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20 高林の名前
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体育祭の日から、昼飯のメンツに高林が加わった。
俺らは学食で食べることが多いため、高林もそれに倣って弁当を持参していない。俺はつい、高林が何を注文するのかを見てしまう。ほう、カツ丼。やっぱり食欲旺盛なお年頃には肉だよな。
「うちのクラスでも高林が時の人になってんだよー。なぁ義和?」
「そうだな。飯一緒に食ってるから、高林がどんなやつか聞かれたりするし」
席に座って食べ始めると、ここでも高林の話題だった。隣のクラスでも高林が注目されているとのこと。顔がわからないから余計気になるんだろうな。隠されてると見たくなる心理ってやつだ。
そう言われた高林は、困ったように首を傾げている。
「まあ、一過性のもんだと思うから気にすんな」
「ゆーて実際俺も高林の顔気になるけどなー」
高林が反応に困っているのを察した義和がフォローするも、北斗は好奇心が抑えられないようだ。
「もちろん無理強いはしねぇけど。けど、せっかく友達になったんだからまあ、いつかはさー」
とはいえ、さすがに北斗もそれを強く求めるつもりはないようでホッとする。
「ま、それはそれとして。高林って呼ぶの長くね? 下の名前はたしか……よし……由紀だっけ?」
高林の古風な名前を聞いて、失礼ながらあの現代的な超絶美形の顔面のイメージとちょっと違うなと思っていたら、高林が小さく首を横に振った。
「読みは、ゆき、なんだ」
突然最近っぽい感じになった。俺の個人的な感覚だけど、すげぇしっくりくる。
「え? でも中学の時のさ、ほらあの生徒をなんでかフルネームで呼ぶ担任、いつも「たかばやしよしのり!」って呼んでなかった? 一回も返事してなかったけど」
「うん。だから、俺の名前じゃないから返事してなかったんだけど」
ぶふぉっと義和が吹き出す。口に飯入ってない時でよかったな。危うく目の前の俺が大惨事になるとこだったぞ。これまで食事に集中していた颯太も顔を上げる。会話の内容ちゃんと聞いてたんだな。
俺はもう高林が意外性の塊なの知ってるからこんなことじゃ驚かねぇぞ。
「いやそれ、言えよ!!」
北斗はケラケラ笑いながら腹を抱えている。
「くくっ……高林おもしれぇな」
義和も完全にツボったようで、小刻みに震えている。颯太は興味深そうに高林を見てから、何も言わずに食事に戻った。
「したらさ、俺らも下の名前で呼び合ってるし、高林のこともこれから名前で呼んでいい?」
多分北斗はそう言いたかったのだろうと思って俺が提案する。当の本人はまだひぃひぃ笑っていてそれどころではなさそうなので。
「いいけど……そしたら俺も高柳くんのこと名前で呼んでいいかな?」
「おう。そりゃもちろん」
「俺のこともな。真中くんって呼ばれるの慣れなさすぎてちょっとむず痒いんだよ」
「俺も俺も!」
「俺も颯太でいいよ」
義和、北斗と颯太も俺に続く。本当にこいつらは気のいい奴らだ。
前世でも、こういう奴らが周りにいたのかもしれない。けど、俺は周囲の人を怖がるばかりで、そういう人の本質というか、内面をちゃんと見ようとしていなかった気がする。きっと、彼らのような華やかな見た目や明るい雰囲気に萎縮して、たとえ声をかけられても怯えるだけだっただろうな。
だからやっぱり、怯えなど露とも感じさせず馴染んでいる由紀は、前世の俺とは違うんだな。
「ありがとう。じゃあ、そうするね。裕也、これからもよろしくね」
「裕也だけかよ! 俺たちは!?」
「おう、よろしくな由紀。俺が特別で悪いな北斗」
おろおろした様子でみんなもよろしく、と言い直す由紀。
うーん、この感じはやっぱ前世の俺っぽさあるんだけどなー。けど、もう先入観で決めつけるのはやめなきゃな。
「あの、裕也」
昼飯が終わって教室へ帰る途中、由紀が少し緊張した様子で話しかけてきた。颯太は寄るところがあると言って別行動である。北斗たちは午後は移動教室だからと先に戻っていったので、今は俺と由紀二人だった。
「うん?」
「裕也が色々気遣ってくれたから、こうやってみんなでご飯も食べられるようになって、すごく感謝してるんだ。だから、お礼したいなって」
「いやいや、俺散々由紀にうまい飯食わせてもらったし、それでとんとんっつーか俺のが全然ありがとうだわ」
「でもそれはお礼してもらってるし。だから、俺も何かお礼したいんだけど」
ここまで言ってるのを断るのも逆に失礼か。本当にお礼されるようなことないんだけどな。そもそも動機も不純だし。
「んー、そしたら遠慮なく。何してくれるん?」
「何かご馳走したいなと思ってて、気になってるお店があるから一緒に行かない?」
「へー、どんな店?」
気になってるお店ということはモックとかファミレスとかじゃないんだろう。でも、そういうとこって高いよな? 過剰なお礼ならさすがに受け取らないぞ。
由紀はえーと、と言いながらスマホを操作し、画面を見せてきた。
「このお店なんだけど」
そこに写っていたのは店のホームページだった。上げられている写真を見ると、こじんまりとした広さだったが、テーブルや椅子等のインテリアには統一感があり、随所に店主のこだわりがうかがえる。これは、高校生が入るにはちょっと敷居が高くないか? 多分、値段的にも。
「すげぇいい感じの店だけど、ここって俺らみたいなガキが行っていいとこなん? ……しかもここ都内か!」
「実はここ、俺の知り合いが最近開いた店なんだ。ぜひ来てくれって言われてて……けど俺もこういう雰囲気慣れないから一人で行くのはちょっとって思って」
あー、なるほどそういうことか。行きたいけど1人じゃ行けない。だから俺を誘おうと思ったけど、口実がなくてお礼ってことにしたのか。
「そういうことなら……でも、高そうだから俺は俺で払うよ」
「ううん、学生だからサービスしてくれるって言われてるし、場所は俺の都合だけどお礼したいのは本当だから」
どうやらお礼は口実ではないらしい。まあ、思ってた以上に高かったら出せばいっか。
「んじゃ遠慮なく。楽しみにしてるな」
場所が少し遠いので、次の休みに行くことになった。別に俺は放課後行ってもいいんだが、どうやら由紀はあんま遅くまで遊べないらしい。そこは各ご家庭の事情があるもんなー。
話しているうちに予鈴が鳴り、俺たちは気持ち急いで教室へ戻って席についた。そこではたと気付く。
店開くような知り合いってどんな知り合いだよ。
俺らは学食で食べることが多いため、高林もそれに倣って弁当を持参していない。俺はつい、高林が何を注文するのかを見てしまう。ほう、カツ丼。やっぱり食欲旺盛なお年頃には肉だよな。
「うちのクラスでも高林が時の人になってんだよー。なぁ義和?」
「そうだな。飯一緒に食ってるから、高林がどんなやつか聞かれたりするし」
席に座って食べ始めると、ここでも高林の話題だった。隣のクラスでも高林が注目されているとのこと。顔がわからないから余計気になるんだろうな。隠されてると見たくなる心理ってやつだ。
そう言われた高林は、困ったように首を傾げている。
「まあ、一過性のもんだと思うから気にすんな」
「ゆーて実際俺も高林の顔気になるけどなー」
高林が反応に困っているのを察した義和がフォローするも、北斗は好奇心が抑えられないようだ。
「もちろん無理強いはしねぇけど。けど、せっかく友達になったんだからまあ、いつかはさー」
とはいえ、さすがに北斗もそれを強く求めるつもりはないようでホッとする。
「ま、それはそれとして。高林って呼ぶの長くね? 下の名前はたしか……よし……由紀だっけ?」
高林の古風な名前を聞いて、失礼ながらあの現代的な超絶美形の顔面のイメージとちょっと違うなと思っていたら、高林が小さく首を横に振った。
「読みは、ゆき、なんだ」
突然最近っぽい感じになった。俺の個人的な感覚だけど、すげぇしっくりくる。
「え? でも中学の時のさ、ほらあの生徒をなんでかフルネームで呼ぶ担任、いつも「たかばやしよしのり!」って呼んでなかった? 一回も返事してなかったけど」
「うん。だから、俺の名前じゃないから返事してなかったんだけど」
ぶふぉっと義和が吹き出す。口に飯入ってない時でよかったな。危うく目の前の俺が大惨事になるとこだったぞ。これまで食事に集中していた颯太も顔を上げる。会話の内容ちゃんと聞いてたんだな。
俺はもう高林が意外性の塊なの知ってるからこんなことじゃ驚かねぇぞ。
「いやそれ、言えよ!!」
北斗はケラケラ笑いながら腹を抱えている。
「くくっ……高林おもしれぇな」
義和も完全にツボったようで、小刻みに震えている。颯太は興味深そうに高林を見てから、何も言わずに食事に戻った。
「したらさ、俺らも下の名前で呼び合ってるし、高林のこともこれから名前で呼んでいい?」
多分北斗はそう言いたかったのだろうと思って俺が提案する。当の本人はまだひぃひぃ笑っていてそれどころではなさそうなので。
「いいけど……そしたら俺も高柳くんのこと名前で呼んでいいかな?」
「おう。そりゃもちろん」
「俺のこともな。真中くんって呼ばれるの慣れなさすぎてちょっとむず痒いんだよ」
「俺も俺も!」
「俺も颯太でいいよ」
義和、北斗と颯太も俺に続く。本当にこいつらは気のいい奴らだ。
前世でも、こういう奴らが周りにいたのかもしれない。けど、俺は周囲の人を怖がるばかりで、そういう人の本質というか、内面をちゃんと見ようとしていなかった気がする。きっと、彼らのような華やかな見た目や明るい雰囲気に萎縮して、たとえ声をかけられても怯えるだけだっただろうな。
だからやっぱり、怯えなど露とも感じさせず馴染んでいる由紀は、前世の俺とは違うんだな。
「ありがとう。じゃあ、そうするね。裕也、これからもよろしくね」
「裕也だけかよ! 俺たちは!?」
「おう、よろしくな由紀。俺が特別で悪いな北斗」
おろおろした様子でみんなもよろしく、と言い直す由紀。
うーん、この感じはやっぱ前世の俺っぽさあるんだけどなー。けど、もう先入観で決めつけるのはやめなきゃな。
「あの、裕也」
昼飯が終わって教室へ帰る途中、由紀が少し緊張した様子で話しかけてきた。颯太は寄るところがあると言って別行動である。北斗たちは午後は移動教室だからと先に戻っていったので、今は俺と由紀二人だった。
「うん?」
「裕也が色々気遣ってくれたから、こうやってみんなでご飯も食べられるようになって、すごく感謝してるんだ。だから、お礼したいなって」
「いやいや、俺散々由紀にうまい飯食わせてもらったし、それでとんとんっつーか俺のが全然ありがとうだわ」
「でもそれはお礼してもらってるし。だから、俺も何かお礼したいんだけど」
ここまで言ってるのを断るのも逆に失礼か。本当にお礼されるようなことないんだけどな。そもそも動機も不純だし。
「んー、そしたら遠慮なく。何してくれるん?」
「何かご馳走したいなと思ってて、気になってるお店があるから一緒に行かない?」
「へー、どんな店?」
気になってるお店ということはモックとかファミレスとかじゃないんだろう。でも、そういうとこって高いよな? 過剰なお礼ならさすがに受け取らないぞ。
由紀はえーと、と言いながらスマホを操作し、画面を見せてきた。
「このお店なんだけど」
そこに写っていたのは店のホームページだった。上げられている写真を見ると、こじんまりとした広さだったが、テーブルや椅子等のインテリアには統一感があり、随所に店主のこだわりがうかがえる。これは、高校生が入るにはちょっと敷居が高くないか? 多分、値段的にも。
「すげぇいい感じの店だけど、ここって俺らみたいなガキが行っていいとこなん? ……しかもここ都内か!」
「実はここ、俺の知り合いが最近開いた店なんだ。ぜひ来てくれって言われてて……けど俺もこういう雰囲気慣れないから一人で行くのはちょっとって思って」
あー、なるほどそういうことか。行きたいけど1人じゃ行けない。だから俺を誘おうと思ったけど、口実がなくてお礼ってことにしたのか。
「そういうことなら……でも、高そうだから俺は俺で払うよ」
「ううん、学生だからサービスしてくれるって言われてるし、場所は俺の都合だけどお礼したいのは本当だから」
どうやらお礼は口実ではないらしい。まあ、思ってた以上に高かったら出せばいっか。
「んじゃ遠慮なく。楽しみにしてるな」
場所が少し遠いので、次の休みに行くことになった。別に俺は放課後行ってもいいんだが、どうやら由紀はあんま遅くまで遊べないらしい。そこは各ご家庭の事情があるもんなー。
話しているうちに予鈴が鳴り、俺たちは気持ち急いで教室へ戻って席についた。そこではたと気付く。
店開くような知り合いってどんな知り合いだよ。
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