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33 前世の俺とは全然違う
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意識が浮上した時、俺はふかふかとした柔らかな感触に包まれていた。
まだ中途半端にしか覚醒していない脳ではうまく現状を理解できない。
俺の布団はこんなにふかふかじゃないはずなんだが……? というか、俺いつ寝たんだっけ?
「あっ!!」
少しずつ記憶を辿り、理解が追いついた俺はガバリと身を起こす。ここ、由紀の家だ! つーか、そしたらここは由紀の……。
由紀のベッドに寝てるという事実になんだか照れ臭くなる。あんなことまでしたのにその程度で? と思われるかも知れないがそれとこれとは違う。好きな子のベッドってなんか響きがエロくね?
「あ、裕也起きたんだね」
席を外していたらしい由紀がもどってきた。目が合うと、優しげに目尻を下げて微笑まれる。その目にさっきまで散々煽られた欲は浮かんでいない。
思い出すと変な気持ちになりそうなので意識して別のことを考える。
「ん、いい匂いする」
「うん、お腹空くだろうなと思ってちょっと作ってきたんだ」
「ありがと……つーか何時だ!?」
枕の横に置かれていたスマホを確認すると、時刻は11時を回るところだった。やべぇ、家になんの連絡もしてねぇ。
「あ、裕也のお母さんから電話来てたから俺出ちゃったよ。今日うちに泊まるって言っといたけど、まずかった?」
「いや、助かる。つーか……あれ?」
由紀がテーブルにおにぎりとかを並べ出したのでベッドから降りると、自分が制服を着ないことに気づく。しかも着ているシャツは明らかにサイズがでかい。
これは……。
「人に聞いた時は何がいいのかよくわからなかったけど、目にしてやっとわかったよ。彼シャツってたまんないね」
うっとりしたように言う由紀。まじで言ってんのか。
男にこんなん着せて何が楽しいのか全くわからないのでちょっと引く。けど、由紀が嬉しそうだとまあいっかって気持ちになるので俺もだいぶ重症だ。
「えーと、ところで俺のパンツは……」
だがしかし、このシャツ一枚しか身につけてないってのはさすがに納得できないぞ。俺のパンツどこやった。
「ああ、だいぶぬるぬるになってたから洗濯してるよ。このまま泊まっていくんだからなくても問題ないよね?」
「ぬるぬっ……いや問題しかねぇよ! すーすーして違和感があんだよ」
俺を一晩ノーパンにさせる気なのか? 心許なくてシャツの裾を伸ばしながら文句を言うと、なんでか由紀が頬を染める。
「そんな可愛いポーズされたら我慢できなくなるよ?」
どういうことだよ。
しかし由紀の目が一瞬ぎらりと光るのを見てしまったので大人しく隣に座った。今日はもう無理。よくわからないけど刺激しないでおこう。
由紀に箸を渡され、もそもそと食べ始める。相変わらず由紀の作るご飯めっちゃうめぇ。味噌汁が染みる……。
ところで、俺は気になっていることがある。
「もしかして、俺のことお風呂に入れてくれた的な?」
あんなにぐっちょんぐっちょんになっていたのに、肌はベタつかないし髪はさらさらなのだ。そして俺には風呂に入った記憶などない。
「うん。あのままだと嫌かなと思って」
「お……おう、ありがとう」
予想はしていたがいざ肯定されるとちょっとだいぶ恥ずかしい。由紀に風呂に入れられている光景をリアルに思い浮かべてしまっていたたまれない。
なんかもう全体的に色々恥ずかしいのでごまかすべく黙々と飯を食らう。
「ぷはー、うまかった。ありがとな、由紀」
食べ終わる頃には心も落ち着き、いつも通りのテンションを取り戻した。あとはパンツさえなんとかすれば問題ない。
「ん、足りた?」
「おう。ちょうどいい感じ」
「よかった。じゃ、いいよね?」
「ん? うおっ」
伸びてきた由紀の腕が両脇の下に入り俺を持ち上げる。驚いて抵抗できないまま、向かい合わせに由紀の膝の上に下ろされた。
なんか、すっげー嫌な予感がするんだが。
「えと、由紀さん?」
「ずっと我慢してたんだ。もういいよね?」
その目に灯るは欲望の炎。じゃねーわ、ダメダメ無理無理!
「いやあの、さっきのでだいぶこう……」
俺にとってはアレだ、スキー初心者なのにいきなりリフトに乗せられ中級コースへ連れて行かれた感じなのだ。そして今は道中ひいひい叫びながら何とか滑り切って一息ついたところ。なのにそんな俺をもう一度リフトに乗せる気なのか? 鬼か?
「だって、さっきはここを可愛がれなかった」
「ふゃっ」
シャツの上から的確に乳首を指で押され、変な声が出る。え? 俺こんなとこ感じるの?
「裕也をお風呂入れてる時にね、こんなに可愛いところを放置するなんて最低だなって思って」
「いやそんなことねぇよ! そっんっ……んやっ!」
「ほら、もっと可愛がってって尖ってきたよ」
「ちがっ……んあっゆきっ!」
「こりこりしてて美味しそう……」
「やっ! こらゆきっ……!」
ピンッと尖りを指で弾かれ、その刺激でのけぞったタイミングで由紀がそこにしゃぶりつく。
シャツ越しにじゅるると吸われ、転がされ、その快感に翻弄されて思考力が低下していく。
いやでも、もう無理なんだって。もう今日の俺は閉店なんだって。残った理性が叫んでいるが、身体はそれを裏切ってずぶずぶと行為に溺れていく。
「まだまだ時間はたっぷりあるから、たくさん一緒に気持ちよくなろうね?」
欲望を隠しもしない目で微笑んだ由紀を見て、心底思う。
前世の俺にちっとも似てない!
まだ中途半端にしか覚醒していない脳ではうまく現状を理解できない。
俺の布団はこんなにふかふかじゃないはずなんだが……? というか、俺いつ寝たんだっけ?
「あっ!!」
少しずつ記憶を辿り、理解が追いついた俺はガバリと身を起こす。ここ、由紀の家だ! つーか、そしたらここは由紀の……。
由紀のベッドに寝てるという事実になんだか照れ臭くなる。あんなことまでしたのにその程度で? と思われるかも知れないがそれとこれとは違う。好きな子のベッドってなんか響きがエロくね?
「あ、裕也起きたんだね」
席を外していたらしい由紀がもどってきた。目が合うと、優しげに目尻を下げて微笑まれる。その目にさっきまで散々煽られた欲は浮かんでいない。
思い出すと変な気持ちになりそうなので意識して別のことを考える。
「ん、いい匂いする」
「うん、お腹空くだろうなと思ってちょっと作ってきたんだ」
「ありがと……つーか何時だ!?」
枕の横に置かれていたスマホを確認すると、時刻は11時を回るところだった。やべぇ、家になんの連絡もしてねぇ。
「あ、裕也のお母さんから電話来てたから俺出ちゃったよ。今日うちに泊まるって言っといたけど、まずかった?」
「いや、助かる。つーか……あれ?」
由紀がテーブルにおにぎりとかを並べ出したのでベッドから降りると、自分が制服を着ないことに気づく。しかも着ているシャツは明らかにサイズがでかい。
これは……。
「人に聞いた時は何がいいのかよくわからなかったけど、目にしてやっとわかったよ。彼シャツってたまんないね」
うっとりしたように言う由紀。まじで言ってんのか。
男にこんなん着せて何が楽しいのか全くわからないのでちょっと引く。けど、由紀が嬉しそうだとまあいっかって気持ちになるので俺もだいぶ重症だ。
「えーと、ところで俺のパンツは……」
だがしかし、このシャツ一枚しか身につけてないってのはさすがに納得できないぞ。俺のパンツどこやった。
「ああ、だいぶぬるぬるになってたから洗濯してるよ。このまま泊まっていくんだからなくても問題ないよね?」
「ぬるぬっ……いや問題しかねぇよ! すーすーして違和感があんだよ」
俺を一晩ノーパンにさせる気なのか? 心許なくてシャツの裾を伸ばしながら文句を言うと、なんでか由紀が頬を染める。
「そんな可愛いポーズされたら我慢できなくなるよ?」
どういうことだよ。
しかし由紀の目が一瞬ぎらりと光るのを見てしまったので大人しく隣に座った。今日はもう無理。よくわからないけど刺激しないでおこう。
由紀に箸を渡され、もそもそと食べ始める。相変わらず由紀の作るご飯めっちゃうめぇ。味噌汁が染みる……。
ところで、俺は気になっていることがある。
「もしかして、俺のことお風呂に入れてくれた的な?」
あんなにぐっちょんぐっちょんになっていたのに、肌はベタつかないし髪はさらさらなのだ。そして俺には風呂に入った記憶などない。
「うん。あのままだと嫌かなと思って」
「お……おう、ありがとう」
予想はしていたがいざ肯定されるとちょっとだいぶ恥ずかしい。由紀に風呂に入れられている光景をリアルに思い浮かべてしまっていたたまれない。
なんかもう全体的に色々恥ずかしいのでごまかすべく黙々と飯を食らう。
「ぷはー、うまかった。ありがとな、由紀」
食べ終わる頃には心も落ち着き、いつも通りのテンションを取り戻した。あとはパンツさえなんとかすれば問題ない。
「ん、足りた?」
「おう。ちょうどいい感じ」
「よかった。じゃ、いいよね?」
「ん? うおっ」
伸びてきた由紀の腕が両脇の下に入り俺を持ち上げる。驚いて抵抗できないまま、向かい合わせに由紀の膝の上に下ろされた。
なんか、すっげー嫌な予感がするんだが。
「えと、由紀さん?」
「ずっと我慢してたんだ。もういいよね?」
その目に灯るは欲望の炎。じゃねーわ、ダメダメ無理無理!
「いやあの、さっきのでだいぶこう……」
俺にとってはアレだ、スキー初心者なのにいきなりリフトに乗せられ中級コースへ連れて行かれた感じなのだ。そして今は道中ひいひい叫びながら何とか滑り切って一息ついたところ。なのにそんな俺をもう一度リフトに乗せる気なのか? 鬼か?
「だって、さっきはここを可愛がれなかった」
「ふゃっ」
シャツの上から的確に乳首を指で押され、変な声が出る。え? 俺こんなとこ感じるの?
「裕也をお風呂入れてる時にね、こんなに可愛いところを放置するなんて最低だなって思って」
「いやそんなことねぇよ! そっんっ……んやっ!」
「ほら、もっと可愛がってって尖ってきたよ」
「ちがっ……んあっゆきっ!」
「こりこりしてて美味しそう……」
「やっ! こらゆきっ……!」
ピンッと尖りを指で弾かれ、その刺激でのけぞったタイミングで由紀がそこにしゃぶりつく。
シャツ越しにじゅるると吸われ、転がされ、その快感に翻弄されて思考力が低下していく。
いやでも、もう無理なんだって。もう今日の俺は閉店なんだって。残った理性が叫んでいるが、身体はそれを裏切ってずぶずぶと行為に溺れていく。
「まだまだ時間はたっぷりあるから、たくさん一緒に気持ちよくなろうね?」
欲望を隠しもしない目で微笑んだ由紀を見て、心底思う。
前世の俺にちっとも似てない!
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