26 / 46
アライアス
オスカーの機嫌は急激に変わるようです
しおりを挟む
馬車が止まり、オスカーは私を抱きかかえたまま馬車を降りた。それから地面に降ろしてもらうが、右手はしっかりオスカーにつかまれている。
「迷子にならないように手を繋いでおくから、離すんじゃないぞ」
「うん。わかった」
この歳で迷子と言われるとそんな馬鹿なことあるわけないと思うけど、周りを行き交う人の数が多くて、手を繋いでいてもらっていてよかったと安心する。一族の棟の裁縫部屋にいる人数よりは少なくても、見知らぬ人だというだけでなく、金や白金、銀などの馴染みの薄い頭しか見えないのは心細い。
キョロキョロと見慣れない辺りを睫毛で重い目を見開いて見ていたら、オスカーの笑う気配がした。
「なんで笑うの?」
オスカーの顔を見上げて睨んだら、笑顔(目は髪に隠れて見えないけど、口の端が上がっているから多分そうだ)で頭を撫でられた。
もしかして、馬鹿にされている?
「なんで撫でるの?」
責めるような口調でそう言ったら、また撫でられた。
「リーンネットの反応が可愛くて。つい、撫でたくなるんだよ」
「・・・。どこが可愛いっていうの?」
可愛いと言ってもらえるのは嬉しいんだけど、馬鹿にされているような気がする。
周りを眺めていたことのどこに可愛いところがあったのかわからないから、オスカーの言ってることが理解できない。
「リーンネットは全部可愛い」
「・・・」
オスカー・・・。
本当に兄は大丈夫だろうか?
突然シスコンになったかと思ったら、心配になるくらいデレ始めたんだけど・・・。
私が心配していても本人が幸せそうなので、このことからは目をそらしておこう。
市場(マーケット)はすごかった。馬車を降りたところとは比べものにならない。見渡す限り、人、人、人。歩くのも大変なくらいだった。手を繋いでいなかったら、絶対に迷子になる。
「うわー」
開いた口が塞がらない。
布を天井に張った店が軒を連ねていて、野菜や果物、肉や魚などから、布や装飾品まで、色々なものを売っていた。
しかし、近寄って、買い物客の波に入ってしまうと、子どもの身長では周りの人間が大きすぎて、何のお店か見えない。
お菓子を売っている店もあったけど、人び流れがすごすぎて、それをかきわけていくことも、立ち止まることもできなかった。
そんなこんなでお店に行けないのを見たオスカーが目についたお店を教えてくれるようになった。
「串焼きがあるよ」
「串焼き?」
言われても思いつかない。
串焼きとやらをオスカーは食べたことがあるのかな?
「肉や魚介類を串に刺して焼いたものだよ」
説明を聞いて、ようやくそれが何かわかった。
お菓子を買いに来たけど、それはおかずだよね?
「それはいいよ」
お菓子じゃないから、串焼きはいらない。
ケーキに似た香ばしい匂いが漂ってくると、オスカーは少し離れた店を見ながら言う。
「じゃあ、ドーナッツは?」
「ドーナッツ?」
また知らないものが出てきた。
「揚げもののお菓子だよ」
お菓子ならこう言うしかないでしょ。
「食べる!」
私の返事を聞いて、オスカーは人混みをドーナッツとやらが売っている店のほうに移動していく。手を繋いでいるから、私も一緒だけど人が多くて大変だった。
そんなことを何度か繰り返したら、私が好きそうな店に近付くとオスカーが手を引いて、店の傍にいけるようにしてくれた。
「この髪飾りなんか似合うんじゃないか?」
薔薇を模した精巧な木彫りの髪飾りに目を留めたオスカーが言った。一族の棟の若い女性たちが好きそうな一品だ。
私にはちょっと大人っぽいような気がする。付けるとしたら、あと10年は宝石箱かチェストで寝かせておくしかない。
「綺麗だけど、私にはまだ似合わないよ。そっちの小さな花の付いたものはどうかな? 似合いそう?」
中庭や前庭にも咲いている小さな花を模した素朴な髪飾りが目についたので、聞いてみる。
淡いイエローに着色された花がいくつも付いていて可愛い。
オスカーには悪いけど、こっちのほうのがいい。
色違いで作られたものもあって、アイリーンやマリーンとお揃いで付けてもいいかもしれない。
「リーンネットの可愛らしさを引き出すデザインだね」
オスカーは私を引き合いに出さないと評価できないのか?
可愛らしい髪飾りを見つけてはしゃいでいた気持ちが一気に冷めた。
つい、オスカーを見る目が胡乱になる。
「・・・。アイリーンやマリーンにも似合うかな?」
色違いのものを上げたいので、呆れた声で意見を聞いてみた。
「それはハルスタッド一族の子だよね? なら、似合うんじゃないかな」
いい加減。
いい加減すぎる。
相槌にすらなってないよ、オスカー。
心の中で嘆きそうになったけど、オスカーがアイリーンやマリーンを知らない可能性を思いつく。私とオスカーは年齢が離れすぎているし、性別も違う。そんな私の友達であるアイリーンやマリーンと兄の接点がないのだ。
ハルスタッド一族の子どもは一定の年齢までは一緒に勉強する。その後、性別ごとに別れて勉強するので、オスカーが姉ならなんとかアイリーンやマリーンとその勉強で接点が持っていたかもしれない。
ちなみにその女の子の勉強が裁縫などの手芸で、私も遊びに行くついでに一緒に受けさせられている。このところ、仲間はずれにした二人に腹を立てて、顔を合わせづらくて行ってないけど。
だから、オスカーが髪の色とか睫毛の重さで半分閉じた目とか、そういった一族の特徴で判別するのもわかる。
それにしても、髪の色やか目付きとかハルスタッド一族って、特徴強すぎ。一族外との婚姻が本家しかしないからって、みんな特徴が出てしまう。
母が別の家の出身なのに私もオスカーも一族の特徴が出てるし、母の家の特徴はどこ行ったんだろう?
それに本家から一族に入った過去の人々だって母方の特徴を持ち込んだはずなのに、一人としてハルスタッド一族の特徴がない人物がいない。私が知らないだけかもしれないけど、ハルスタッド一族の女が全員揃っている裁縫部屋でまったく見たことがない。男だけ一族以外の特徴が出るなんてこともないし、母方の特徴はしぶといハルスタッド一族の特徴に掻き消されてしまったのだろう。
ここまで来るとハルスタッド一族の特徴は呪いだ。
睫毛が長くて重くて目が開かないのって、やっぱり呪いだったか・・・。
「この鳥のネックレスはどうだ? 可愛いリーンネットによく似合いそうだ」
私の返事が遅かったからか、オスカーが同じ店の別の商品を手に話しかけてきた。
木彫りの鳥のペンダントトップは兄が言う通り可愛い。お揃いで持っていても服の中に隠しておけるから、髪飾りより髪型や服装を選ばない。
「それいいね。何個か同じものはある?」
私では店の中が全部見えないけど、背の高いオスカーは違う。さっと見回して全商品を見ることができる。
「鳥は何種類かあるけど、同じものはないな」
同じものがなくてお揃いにできないと思ったら、攻略対象であるディランみたいにチャラそうな若い男の店主が口を挟んでくる。
このディランという人物はヴァイオリンの奏者としてはまともだが、演奏していない時は非常にチャラい男だ。気安く誰にでも声をかけるし、女生徒を引き連れて歩くなんてことも当たり前。序盤の攻略対象固有のイベントではヒロインなんかその他大勢の女生徒と同じように、彼の演奏を聞くことになっているくらい、どんな女生徒にも平等のナルシストである。
ナルシストだからチャラいのか、チャラいからナルシストなのか、そこはわからないが、この店主のように商人だったら愛想が良いと好印象な人物だ。
「お嬢ちゃん。こっちには全種類出しているだけだから、鳥のネックレスならまだ在庫があるよ」
「本当?!」
在庫があるって言うなら、3個くらいあるよね。
ここに出ていないだけで在庫があると言われて、これはもう買うしかないと思った。
「いくつ欲しいんだい?」
店主は愛想の良い笑顔で聞いてきた。
「3つ」
「なら、大丈夫だ。あんまりたくさん買われて、お嬢ちゃんが売ったりなんかされちゃ、商売あがったりだからねえ」
私が売る? アイリーンとマリーンに上げたいだけだから、そんなことしないのに。
商売あがったりって言葉自体がわからない。
「なんで、商売あがったりなの?」
「誰だって、お嬢ちゃんみたいな可愛い子とおニイさんみたいなのから買うなら、みんな、お嬢ちゃんから買いたいって思うからねえ。おニイさんだって、お嬢ちゃんから買いたいぐらいだよ」
「・・・」
そう言って、店主は笑うけど、私はそのお世事に呆れて何も言えなかった。
ゾクッとしたので振り返ったら、オスカーが額に縦皺を寄せて店主を睨んでいる。
「・・・」
「坊ちゃん。お嬢ちゃんが可愛いからって、そう目くじら立てないでくださいよ。ホント、顔の良い兄妹だねえ」
「・・・」
店主のとりなしにもかかわらず、オスカーは手にしていた商品を置き、私の手を引いて別の店に行ってしまった。
他の店でオスカーはスカーフやショール、リボン、それにジャムやらキャンディーなどを買ってくれた。
だけど、毎回、私か商品のどちらかを可愛いと言う。そんなオスカーに一つの疑念がわく。
兄のボキャブラリーは乏しいんだろうか?
いや、そんなはずはない。
じゃあ、感性が大雑把なんだろうか? さっきから、なんでも可愛いとしか返してこない。
他の形容はないのか?
手を繋いでいる楽し気なオスカーを見ながら、私はなんとも言えない気分になった。
「迷子にならないように手を繋いでおくから、離すんじゃないぞ」
「うん。わかった」
この歳で迷子と言われるとそんな馬鹿なことあるわけないと思うけど、周りを行き交う人の数が多くて、手を繋いでいてもらっていてよかったと安心する。一族の棟の裁縫部屋にいる人数よりは少なくても、見知らぬ人だというだけでなく、金や白金、銀などの馴染みの薄い頭しか見えないのは心細い。
キョロキョロと見慣れない辺りを睫毛で重い目を見開いて見ていたら、オスカーの笑う気配がした。
「なんで笑うの?」
オスカーの顔を見上げて睨んだら、笑顔(目は髪に隠れて見えないけど、口の端が上がっているから多分そうだ)で頭を撫でられた。
もしかして、馬鹿にされている?
「なんで撫でるの?」
責めるような口調でそう言ったら、また撫でられた。
「リーンネットの反応が可愛くて。つい、撫でたくなるんだよ」
「・・・。どこが可愛いっていうの?」
可愛いと言ってもらえるのは嬉しいんだけど、馬鹿にされているような気がする。
周りを眺めていたことのどこに可愛いところがあったのかわからないから、オスカーの言ってることが理解できない。
「リーンネットは全部可愛い」
「・・・」
オスカー・・・。
本当に兄は大丈夫だろうか?
突然シスコンになったかと思ったら、心配になるくらいデレ始めたんだけど・・・。
私が心配していても本人が幸せそうなので、このことからは目をそらしておこう。
市場(マーケット)はすごかった。馬車を降りたところとは比べものにならない。見渡す限り、人、人、人。歩くのも大変なくらいだった。手を繋いでいなかったら、絶対に迷子になる。
「うわー」
開いた口が塞がらない。
布を天井に張った店が軒を連ねていて、野菜や果物、肉や魚などから、布や装飾品まで、色々なものを売っていた。
しかし、近寄って、買い物客の波に入ってしまうと、子どもの身長では周りの人間が大きすぎて、何のお店か見えない。
お菓子を売っている店もあったけど、人び流れがすごすぎて、それをかきわけていくことも、立ち止まることもできなかった。
そんなこんなでお店に行けないのを見たオスカーが目についたお店を教えてくれるようになった。
「串焼きがあるよ」
「串焼き?」
言われても思いつかない。
串焼きとやらをオスカーは食べたことがあるのかな?
「肉や魚介類を串に刺して焼いたものだよ」
説明を聞いて、ようやくそれが何かわかった。
お菓子を買いに来たけど、それはおかずだよね?
「それはいいよ」
お菓子じゃないから、串焼きはいらない。
ケーキに似た香ばしい匂いが漂ってくると、オスカーは少し離れた店を見ながら言う。
「じゃあ、ドーナッツは?」
「ドーナッツ?」
また知らないものが出てきた。
「揚げもののお菓子だよ」
お菓子ならこう言うしかないでしょ。
「食べる!」
私の返事を聞いて、オスカーは人混みをドーナッツとやらが売っている店のほうに移動していく。手を繋いでいるから、私も一緒だけど人が多くて大変だった。
そんなことを何度か繰り返したら、私が好きそうな店に近付くとオスカーが手を引いて、店の傍にいけるようにしてくれた。
「この髪飾りなんか似合うんじゃないか?」
薔薇を模した精巧な木彫りの髪飾りに目を留めたオスカーが言った。一族の棟の若い女性たちが好きそうな一品だ。
私にはちょっと大人っぽいような気がする。付けるとしたら、あと10年は宝石箱かチェストで寝かせておくしかない。
「綺麗だけど、私にはまだ似合わないよ。そっちの小さな花の付いたものはどうかな? 似合いそう?」
中庭や前庭にも咲いている小さな花を模した素朴な髪飾りが目についたので、聞いてみる。
淡いイエローに着色された花がいくつも付いていて可愛い。
オスカーには悪いけど、こっちのほうのがいい。
色違いで作られたものもあって、アイリーンやマリーンとお揃いで付けてもいいかもしれない。
「リーンネットの可愛らしさを引き出すデザインだね」
オスカーは私を引き合いに出さないと評価できないのか?
可愛らしい髪飾りを見つけてはしゃいでいた気持ちが一気に冷めた。
つい、オスカーを見る目が胡乱になる。
「・・・。アイリーンやマリーンにも似合うかな?」
色違いのものを上げたいので、呆れた声で意見を聞いてみた。
「それはハルスタッド一族の子だよね? なら、似合うんじゃないかな」
いい加減。
いい加減すぎる。
相槌にすらなってないよ、オスカー。
心の中で嘆きそうになったけど、オスカーがアイリーンやマリーンを知らない可能性を思いつく。私とオスカーは年齢が離れすぎているし、性別も違う。そんな私の友達であるアイリーンやマリーンと兄の接点がないのだ。
ハルスタッド一族の子どもは一定の年齢までは一緒に勉強する。その後、性別ごとに別れて勉強するので、オスカーが姉ならなんとかアイリーンやマリーンとその勉強で接点が持っていたかもしれない。
ちなみにその女の子の勉強が裁縫などの手芸で、私も遊びに行くついでに一緒に受けさせられている。このところ、仲間はずれにした二人に腹を立てて、顔を合わせづらくて行ってないけど。
だから、オスカーが髪の色とか睫毛の重さで半分閉じた目とか、そういった一族の特徴で判別するのもわかる。
それにしても、髪の色やか目付きとかハルスタッド一族って、特徴強すぎ。一族外との婚姻が本家しかしないからって、みんな特徴が出てしまう。
母が別の家の出身なのに私もオスカーも一族の特徴が出てるし、母の家の特徴はどこ行ったんだろう?
それに本家から一族に入った過去の人々だって母方の特徴を持ち込んだはずなのに、一人としてハルスタッド一族の特徴がない人物がいない。私が知らないだけかもしれないけど、ハルスタッド一族の女が全員揃っている裁縫部屋でまったく見たことがない。男だけ一族以外の特徴が出るなんてこともないし、母方の特徴はしぶといハルスタッド一族の特徴に掻き消されてしまったのだろう。
ここまで来るとハルスタッド一族の特徴は呪いだ。
睫毛が長くて重くて目が開かないのって、やっぱり呪いだったか・・・。
「この鳥のネックレスはどうだ? 可愛いリーンネットによく似合いそうだ」
私の返事が遅かったからか、オスカーが同じ店の別の商品を手に話しかけてきた。
木彫りの鳥のペンダントトップは兄が言う通り可愛い。お揃いで持っていても服の中に隠しておけるから、髪飾りより髪型や服装を選ばない。
「それいいね。何個か同じものはある?」
私では店の中が全部見えないけど、背の高いオスカーは違う。さっと見回して全商品を見ることができる。
「鳥は何種類かあるけど、同じものはないな」
同じものがなくてお揃いにできないと思ったら、攻略対象であるディランみたいにチャラそうな若い男の店主が口を挟んでくる。
このディランという人物はヴァイオリンの奏者としてはまともだが、演奏していない時は非常にチャラい男だ。気安く誰にでも声をかけるし、女生徒を引き連れて歩くなんてことも当たり前。序盤の攻略対象固有のイベントではヒロインなんかその他大勢の女生徒と同じように、彼の演奏を聞くことになっているくらい、どんな女生徒にも平等のナルシストである。
ナルシストだからチャラいのか、チャラいからナルシストなのか、そこはわからないが、この店主のように商人だったら愛想が良いと好印象な人物だ。
「お嬢ちゃん。こっちには全種類出しているだけだから、鳥のネックレスならまだ在庫があるよ」
「本当?!」
在庫があるって言うなら、3個くらいあるよね。
ここに出ていないだけで在庫があると言われて、これはもう買うしかないと思った。
「いくつ欲しいんだい?」
店主は愛想の良い笑顔で聞いてきた。
「3つ」
「なら、大丈夫だ。あんまりたくさん買われて、お嬢ちゃんが売ったりなんかされちゃ、商売あがったりだからねえ」
私が売る? アイリーンとマリーンに上げたいだけだから、そんなことしないのに。
商売あがったりって言葉自体がわからない。
「なんで、商売あがったりなの?」
「誰だって、お嬢ちゃんみたいな可愛い子とおニイさんみたいなのから買うなら、みんな、お嬢ちゃんから買いたいって思うからねえ。おニイさんだって、お嬢ちゃんから買いたいぐらいだよ」
「・・・」
そう言って、店主は笑うけど、私はそのお世事に呆れて何も言えなかった。
ゾクッとしたので振り返ったら、オスカーが額に縦皺を寄せて店主を睨んでいる。
「・・・」
「坊ちゃん。お嬢ちゃんが可愛いからって、そう目くじら立てないでくださいよ。ホント、顔の良い兄妹だねえ」
「・・・」
店主のとりなしにもかかわらず、オスカーは手にしていた商品を置き、私の手を引いて別の店に行ってしまった。
他の店でオスカーはスカーフやショール、リボン、それにジャムやらキャンディーなどを買ってくれた。
だけど、毎回、私か商品のどちらかを可愛いと言う。そんなオスカーに一つの疑念がわく。
兄のボキャブラリーは乏しいんだろうか?
いや、そんなはずはない。
じゃあ、感性が大雑把なんだろうか? さっきから、なんでも可愛いとしか返してこない。
他の形容はないのか?
手を繋いでいる楽し気なオスカーを見ながら、私はなんとも言えない気分になった。
12
あなたにおすすめの小説
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
さよなら初恋。私をふったあなたが、後悔するまで
ミカン♬
恋愛
2025.10.11ホットランキング1位になりました。夢のようでとても嬉しいです!
読んでくださって、本当にありがとうございました😊
前世の記憶を持つオーレリアは可愛いものが大好き。
婚約者(内定)のメルキオは子供の頃結婚を約束した相手。彼は可愛い男の子でオーレリアの初恋の人だった。
一方メルキオの初恋の相手はオーレリアの従姉妹であるティオラ。ずっとオーレリアを悩ませる種だったのだが1年前に侯爵家の令息と婚約を果たし、オーレリアは安心していたのだが……
ティオラは婚約を解消されて、再びオーレリア達の仲に割り込んできた。
★補足:ティオラは王都の学園に通うため、祖父が預かっている孫。養子ではありません。
★補足:全ての嫡出子が爵位を受け継ぎ、次男でも爵位を名乗れる、緩い世界です。
2万字程度。なろう様にも投稿しています。
オーレリア・マイケント 伯爵令嬢(ヒロイン)
レイン・ダーナン 男爵令嬢(親友)
ティオラ (ヒロインの従姉妹)
メルキオ・サーカズ 伯爵令息(ヒロインの恋人)
マーキス・ガルシオ 侯爵令息(ティオラの元婚約者)
ジークス・ガルシオ 侯爵令息(マーキスの兄)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる