女社長よ さようなら ~ 柳林善次郎の事件簿~

ナッツ高美

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第15話 よしみ

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昨日は、失敗に終わった、柴山。
悶々と、もやっとした気持ちを抱え、
仕事に力が入らない、、

朝、デスクのパソコンの前で、
パチパチと、やる気のなさそうに
タイピング。

真面目にやってますみたいな表情で上塗りして、
素顔のブスっとした顔を、隠している。
















「あら?  柴山ちゃん、なんか今日元気ないじゃん?」



悪い仕事仲間が、柴山の昨晩の失敗に気づいたらしく、からかって、話しかけてくる。








「ダメだっか? ゲットできず?」








柴山が笑う。
「俺は、絹岡きぬおかさんみたいには、モテませんから笑  」






「柴山ちゃん、俺もそんなモテないよぉ。  そお?  そんなふうに思っちゃってくれてるの?
ねぇ、聞いてた?よしみちゃん。いまの話?」







近くのデスクの若い女社員、松田芳美まつだよしみに話しかける絹岡。





よしみ「う~ん、 絹岡さん、柴山さんにそんなこと言われて、嬉しいですね♪」






(またはじまったよ、めんどくさと思いながら、とりあえず、おじさんの会話に合わせておこう)と、よしみという女社員が、答えた。








「よしみちゃん、俺が誘っても、いっつも断られるからなぁ、、今夜辺りどお?」




このご時世、パワハラ、セクハラで、言動に気をつけることが当たり前になっている現代で、
この発言は、本当に、危険で、時代遅れだ。
しかし、そんな会話も、しばし、ひっそりと、未だに、普通に、行われている。







(あーーーぁ、もっと品があって渋めな無口なダンディーな、こっちからフラッとついていきたくなっちゃう気持ちにさせてくれるくらいの、、そんな素敵なおじさま、うちの会社にいないかなぁ、、)と、よしみは心から思った。





(しかたない、このおバカおじさん社員達もおちゃめで可愛いところもあって、、仕事も上手にこなし、仕事面では、見習うべき上司だ。まぁ適度に付き合い、よしみは、柴山と絹岡の アホな会話に、付き合い、仕事を楽しむことを忘れないように、生きたい)とも思っていた。




よしみは、流行やファッションにも敏感で、恋愛も平均的にしてきて、顔は美人とは言えないが、可愛い顔をしていて、愛嬌が何よりあり、感じがよく、時間の使い方、楽しみ方も知っていて、何事も人並みにこなしてきた。





よしみは、今は、結婚や出産にもまだ焦ってさなく、今までに本気で恋愛をしたこともあるし、辛い恋愛を全くしたことがないという訳ではないが、今は、ある程度の自分が楽しむ報酬があり、ときめきや楽しみが 散りばめられていれば、それで日々が楽しいと思うお年頃であった。










若い頃は
そういう時がずっとずっと続くと、誰もが錯覚する。








しかし
『綺麗で楽しいだけの自由な時間』は、
永遠に続く訳では無い









もし転換期が来て、苦しいときや
寂しい時や、辛い時がきたとき、









人は本当に、自分を助けてくれる人が誰かが初めてその時分かり、その人に感謝し、今度は自分が人のために生きていこうと、思うようになるのだと思う。









今日のお昼のデザートは、プリンにしよ♡  なんて、会社の昼休みにコンビニで買う昼ごはんとデザートを考えながら、キーボードをタイピングするよしみは、








まだ何も人生の荒波を知らない、
あったか~いぬるま湯に浸かっている
まだおこちゃまの31歳の女であった。










柴山と絹岡とよしみは、
今日もそれぞれの欲望と夢を胸に抱き(笑) 
パチパチと真面目風に
タイピングするのであった。

















絹岡「柴山ちゃーん、それで?  どうだったの?
   下里さんとは?ニタニタ」



















類は友を呼ぶ

ちょい悪オヤジくらいでいれば
かっこよくて素敵なのに、
度が過ぎると
残念なおじちゃまに
なってしまうものである。









────────────












──────











──────















──────














──────

















──────











夜、とっくに帰宅時間は過ぎて、残業の人たちも家路に着き、社内は静まり返っていた。















沙織「こういう時こそ、星は動くってパパはよく言うわ。」


沙織は、夜になっても社内に残り、夜、何者かが動くのではないかと、ひっそり身を潜めて、その時を待っていた。









部屋は暗いのだが、パソコンの光が薄暗く光っていて、それが少し開いているオフィスのドアから漏れているのを、沙織はみつけた。










沙織がそっと覗くと、、





















柴山透だ!








また密会か?そう沙織は思った。
柴山がパソコンに向かって何か夢中になってタイピングしている。









目を凝らしてみる沙織。












─────────

支出の改ざんだ!   
柴山透は、横領をしている。

                                  ──────













柴山に気づかれたらまずいと沙織は、
その部屋と繋がっている給湯室に静かに移動した。

沙織 ( 携帯電話で、パパと本間さんに知らせなきゃ。ここで話したら、声で、私がここにいること柴山にバレちゃうから、メールで知らせよう!)








──────────

パパ、いま、fromhere。
柴山、横領 早く来て                             
                                       
                                    ──────────











沙織は、これは殺人事件とは別件だが、、横領の証拠を掴む絶好のチャンスだ! でも柴山に見つかったら本当に自分の身がヤバいかもしれない、危険と思い、音を立てないように気をつけて、静かに身を潜めた。



















( パパ、、本間さん、、
早く来て!!!!!)






つづく

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