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その43
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「では、ここからが本番だな・・・」
ミリアの許可を得たことでサージは〝錬体術〟の強度を更に上げる。〝錬体術〟は供給する魔力の量によって強さを自由にコントロールすることが可能だ。
理想は必要な場面だけ、瞬間的に最大出力を発揮させ、それ以外は最低限の状態で燃費を維持し、戦いの勝利が確定するまで継続させることだ。何しろ、魔力の総量は生まれ持った資質であるため、後天的に伸ばすのが難しい。そのため〝スレイヤー・ギルド〟では〝錬体術〟の強弱の見極めをスムーズに行なえる者が優秀とされ、マイスターに昇格するための必須条件でもあった。
もっとも、それはサージのような規格外の存在には当てはまらない。膨大な魔力を秘めている彼は、小細工は無用とばかりに、やる気やその時のテンションによって〝錬体術〟に限らず魔法の使用とその強さを決める。今、サージはミリアが瞬間的に出していた魔力を常態として身に纏わせた。
「なんだと!」
サージの気配が変ったことにジェダも気付く。バンパイアに転生した彼は人間よりも遙かに高度な霊的感覚を持っており、魔力を視覚的に捉えることが可能だった。
魔力はその者の根源に関わる霊的活力であるため〝魂〟の本質が顕著に現れる。具体的には〝色〟としてその性質を見極めることが出来、サージから滲み出ていた僅かな光が、瞬く間に白い閃光へと変ったことに驚きを隠せなかった。
この世界は神々が全ての基本となる四大元素を構築した後に、それらを用いて創造されたとされている。そのため、あらゆる存在に火、水、土、風の影響が潜んでいた。これは人間の魂も例外ではなく、情熱的な気質が強い者は火、色としては赤色で魂は彩られる。冷静なら水で青色、意志の強さは土で黄色、柔軟な考えは風の緑色等である。
もちろん、人間の気質はこの四つだけに分けられるほど単純ではない。世の中には情熱的で頑固な者もいるだろうし、柔軟で冷静な者いる。この場合、前者は赤と黄が混ざり合った橙色、後者は風と水で淡い青色として魂が彩られる。更に全ての性質が均等となった場合にのみ現れる、無色を纏う者も存在した。
そして、魂の色にはもう一つ重大な要素があった。その明暗である。〝秩序の神々〟の寵愛を受けた者ほど白色に近づき、逆に〝混沌の神々〟の教えに染まった者ほど黒く濁る。
輝くような白色を纏うサージは〝混沌の眷属〟であるバンパイアにとっては天敵とも呼べる存在なのだ。
「貴様! 一体何者だ!!」
これまでサージが意図的に手の内と正体を隠していると判断したジェダは改めて誰何する。一介の傭兵を装っているが、魔力と魂の色だけは誤魔化しようがない。この男が放つ輝くばかりの白色は、よほどの高位聖職者か〝秩序の神々〟の祝福を受けて生まれた者でもない限り説明出来ない〝色〟だった。
「さあな・・・正直、俺も知らんし、敵であるお前に教える義務もないだろう・・・喰らえ!」
「おのれ! 冴えない顔をしているくせに!!」
激しい横殴りの斬撃と共に返されたサージの言葉にジェダは悪態を漏らす。〝錬体術〟の応用で強化された彼の長剣によって左肩を大きく斬り裂かれたからだ。それでもバンパイアの真祖はその傷をともせずに反撃として右の掌を突き出した。
サージの身体に触れるまでには距離があったが、その行為によって彼は大きく後方に吹き飛ばされる。ジェダは魔力で具現化させた巨大な掌でサージの全身を打ったのである。今やバンパイアの身体は禍々しい黒い魔力で全身が覆われている。サージ達が〝錬体術〟を駆使するように、ジェダもまた魔力を効果的に戦闘へ応用する技術を身に着けていた。
「そうでなくはな!」
吹き飛ばされたサージだが、体勢を整えながら嬉しそうにジェダを褒める。深手を負わせたはずの左肩も既に内側から肉が盛り上がる形で再生されていた。もっとも、彼が評価したのは、魔力を駆使しながらも小細工せずに正面から戦うジェダの戦闘スタイルである。相手にとって不足はなかった。
ミリアの許可を得たことでサージは〝錬体術〟の強度を更に上げる。〝錬体術〟は供給する魔力の量によって強さを自由にコントロールすることが可能だ。
理想は必要な場面だけ、瞬間的に最大出力を発揮させ、それ以外は最低限の状態で燃費を維持し、戦いの勝利が確定するまで継続させることだ。何しろ、魔力の総量は生まれ持った資質であるため、後天的に伸ばすのが難しい。そのため〝スレイヤー・ギルド〟では〝錬体術〟の強弱の見極めをスムーズに行なえる者が優秀とされ、マイスターに昇格するための必須条件でもあった。
もっとも、それはサージのような規格外の存在には当てはまらない。膨大な魔力を秘めている彼は、小細工は無用とばかりに、やる気やその時のテンションによって〝錬体術〟に限らず魔法の使用とその強さを決める。今、サージはミリアが瞬間的に出していた魔力を常態として身に纏わせた。
「なんだと!」
サージの気配が変ったことにジェダも気付く。バンパイアに転生した彼は人間よりも遙かに高度な霊的感覚を持っており、魔力を視覚的に捉えることが可能だった。
魔力はその者の根源に関わる霊的活力であるため〝魂〟の本質が顕著に現れる。具体的には〝色〟としてその性質を見極めることが出来、サージから滲み出ていた僅かな光が、瞬く間に白い閃光へと変ったことに驚きを隠せなかった。
この世界は神々が全ての基本となる四大元素を構築した後に、それらを用いて創造されたとされている。そのため、あらゆる存在に火、水、土、風の影響が潜んでいた。これは人間の魂も例外ではなく、情熱的な気質が強い者は火、色としては赤色で魂は彩られる。冷静なら水で青色、意志の強さは土で黄色、柔軟な考えは風の緑色等である。
もちろん、人間の気質はこの四つだけに分けられるほど単純ではない。世の中には情熱的で頑固な者もいるだろうし、柔軟で冷静な者いる。この場合、前者は赤と黄が混ざり合った橙色、後者は風と水で淡い青色として魂が彩られる。更に全ての性質が均等となった場合にのみ現れる、無色を纏う者も存在した。
そして、魂の色にはもう一つ重大な要素があった。その明暗である。〝秩序の神々〟の寵愛を受けた者ほど白色に近づき、逆に〝混沌の神々〟の教えに染まった者ほど黒く濁る。
輝くような白色を纏うサージは〝混沌の眷属〟であるバンパイアにとっては天敵とも呼べる存在なのだ。
「貴様! 一体何者だ!!」
これまでサージが意図的に手の内と正体を隠していると判断したジェダは改めて誰何する。一介の傭兵を装っているが、魔力と魂の色だけは誤魔化しようがない。この男が放つ輝くばかりの白色は、よほどの高位聖職者か〝秩序の神々〟の祝福を受けて生まれた者でもない限り説明出来ない〝色〟だった。
「さあな・・・正直、俺も知らんし、敵であるお前に教える義務もないだろう・・・喰らえ!」
「おのれ! 冴えない顔をしているくせに!!」
激しい横殴りの斬撃と共に返されたサージの言葉にジェダは悪態を漏らす。〝錬体術〟の応用で強化された彼の長剣によって左肩を大きく斬り裂かれたからだ。それでもバンパイアの真祖はその傷をともせずに反撃として右の掌を突き出した。
サージの身体に触れるまでには距離があったが、その行為によって彼は大きく後方に吹き飛ばされる。ジェダは魔力で具現化させた巨大な掌でサージの全身を打ったのである。今やバンパイアの身体は禍々しい黒い魔力で全身が覆われている。サージ達が〝錬体術〟を駆使するように、ジェダもまた魔力を効果的に戦闘へ応用する技術を身に着けていた。
「そうでなくはな!」
吹き飛ばされたサージだが、体勢を整えながら嬉しそうにジェダを褒める。深手を負わせたはずの左肩も既に内側から肉が盛り上がる形で再生されていた。もっとも、彼が評価したのは、魔力を駆使しながらも小細工せずに正面から戦うジェダの戦闘スタイルである。相手にとって不足はなかった。
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