女社長よ さようなら ~ 柳林善次郎の事件簿~

ナッツ高美

文字の大きさ
12 / 21

第12話 潜入捜査

しおりを挟む
テーブルの上にある
長谷川結愛の携帯のバイブが振動する。







携帯画面に知らない番号が載る








あまり躊躇わずに出た
結愛はいつもそうだった。









結愛「もしもし長谷川です。」





高塚「長谷川 結愛さんのお電話でよろしかったでしょうか。はじめまして、突然お電話さしあげて、申し訳ございません。私、弁護士の高塚と申します。この度は柴山透様と奥様の双方が離婚されるという気持ちに固まりましたのでご報告と、これから事務処理手続きなど私が担当させて頂きます。高塚と申します。

柴山様から、離婚成立後、あなたと再婚するというご意志を確認致しまして、これからいくつか手続きをしていただくことになりました。まずは、長谷川様のお気持ちも確認したく、お電話で申し訳ありませんが、ご連絡をさせていただきました。もし、本当に柴山様と同じお気持ちでいらっしゃるのなら、長谷川さんの同意書等が必要となって参ります。柴山様と奥様は、もう既に別々に暮らしており、離婚成立までは、ご夫婦の直接当人同士がお話することは出来ず、長谷川さんに関しましても私を介して今後も経過報告などをさせていただくことになりました。つきましては、直接お会いして、同意書、承諾書等に印鑑を頂きたく、長谷川様の住まわれてるお住いまで、お伺いしたく存じあげます。どうぞよろしくお願い致します」



結愛「そうですか、ついに離婚が決まるんですね」


結愛は、飛び上がりそうなほどの嬉しさを隠して、冷静に話した。



結愛「わかりました、私も、柴山さんと同じ気持ちです。 彼と結婚する気持ちでいます。高塚さん、明日の午後14時空いてますので、いらっしゃってください。 では失礼致します。」









そうして電話を切った。

結愛は、なんの疑いもなかった。

弁護士が来て、離婚の話が進めば、

自分はやっと柴山と一緒になれると浮かれた。





























そして
その数日、
長谷川 結愛は 何者かによって 殺された。



















──────









────────────










──────










──────










──────








──────

















沙織「同じ会社内で、1ヶ月の間に三人殺されるなんて、おかしいわね。きっと 三人と繋がってる共通の人物がいるはず。
バパ、私、時間空いてるし、潜入してみるわよ。From hereに。社内の実態を潜入調査をするわ!」




そう意気込むのは、柳林沙織である。





柳林「ううーーん、大丈夫か?
心配だなぁ」





本間「沙織さんに何かあったら汗! 俺も一緒に潜入を、、」





柳林善次郎と本間典健は、
静岡県警の刑事である。
今日も行きつけの『スナックゆみ』に、
娘の沙織も連れて
3人で来ている。




沙織「パパも本間さんも、心配性なんだから、、
大丈夫よ。」




ママ「あら? なんの話ししてるの。
なんだか面白そうね」



スナックゆみのママが、三人にお通しを出しながら、沙織ちゃんが潜入捜査をするって話が気になって、ソワソワしながら言う。今夜のお通しは、まぐろの昆布巻きだ。



柳林「ママ、、、遊びじゃないんだよ。」



柳林がママに優しくたしなめるように言う。




ママ「 善ちゃん、ごめんなさい、、
         だけど、たしかに沙織ちゃんの言う通り三    
         人に共通した人物が怪しいと私もそんな気
         がするわ。世間ではあのトップデザイナ         ーが亡くなったって、大騒ぎよ。」




本間「山本純子が、自宅で水死体で見つかったのは 死亡推定時刻は0:30頃。  争った形跡があり、鈍器で頭部を殴られています。 次期社長候補の江川は、社長候補と言っても、山本が健在な限りは自分が社長になれることは無い、山本の存在がうっと惜しかったんじゃないかと。江川恵理子を疑ってみたのですが。
しかしその日、江川にはアリバイがあって、タイムカードの退勤時間が1:52。山本純子が自宅で殺された時は、江川は会社にいたということになります。そして証人もいて、柴山透。今一番力を入れているプロジェクトの作業を一緒に江川とやっていたと言うんです。」






ママ「そんな遅い時間に、、?」






沙織「プロジェクト?」







ママ「密会の匂いがプンプンするわね。」
ママが刑事ぶった口調で言う







沙織「不倫じゃないの?」







本間「いや、しかし、柴山と奥様の仲良しぶりは社内でも有名で、奥様が時々会社に来ては、みんなにお菓子を差し入れしたり、あんな風に結婚したら仲良しでいたいって社内の独身女性達はこぞって言っているようです。」






ママ「ふーーん でも
そういう人ほど、実は、演技で、嘘つきだったり、夫婦仲上手くいってなかったりするのよね」







柳林「しかし江川もその後、亡くなる。自殺だ。会社の給湯室で。山本社長を殺した犯人は江川で、心が苦しくなって自殺した。遺書が置いてあった。犯人は江川だった、一件落着のようにみえた。しかし、。その後デザイナーの長谷川結愛も殺される。真犯人がいることになる。その真犯人が3人を殺したのか、それとも、山本社長を殺したのはやはり江川で、江川は自殺して、長谷川結愛だけが、誰か真犯人に殺されたのかは、、、まだ分からない。」






ママ「社内で社長の座を狙ってる人間の犯行かしら。、」






柳林「デザイナーの長谷川結愛は社長になりたいということでもなかったから、そうなると社長の座を犯人が狙っているわけでもないかもしれない。」






ママ「そうねぇ。」







沙織「山本社長と江川さんが殺された時、長谷川結愛は何してたの?」




本間「山本社長が殺された時はパリに2週間行っていて、日本にはいません。江川が殺された時は、長谷川はもう日本に帰ってきていたんですが、新しいデザイン画の作成があったから、会社に来ないで自宅で作業をしていたそうなんです。江川と長谷川は、同じ会社で働いていますが、ほとんど接点はなく、そもそも、江川を殺す動機がありません。長谷川は社長になりたいとは思ってなかったし、もっと言うと、江川が新社長になったら、私も新しいデザインをどんどん考えて、江川さんとこの会社を守っていきたいと成長させたいと長谷川は言っていました。」






ママ「そう、それじゃ長谷川結愛は犯人じゃないわね。 一体誰が犯人なのかしら。。それにしても、その犯人、、地獄に落ちて、針山を歩くことになるわね、、、」



遠い目をするママ。






柳林「ママ、、、ママ、、、、、」



ママ「あっ、ごめんなさい汗  ぼーっとしちゃった笑」





沙織「ねぇ、その柴山っていう人、怪しくない。やっぱりそんな深夜に。。もし江川取締役と不倫関係にあったとしたら、


それで、山本社長とも長谷川結愛とも関係があったとしたら、、?」






ママ「三人と繋がってる共通の人物となるわね。」


ママが人差し指を立てて、刑事ぶる。






沙織「柴山は、社長の座を狙っていた。山本社長と親密だったし、会社の内部事情やこれからの経営の進め方も傍で聞いて分かっていたから、自分が社長になったら会社運営の仕方も心得ていた。江川取締役も次期社長の座を狙っていたから、柴山にとってみたら、邪魔な存在だった。デザイナーの長谷川さんは、柴山にぞっこんだったから、柴山は長谷川さんのことうっとおしくなって、奥さんにも不倫のことバレたら困るし、口封じのために。  しかしデザインの才能はある。柴山が長谷川さんのデザインを盗んではいないかしら、、? そういう理由で三人を殺害したんじゃないかしら?」







本間「確かに先日の株主総会で、江川恵理子が次期社長に就任することに決定になったのですが、副社長を経理の柴山さんを推薦したいと江川恵理子が発言したそうです。柴山さんは勤務歴も長く、色々な部署の経験もあり、人格も素晴らしいので、ぜひ副社長になり、二人で新たなステージへ、From hereを牽引して行きたいと熱く語ったそうです。何か江川にあった時は、すべてを柴山さんに引き継ぐという話で、株主も納得したらしく  会は終わったそうです。」






ママ「そうなのね、、なんだかますます、怪しいわね」






沙織「私、柴山をマークしてみるわ!」






本間「沙織さん、俺も一緒に、、」






柳林「沙織、気をつけるんだぞ。何かあったらパパがいつでもすぐ助けに行くから、携帯をいつも持ち歩くんだぞ」






柳林「ママ  また来るよ」






柳林は、本間も沙織もいてくれるが、それでも俺が最終的にはこの難題事件を解決しなければと重責を感じている。





柳林は自分の不安な気持ちや弱音なんかは普段は口にせず、柳林の帰っていくその後ろ姿、背中に孤独との戦い、哀愁、決意みたいなものを ママは感じた。






ママ「..善ちゃん、、善ちゃんも気をつけてね。
         うまくいくように 
         わたすぃ祈ってるからね..
         また 来てね

         いつでも わたすぃ待ってるから。」








カランコロン










────────────








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

石榴(ざくろ)の月~愛され求められ奪われて~

めぐみ
歴史・時代
お民は江戸は町外れ徳平店(とくべいだな)に夫源治と二人暮らし。  源治はお民より年下で、お民は再婚である。前の亭主との間には一人息子がいたが、川に落ちて夭折してしまった。その後、どれだけ望んでも、子どもは授からなかった。  長屋暮らしは慎ましいものだが、お民は夫に愛されて、女としても満ち足りた日々を過ごしている。  そんなある日、徳平店が近々、取り壊されるという話が持ちあがる。徳平店の土地をもっているのは大身旗本の石澤嘉門(いしざわかもん)だ。その嘉門、実はお民をふとしたことから見初め、お民を期間限定の側室として差し出すなら、長屋取り壊しの話も考え直しても良いという。  明らかにお民を手に入れんがための策略、しかし、お民は長屋に住む皆のことを考えて、殿様の取引に応じるのだった。 〝行くな!〟と懸命に止める夫に哀しく微笑み、〝約束の1年が過ぎたから、きっとお前さんの元に帰ってくるよ〟と残して―。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

別れし夫婦の御定書(おさだめがき)

佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ 嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。 離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。 月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。 おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。 されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて—— ※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。

想い出は珈琲の薫りとともに

玻璃美月
ライト文芸
――珈琲が織りなす、家族の物語  バリスタとして働く桝田亜夜[ますだあや・25歳]は、短期留学していたローマのバルで、途方に暮れている二人の日本人男性に出会った。  ほんの少し手助けするつもりが、彼らから思いがけない頼み事をされる。それは、上司の婚約者になること。   亜夜は断りきれず、その上司だという穂積薫[ほづみかおる・33歳]に引き合わされると、数日間だけ薫の婚約者のふりをすることになった。それが終わりを迎えたとき、二人の間には情熱の火が灯っていた。   旅先の思い出として終わるはずだった関係は、二人を思いも寄らぬ運命の渦に巻き込んでいた。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

偽夫婦お家騒動始末記

紫紺
歴史・時代
【第10回歴史時代大賞、奨励賞受賞しました!】 故郷を捨て、江戸で寺子屋の先生を生業として暮らす篠宮隼(しのみやはやて)は、ある夜、茶屋から足抜けしてきた陰間と出会う。 紫音(しおん)という若い男との奇妙な共同生活が始まるのだが。 隼には胸に秘めた決意があり、紫音との生活はそれを遂げるための策の一つだ。だが、紫音の方にも実は裏があって……。 江戸を舞台に様々な陰謀が駆け巡る。敢えて裏街道を走る隼に、念願を叶える日はくるのだろうか。 そして、拾った陰間、紫音の正体は。 活劇と謎解き、そして恋心の長編エンタメ時代小説です。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

処理中です...