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ようこそこの世界へ
2.頭の整理整頓
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さて、今の俺の状況を説明しようと思う。主に俺のために。
まずは日にち。生まれた日にちを理解出来たのは恐らく生まれてから3ヶ月がたった頃位だ。
最初こそあまり目が見えてなかったがその内段々と色々なものが視認できるようになっていった。
まあまだ視力悪すぎて声でしか人を判断出来ないんだがね!
しかし、家の窓の外の窓から見える景色でぼんやりとでも生まれたのがいつかはわかる。
今は初夏。少しずつジリジリと肌暑い気がしている。
つまり恐らく「今の俺」が生まれたのも前の俺の誕生日と同じくらいの3月中旬だろう。
全てがあやふやなのは3ヶ月、という数字に少し自信が持てないからだ。
なんてったって、今の俺は赤ん坊。
赤ん坊が起きて泣いて求めることとなれば———
「ふゃあぁ、ふにゃぁ、あうー」
「はいはい、おちちですね~。少し待ってくださいな。」
目の前に遠慮することなくドーンッと出される真っ白な乳房。
これを享受するのが毎日である。
変な欲求なんてないぞ。俺は男……いやいやちがう、漢だからな。
女の子は可愛い。ただそれだけ。
というのはさておき最初こそ抵抗はあったものの今では無遠慮にいっぱい飲ませていただいている。
お腹いっぱいになった赤ん坊はもう無意識下かつ為す術なく眠りにつくのだ。
たまにおちり痒いなーって思ったらその時はまた泣けばいい。
赤ん坊は静かになる事で己が今満足状態であることを示すのである。
そんなこんなで寝て泣いて食べてを繰り返しているとカレンダーすら見えない俺は時間感覚なんて皆無になるのだ。
じゃあ何で3ヶ月位なんじゃないかって分かるかって?それはね~!
3ヶ月誰も俺に逢いに来てないからだよじゃじゃーん!
ある時いつかぽそりと授乳時に、女性の割にかなり低めなハスキーがかっている声のハレーナさんが呟いていた。
「もうそろそろ3ヶ月になりますか。未だに誰もお顔をお見せになりませんね……」って。
確かに俺も感じていた。
余りにも誰も来なさすぎじゃないかって。
だって俺赤ちゃんだぞ?ベビーだぞ?新生児だぞ?今のちっちゃい俺を楽しまなきゃいつの俺を楽しむんだ?
赤ん坊なんて半年後には結構な大きさになってるんだぞ?わかっているのか?
そんなことを思っている俺の見た目はただふにゃふにゃと笑っているだけで、それを見たハレーナさんは乳を片付けながらクスクスと儚げに笑っていた。
まあいいか。そんなに寂しくもないし、ご飯はいっぱい貰えてるし。
別に強がりでは無い。実際にたくさんのお友達がいるのだ。
あ、イマジナリーフレンドとかじゃないぞ!?別にそんなに妄想を繰り広げてキャッキャウフフでひとり遊びできる精神年齢まで戻った訳では無いからな!?
じゃあ何なのかって話なのだが、信じて貰えないかもしれないけれど実は俺、精霊さんのお友達ができたのだ!
どうだ、凄いだろう!
信じてくれ、じゃないとなんで異世界転生してるのかさえ疑いたくなる。
『あれーっ、また寝るの~?さっきまで寝てたじゃないか。遊ぼうよ~』
『だめだめ、あかんぼう?というやつは一日中泣くか寝るかだって聞いたよ』
『なんでさ、ニンゲンっておっかしいの。』
『ねえ喋らないのー?まだまだー?』
…………生後3ヶ月の赤ん坊が喋られるわけが無い、とこういう返事を心の中でするのはもう何回目なのだろうか。
初めて会った時はそりゃあ驚いた。なんてったってちびっこい羽アリ人間?が周りを囲みに囲って目の寸前でこちらを覗いていたんだから。
こいつらはどうやら精霊だということには前世の知識があったから分かったが、これが無知の本当の赤ん坊ならギャン泣きしていたところだぞ。
今日も今日とてペチペチと頬を叩いてくるちび妖精たちの手に、なんとなく手を動かして構っていると、『飽きた!』と叫んできた精霊が居た。
なんだなんだ、飽きたと言われても今の俺は首が座ったかなくらいだし、目も別にそんなに見えるわけじゃない。
殆ど聴覚に頼っている状態だ。
そんなぽやぽやぷよよな可愛い赤ちゃんに君の飽きを埋められるような余裕はないぞとふんすっと意気込む。
すると何を血迷ったかその精霊は『うーんうーんそうだな。そうだ庭に行こうよ!ここの庭すっごい広いんだよーお花いっぱいだぞ!』とうちの庭の自慢をして来た。
そうなのか、ここ庭があったのか。なるほどなるほどそれなりに敷地のある家なんだな……ってちっがーう!やだもーう!乗りかけたじゃない!
1人ノリツッコミって意外とクるんだな。はは。
と、そうじゃない。そうじゃない。
今の俺は赤ちゃんなんだぞ、そう簡単に動けないし手をパタパタさせるので手一杯なのだ。諦めておくれ。
『いいねえ!お庭行きたい行きたい!』
『もうすぐクシナの時期だよね~はぁ早く食べたーい』
『この前大きーくなってるところみたよ~』
『ほんと~!?じゃあ今すぐ行こう!食べたいよね、あかんぼうも!』
クシナ?クシナってなんだ。その前になんでもう行く前提になってるんだ?どうやって行くんだ?
どう考えたって、ちび精霊たちが俺を持ち上げる力なん、て———
「ふみぇ、ふええぇえぇぇぇッ!?」
まずは日にち。生まれた日にちを理解出来たのは恐らく生まれてから3ヶ月がたった頃位だ。
最初こそあまり目が見えてなかったがその内段々と色々なものが視認できるようになっていった。
まあまだ視力悪すぎて声でしか人を判断出来ないんだがね!
しかし、家の窓の外の窓から見える景色でぼんやりとでも生まれたのがいつかはわかる。
今は初夏。少しずつジリジリと肌暑い気がしている。
つまり恐らく「今の俺」が生まれたのも前の俺の誕生日と同じくらいの3月中旬だろう。
全てがあやふやなのは3ヶ月、という数字に少し自信が持てないからだ。
なんてったって、今の俺は赤ん坊。
赤ん坊が起きて泣いて求めることとなれば———
「ふゃあぁ、ふにゃぁ、あうー」
「はいはい、おちちですね~。少し待ってくださいな。」
目の前に遠慮することなくドーンッと出される真っ白な乳房。
これを享受するのが毎日である。
変な欲求なんてないぞ。俺は男……いやいやちがう、漢だからな。
女の子は可愛い。ただそれだけ。
というのはさておき最初こそ抵抗はあったものの今では無遠慮にいっぱい飲ませていただいている。
お腹いっぱいになった赤ん坊はもう無意識下かつ為す術なく眠りにつくのだ。
たまにおちり痒いなーって思ったらその時はまた泣けばいい。
赤ん坊は静かになる事で己が今満足状態であることを示すのである。
そんなこんなで寝て泣いて食べてを繰り返しているとカレンダーすら見えない俺は時間感覚なんて皆無になるのだ。
じゃあ何で3ヶ月位なんじゃないかって分かるかって?それはね~!
3ヶ月誰も俺に逢いに来てないからだよじゃじゃーん!
ある時いつかぽそりと授乳時に、女性の割にかなり低めなハスキーがかっている声のハレーナさんが呟いていた。
「もうそろそろ3ヶ月になりますか。未だに誰もお顔をお見せになりませんね……」って。
確かに俺も感じていた。
余りにも誰も来なさすぎじゃないかって。
だって俺赤ちゃんだぞ?ベビーだぞ?新生児だぞ?今のちっちゃい俺を楽しまなきゃいつの俺を楽しむんだ?
赤ん坊なんて半年後には結構な大きさになってるんだぞ?わかっているのか?
そんなことを思っている俺の見た目はただふにゃふにゃと笑っているだけで、それを見たハレーナさんは乳を片付けながらクスクスと儚げに笑っていた。
まあいいか。そんなに寂しくもないし、ご飯はいっぱい貰えてるし。
別に強がりでは無い。実際にたくさんのお友達がいるのだ。
あ、イマジナリーフレンドとかじゃないぞ!?別にそんなに妄想を繰り広げてキャッキャウフフでひとり遊びできる精神年齢まで戻った訳では無いからな!?
じゃあ何なのかって話なのだが、信じて貰えないかもしれないけれど実は俺、精霊さんのお友達ができたのだ!
どうだ、凄いだろう!
信じてくれ、じゃないとなんで異世界転生してるのかさえ疑いたくなる。
『あれーっ、また寝るの~?さっきまで寝てたじゃないか。遊ぼうよ~』
『だめだめ、あかんぼう?というやつは一日中泣くか寝るかだって聞いたよ』
『なんでさ、ニンゲンっておっかしいの。』
『ねえ喋らないのー?まだまだー?』
…………生後3ヶ月の赤ん坊が喋られるわけが無い、とこういう返事を心の中でするのはもう何回目なのだろうか。
初めて会った時はそりゃあ驚いた。なんてったってちびっこい羽アリ人間?が周りを囲みに囲って目の寸前でこちらを覗いていたんだから。
こいつらはどうやら精霊だということには前世の知識があったから分かったが、これが無知の本当の赤ん坊ならギャン泣きしていたところだぞ。
今日も今日とてペチペチと頬を叩いてくるちび妖精たちの手に、なんとなく手を動かして構っていると、『飽きた!』と叫んできた精霊が居た。
なんだなんだ、飽きたと言われても今の俺は首が座ったかなくらいだし、目も別にそんなに見えるわけじゃない。
殆ど聴覚に頼っている状態だ。
そんなぽやぽやぷよよな可愛い赤ちゃんに君の飽きを埋められるような余裕はないぞとふんすっと意気込む。
すると何を血迷ったかその精霊は『うーんうーんそうだな。そうだ庭に行こうよ!ここの庭すっごい広いんだよーお花いっぱいだぞ!』とうちの庭の自慢をして来た。
そうなのか、ここ庭があったのか。なるほどなるほどそれなりに敷地のある家なんだな……ってちっがーう!やだもーう!乗りかけたじゃない!
1人ノリツッコミって意外とクるんだな。はは。
と、そうじゃない。そうじゃない。
今の俺は赤ちゃんなんだぞ、そう簡単に動けないし手をパタパタさせるので手一杯なのだ。諦めておくれ。
『いいねえ!お庭行きたい行きたい!』
『もうすぐクシナの時期だよね~はぁ早く食べたーい』
『この前大きーくなってるところみたよ~』
『ほんと~!?じゃあ今すぐ行こう!食べたいよね、あかんぼうも!』
クシナ?クシナってなんだ。その前になんでもう行く前提になってるんだ?どうやって行くんだ?
どう考えたって、ちび精霊たちが俺を持ち上げる力なん、て———
「ふみぇ、ふええぇえぇぇぇッ!?」
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