまで参考程度にしているつもりだ。
……もしそれが本当なら、どうしてこんな森の近くに村作ってんだって問いただしたい。村長たち長老曰く歴史ある村らしいけど、とにかく安全が一番だしね。歴史と命だったらだんぜん、命のほうが大事である。すでに一人死んでるんだから今すぐに移動するべきじゃないかなと僕は思うのに。……いやまあ、あれは僕が殺した設定になっちゃったんだし死人を理由に訴えることはできないんだけどね。お前が殺したんじゃないかと言われれば反論できない。
さて、そんなことは置いといて、本題の家づくりである。
「木は切り倒したし、道具もある。次は地下を掘っていくわけなんだけども……」
スコップとか、村から盗《と》ってきたから。ちょっと強度に心配はあるけれど、多分ある程度は働いてくれるだろう。途中で壊れたら……うん、切った木材で即興スコップを作ればなんとかなると思う。
――そんなことを考えながら、右手の親指と中指に力を籠め、こすり合わせる。
パチンッと、そんな軽い音が鳴り響いたその瞬間——あたりに無造作に倒されていた木材がすべて宙に浮かんだ。
指を右に左にと動かすと、その質量なんか関係ないかのように木材が指の方向へ揺れる。
―――なんか、使えるようになってたんだよね、謎の力。
狼の魔物さんをいっぱい倒したからなのか――はわからないけれど、なぜか会得したこの謎の力。
念でものを動かす力だから、僕は勝手に【念動力《ねんどうりょく》】と呼んでいる。
さっき近くを走っていったネズミさんに使おうとしたところ、普通に何も起きなかったから、多分対象は非生物だけ。
それでも、周りに何か固いものがあるだけでそれを武器に転用できたりするし、今みたいに重いものを持ち上げないで済む。普通に便利な力である。
一応、その強力さゆえに体力……とはまた違う謎のエネルギーを消費するようで制限もあるのだけど、一応今のままでも一時間くらいはぶっ通しで使い続けることができるから、特に不便はしていない。
破格というかなんというか……まさにチートの代名詞だと思う。
まあ、何かの拍子にこの力がなくなるまでは、なぜか与えられたこの力を使いつぶす気で入るけどね。使えるものは使う、これは僕が生きる上でも嘘をつく上でも心に誓っている信念のようなものである。
「それじゃ、移動していきますかね」
とりあえず、入り口は森からも村からも近くしたいし、できるなら魔物が村に近づいたりしないよう罠とかも仕掛けたい。こう、落とし穴的なトラップで僕の地下家の廃棄ルーム的な場所に落としたら面白そうだし。あとは僕がとどめを刺すだけの簡単なお仕事、楽しそうじゃん? そういう機構、ロマンたっぷりだし僕は好きだ。
それに、ある程度魔物がたまったら村の人に「マジで僕魔物倒してるんだよ?」って披露することもできる。気に入らない人を消すことも……一応?
考え始めたら止まらない。やばい、今から完成が楽しみになってきたよ。
それじゃあ、それらをこなすためにもある程度村の近くに行って広く横に穴を掘る必要がありそうだね――と、そんなことを考えながら僕は村の方面へ進むのだった。
ちなみに、木を浮かばせてるのがばれたら驚かれそうだし、もちろん引きずってるように見せてたよ。一ミリくらいは地面から浮かせてる。強化されたとはいえ重いのは重いもの。
あとがき――――
はい、本日は短め。
テスト勉強いるんや、やるせ
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