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[航海へ]
20話
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ココの家で、ご飯をご相伴にあずかる事となった晴樹たち。
サーシェやロシーターやゼンダたち女性は‥仲良く料理を手伝っているようです。
魚介類のトマトスープ、カジキのソテー、黒パン、茹でワタリガニ、ハム、ちょっとした果物もあった。
晴樹達が仲良母親のジョセフィーヌ、--
ココ、姉のアルトリアと話しを‥しながら食事しているところに…
人が来たようだ‥その男性は軽装鎧を‥
身につけて馬で母親のジョセフィーヌの病を心配してからたずねて来たようです。
「[ジョセフィーヌ、大丈夫か~!?]」
見知らない晴樹らに、一瞬だけ少し表情が固くなったが、母親のジョセフィーヌやココや姉のアルトリア…皆がにこやかに和んでいたので、ホッとした感じだ!
名前は[ゼム・アルクス]という…
バランスのとれた筋肉質なよい体躯に
精悍な顔だち、年齢はジョセフィーヌ
よりもやや若いぐらいだろうか---。
ジョセフィーヌが彼、つまりは‥
ゼム・アルクスに病も急に癒えて元気になり、病の原因は呪詛だったと全ての経緯を話している。
ジョセフィーヌと相思相愛なのだが、
病気の快復を待って互いに結婚する予定なのだったと説明してくれた。
黒龍.鋼
『のう、もしかしたら、まだ痕跡ある
かも知れんぞ!』
『何故なら、まだ時間がそんなには
経ってないしのう…媒体があるかもな~!』
それを聞いたゼム・アルクスが尋ねる
「[媒体とはどんなものでしょうか?]」
晴樹(媒体かぁ~ああ確かに…)
「何だろうか~!?」
黒龍.鋼
『死骸や木や人形やお皿や縄や剣だな!』
『それと、さっき返したからな急に
原因不明な身体の悪化で病みたいに
なった奴がいたら---』
『もしかしたら そいつが---首謀者か
代行術者の可能性大だな~!』
『返されたら‥また返す術など持って
ないだろうが…』
『こんなモノは、そこいらの人間には、けして扱えるものではない…な。』
ゼム・アルクスはこの港町ために駐屯
している国の警備団の隊長でもあった。
「[その情報.詳しくどうもありがとう
ございます!]」
「[しかし……むーー!]」
「[いったい何処の誰が、呪詛なんてものを…クソが…]」
「[ジョセフィーヌ悪いが…わたしは
ちょっと調べに出てくる!]」
「[まあ、とにかく、こんなに早く病が
癒えてほんと良かった♡]」
ジョセフィーヌやアルトリアやココに
少し話したあと、晴樹達に深くお辞儀してから、彼はかなり憤慨して馬で出て行ったのだった。
ゼム・アルクス曰く………
実は、この港町を管轄している国の法
の中に呪詛は痕跡がなくとも発覚したら、かなりの重罪なのだという。
貴族だろうが関係なく位をはく奪されるとされる。
黒龍..鋼が晴樹らに
『呪詛というモノはな‥
じわりじわりと身体を蝕むモノなのだ!』
『病みたいに‥その毒気と怖さは…その呪詛の強さにもよるが…』
晴樹
「…ああ、ほんとイヤな、ものですな~!
自己中心的な我欲とその嫉妬は…」
「命を軽視するその人間の心…醜い。」
食事も終わり後片付けしているゼンダ
ロシーターたち、ちょっと晴樹は
船長アリアと共に外で一服中だった。
その時だった、木の物陰から一人の男が目は充血し怒りを‥かなり溜めた雰囲気
醜悪な顔つきで此方に早歩きで向かって来た!!
「[おう、お前らは‥どこの誰なんだ!]」
かなりの大声で必死に威圧している
雰囲気だった。
「[お、お前らの中の誰がワシの計画を、阻んだんだよ!]」
「[ジョセフィーヌの新しい彼氏か?
この野郎~ッ!!あ~!]」
手に持って来ていた、短剣を抜きちらつかせてかなり威嚇してくる知らない男。
この騒ぎに、気になったロシーター、サーシェ、アルトリアたちが、チラッと覗いた。
「[ジョセフィーヌは何処だ!]」
晴樹(ちょっとちょっと…何だ?)
「貴方こそ!どこの誰だよ!」
「ジョセフィーヌさんに、何の用でしょうか?」
「はっ、計画って…なに?」
その男は更に怒り怒鳴り、逆上した。
「[うるさいうるせ~~~えええっ!]」
「[ジョセフィーヌをお前…]」
「[早く出せ~ええっ!]」
「[オラッ、邪魔するな~!]」
「[どけ~!!きさま!]」
男が剣を持って晴樹の胸元をつかもう
としてから手を伸ばした、その時…
その男の意識と視線、罵りの矛先が晴樹に強く向いているときに、素早く動き
船長アリアが隙を…ついて短剣を払い落とししっかりと取り押さえた。
ジョセフィーヌに その素性を尋ねる
と…暴れた‥その男の名前は---
ルカシェンコ・バブイ‥大きな商家の
ひとり息子だと言うことだ。
かなり前からジョセフィーヌに欲望を
丸だしですり寄って来てたが、いろいろ断ったら嫌がらせし、 最近は何故か
また家族とかに、嫌がらせが強くなって来た----という感じだったと。
黒龍.鋼が、取り押さえた男を‥睨み付け
暫く睨み付け見てから
『こやつ、今回の呪詛と少しばかり関係ありそうだぞ!』
晴樹(えっ、あっ、そうか…)
「ははは、そうなのですか~この方の
内面を‥覗いたのですね!」
そこに、ゼム・アルクスが 再び早馬で
帰って来て、何事かと駆け寄る。
「[今回な、ジョセフィーヌを‥狙った呪詛が発覚したのだ!)」
「[いろいろ聞きたいが、先ずはお前
ルカシェンコ少し一緒に警備団へ同行
してもらうぞ!」
「[ココに、薬草のウソを‥教えたのも
お前だな!]」
ルカシェンコ・バブイ‥‥をしっかりと
強く縛り上げ駐屯している屋敷へ引きずってゆく。
ゼム・アルクスに黒龍..鋼が告げた。
『よう、もし媒体が見つかっても
絶対に素手でさわるなよ!』
『この港町には教会か神殿はないのか?』
『こちらに持ってこい!
ワシらが始末を手伝ってやる。』
ゼム・アルクス
「[あ、神殿は小さいですが…あります!]」
黒龍..鋼
『そうか、ならば無垢の布を‥神殿で
聖別してもらってから、媒体を掴みして
その布でぐるぐる巻きにしろ!』
ゼム・アルクス
「[はっ、わかりましたぞ!]」
晴樹(あっ、そっか手伝うのかな~)
「なんか、まだ気にかかる事があるのですか?」
結局は‥ジョセフィーヌさんの家に
暫くお世話になることになった。
============================
一晩過ぎて、次の日の午後あたり
この港町の警備団の隊長でもあるゼム・アルクスが馬に乗りてやって来た。
「[判明しましたぞ!!]」
「[口から泡を吹いて頭を抱えてから
倒れた熟年層の占術者の女が依頼され
呪詛したと白状した!]」
黒龍.鋼
『そっか、やっぱり、泡を吹いていた
のか…死んではいないのだな!』
晴樹
「やっぱり、女だったのか…」
「あれ?では…ルカシェンコ・バブイ
との関連性はどうなる---?」
ゼム・アルクス
「[ええ、当人は死んではいないが、
まだ話しが出来ないからな…だが!
その弟子が全て語った。]」
「[全て捕まえ厳正な裁きをきちんと
受けさせるわい!]」
「[あ奴との関連性も見えてきたですわ!ルカシェンコ…]」
ゼム・アルクスは、厳重に布で幾重に
巻いた何かのモノを木箱に入れ脇に抱えていた。
「[たぶん、これですわ!呪詛媒体は…
よろしくお願いいたします!]」
晴樹(良いのかな~ッ!)
「あれ?証拠品として保存は大丈夫な
のですか?」
ゼム・アルクス
「[ええ、後からもらい受けます!]」
黒龍.鋼
『ああ、処理したら ただの脱け殻に
なるから、だから大丈夫だ!』
『ちょっと晴樹殿、一緒に来い!』
やじ馬ではないが、ロシーター、サーシェや船長アリアたちがついて来た。
木箱から取り出し巻いた布から取り
出した媒体…つまり呪詛物は…
晴樹からはナニやら意味不明の文字と
記号と象徴する絵が描かれた黒赤い革布と短剣とヘビのミイラだった。
蛇のミイラの胴体には短剣が刺さって
いたであろうか、名残があった。
ロシーターとゼンダが
「あーこれはダメだわ!」
「これは、アサメイですな…術のときに
使う儀式短剣ですわ!」
「でも、すごい魔々しい…モノですわ!」
「革布は、たぶん------魔法円??」
黒龍.鋼
『よし、周りに浄化結界を‥張るぞ!』
『ロシーターたち、断ち斬りてから
もし残りが溢れ出て逃げるようなら
悉く消してくれるかな~!』
そして結界の中で、その短剣に革布を
ぐるぐるに強くしっかり巻いてから
晴樹の持っている神剣を手に取りて
革布と呪詛短剣の上から、思いきり
神剣を突き立てた。
『呪詛、魔なる邪悪なるモノよ!』
『残らず我の火炎に喰われよ!』
物質や物の中には、物霊が宿る事があるのだ。
呪詛の魔性と化してしまった実物の革布と短剣の中に強く宿るもの…
呪詛の根源たる魂、それの殻を斬り裂き
神剣の力である火炎で燃やしてゆく----
ウオォォォ~ッッと叫び、ときに悲鳴
混じりの黒い口を大きく開け叫ぶ!
長く伸びる影ようなたくさんの塊が
数多く沸きだすが…ソレらはあっという間に全て炎に包まれ消滅してしまった。
残りわずかなモノが逃げたが‥そちらも
消し去る。
燃やす前の黒赤い革布は、何度も何度も、剣で突き刺した痕跡が残っていた。
蛇のミイラは燃やして灰にしてから、
土の中に丁重に埋めた。
ゼム・アルクスによると、呪詛は熟年層の占術者は代行者でしかなく首謀者は
別にいて‥そそのかしたり、裏から協力していたのが、たぶんルカシェンコ・バブイだと理由は腹いせ、逆恨みだろうと
黒龍.鋼がゼム・アルクス
に尋ねた。
『なあ、残りのヘビの亡骸はなかった
のかな?』
ゼム・アルクス
「[ああ、ヘビはありましたですわ!!]」
すると、黒龍..鋼は---
『花と実がなる木の根元に 丁重に
それらを埋葬を‥してやりなされ!』
『そしたら、ジョセフィーヌの治りが
より早くなるから---』
ゼム・アルクスはジョセフィーヌや病
が癒えて良かったと皆に深く感謝した。
「[首謀者から、繋がりする者は、ワシが
全て捕まえてやりますわい!]」
と、再び鼻息荒くして語った。
ルカシェンコ・バブイの悪い噂は
港町では有名だが、なかなかズル賢いらしい。
人間、男も、女も同じように…渇愛、
嫉妬、逆恨み、執着心、怨恨、罵り
魔性と化し、ときに強く牙をむく。
ほんと恐いモノなのだ------
ココの姉のアルトリア…母親のジョセフィーヌが深く何度もお礼の言葉と
お辞儀してくれた。
姉のアルトリアとココが、一緒に港までついて来て見送りしてくれる。
「[お兄ちゃん達の船って…おっきいな~!]」
「[本当にありがとう~ッ!]」
港ではボートと漕ぎ手の乗組員が
タバコを‥吹かして待っていた。
「遅かったですね、けっこう待ってましたょ!」
船長アリア
《それはすまない、ごめんな~。》
《さあ、皆さん、乗ってくだされ!》
タラッサネーソス号は港を出ると…
にわかに霧が立ち込めてきて周りから すっぽりと隠すように包んでゆく。
飛ぶように霧の海を帆走するのであった。
サーシェやロシーターやゼンダたち女性は‥仲良く料理を手伝っているようです。
魚介類のトマトスープ、カジキのソテー、黒パン、茹でワタリガニ、ハム、ちょっとした果物もあった。
晴樹達が仲良母親のジョセフィーヌ、--
ココ、姉のアルトリアと話しを‥しながら食事しているところに…
人が来たようだ‥その男性は軽装鎧を‥
身につけて馬で母親のジョセフィーヌの病を心配してからたずねて来たようです。
「[ジョセフィーヌ、大丈夫か~!?]」
見知らない晴樹らに、一瞬だけ少し表情が固くなったが、母親のジョセフィーヌやココや姉のアルトリア…皆がにこやかに和んでいたので、ホッとした感じだ!
名前は[ゼム・アルクス]という…
バランスのとれた筋肉質なよい体躯に
精悍な顔だち、年齢はジョセフィーヌ
よりもやや若いぐらいだろうか---。
ジョセフィーヌが彼、つまりは‥
ゼム・アルクスに病も急に癒えて元気になり、病の原因は呪詛だったと全ての経緯を話している。
ジョセフィーヌと相思相愛なのだが、
病気の快復を待って互いに結婚する予定なのだったと説明してくれた。
黒龍.鋼
『のう、もしかしたら、まだ痕跡ある
かも知れんぞ!』
『何故なら、まだ時間がそんなには
経ってないしのう…媒体があるかもな~!』
それを聞いたゼム・アルクスが尋ねる
「[媒体とはどんなものでしょうか?]」
晴樹(媒体かぁ~ああ確かに…)
「何だろうか~!?」
黒龍.鋼
『死骸や木や人形やお皿や縄や剣だな!』
『それと、さっき返したからな急に
原因不明な身体の悪化で病みたいに
なった奴がいたら---』
『もしかしたら そいつが---首謀者か
代行術者の可能性大だな~!』
『返されたら‥また返す術など持って
ないだろうが…』
『こんなモノは、そこいらの人間には、けして扱えるものではない…な。』
ゼム・アルクスはこの港町ために駐屯
している国の警備団の隊長でもあった。
「[その情報.詳しくどうもありがとう
ございます!]」
「[しかし……むーー!]」
「[いったい何処の誰が、呪詛なんてものを…クソが…]」
「[ジョセフィーヌ悪いが…わたしは
ちょっと調べに出てくる!]」
「[まあ、とにかく、こんなに早く病が
癒えてほんと良かった♡]」
ジョセフィーヌやアルトリアやココに
少し話したあと、晴樹達に深くお辞儀してから、彼はかなり憤慨して馬で出て行ったのだった。
ゼム・アルクス曰く………
実は、この港町を管轄している国の法
の中に呪詛は痕跡がなくとも発覚したら、かなりの重罪なのだという。
貴族だろうが関係なく位をはく奪されるとされる。
黒龍..鋼が晴樹らに
『呪詛というモノはな‥
じわりじわりと身体を蝕むモノなのだ!』
『病みたいに‥その毒気と怖さは…その呪詛の強さにもよるが…』
晴樹
「…ああ、ほんとイヤな、ものですな~!
自己中心的な我欲とその嫉妬は…」
「命を軽視するその人間の心…醜い。」
食事も終わり後片付けしているゼンダ
ロシーターたち、ちょっと晴樹は
船長アリアと共に外で一服中だった。
その時だった、木の物陰から一人の男が目は充血し怒りを‥かなり溜めた雰囲気
醜悪な顔つきで此方に早歩きで向かって来た!!
「[おう、お前らは‥どこの誰なんだ!]」
かなりの大声で必死に威圧している
雰囲気だった。
「[お、お前らの中の誰がワシの計画を、阻んだんだよ!]」
「[ジョセフィーヌの新しい彼氏か?
この野郎~ッ!!あ~!]」
手に持って来ていた、短剣を抜きちらつかせてかなり威嚇してくる知らない男。
この騒ぎに、気になったロシーター、サーシェ、アルトリアたちが、チラッと覗いた。
「[ジョセフィーヌは何処だ!]」
晴樹(ちょっとちょっと…何だ?)
「貴方こそ!どこの誰だよ!」
「ジョセフィーヌさんに、何の用でしょうか?」
「はっ、計画って…なに?」
その男は更に怒り怒鳴り、逆上した。
「[うるさいうるせ~~~えええっ!]」
「[ジョセフィーヌをお前…]」
「[早く出せ~ええっ!]」
「[オラッ、邪魔するな~!]」
「[どけ~!!きさま!]」
男が剣を持って晴樹の胸元をつかもう
としてから手を伸ばした、その時…
その男の意識と視線、罵りの矛先が晴樹に強く向いているときに、素早く動き
船長アリアが隙を…ついて短剣を払い落とししっかりと取り押さえた。
ジョセフィーヌに その素性を尋ねる
と…暴れた‥その男の名前は---
ルカシェンコ・バブイ‥大きな商家の
ひとり息子だと言うことだ。
かなり前からジョセフィーヌに欲望を
丸だしですり寄って来てたが、いろいろ断ったら嫌がらせし、 最近は何故か
また家族とかに、嫌がらせが強くなって来た----という感じだったと。
黒龍.鋼が、取り押さえた男を‥睨み付け
暫く睨み付け見てから
『こやつ、今回の呪詛と少しばかり関係ありそうだぞ!』
晴樹(えっ、あっ、そうか…)
「ははは、そうなのですか~この方の
内面を‥覗いたのですね!」
そこに、ゼム・アルクスが 再び早馬で
帰って来て、何事かと駆け寄る。
「[今回な、ジョセフィーヌを‥狙った呪詛が発覚したのだ!)」
「[いろいろ聞きたいが、先ずはお前
ルカシェンコ少し一緒に警備団へ同行
してもらうぞ!」
「[ココに、薬草のウソを‥教えたのも
お前だな!]」
ルカシェンコ・バブイ‥‥をしっかりと
強く縛り上げ駐屯している屋敷へ引きずってゆく。
ゼム・アルクスに黒龍..鋼が告げた。
『よう、もし媒体が見つかっても
絶対に素手でさわるなよ!』
『この港町には教会か神殿はないのか?』
『こちらに持ってこい!
ワシらが始末を手伝ってやる。』
ゼム・アルクス
「[あ、神殿は小さいですが…あります!]」
黒龍..鋼
『そうか、ならば無垢の布を‥神殿で
聖別してもらってから、媒体を掴みして
その布でぐるぐる巻きにしろ!』
ゼム・アルクス
「[はっ、わかりましたぞ!]」
晴樹(あっ、そっか手伝うのかな~)
「なんか、まだ気にかかる事があるのですか?」
結局は‥ジョセフィーヌさんの家に
暫くお世話になることになった。
============================
一晩過ぎて、次の日の午後あたり
この港町の警備団の隊長でもあるゼム・アルクスが馬に乗りてやって来た。
「[判明しましたぞ!!]」
「[口から泡を吹いて頭を抱えてから
倒れた熟年層の占術者の女が依頼され
呪詛したと白状した!]」
黒龍.鋼
『そっか、やっぱり、泡を吹いていた
のか…死んではいないのだな!』
晴樹
「やっぱり、女だったのか…」
「あれ?では…ルカシェンコ・バブイ
との関連性はどうなる---?」
ゼム・アルクス
「[ええ、当人は死んではいないが、
まだ話しが出来ないからな…だが!
その弟子が全て語った。]」
「[全て捕まえ厳正な裁きをきちんと
受けさせるわい!]」
「[あ奴との関連性も見えてきたですわ!ルカシェンコ…]」
ゼム・アルクスは、厳重に布で幾重に
巻いた何かのモノを木箱に入れ脇に抱えていた。
「[たぶん、これですわ!呪詛媒体は…
よろしくお願いいたします!]」
晴樹(良いのかな~ッ!)
「あれ?証拠品として保存は大丈夫な
のですか?」
ゼム・アルクス
「[ええ、後からもらい受けます!]」
黒龍.鋼
『ああ、処理したら ただの脱け殻に
なるから、だから大丈夫だ!』
『ちょっと晴樹殿、一緒に来い!』
やじ馬ではないが、ロシーター、サーシェや船長アリアたちがついて来た。
木箱から取り出し巻いた布から取り
出した媒体…つまり呪詛物は…
晴樹からはナニやら意味不明の文字と
記号と象徴する絵が描かれた黒赤い革布と短剣とヘビのミイラだった。
蛇のミイラの胴体には短剣が刺さって
いたであろうか、名残があった。
ロシーターとゼンダが
「あーこれはダメだわ!」
「これは、アサメイですな…術のときに
使う儀式短剣ですわ!」
「でも、すごい魔々しい…モノですわ!」
「革布は、たぶん------魔法円??」
黒龍.鋼
『よし、周りに浄化結界を‥張るぞ!』
『ロシーターたち、断ち斬りてから
もし残りが溢れ出て逃げるようなら
悉く消してくれるかな~!』
そして結界の中で、その短剣に革布を
ぐるぐるに強くしっかり巻いてから
晴樹の持っている神剣を手に取りて
革布と呪詛短剣の上から、思いきり
神剣を突き立てた。
『呪詛、魔なる邪悪なるモノよ!』
『残らず我の火炎に喰われよ!』
物質や物の中には、物霊が宿る事があるのだ。
呪詛の魔性と化してしまった実物の革布と短剣の中に強く宿るもの…
呪詛の根源たる魂、それの殻を斬り裂き
神剣の力である火炎で燃やしてゆく----
ウオォォォ~ッッと叫び、ときに悲鳴
混じりの黒い口を大きく開け叫ぶ!
長く伸びる影ようなたくさんの塊が
数多く沸きだすが…ソレらはあっという間に全て炎に包まれ消滅してしまった。
残りわずかなモノが逃げたが‥そちらも
消し去る。
燃やす前の黒赤い革布は、何度も何度も、剣で突き刺した痕跡が残っていた。
蛇のミイラは燃やして灰にしてから、
土の中に丁重に埋めた。
ゼム・アルクスによると、呪詛は熟年層の占術者は代行者でしかなく首謀者は
別にいて‥そそのかしたり、裏から協力していたのが、たぶんルカシェンコ・バブイだと理由は腹いせ、逆恨みだろうと
黒龍.鋼がゼム・アルクス
に尋ねた。
『なあ、残りのヘビの亡骸はなかった
のかな?』
ゼム・アルクス
「[ああ、ヘビはありましたですわ!!]」
すると、黒龍..鋼は---
『花と実がなる木の根元に 丁重に
それらを埋葬を‥してやりなされ!』
『そしたら、ジョセフィーヌの治りが
より早くなるから---』
ゼム・アルクスはジョセフィーヌや病
が癒えて良かったと皆に深く感謝した。
「[首謀者から、繋がりする者は、ワシが
全て捕まえてやりますわい!]」
と、再び鼻息荒くして語った。
ルカシェンコ・バブイの悪い噂は
港町では有名だが、なかなかズル賢いらしい。
人間、男も、女も同じように…渇愛、
嫉妬、逆恨み、執着心、怨恨、罵り
魔性と化し、ときに強く牙をむく。
ほんと恐いモノなのだ------
ココの姉のアルトリア…母親のジョセフィーヌが深く何度もお礼の言葉と
お辞儀してくれた。
姉のアルトリアとココが、一緒に港までついて来て見送りしてくれる。
「[お兄ちゃん達の船って…おっきいな~!]」
「[本当にありがとう~ッ!]」
港ではボートと漕ぎ手の乗組員が
タバコを‥吹かして待っていた。
「遅かったですね、けっこう待ってましたょ!」
船長アリア
《それはすまない、ごめんな~。》
《さあ、皆さん、乗ってくだされ!》
タラッサネーソス号は港を出ると…
にわかに霧が立ち込めてきて周りから すっぽりと隠すように包んでゆく。
飛ぶように霧の海を帆走するのであった。
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