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アライアス
キャッキャウフフとガクブルなお茶会
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こんにちは、死んだ魚のような目でキャッキャウフフを眺めている不憫系悪役令嬢になるリーンネットです。
もう、既に不憫系令嬢だと思うリーンネットです。
バカップルを見せつけられたら、色々詰んでる自分が不憫だとしか感じなくなりました。
ローゼンバーグ侯爵令嬢のお茶会に招かれて、彼女とその兄の仲の良さを見せつけられているならまだいいんですが(ゲームで描かれているから耐性あり)、まだそこまで至っていません。
まだ、姉が知人を呼んだお茶会の段階です。
それなのに目の前でキャッキャウフフが繰り広げられています。
「本当に貰ってもよろしいのかしら? お仕事で育てられたものなのでしょう?」
「あ・・・。いや、これは仕事ではなくて・・・。レディ・リーンリアナの為に・・・」
「まあ。レナード様ったら、お人が悪い。てっきり、お仕事のものを持ってこられたのかと思いましたわ。私の為に作ってくださったのね」
「はい・・・」
アンサー。
姉とモジモジとしているモブ顔文官さん(色々教えてくれたモブ顔さんではない)。
「でしたら、喜んでいただきます。可愛らしくてなんて良い匂いかしら」
「レディ・リーンリアナがそうおっしゃって下さるなら、取り寄せて育てた甲斐もあります」
白い小さな花が集まってできた花に顔を近付けて匂いを嗅ぐ姉を恍惚とした表情で見ている文官さん。
姉は侍女に合図をする。
お茶会に呼ぶ時には文官さんに渡そうと用意していたのか、侍女は手の中に納まるような小さな瓶を姉に渡した。
「でも、それで手が荒れるでしょう? どうぞ、このハンドクリームをお使いになって」
「そんな・・・! ありがとうございます、レディ・リーンリアナ。実は僕もあなたに使っていただこうと、美白効果のある薬草を配合したクリームを用意してきたんです」
文官さんも何か小さな瓶を取り出す。
「お花だけでなくて、クリームまで用意なさって下さったんですか? そんな、お手数をおかけしてしまって、申し訳ございません」
「いえ。いいんです。こうして、レディ・リーンリアナが僕の研究をいつも聞いてくださっていただけで、僕は幸せですし・・・。僕ができることといったら、こんなことしかなくて・・・」
「そんな、レナード様・・・」
文官さんの熱い言葉に姉が恥じらう。
「ああ、レディ・リーンリアナ。僕にもあなたの話をもっと聞かせてください。それであなたが幸せになるのでしたら、いつまでも聞かせてください」
「ありがとうございます・・・」
なんだろう。
耳まで真っ赤になった二人を見ていると、見ているこっちが居たたまれない気持ちになってくる。
現実逃避はそろそろ止めることにして。
良いことと悪いことが起きました。
良いことはウォルトとの婚約が回避されました。
やったね。これで私の陥れられる原因がなくなった。
私を悪役令嬢にする理由は宰相家の跡取りであるウォルトの婚約者だったから。
ウォルト以外の攻略対象者も第三王子とか次期公爵に次期侯爵、武門の名家の子息に第三王子の側近、音楽家の卵。王子の側近候補として挙げられるだけの高位貴族出身の中でも、国を代表する立場になりやすい人物ばかりだ。
つまり、偽シルヴィアが攻略しようと思っている彼らの婚約者はただの邪魔者だから、悪役に仕立て上げられるのだ。
祝・宰相家の跡取りとの婚約回避。
お茶会を通じてローゼンバーグ侯爵令嬢とは仲良くなれそうな見通しもついたし、少しでも悪役になる要素が減っているなら、他の不憫系令嬢を助けに学校に通っても大丈夫かもしれない。
え? ゲームで噂になってたロリコンのことは大丈夫かって?
噂はロリコンのストーキング行為が原因だったんじゃないかと思うし、ストーカーが攻略対象者だからって偽シルヴィアもそこまでして私を悪役令嬢に仕立て上げる気はないだろうし。
だって、ストーカーだよ?
ゲームだと逆ハーかウォルトルートじゃない限り、婚約者のいる女生徒に片想いしているだけなんだよ?
そんなストーカーのストーカー被害に遭っている令嬢を婚約者もいない状態で悪役に仕立てたら、ストーカーの怒りを買って何をされるかわからない。
実際、ゲームで私(リーンネット)が学校から追放される時はロリコンが家の事情で一時的に学校を離れていた時期だったりする。
兄殺しの嫌疑がかけられているから当のオスカーはいないし、ルートによっては結婚するロリコンも不在の時期に私の追放イベントは起きていた。
よく考えたら、偽シルヴィアがしっかりロリコンの心を鷲掴みしていなかった場合、私が一族の人間に嫁いで怒り狂ったロリコンに仕返しされる可能性がありそうだけど、それはゲームでは描かれていないし、考えてもしょうがない。
ウォルトとの婚約は回避。
おめでとう! 10歳でゲームの不憫系令嬢を回避できました!
・・・悪いことは、別の攻略対象者と婚約が決まりました。
今朝いきなり婚約者と会わせるって言ってきた私の親、どうなってんの?
それも姉のお茶会で会わせるからって、親の立会いはなし。
・・・。
本当に私の扱いが悪い。
「それ以上、こっちを見るな。お前に見られているのかと思うと気分が悪くなる」
これは私じゃなくて、私を挟んだ向こう側の人物に向けてオスカーが放った暴言。
兄は攻略対象者じゃないので、私の婚約者でもない。
姉のお茶会を終わらせる為に参加するオスカーが、終わらせようと参加していないのは不思議だが、暢気なことを言ってられる状況じゃない。
オスカーじゃないほうの私の隣には婚約者であるゲームの攻略対象者がいる。
意識的に私はオスカーのほうを見るようにしていた。
目があうとオスカーは微笑み返してくれるが、すぐに緑柱石のような目で私の隣を冷たく睨みつける。
私は絶対にそっちを見ないようにしていた。
そっちはそっちで禍々しい冷気を放っている。
冷気を放っていなくても、見たくない。
私はブルーグレーの目と目をあわせるどころか、雪のように白い銀髪を視界に入れないようにしていた。
なんか物理的に私の周りが寒い。
「君を見ているわけじゃない。――さあ、レディ・リーンネット。どれを食べますか?」
「・・・」
優しそうな声で呼びかけられるけど、私はブルブル震えて答えなかった。
いらない。の一言すら言えない。
綺麗に盛られた小さな焼き菓子はどれもこれも美味しそうで、いつもなら全部食べようとしてイオン卿に窘められるか、ローズマリーの為に残しておこうと自制するのが大変だけど、今はまったく食べる気が起きない。
「リーンネットを見るな。怯えてしまっているじゃないか。顔合わせも終わったことだし、そろそろ帰ってくれ」
友好的なものの欠片もないヤンデレの対応。口調までため口だ。
私の婚約者が今日のお茶会に来ると知って、一緒にいてくれるヤンデレが心強かった。
ありがとう、オスカー。
ヤンデレになっちゃったけど、それが初めてよかったと思ったよ。
「君に指示を出される謂れはない」
「リーンネット、何か食べるか?」
ヤンデレはロリコンの言葉を無視して、私の顔を覗き込んで尋ねてくる。
間近で見たオスカーの目の色が濃くなったり、薄くなったりして煌めいていた。
「いらない・・・」
兄の目を見ていたら、なんとか身体の震えは収まった。
慣れって怖い。兄だとわかっていても心臓に悪い美形ですら、今は見ていて落ち着くものになってしまった。
私の様子を心配してくれたオスカーが棘のある声で言う。
「リーンネットはいらないそうだ。体調も悪そうだし、今日はこれでお開きにしよう」
「しかし、これでは顔をあわせたことにならないだろう」
顔なんてあわせたくなかった。
ロリコンと婚約するぐらいだったら、婚約者はウォルトのほうが良かった。
こんな心臓が止まりそうな恐怖を与えてくる相手、嫌だよ。
怖い。ロリコン、怖い。
これは悪い夢だって誰か言って。
どうやったら、この悪夢から目が覚めるのかな?
「リーンネットがこんな体調で、まだやるって言うのか? こんな自分のことしか考えない奴がリーンネットの婚約者だなんて、信じられない!」
私の気持ちを代弁するようにオスカーが大袈裟に嘆いてみせる。
ここまでのやりとりでおわかりの通り、私の婚約者はアライアス・ロクスだ。
なんで、ロリコンと婚約することになったのか・・・・・・。
ゲームより現実が詰み過ぎていて、何も考えられない。
もう、既に不憫系令嬢だと思うリーンネットです。
バカップルを見せつけられたら、色々詰んでる自分が不憫だとしか感じなくなりました。
ローゼンバーグ侯爵令嬢のお茶会に招かれて、彼女とその兄の仲の良さを見せつけられているならまだいいんですが(ゲームで描かれているから耐性あり)、まだそこまで至っていません。
まだ、姉が知人を呼んだお茶会の段階です。
それなのに目の前でキャッキャウフフが繰り広げられています。
「本当に貰ってもよろしいのかしら? お仕事で育てられたものなのでしょう?」
「あ・・・。いや、これは仕事ではなくて・・・。レディ・リーンリアナの為に・・・」
「まあ。レナード様ったら、お人が悪い。てっきり、お仕事のものを持ってこられたのかと思いましたわ。私の為に作ってくださったのね」
「はい・・・」
アンサー。
姉とモジモジとしているモブ顔文官さん(色々教えてくれたモブ顔さんではない)。
「でしたら、喜んでいただきます。可愛らしくてなんて良い匂いかしら」
「レディ・リーンリアナがそうおっしゃって下さるなら、取り寄せて育てた甲斐もあります」
白い小さな花が集まってできた花に顔を近付けて匂いを嗅ぐ姉を恍惚とした表情で見ている文官さん。
姉は侍女に合図をする。
お茶会に呼ぶ時には文官さんに渡そうと用意していたのか、侍女は手の中に納まるような小さな瓶を姉に渡した。
「でも、それで手が荒れるでしょう? どうぞ、このハンドクリームをお使いになって」
「そんな・・・! ありがとうございます、レディ・リーンリアナ。実は僕もあなたに使っていただこうと、美白効果のある薬草を配合したクリームを用意してきたんです」
文官さんも何か小さな瓶を取り出す。
「お花だけでなくて、クリームまで用意なさって下さったんですか? そんな、お手数をおかけしてしまって、申し訳ございません」
「いえ。いいんです。こうして、レディ・リーンリアナが僕の研究をいつも聞いてくださっていただけで、僕は幸せですし・・・。僕ができることといったら、こんなことしかなくて・・・」
「そんな、レナード様・・・」
文官さんの熱い言葉に姉が恥じらう。
「ああ、レディ・リーンリアナ。僕にもあなたの話をもっと聞かせてください。それであなたが幸せになるのでしたら、いつまでも聞かせてください」
「ありがとうございます・・・」
なんだろう。
耳まで真っ赤になった二人を見ていると、見ているこっちが居たたまれない気持ちになってくる。
現実逃避はそろそろ止めることにして。
良いことと悪いことが起きました。
良いことはウォルトとの婚約が回避されました。
やったね。これで私の陥れられる原因がなくなった。
私を悪役令嬢にする理由は宰相家の跡取りであるウォルトの婚約者だったから。
ウォルト以外の攻略対象者も第三王子とか次期公爵に次期侯爵、武門の名家の子息に第三王子の側近、音楽家の卵。王子の側近候補として挙げられるだけの高位貴族出身の中でも、国を代表する立場になりやすい人物ばかりだ。
つまり、偽シルヴィアが攻略しようと思っている彼らの婚約者はただの邪魔者だから、悪役に仕立て上げられるのだ。
祝・宰相家の跡取りとの婚約回避。
お茶会を通じてローゼンバーグ侯爵令嬢とは仲良くなれそうな見通しもついたし、少しでも悪役になる要素が減っているなら、他の不憫系令嬢を助けに学校に通っても大丈夫かもしれない。
え? ゲームで噂になってたロリコンのことは大丈夫かって?
噂はロリコンのストーキング行為が原因だったんじゃないかと思うし、ストーカーが攻略対象者だからって偽シルヴィアもそこまでして私を悪役令嬢に仕立て上げる気はないだろうし。
だって、ストーカーだよ?
ゲームだと逆ハーかウォルトルートじゃない限り、婚約者のいる女生徒に片想いしているだけなんだよ?
そんなストーカーのストーカー被害に遭っている令嬢を婚約者もいない状態で悪役に仕立てたら、ストーカーの怒りを買って何をされるかわからない。
実際、ゲームで私(リーンネット)が学校から追放される時はロリコンが家の事情で一時的に学校を離れていた時期だったりする。
兄殺しの嫌疑がかけられているから当のオスカーはいないし、ルートによっては結婚するロリコンも不在の時期に私の追放イベントは起きていた。
よく考えたら、偽シルヴィアがしっかりロリコンの心を鷲掴みしていなかった場合、私が一族の人間に嫁いで怒り狂ったロリコンに仕返しされる可能性がありそうだけど、それはゲームでは描かれていないし、考えてもしょうがない。
ウォルトとの婚約は回避。
おめでとう! 10歳でゲームの不憫系令嬢を回避できました!
・・・悪いことは、別の攻略対象者と婚約が決まりました。
今朝いきなり婚約者と会わせるって言ってきた私の親、どうなってんの?
それも姉のお茶会で会わせるからって、親の立会いはなし。
・・・。
本当に私の扱いが悪い。
「それ以上、こっちを見るな。お前に見られているのかと思うと気分が悪くなる」
これは私じゃなくて、私を挟んだ向こう側の人物に向けてオスカーが放った暴言。
兄は攻略対象者じゃないので、私の婚約者でもない。
姉のお茶会を終わらせる為に参加するオスカーが、終わらせようと参加していないのは不思議だが、暢気なことを言ってられる状況じゃない。
オスカーじゃないほうの私の隣には婚約者であるゲームの攻略対象者がいる。
意識的に私はオスカーのほうを見るようにしていた。
目があうとオスカーは微笑み返してくれるが、すぐに緑柱石のような目で私の隣を冷たく睨みつける。
私は絶対にそっちを見ないようにしていた。
そっちはそっちで禍々しい冷気を放っている。
冷気を放っていなくても、見たくない。
私はブルーグレーの目と目をあわせるどころか、雪のように白い銀髪を視界に入れないようにしていた。
なんか物理的に私の周りが寒い。
「君を見ているわけじゃない。――さあ、レディ・リーンネット。どれを食べますか?」
「・・・」
優しそうな声で呼びかけられるけど、私はブルブル震えて答えなかった。
いらない。の一言すら言えない。
綺麗に盛られた小さな焼き菓子はどれもこれも美味しそうで、いつもなら全部食べようとしてイオン卿に窘められるか、ローズマリーの為に残しておこうと自制するのが大変だけど、今はまったく食べる気が起きない。
「リーンネットを見るな。怯えてしまっているじゃないか。顔合わせも終わったことだし、そろそろ帰ってくれ」
友好的なものの欠片もないヤンデレの対応。口調までため口だ。
私の婚約者が今日のお茶会に来ると知って、一緒にいてくれるヤンデレが心強かった。
ありがとう、オスカー。
ヤンデレになっちゃったけど、それが初めてよかったと思ったよ。
「君に指示を出される謂れはない」
「リーンネット、何か食べるか?」
ヤンデレはロリコンの言葉を無視して、私の顔を覗き込んで尋ねてくる。
間近で見たオスカーの目の色が濃くなったり、薄くなったりして煌めいていた。
「いらない・・・」
兄の目を見ていたら、なんとか身体の震えは収まった。
慣れって怖い。兄だとわかっていても心臓に悪い美形ですら、今は見ていて落ち着くものになってしまった。
私の様子を心配してくれたオスカーが棘のある声で言う。
「リーンネットはいらないそうだ。体調も悪そうだし、今日はこれでお開きにしよう」
「しかし、これでは顔をあわせたことにならないだろう」
顔なんてあわせたくなかった。
ロリコンと婚約するぐらいだったら、婚約者はウォルトのほうが良かった。
こんな心臓が止まりそうな恐怖を与えてくる相手、嫌だよ。
怖い。ロリコン、怖い。
これは悪い夢だって誰か言って。
どうやったら、この悪夢から目が覚めるのかな?
「リーンネットがこんな体調で、まだやるって言うのか? こんな自分のことしか考えない奴がリーンネットの婚約者だなんて、信じられない!」
私の気持ちを代弁するようにオスカーが大袈裟に嘆いてみせる。
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