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過ぎいく夏
「こんな時に可愛いとか言わないでください」
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カツアゲされてる時と似てるって思っていたのに、自分の身体の反応に驚いた。そこは怖くて”ぞお”ってくるところなのに、どうして、そこでキュンと疼くのかわからない。
どこに夏川先輩に好印象を持ったところがあったのか思い出そうとしてみたけど、どこも思い出せなかった。
だって、「好きになったらいい」と言われて、変態属性やらこれまでされてきたことやら、夏川先輩にとって彼女の存在意義とか考えて、好きになれるところがどこにもないとしか思えなかったんだよ?
私が自分の身体の反応に呆然としている間、時間は止まっていなかった。
甘噛みされた耳を今度は労わるように舐められ、またぞくりとする。耳元に聞こえる水音に今度は下腹部も疼く。
「やぁ・・・、ぁはっ・・・!」
夏川先輩の膝が私の脚の間に割り込み、クリトリスを刺激するように擦られる。
耳と服の上から軽く身体を触られただけなのに、昨日のことを憶えているのか、身体は簡単に潤って準備が整ったことを知らせてくる。あれだけ気持ち良かったんだから、それもしょうがないと言えばしょうがない。
「気持ち良いでしょ」
「き、気持ち良くなんか・・・ぁ・・・」
夏川先輩の愛撫に身体が切なく疼いて、理性が溶けそうになる。
「意地っ張り」
囁いた時に息が耳にかかって、身体の中を電気が下腹部へと走る。
「あぅ・・・」
「でも、そんなとこが可愛い」
「・・・!」
こんな時にそんなことを言うなんて反則だ。
キュンとなったじゃないか!
変態のくせに生意気だ!
NTRるのが好きな変態のくせに・・・。
「こんな時に可愛いとか言わないでください」
「こんな時だから可愛いって言いたい。好きになりそう?」
「・・・。好きにはなりませんが、ヤってもいいかなってちょっと思いました」
「良かった」
脚がふにゃふにゃで、肩に手を回され、夏川先輩の部屋に支えられるように入る。
「ちょっとだけですよ、ちょっとだけ」
まだヤりたいと思うほど好きになったわけじゃないし。
夏川先輩が上手だからその気になっただけだし。
「なら、気持ち良くしてあげて、もっと好きにしてあげないとね」
支えてもらってベッドの上に腰を下ろしながら、彼女とセフレの違いもわからないのに私に好きになって欲しいって思う夏川先輩に呆れた。
私は気持ち良いから付き合いたいなんて言わないし、思わない。
私が付き合いたいのはヤっている時だけしか満たしてくれる相手じゃない。
一緒にいたいくらい好きな相手だ。一緒にいたいから、ヤる相手だ。
気持ち良くしてくれる相手じゃない。
気持ちを重ねたくて身体を重ねる相手だ。
だから、大丈夫。
私は夏川先輩なんか好きにはならない。
お母さんまで味方に付けて私を逃げられないようにしたのなら、夏川先輩のお母さんと会った時は嫌われるように頑張ってやる。
「そんなことで好きになるって思ってるんですか?」
私が逃げる決意をしてるなんて考えていない夏川先輩は何でもないとばかりに笑ってみせる。
「大丈夫。実花ちゃんもきっと好きになるよ」
信じられない。
どうして、こんなふうに考えられるんだろう?
「実花ちゃん」
でも、こうして見つめられていたら、視線を放せなくなるし、身体が疼いて熱くなる。
ベッドについていた手に夏川先輩の手が重ねられても、夏川先輩の顔が近付いてきても、操られたように動けなかった。
キスされるんだ。
できることは目を閉じることだけで。
キスを受け入れてしまったら、欲望も受け入れてしまったようだった。
夏川先輩の手が服の上から身体を触る。
身体の相性が良いから付き合いたい夏川先輩と、好きになった人としかヤりたくない私。
私は彼女をセフレと考えているような男の彼女にはなりたくない。
それなのに、気持ち良くて。
嫌がるどころか、夏川先輩が服を脱がせやすいように手伝うように動いてしまう。解放されていく身体がクーラーで冷やされた部屋の空気で鳥肌が立った。
ぶるりと身体を震わせると
「寒い?」
と聞かられた。
火照った肌が急激に冷えた空気にさらされて反応しただけの私は首を左右に振る。
ラケットでできたタコのある手も、肌の薄い場所に這う唇の感触も心地良い。
夏川先輩の手が下へ下へと降りて行き、私の準備が整っているのを確認すると夏川先輩も服を脱ぎだす。
あっという間に裸になった夏川先輩が避妊具を付け、私の脚をつかんで入り込んでくる。
ただ抜き差しされているだけでも、思い出補正なのか、昨日の感覚が甦ってきて快感と愛液が溢れてきた。
私は身を反らして、更に奥に迎えようと動いてしまう。
夏川先輩の動きに合わせて私も動き、悦楽を追及してしまったと後で後悔した。
愛もないのに気持ち良かった。
愛がないのに気持ち良かった。
あいつのことは好きだったのに、好きでもない夏川先輩とのほうが気持ち良くなる矛盾。
夏川先輩が言うように相性の良し悪しなんだろうか?
昨日とは違ってすぐにはイかなかったけど、それでも充分、気持ち良い。
付き合っているわけじゃなくても、良いと思った相手とセックスをする気持ちがわかってしまう。
相手がよっぽど嫌な相手でない限り、こんなに気持ち良いものをしないなんて人生損しているとしか思えない。
私がいった後、ようやく夏川先輩がイったのがゴム越しにわかった。終わると始末の為に部屋を夏川先輩は出て行く。
上がった息を整えている間に夏川先輩が戻って来て、新しい避妊具を付けて違う体勢で入れられる。
当たる角度が変わったせいか、まだ敏感な身体が反応した。
体勢が違うと挿入できる深さも変わってくる。
何度も体勢を変え、次から次へと自分たちの身体を楽しむ。
昨日は1回しかイかなかった夏川先輩も今日は違う。
ああ、気持ち良い。
無我の境地ならぬ、快楽しかもう頭にない。
そんな獣のように本能のまま時間を過ごすのが、日曜日に夏川先輩と恋人らしく付き合うことらしい。
やっぱり、夏川先輩の彼女はセフレっていう意味だと思った。
どこに夏川先輩に好印象を持ったところがあったのか思い出そうとしてみたけど、どこも思い出せなかった。
だって、「好きになったらいい」と言われて、変態属性やらこれまでされてきたことやら、夏川先輩にとって彼女の存在意義とか考えて、好きになれるところがどこにもないとしか思えなかったんだよ?
私が自分の身体の反応に呆然としている間、時間は止まっていなかった。
甘噛みされた耳を今度は労わるように舐められ、またぞくりとする。耳元に聞こえる水音に今度は下腹部も疼く。
「やぁ・・・、ぁはっ・・・!」
夏川先輩の膝が私の脚の間に割り込み、クリトリスを刺激するように擦られる。
耳と服の上から軽く身体を触られただけなのに、昨日のことを憶えているのか、身体は簡単に潤って準備が整ったことを知らせてくる。あれだけ気持ち良かったんだから、それもしょうがないと言えばしょうがない。
「気持ち良いでしょ」
「き、気持ち良くなんか・・・ぁ・・・」
夏川先輩の愛撫に身体が切なく疼いて、理性が溶けそうになる。
「意地っ張り」
囁いた時に息が耳にかかって、身体の中を電気が下腹部へと走る。
「あぅ・・・」
「でも、そんなとこが可愛い」
「・・・!」
こんな時にそんなことを言うなんて反則だ。
キュンとなったじゃないか!
変態のくせに生意気だ!
NTRるのが好きな変態のくせに・・・。
「こんな時に可愛いとか言わないでください」
「こんな時だから可愛いって言いたい。好きになりそう?」
「・・・。好きにはなりませんが、ヤってもいいかなってちょっと思いました」
「良かった」
脚がふにゃふにゃで、肩に手を回され、夏川先輩の部屋に支えられるように入る。
「ちょっとだけですよ、ちょっとだけ」
まだヤりたいと思うほど好きになったわけじゃないし。
夏川先輩が上手だからその気になっただけだし。
「なら、気持ち良くしてあげて、もっと好きにしてあげないとね」
支えてもらってベッドの上に腰を下ろしながら、彼女とセフレの違いもわからないのに私に好きになって欲しいって思う夏川先輩に呆れた。
私は気持ち良いから付き合いたいなんて言わないし、思わない。
私が付き合いたいのはヤっている時だけしか満たしてくれる相手じゃない。
一緒にいたいくらい好きな相手だ。一緒にいたいから、ヤる相手だ。
気持ち良くしてくれる相手じゃない。
気持ちを重ねたくて身体を重ねる相手だ。
だから、大丈夫。
私は夏川先輩なんか好きにはならない。
お母さんまで味方に付けて私を逃げられないようにしたのなら、夏川先輩のお母さんと会った時は嫌われるように頑張ってやる。
「そんなことで好きになるって思ってるんですか?」
私が逃げる決意をしてるなんて考えていない夏川先輩は何でもないとばかりに笑ってみせる。
「大丈夫。実花ちゃんもきっと好きになるよ」
信じられない。
どうして、こんなふうに考えられるんだろう?
「実花ちゃん」
でも、こうして見つめられていたら、視線を放せなくなるし、身体が疼いて熱くなる。
ベッドについていた手に夏川先輩の手が重ねられても、夏川先輩の顔が近付いてきても、操られたように動けなかった。
キスされるんだ。
できることは目を閉じることだけで。
キスを受け入れてしまったら、欲望も受け入れてしまったようだった。
夏川先輩の手が服の上から身体を触る。
身体の相性が良いから付き合いたい夏川先輩と、好きになった人としかヤりたくない私。
私は彼女をセフレと考えているような男の彼女にはなりたくない。
それなのに、気持ち良くて。
嫌がるどころか、夏川先輩が服を脱がせやすいように手伝うように動いてしまう。解放されていく身体がクーラーで冷やされた部屋の空気で鳥肌が立った。
ぶるりと身体を震わせると
「寒い?」
と聞かられた。
火照った肌が急激に冷えた空気にさらされて反応しただけの私は首を左右に振る。
ラケットでできたタコのある手も、肌の薄い場所に這う唇の感触も心地良い。
夏川先輩の手が下へ下へと降りて行き、私の準備が整っているのを確認すると夏川先輩も服を脱ぎだす。
あっという間に裸になった夏川先輩が避妊具を付け、私の脚をつかんで入り込んでくる。
ただ抜き差しされているだけでも、思い出補正なのか、昨日の感覚が甦ってきて快感と愛液が溢れてきた。
私は身を反らして、更に奥に迎えようと動いてしまう。
夏川先輩の動きに合わせて私も動き、悦楽を追及してしまったと後で後悔した。
愛もないのに気持ち良かった。
愛がないのに気持ち良かった。
あいつのことは好きだったのに、好きでもない夏川先輩とのほうが気持ち良くなる矛盾。
夏川先輩が言うように相性の良し悪しなんだろうか?
昨日とは違ってすぐにはイかなかったけど、それでも充分、気持ち良い。
付き合っているわけじゃなくても、良いと思った相手とセックスをする気持ちがわかってしまう。
相手がよっぽど嫌な相手でない限り、こんなに気持ち良いものをしないなんて人生損しているとしか思えない。
私がいった後、ようやく夏川先輩がイったのがゴム越しにわかった。終わると始末の為に部屋を夏川先輩は出て行く。
上がった息を整えている間に夏川先輩が戻って来て、新しい避妊具を付けて違う体勢で入れられる。
当たる角度が変わったせいか、まだ敏感な身体が反応した。
体勢が違うと挿入できる深さも変わってくる。
何度も体勢を変え、次から次へと自分たちの身体を楽しむ。
昨日は1回しかイかなかった夏川先輩も今日は違う。
ああ、気持ち良い。
無我の境地ならぬ、快楽しかもう頭にない。
そんな獣のように本能のまま時間を過ごすのが、日曜日に夏川先輩と恋人らしく付き合うことらしい。
やっぱり、夏川先輩の彼女はセフレっていう意味だと思った。
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